こんにちは!
最近タピオカを味わっている良玄です
もう遅いかもしれませんが
私の中では空前のタピオカブーム
別名BOVAと言うことも最近知りまして
なんとかブームに乗っかっております
そんなタピオカが実は80年代にも流行っていたとは
やはり流行というのは繰り返される
そんなこともタピオカから改めて学んでおります
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さてそんな今回のテーマは
お坊さんの衣装
袈裟(けさ)と衣(ころも)と作務衣(さむえ)と・・・
ということで久しぶりの禅アイテムシリーズです
というのも先日とある講演をさせていただいた際に
袈裟と衣の違いについて色々と聞かれたとので
僧侶の衣装について改めて紹介をしたいと思います
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という諺もあるように
お坊さんの衣装=袈裟
のイメージが大変強いのかと思いますが
実はお坊さんの衣装は基本的に衣(ころも)です
これはもちろん宗派による違いもありますが
袈裟は基本的に衣の上からまとう布を指します
五条・七条・九条と長さの違いはありますが
ぐるりと身体を一周する形で
衣の上からまかれている布を袈裟と呼びます
(茶色が袈裟で黒が衣)
これに対して坊主がまず身にまとう衣装が衣(ころも)です
黒い衣を黒衣(こくえ)
紫色の衣を紫衣(しえ)
赤や朱色の衣となると緋の衣(ひのころも)
なんて呼んだりします
また衣の違う言い方として
直綴(じきとつ)とも呼んだりします
「この直綴オシャレですね」
なんて僧侶に言うとあっと驚かれること間違いなしです
だいぶ聞きなれない言葉かと思いますが
昔は衣も袈裟も同じであったそうで
のちに両者が区別されるようになったときに
直綴(じきとつ)とも呼ぶようになりました
そしてこの衣=直綴こそが
お坊さんの衣装の最もメインのものであり
色の違いや形の違いなど様々なバージョンがありますが
最も着用している頻度が高いものになります
ですのでお坊さんの着ているあの黒い衣装は
袈裟ではなく衣であるわけであります
またここからがややこしいのですが
袈裟にも本当に色々な種類があり
宗派によってつけている物や形が大分違います
例えば臨済宗では絡子(らくす)と呼ばれる前掛けのような袈裟を
衣=直綴の上から掛ける場合が非常に多いです
これは通常の七条袈裟を身に着けると動きづらく
仏具や道具などに粗相をしてはいけないために
少しコンパクトにして動きやすさを重視した形
にしたものであります
(青いのが絡子で前の写真の茶色が七条袈裟)
他にも大絡子(おおがら)と呼ばれる
絡子をもう少し大きくした袈裟や
輪袈裟(わげさ)と言って
輪っか状のものを首から下げる袈裟
もあります
兎にも角にも
お坊さんの衣装は衣と袈裟に分かれており
それぞれ呼び方や物自体が異なる
ということを知っていただけると有難いです
その講演会で衣装について聞かれた際に
これが衣だとしたらこれは何
袈裟と衣は何が違うの
お坊さんの衣装は全部袈裟と呼ぶのだと思っていた
と色々と坊主をしていると気づかない指摘を頂きましたので
今回はお坊さんの衣装を紹介させていただきました
そして最後に坊主が庭仕事や掃除をする際に着る衣装が
作務衣(さむえ)になります
よく旅館の室内着であったり甚平によく似ているので
馴染のある方も多いかと思います
これも作務(さむ)と呼ばれる労働をする際に着る物として
昔からお坊さんに慣れ親しんだ衣装でありました
(上下に分かれていて下はパンツスタイル)
ちなみに正装の順番でいくと
袈裟→衣→作務衣
といった具合でして
タキシード→スーツ→ジャケットにパンツ
にそれぞれ対応した形かと思います
ですのでお坊さんの披露宴などでは
黒衣に絡子(コンパクトな袈裟)が王道スタイルなのですが
どうしてもお葬式のイメージが強くビックリされる場合が多いです
ここ最近では気候も温暖化しているので
そろそろお坊さんの衣装にもクールビスが適用され
衣が涼しく改良されることも密かに願っております
世界のお坊さんともなると
またさらに違った衣装を様々に着こなしているので
その違いも添えてお寺などを観光すると
また一つ深みのある旅ができるのではないでしょうか
暑い熱い季節となってきましたが
衣装も工夫をして何とか乗り切っていきたいと思います
良玄合掌
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