全身のかゆみ・湿疹(蕁麻疹?)と整体治療
酸性皮脂膜の整体治療で、7診目で緩解した症例の解説です。
患者Yさん=39才-男性-会社員の症例
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① Yさんの病歴・・・
Yさんは全身の色々な部位にかゆみの強い湿疹があるそうです。成人後に生じるようになってきたそうです。接客業であるYさんはお客さんの前で頻繁に掻把する事もままならないので、湿疹・かゆみを治したいのですが、皮膚科で処方される塗布薬ではその効果があまり長くなく、出社すると(服を脱がないと塗布できないので)帰宅まで塗布できず、困った状況が続いているそうです。Yさんは「胃もたれ(FD)」や「性欲減退と陰嚢痛(射精痛)」などの色々な愁訴があり、それらの治療を希望されていましたが、上記理由でこの湿疹も早めに治したい愁訴だそうです。
② Yさんの診察
【かゆみ、湿疹に関する所見】
・主な湿疹・かゆみのある部位は左右の腋窩、鼠径部、大腿内側、膝窩、下腿内側などです。中でも一番痒いのは鼠径部だそうです。
・湿疹の原因は不明だそうです。ただアトピー性皮膚炎では無いそうです。
・視診上、上記部位にはピンク色から赤色に近い掻把痕or発赤が残っており、所々にブツブツとした湿疹が散在していました。
・特段の出血傾向は無いそうです。また黄疸も認められませんでした。
【その他の愁訴の所見】
・胃もたれの部位はみぞおちから臍にかけてで、チクチクと痛くなることもあるそうです。
・排便は毎日あり、硬めの便が出るそうです。ただ1日に5~6回はトイレに行き、少量ずつしか出ないそうです。
・食欲は普通くらいだそうです。
・下血の経験は無く、眼瞼結膜はピンク色でした。
・腹部聴診上、グル音はやや弱めでしたが血管雑音はありませんでした。
・腹部触診上、臍の左右の縦のライン上に緊張と圧痛があり、それは左右の恥骨結節~浅鼠径部輪付近にまで続いていました。また、左右の腸骨筋の停止部にも著明な緊張と圧痛がありました。さらに心窩部にも緊張と圧痛がありました。腫瘤感・抵抗感はありませんでした。
・頸部前面の筋肉群に著明な緊張と圧痛がありました。
・問診上、やや不眠症気味で熟睡感が無く、昼間の仕事中に睡魔が出てだるくなるそうです。夢はあまり見ないそうです。また手足の末端の冷え性があるそうです。さらに頭痛や肩こり、背中のこりなどもあり、アレルギー性鼻炎による鼻水と鼻づまりがひどいそうです。
・気管は正中にあり甲状腺の肥大や萎縮はありませんでした。脈は80回/1分でした。Yさんは「自分は低血圧で、自宅で測ると上が85mmHgで下が60mmHgくらいです」と仰っていました。ただ、脈診所見では100mmHg前後ある感触だったので、改めて確認すると「病院での検査では(上が)100mmHgくらいです」と仰っていました。
③ 治療目標と整体治療
⑴ 鎖骨下動脈、腋窩動脈、深・浅腸骨回旋動脈、閉鎖動脈、大腿動脈の循環を改善する
⑵ 上記⑴でもって腋窩、鼠径部、大腿内側、膝窩、下腿内側の酸性皮脂膜の修復と表皮-真皮の局所免疫力および細胞再生能力の改善を図る
⑶ 自律神経を調整する
・鎖骨下動脈、腋窩動脈、深・浅腸骨回旋動脈、閉鎖動脈、大腿動脈解放テクニック
・迷走神経および交感神経幹解放テクニック
・頭蓋仙骨療法
④ 経過と結果・・・
・3診目来院時、
まず鼠径部の湿疹とかゆみが緩和してきていたそうです。
・4診目来院時、
「鼠径部のかゆみは2/10以下になっています。他のところもだいたい半分以下ですが、腋のしただけはあまり変化がありません」と仰っていました。
・5診目来院時、
「腋のしたは半分くらいですが、それ以外の所は1/10以下にまで減っています」と仰っていました。
・7診目来院時、
「鼠径部を含めてほぼ気にならなくなっています。でも、やはり脇のしたはまだ少しかゆみが残っていますね」と仰っていました。ただこの7診目で主訴の胃もたれをはじめその他の愁訴の大半が緩解していましたので、脇のしたのかゆみが若干残っていましたが、これで様子を見てもらうことにしました。
⑤ 今回の症例の概説、、、
・今回のYさんの湿疹・かゆみの原因は皮膚科の専門医でも原因不明でしたが、逆に言うと生命にかかわるような、あるいは膠原病などの厄介な病態の可能性は低いのでは、と予想されます。その上で、湿疹やかゆみが治癒しにくい原因を想像していくと、皮膚の防御機能に障害が生じていて、それが頑固な湿疹・かゆみの主因ではないか、と思われました。
・皮膚の防御機能の第一に挙げられるのが汗・皮脂・天然保湿因子・セラミドなどから成る酸性皮脂膜です。そしてその下に控えているのが、上皮細胞の細胞再生機能(☚いわゆるターンオーバー)および真皮の線維芽細胞のコラーゲン産生機能などです。
・これらたくさんの防御機能が共同して皮膚のバリア機能を維持します。もし、これら複数の防御機能のうちどれかが破綻すると皮膚防御機能が崩れ、皮膚炎の発症あるいは炎症が持続する可能性が高まります。従って先述のごとく、今回のYさんのケースでは、何らかの理由により皮膚防御機能が崩れたことが関係しているのでは、と考えたわけです。
・その具体的な原因ですが、その詳細は我々整体師レベルでの解明は難しいです。なぜならこの数々の皮膚防御機能は、様々な生理機能の連携により成されるからです。従ってその一つ一つを検査するには科学的手法が必要です。しかし、その防御機能の破綻に共通して、比較的簡便に言える事があります。それは表皮-真皮に還流する動静脈の障害で、次に大切な要因はそれを調節する末梢交感神経系です。
・この二つの仮説の妥当性についてですが、まず後者については、Yさんには手足末端の冷え症がありました。これはレイノー現象の可能性が高く、それゆえ皮膚への血流が減少している時間帯が長くなっている可能性があり、それは皮膚の防御機能に悪影響を与えます。前者については、その触診検査所見から腋窩から肘にかけて、あるいは鼠径部から大腿にかけて著明な緊張がある事から、それらの部位で各動脈の循環障害が生じている可能性があり、それが皮膚防御機能の破綻に通じている可能性があります。特に鼠径部については、Yさんの別の愁訴である陰嚢痛との関連も強く推測されます。
・以上の事から③「治療目標と整体治療」の計画のもとに整体治療を実施する事で、残念ながら時間的都合で脇のしたのかゆみは不完全でしたが、その他の部位全ての湿疹・かゆみの改善につながったのでは、と思います。
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