メタルギアソリッド5感想 フルトン回収が面白すぎる | 司法書士のゲームブログ

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  • 10月のフリープレイで配信されたタイトルなのだが、これが面白すぎる。今年遊んだゲームの中でも1、2を争うレベル。フリープレイで新しいタイトルが配信される度に思うのだが、こんな凄いゲームを(月額500円の会員費があるとはいえ)タダで遊べてしまって本当にいいのだろうか。既に100時間近く遊んでいるが、まだストーリーもクリアできておらずボリュームも半端じゃない。

 

 

 

  • しかしレビューサイト等を見てみると妙に評判が悪い。特にシリーズファンの人達からは酷評を受けている。どんなゲームでもそうだが、やはり初シリーズというのは純粋な気持ちで楽しめるのだろう。比較対象がないので、大抵の欠点は「そういうもんだ」と受け入れてプレイできる。メタルギアのような有名シリーズは既に土台が完成しているのでなおさら。シリーズ内での比較はともかく、ゲームそのものは決して酷評されるような代物ではない。特に自分はドハマりしたので、この作品のゲーム性と相性が良いらしい。

 

  • このゲームで特に面白いのがフルトン回収。気球を使って敵兵を回収するというものなのだが、気球をグレードアップすることによって回収できるものがどんどん増えていく。敵兵や捕虜はもちろん、銃座、資源コンテナ、車両、挙句の果ては戦車など、戦い方を工夫すれば敵のリソースを根こそぎ奪うことが可能。もちろん回収によるメリットも大きく、資源コンテナの山を見たときなどは目の色が変わる。

 

  • メタルギアやスネークはスマブラぐらいでしか知らなかったので、もっと色々な重火器を使って派手にドンパチするゲームだと思っていたのだが、全然違う。そういう戦い方もできなくはないが、スネーク1人で敵陣に侵入しなければならないのでかなりしんどい戦いになるし、敵兵は回収できず評価ポイントが下がるなどメリットも小さい。

 

  • 敵兵たちも根は結構いい奴らだったりする。あるミッションでは捕虜を励ましたり、尋問しても仲間の情報をなかなか明かさなかったり、「もうすぐ祖国に帰って娘に会えるんだ」とか言って自分から死亡フラグを立ててくるので殺すには忍びなく、なんとしても回収してやりたくなる。そのほうがスコアも良くなりやすい。

 

  • フルトン回収するためには敵を無力化する必要がある。しかし銃で敵を傷つけてしまうと回収の成功率が下がる。そこで基本は締め上げて気絶させるか、麻酔銃で眠らせる。無論、相手は武装した兵士なのでこちらに気付けば躊躇なく攻撃してくる。だから基本は相手の気付かない死角から、こっそりと忍び寄る必要がある。銃でドンパチするゲームだと思ったらまるで違う。

 

  • 回収した兵士は、自分の基地であるマザーベースで部下として働いてくれるようになる。兵士が集まるほど基地のレベルが上がり攻略が有利になっていくうえ、スタッフ一覧で優秀な人材が集まっているのを眺めているだけでもニヤニヤできる。双眼鏡をグレードアップすると兵士を見ただけで能力が分かるようになっており、能力S以上を持った敵兵だとミッションそっちのけで回収したくなるし、逆に能力が低いとどうでもよくなる(というか、マザーベースに入りきらないので解雇することになる)。気分はまるでドラゴンボールのスカウターである。

 

ずらりと並んだ優秀なスタッフの名簿を眺めれば、フルトン回収にかけた苦労も報われる

 

 

  • 長らく愛用していたのは麻酔用のハンドガン「ウインダージャ サイレントピストル」。ダメージ性の銃は敵を傷つけてしまうのでフルトン回収には向かない。麻酔用のスナイパーライフルならスコープが付いており狙いを定めやすいが、狙撃時の発砲音があまりにも大きく、敵に潜入していることが1発でバレる。絞め技などのCQCなら音を立てずに済むが、相手の懐まで潜り込まなければならずこちらの気配を察知されている状態では使いづらい。麻酔用ハンドガンなら相手を傷つけず、サプレッサーが壊れない限り音も立てず、なおかつある程度離れていても使える。
 
最近ようやくサプレッサー付きの麻酔用スナイパーライフルを開発できたので、今後はこちらのほうが活躍するかもしれない
 
 
  • ヘッドショットを決めれば相手を一瞬で眠らせることができるため、基本はこれを狙っていくことになる。ハンドガンの射程は40メートルほどだが、あまり離れると的を外しやすい。敵を眠らせると他の敵がこちらに気付いてやってくることがあるが、これを逆手に取って敵が接近してくるまでじっと待ち、十分に距離が詰まったらヘッドショットでさらにその敵も眠らせることができる。眠らせた敵をフルトン回収をするとさらに別の敵がこちらに近付いてくるので、ピンチを逆手に取り敵を芋づる式に無力化することができる

 

  • TPSでドンパチするゲームはリアルに寄せすぎてあまり爽快感を得られないことが多いのだが、このゲームはリアルな部分とそうでない部分のバランスがよく、プレイ中のストレスが少ないおかげで長時間でもがっつり遊べる。休日は平気で10時間以上プレイしていたと思う。冷静に考えれば気球で戦車を回収できるわけがないし、「これだけ派手にやって敵が気付かないってあり得なくないか?」と思う場面もあるのだが、そういったリアリティよりゲームの面白さが優先されているのは好感が持てる。メタルギア好きの友人に聞いたところフルトン回収が追加されたのは前作のピースウォーカーかららしいのだが、今の自分にはもうフルトン回収のないメタルギアは考えられない。それぐらいフルトン回収の魅力にどっぷり浸かっている。

 

  • 既に100時間近く遊んでいるのだが、これだけ時間がかかっているのは自分のプレイスタイルにも原因がある。とにかく不殺&全回収を目指すせいで時間がかかりがち。最初はそこまでやり込むつもりはなかったのだが、あまりに面白いので最近はランクSやミッションタスク達成まで目指すようになってきた。今のところミッション14「リングワ・フランカ」まで完全クリアを達成している。

 

  • 最初の頃は隠密行動が下手で、すぐ敵に見つかっては戦闘態勢に入られ、増援を呼ばれてはどんどんグダグダになるパターンが多く、1つのミッションをクリアするのに2時間以上かかることもあった。しかし慣れてくると劇的にクリア時間が短くなるゲームでもある。最初は2時間かかっていたミッションも、慣れてしまえば10分かからない。

 

  • ストーリーも相当に面白い。ミッション1だけで映画1本ぶんぐらい楽しんだような気分だったし、ミッション31でひとまず1つの区切りを迎えるのだが、かなり練られた濃度の高いストーリーを楽しめる。というか、ミッション31までで既に並の良作2本ぶんぐらいは遊んだ気分だったのだが、これだけ遊んで「第1章 完」と出てきたときはさすがに笑った。一体このゲームはどこまで遊ばせてくれるつもりなのか。

 

  • しかし、このストーリーがどうにも曲者らしい。メタルギア好きの友人いわく、5はゲームとしては最高だが、重大な欠点がある。その欠点の半分はストーリーで、もう半分はシリーズファンとして許せなかった部分があるらしい。しかし1章の時点でこれだけ素晴らしいストーリーを見せてくれたゲームが、2章でそこまで評価を落とすようなことがあるのだろうか。

 

  • 確かに2章に入ってから少しテイストが変わったと思うところはある。ミッションの大半が以前クリアしたものの高難度版で、肝心のメインストーリーが遅々として進まない。今のところミッション42まで進んでいるのだが、ミッション31までがメタルギア5の本編で、それ以降はおまけとして割り切ってプレイしたほうが良いかもしれない。1章だけでもボリュームは十分だし、そう考えたほうがダメージが少なくて済むような気がする

 

  • 本編だけで語り切れなかった設定などについてはカセットテープで補完される。つまり声のみ。たしかメタルギア4はムービーが多すぎて邪魔だとかいう評判を聞いたことがあるので、その反省を活かしたのだろう。

 

  • スマブラぐらいでしかスネークを知らなかったので、もっとユーモア溢れる面白い人物だと思っていたのだが、普通に「熱い漢」といった感じの格好いい性格をしている。そもそも、スマブラのスネークと本作のスネークは別人であるらしい。衝撃の事実。他のシリーズを知らないので回想シーンなどはちょっとついていけなくなる事もあるが、基本的にストーリーを楽しむうえでは問題ない。そもそも物語の雰囲気がかなりガチなのでネタ要素は薄く、ギャグっぽいのはカズのハンバーガーネタぐらいしかない。あとは敵の車両を食い止めるためにアクティブデコイを複数設置するのだが、「待たせたな」「いいセンスだ」と連呼するスネーク型の人形が道にずらっと並ぶことになり、かなりシュール。

 

  • UIは洗練されているとは言えない。異なるアクションに同じボタンが割り当てられているせいで、捕虜を下ろそうとしたら地面にある武器を拾ってしまったり、フルトン回収しようとした車両にうっかり乗り込んでしまったりすることがある。特に後者は、それが原因で敵に発見されてしまうこともあり笑えない。

 

  • 至るところにある坂道も、普通に走って上れる坂なのか、△ボタンを押して上る坂なのか、あるいは上れない坂なのか見ただけでは判別できないのが煩わしい。上れると思った坂が上れずズザザザーッとずり落ちてしまいテンポを阻害する。特に坂道の多いアフガニスタンではこれが多発する。仕方ないので坂道では△ボタンを押しながら走る羽目になる。普通に走って上るのでは駄目だったのか。