「あの日」では、2013年12月21日、ネイチャーから正式にアクセプトの知らせが来たとある。
小保方氏の遺伝子アップは、11月5日であり、アクセプトよりだいぶ前となっている。
そして、遺伝子データの発表は論文発表後、3週間となっている。
一般的な論文スケジュールでは、本論文とほぼ同時期に遺伝子データも発表される事が多いそうだ。
この間、何か起きなかったのであろうか?
桂報告書には、重要な記載があるため、再度、貼り付けることにします。桂報告書の貼り付けは青字
保方氏が様々なバックグラウンドの細胞を寄せ集めてRNA-seq解析、ChIP-seq解析を行ったことは自明であり、論文の記載や公共データベースに登録時の記載と異なる系統やGFP挿入のあるマウスの使用や、本来比較対象とならないデータを並べて論文に使用したことは不正の疑いを持たれて当然のことである。しかし、聞き取り調査などを通じて小保方氏は「条件を揃える」という研究者としての基本原理を認識していなかった可能性が極めて高く、意図的な捏造であったとまでは認定できないと思われる。一方、FI幹細胞データに関しては当初の解析結果が同氏の希望の分布をとらなかったこと、それにより同氏が追加解析を実施していること、当初解析結果と追加解析結果で使用したマウスの種類も含め結果が異なること、複数細胞種を混ぜた可能性が高いこと(故意か過失かは不明)から不正の可能性が示されるが、どのようにサンプルを用意したかを含め同氏本人の記憶しかないため、意図的な捏造との確証を持つには至らなかった。よって、捏造に当たる研究不正とは認められない。
実は、私もこの部分のコピーを貼り付けて、以前の本ブログに以下のように書いている。
https://blogs.yahoo.co.jp/solid_1069/14897556.html
2017/4/13(木) 午後 7:48
以下は、桂報告書からの引用である。この部分の重要性を重ねて強調したい。
引用開始 青字
1)実際に RNA-seq、ChIP-seq に用いた細胞株/マウス系統が論文記載、公共データベー ス登録内容と異なっている ・・・・RNA-seq における FI 幹細胞ではマウス系統が論文記載のものと異なって おり、また ChIP-seq における FI 幹細胞、STAP 幹細胞では論文には記載のない Acr-GFP/CAG-GFP が挿入された細胞が用いられている。これらの実験は全て小保方氏に よりサンプル調製がされているため、どのようにサンプルを用意したのかを中心に聞き 取り調査を実施したが、その当時あった細胞を集めて用意したとの説明しか得られずノート等の記載も見当たらないため詳細は不明であった・・・、
・・・・・・・
第 1 回目の GRAS による RNA-seq データ解析結果が想定していたものと異なっていると の理由により、小保方氏らは、再度サンプルを2013年1月および6月にGRASに提供し・・・・
引用終わり
https://blogs.yahoo.co.jp/solid_1069/14897556.html
2017/4/13(木) 午後 7:48
以下は、桂報告書からの引用である。この部分の重要性を重ねて強調したい。
引用開始 青字
1)実際に RNA-seq、ChIP-seq に用いた細胞株/マウス系統が論文記載、公共データベー ス登録内容と異なっている ・・・・RNA-seq における FI 幹細胞ではマウス系統が論文記載のものと異なって おり、また ChIP-seq における FI 幹細胞、STAP 幹細胞では論文には記載のない Acr-GFP/CAG-GFP が挿入された細胞が用いられている。これらの実験は全て小保方氏に よりサンプル調製がされているため、どのようにサンプルを用意したのかを中心に聞き 取り調査を実施したが、その当時あった細胞を集めて用意したとの説明しか得られずノート等の記載も見当たらないため詳細は不明であった・・・、
・・・・・・・
第 1 回目の GRAS による RNA-seq データ解析結果が想定していたものと異なっていると の理由により、小保方氏らは、再度サンプルを2013年1月および6月にGRASに提供し・・・・
引用終わり
この出来事に関しては、「あの日」では、小保方氏は次のように深い反省を書いているのである。
・・・この時に、次世代次世代シーケンサーによる解析を深めていればその後の疑義は起こらなかったと思うと悔やまれる。・・・
・・・この時に、次世代次世代シーケンサーによる解析を深めていればその後の疑義は起こらなかったと思うと悔やまれる。・・・
これとは別に、本ブログでは、4月9日の日付で、以下の引用も行っている。
https://blogs.yahoo.co.jp/solid_1069/14890265.html
https://blogs.yahoo.co.jp/solid_1069/14890265.html
「あの日」では、どのように書かれているかというと(青字)、
126頁、ただし、次世代シーケンサーの解析に用いられていたアンプルは、若山研にいた時に提出したものと、笹井研から提出されたものが混在してしまった。
若山研での実験の大半は若山先生が用意してくれた特殊な掛け合わせのマウスで行っていたが、若山研の引っ越しの後、私にはそれらのマウスは残されていなかったので、シーケンス解析に用いるマウスの系統をそろえる事ができなかった。
・・・・
リバイスの際の話し合いにおいては、今回の次世代シーケンサーの解析は解析としては浅い解析であり、細胞の性質の傾向をみるだけにすぎない。次の研究できちんとマウスの系統を揃えられた際に、より深く解析して細胞の性質を吟味し、特異的なマーカーなどを探索しようと言いうことになった。
126頁、ただし、次世代シーケンサーの解析に用いられていたアンプルは、若山研にいた時に提出したものと、笹井研から提出されたものが混在してしまった。
若山研での実験の大半は若山先生が用意してくれた特殊な掛け合わせのマウスで行っていたが、若山研の引っ越しの後、私にはそれらのマウスは残されていなかったので、シーケンス解析に用いるマウスの系統をそろえる事ができなかった。
・・・・
リバイスの際の話し合いにおいては、今回の次世代シーケンサーの解析は解析としては浅い解析であり、細胞の性質の傾向をみるだけにすぎない。次の研究できちんとマウスの系統を揃えられた際に、より深く解析して細胞の性質を吟味し、特異的なマーカーなどを探索しようと言いうことになった。
多くのサンプルが若山研にいた頃に作製された。論文のデータとして使用された細胞には、若山研にいた頃に若山先生からChip(クロマチン免疫沈降)は行っても良いが、シーケンサーによる解析は行わないように指示がだされているものもあった。Chipの実験では特定のタンパク質の発言しかわからないが、シーケンサーによる解析を行えば、その細胞の由来などが詳細にわかる。
学とみ子は、「あの日」に書かれた上記の文章を読んで、以下のコメントした。
小保方氏は、なぜ、孤独にも、GRASでの検査用検体として、マウスの選択を独自でしなければならなかったのか?この検体検査におけるマウスの選択に、若山氏はなぜ、協力していないのか?
小保方氏は、実験者の協力が無い状態で、なぜ実験に使用した細胞を持ち込まなければいけなかったのか?
挙句の果てに、小保方氏は、後でさんざん無能者呼ばわりされなければならないのか?
実験動物の選択や幹細胞については、小保方氏の責任範囲を逸してることではないのか?
桂調査委員会の文章を読むと、遺伝子解析された細胞については、ねつ造、不正というようなレベルで評価できず、その以前の問題であると言っているようだ。
つまり、検体の集め方、出し方の根本的ミスを指摘している。
調査委員会は、小保方氏がそうした状況に陥った理由をヒアリングしているのか?
共同研究者の非協力に問題があることを指摘しないのか?
調査委員会のタスクとして、窮地に陥っている実験者でもフェアに扱うべきで、特に実験に慣れない新人実験者を守るためのスタンスは必要であったと思う。
小保方氏は、共著者間でのトラブルが解決せず、孤独で苦しい状況で行われた実験の実態を、「あの日」に書いている。
とにかく、論文作製の途中で、若山氏が実質論文を放棄したことが、小保方氏を窮地に追い込んだ要因とつながっているように思う。