過去記事の修正 79
クラシック編
クラシックもたまってしまいました。お気づきだと思いますが、更新した記事は青のバックに白抜きの文字のタイトルに変更しています。
RCAに録音したアルバムの中から彼らの演奏する行進曲を集めたもので構成されています。普通、マーチは吹奏楽団が演奏するものでこうしたシンフォニックなオーケストラが演奏すると少々違和感があるものです。そういう点では、このフィードラーの演奏はすべてにバランスが取れています。確かにクラシックの作曲家の作品が多く含まれていますが、ポップスオケとしての演奏と割り切ってかなり編曲を施し、ちゃんと行進出来るテンポで演奏しています。また、この編曲が洒落ています。
EMIの録音にいいイメージがない事は今までも書いてきましたが、そういう認識は改めないといけないかも知れません。車に搭載のシステムはエクリプスのオールイン・ワン型なのでたいした物ではないのですが、そこに広がる音場はすこぶる快適なものです。そして、このCDの音はそれに合っていました。時々こういうCDが存在するのですが、それはもっぱらポップス系のものです。クラシック系のものではあまりこういう印象は持たないので驚きました。ひょっとして、この録音はミニコンポ用のシステムで最良のプレゼンスが得られるように収録されているのかと思ったほどです。
もう一つテンシュテットです。テンシュテットのベートーヴェンは意外に少なく、スタジオ録音されたのはこの「田園」と第8番だけです。EMIからは「英雄」も発売されていますがそちらはライブ録音です。最近のテンシュテット・ブームの中で眠っていたライヴ録音が次々と発掘されCD化されていて、今では全曲揃います。ところで、この録音当時の1985年10月、癌の告知を受けていますからまさに病魔との戦いの中での録音ということになるのでしょう。そんな訳で追加収録は1986年3月と年を跨いでいます。まあ、そういう背景がある録音なのですが演奏からはそういう暗さは全く感じられません。
このミュンシュの演奏を聴いてその骨太の音楽作りにびっくりしたほどです。こういう演奏を聴くとシューベルトがまぎれも無いドイツ・オーストリア系の音楽家であった事が改めて分かります。繊細さとはほど遠い演奏ですが、ボストン響の重心の低い響きを思う存分引き出した演奏で、まるで書道の太い筆での一気書きの様な味わいです。決して奇麗な演奏ではありませんが、曲の本質をえぐる様なこういう演奏は同じドイツ系のベームの演奏とは一味違います。
もう一枚ミュンシュを取り上げます。この録音は初期の「Living Stereo 60」にもシュゥロクされているものですが、その聴こえてくる音は全く違います。ここではその聴き比べをやっていますから、興味のある人は画像をクリックして元記事を読んでみてください。
このアルバムは日本では発売された事が無いようですね。ハルモニアムンディ・フランスからは第3番の英雄がジョルジュ・プルメルデシャーの演奏(HMC901193)で出ていますが、他にあるのかどうか知りません。このダルベルトの演奏は全体に早めでどちらかというと対照的に軽い演奏です。ピアノはスタインウェイを使っているようで結構芯のある音なんですが、全体として軽いという印象の演奏です。
ここでのこだわりは、各曲の独奏ヴァイオリンにも現れており、四季それぞれのヴァイオリン・ソロが一人一人違っています。クリストファー・ハイロンズ(春)、 ジョン・ホロウェイ(夏)、アリソン・バリー(秋)そしてキャサリン・マッキントッシュ(冬)が担当していてそれぞれの使用楽器の音色の違いを楽しむ事が出来ます。面白いのは独奏者に名前は登場しませんが、ロン・グットウィンやピノック盤でソロを担当するサイモン・スタンデイジもメンバーとして参加しているという事です。まあ、録音はこちらの方がやや遅いのでスタンデイジをソロに立てる訳には行きませんわな。
ウィリアムスタインバーグとピッツバーグ交響楽団のコマンド・クラシックの忘れられた一枚です。 ABC/DUNHILL RECORDSから1973年に発売されたレコードです。レーベルはウェストミンスターになっていますが、もともとは1969年にCOMMAND CLASSICS(CC11041SD)として発売されていました。ですから本来のウェストミンスターとは別系列のレーベルでの録音という事になります。このレーベルはイノック・ライトが起こしたレーベルですが、やがてABCに吸収されています。ですから最初はCOMMAND ABCレーベルとして発売されています。今回音源を貼り付けました。
1989年エラートがまだBMG翼下にあった頃発売されたCDです。オリジナルのLPは1984年7月にREL8360として発売されています。エラートとしては初期のデジタル録音になるディスクで、新しい世代のアーティストを使っての録音となっています。もともとエラートにはラスキーヌ/ランパル/パスキエによる名盤がありました。この年にはそちらの演奏もCDで発売されましたが、そちらはLPで所有していましたのでこちらのCDを購入したのを覚えています。フルートを工藤重典が担当しているのも決め手でした。
いつもは、誰が指揮してもウィーンフィルの響きがあるのですが、ここではクライバーのサウンドに変わってしまっていてるのです。かつて、チェリビダッケが来日して読売日本交響楽団を指揮したときの音が、のちにチェリがロンドン交響楽団と来日して響かせた音と同じであった事がこちらの本に書いてありましたが、そのような現象がここでも起きているのです。クライバーはベートーヴェンの交響曲第7番をバイエルン放送交響楽団ともライブで残していますがまさに同じような響きなのです。