いすみ市③ プロセスを重視 協議会ですすめる |  みどり色の地球

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学校給食に有機米100%を!いすみ市農林課の職員に聞く③

当事業に欠かせないのが2012年に発足した「自然と共生する里づくり協議会」という組織体です。環境NPO、移住者支援のNPO、農業者団体、商工会・観光協会など38団体で構成されていて、環境、水稲、野菜、経済部門4つに分かれて自主的に活動しています。農林課が事務局になっています。

お話を聞いていて、ここの組織が非常に上手く機能していると思いました。官民協働で行うものは条例つくったり、補助金出したりしているところが多いです。しかし、いすみ市はそういうものは形骸化しやすく(制度や条例も大切だが)人と人の距離が近い自治体なので、市民の皆さんが価値を認めることや、そういう存在であり続けるという実態が大切だと話されました。ゼロからスタートして、一歩一歩成功体験を共有してきて、自信も誇りももっているし、更なる目標があるので、皆さん主体的に動いているそうです。

 

2013年に有機米を作り始めるのもここで決めました。2014年に収穫された4tの有機米を学校給食に活用することを決めたのもこの協議会です。安心安全なお米は子どもたちに食べてもらいたいと提案し、市長もすぐにやろうということで、2015年5月を有機米月間にしました。

 

「なぜ農薬をつかわないのか」「なぜ広げていくのか」その意味を確認するために勉強会やシンポジウムなどを企画し、市長も最初から最後まで参加したり、協議会はかなり濃密な時間を過ごしてきました。「学校給食のお米を全量有機米にしよう!」という市長の想いが非常に強かったそうです。生産者も協力してくれて、2018年から全量導入になりました。さらに農家数も生産量も増やし、2020年には、23農家25ha、収量100tが実現します。

2018年、有機米の給食への全量導入が新聞などでとりあげられると、「私たちの有機野菜も使って欲しい」とおばちゃんグループから声がかかりました。「待っていました!」とばかり協議会の中に野菜部門をつくりました。小規模の農家さんばかりですが有機野菜は2年で7品目の活用につながっています。

 

会場から、鮫田さんがいなくなったら事業が後退してしまうのではないかと心配の声もありましたが、この協議会が主体的に活動しているから大丈夫、また後任の職員で継続できる体制になっているということでした。

①  学校給食に有機米100%を!いすみ市農林課の職員に聞く

② 生物多様性条約COP10から有機米づくりへチャレンジまで

③ プロセスを重視 協議会ですすめる

④  除草剤や農薬使わなくて大丈夫?

⑤  お手本はコウノトリの街・豊岡市 稲葉先生の門下生となって

⑥  縁の下の力持ち 行政の役目

⑦  学校の総合学習にも飛び込んで環境教育を

⑧  称賛や反響 住みたいまちNO1は予防原則を言える街

⑨ 有機米で活気あふれるまちづくりの未来

➉ すごい成果をあげている事業の裏には必ず頑張る職員がいます