ミスティック・ムード・オーケストラ? 潮風のムード大全集 | geezenstacの森

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ミスティック・ムード・オーケストラ?

 

潮 風 の ム ー ド 大 全 

 

曲目/

 

演奏/ミスティック・ムード・オーケストラ

 

RCA JRS9027-28

 

 

 不思議なレコードです。そもそも、ミスティック・ムード・オーケストラのレコードがRCAレーベルから発売されていることが不思議なのです。レコードのデータベースの「DISCOGS」で検索してもこんなアルバムは存在しませんし、このオーケストラの正規品は例外的にBainbridgeから発売されたものがありますがワーナーかフィリップスから発売されています。以前にもミスティック・ムード・オーケストラの作品は取り上げていますが、それがBainbridgeからリリースされたものでした。

 

 このレコード、発売されたレコード番号を見てもJRSから始まっていて本来のRCAのマトリックスとは違います。原盤はレコード番号と同じ、JRS5027です。

 

 

 YouTubeてせもこのオーケストラの「引潮」はヒットしません。そして、このRCA盤のミスティック・ムード・オーケストラの演奏は、ほぼ効果音が使われていません。わずかにA面の一曲目だけ、冒頭のバックに波の音が収録されて、それらしき雰囲気を醸し出していますが、あとは全く普通の演奏です。

 

 いってみれば日本のスタジオミュージシャンが、こんなアルバムは本家のミスティック・ムード・オーケストラは絶対やらないだろうと推測して作ったいい加減なアルパムと言えます。

 

 何しろストレングスは薄いし、ハワイアンらしき曲目はクラリネットやスティールギターで演奏していてまるでクインテットだけの演奏になっています。推測ですが、提携していたリーダース・ダイジェストのために録音したソースを勝手にRCAレーベルで発売したものではないでしょうか。なを、このレコード後にRVL-9129-30として再発売されています。そちらでのタイトルは「潮風のムード音楽大全集 / ebb tide / tropical mood collection」となっていて、ムード音楽としてアピールしています。

 

 本家のミスティック・ムード・オーケストラはハワイアンなど録音していません。唯一このアルバムと曲目がかぶるのが「夏の日の恋」ですが、本家はここでもきちんと波の音を入れて演奏しています。