再発性の逆流性食道炎と喉がつまる感じ(呑酸 ?、咽喉頭異常感症 ? )及び鼻づまり・後鼻漏 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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再発性の逆流性食道炎と喉がつまる感じ(呑酸 ?、それとも咽喉頭異常感症 ? )および鼻づまり・後鼻漏の整体治療

鼻腔、咽頭および胃-食道の整体治療で改善した症例の解説です。

患者Mさん=46才-女性-主婦/会社員の症例より

 

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①    Mさんの病歴・・・お薬を飲んでさらに悪化しました…
患者Mさんは、4か月ほど前から喉がつまる感じと心窩部(みぞおち)の膨満感が強くなったので近医を受診したところ(内視鏡検査-他)、逆流性食道炎の診断を受けたそうです。幸い、食道裂孔ヘルニアとバレット食道の合併は無かったそうです。制酸剤の処方を受け2週間後には一旦は改善したそうですが、しかしそこから1週間後には再発したそうです。やはり投薬治療されましたが今回は少しだけ効果が出たもののすぐに再発し、薬を増加したり別の薬に変えたりしても効果が出なかったそうです。病院を変えて今度は漢方薬を処方されましたが、かえって悪化し飲まない方が楽だったそうです。その内、薬の副作用(頭痛、眼のチカチカ感など)が生じてきたので、今では全く打つ手が無いそうです。

 






②    Mさんの診察
・一番つらいのは喉のつかえる感じで、飲食時に強く感じるそうです。しかし実際に嚥下できない訳では無いそうです。内視鏡検査では食道下部の炎症はありますが、胃の内部の炎症-潰瘍-腫瘤や、食道の腫瘤や狭窄-拡張-変性などは無かったそうです。
・今回の症状発現の半年ほど前から、ストレス過多による暴飲暴食傾向となったそうです。その後本症になると急激に食欲が低下し、半年前より7kgほど瘦せたそうです。
・20代のころに、「かき」を食べて重度の腹痛・下痢といった食あたりを何度か経験しているそうです。ここ10年ほどは、クッキー類やパン類で軽度の腹痛が生じることがあるそうです。
・心窩部痛と言うよりは、心窩部の膨満感といった感触だそうです。胸やけは感じ無いそうです。しかし左の背中(T10付近)に背中痛が生じているそうです。時折、肩甲骨の間も痛くなることがあるそうです。
・酸っぱいもの(呑酸?)が口腔内まで上逆してきて、それはやはり起床時が一番出る事が多いそうです。
・血液検査で特段の異常は無く、ピロリ菌も検出されなかったそうです。血圧は110/70mmHgだそうです。
・問診-診察中に常時鼻をすすっておられたので、念のため確認すると、20年近く前から後鼻漏があるそうです。当時は耳鼻科で副鼻腔炎の診断をされて治療も受けていて、その時は副鼻腔炎は一応治癒したそうです。この時の診察で、軽度の鼻中隔湾曲症も指摘されていたそうです。
・春シーズンの花粉症があるそうです。それ以外の時期も、常に左鼻の通りが悪いそうです。
・さらに確認すると、同じころから軽度の喉の違和感-異物感があり、ストレスが溜まった時に増悪していて、鍼灸治療院で梅核気の診断を受けて鍼治療されていましたが、あまり改善していなかったそうです。
・口内炎や歯肉出血は特に無いそうです。
・上顎骨や前頭骨の骨叩打痛はありませんでした。左頬骨下部に著明な緊張と圧痛がありました。
・頚部前面の筋肉群の著明な緊張と圧痛がありました。甲状腺の腫脹-萎縮はなく、気管は正中に位置していました。リンパ節の腫脹もありませんでした。
・胸部聴診上、特段の所見はありませんでした。
・左胸骨左縁(R3)に著名な緊張と圧痛があり、同部上方にかけて緊張が鎖骨近くまで続いていました。
・腹部聴診上、血管雑音などの所見はありませんでした。グル音は極めて微弱でした。
・腹部触診上、心窩部に著明な緊張と圧痛がありました。また、回盲部と十二指腸空腸曲部にも緊張と圧痛があり、前者への押圧で左季肋部から心窩部に放散痛があり、後者への押圧で左背中(T10付近)への放散痛がありました。腹部全般が陥没し、左右ASISが突出して触れることが出来ました。腫瘤感や抵抗感、あるいは肝脾腫はありませんでした。筋性防御や反とう痛はありませんでした。
・元来、便通は良い方だったそうですが、本症になってからは便秘傾向になり、1週間に1度程度の排便間隔だそうです。
・月経周期は28日で、月経期間は4-5日だそうです。生理痛はクーラーなどで冷えた時に下腹部が痛くなり、それ以外では生じないそうです。排卵痛はほとんど無いそうです。

 

 





➂ 治療目標と整体治療
  ⑴    舌咽神経-迷走神経と翼口蓋神経節の絞扼(?)を解放する
  ⑵    (副)鼻腔などを支配している頬-頚部血管群の絞扼(?)を解放する
  ⑶    胃を中心とした消化管平滑筋の疲労と緊張を解放する
  ⑷    下部食道括約筋の過労と緊張を解放して胃酸の逆流を阻止する
  ⑸    食道と気管の癒着(?)を開放する
(☚12診目に追加)
・舌咽-迷走神経解放テクニック
・翼口蓋神経節解放テクニック
・翼突筋静脈叢解放テクニック
・静脈還流促進テクニック
・平滑筋テクニック
・下部食道括約筋解放テクニック
・回盲部-腸間膜根解放テクニック
・十二指腸空腸曲-トレイツ筋解放テクニック
・縦郭開放テクニック
(☚12診目に追加)

 

 

 

 


④    経過と結果・・・内視鏡検査で逆食の完治も確認 !!
・喉への施術を中心とした初診治療後、

「喉がスッキリして軽い感じです!!」と驚いておられました。しかし逆流性食道炎関係の施術を少なめにしたので、心窩部の膨満感は少し残っているとの事でした。


・2診目来院時、

「喉のつまる感じとみぞおちの痛みはましです。左の背中の痛みはありません。朝起きた時の呑酸や後鼻漏も減っていると思います。」と仰っていました。
 

・3診目来院時、

「朝起きた時の呑酸が4/10くらいまで減っています。鼻づまりや後鼻漏もほとんどありませんでした。便も昨日-今日とスッキリとした便が久しぶりに出ました」と仰っていました。


・4診目来院時、

「みぞおちや背中の痛みはありませんが、昨日の朝少し呑酸があり、喉の辺に少し違和感がありました。今朝はましでした。」と仰っていました。
 

・5診目以降、

多少の症状の増減はありましたが、全体としては改善傾向で進展し、12診目時には「心窩部の違和感」「後鼻漏・鼻閉」「呑酸」などの症状はほぼ解消しました。ふつうはこの辺りで治療を終了してもいい段階だと思われましたが、しかしMさんは「食後に少しだけですが喉のつまる感じ残っています」、と気になさっていました。そこで改めて診なおしてみると、縦郭上方に緊張があることを再確認しました。そこで「縦郭開放テクニック」を施術すると著効を示し、13診目で全ての症状が緩解していたので、治療の終了としました。

【その後、病院での内視鏡検査で食道の炎症は治癒していたことが確認されたそうです】

 

 




⑤     今回の症例の概説、、、
◆ 喉がつまる感じ、、、逆流性食道炎以外の原因もある ?!

・今回のMさんの一番気になる主訴-症状は喉のつかえ感でした。実際に、酸の様なものが喉から口腔内まで上逆していますし、かつ内視鏡検査でも食道の炎症所見が確認されているのですから、この咽喉のつかえ感の原因は逆流性食道炎による胃酸の上逆、と考えるのは妥当だと思います。
 

・しかし今回のケースに限っては、喉のつかえ感の原因の主犯格は逆流性食道炎による胃酸の上逆ではなく、その主犯格の原因は20年近く前から持病的にあった咽喉頭異常感症(☚東洋医学では梅核気と呼ばれている)的な機序によるものではないか、と推定しました。そこに最近発症した逆流性食道炎による胃酸の上逆が喉のつかえ感を脚色しているのではないか、と思います。

 


 

 

◆ 血流低下、自律神経失調が原因 ?!

・その理由ですが、これは「② Mさんの診察」でも記しましたが、Mさんの所見の中に長年にわたる後鼻漏や通年性の左側の鼻閉、花粉症、そして喉のつかえ感の治療歴など、多数の鼻周囲の所見があり、それらの原因の一つとして頬頚部の血管や神経の絞扼性血流障害が疑われるからです。左頬骨下部や頚部前面の筋肉群の緊張が、この仮説を予想させる所見だと思います。
 

 

◆ 治療の優先順位を間違えると、治るものも治らない、、、

・当初は、当院でも喉のつかえ感は胃酸の上逆が主因では、と考えて逆流性食道炎関係の整体テクニックを施術しようと思いました。しかし先述の様に、あまりにMさんの鼻関連の所見が出てきたので、急遽逆流性食道炎関係の施術を一旦取りやめて、咽喉頭異常感症を想定した整体テクニックを施術することにした訳です。

結果的に、これが著効を示したことも「④ 経過と結果」でも記しています。

 

・もし治療の優先順位を検討せずに、当初の予定通り逆流性食道炎関係の施術をしていれば、おそらく治療後にMさんの「喉がスッキリして軽い感じです!!」の様な感想は、少なくとも初診時には無かったと思います。ひょっとしたら治療の継続が出来なかったかもしれません。治療の優先順位、、、これはその患者さんの予後を決定する重要な因子である事を改めて体験した症例でした。
 

 

◆ 逆流性食道炎の治療、咽喉頭異常感症の治療、両方とも必要 !!

・ところで胃酸の上逆=呑酸も間違いなくある事から、その意味で徹底的にそれを阻止する為に逆流性食道炎関係の施術をする必要がある事も明白で、事実、喉のつかえ感以外にも心窩部の痛み(膨満感)もあるのですから、喉関連と食道関連の両方を適切なバランスで施術しなければ、Mさんの症状は完治しない事は言うまでもありません。
 

・私たち整体師は医師では無いので診断行為は出来ません。しかし診察の結果、その症状の病態を想定して適切な施術をしていかねばなりません。しかし今回の様に、ある症状の主犯格の原因がAorB、あるいはC…と複数ある事は当たり前で、その優先順位を誤ると、いわゆる「治るモノも治らなくなる」事がしばしば起こりうります。当然主犯格の原因から治療していく訳ですが、常に迷いが生じます。場合によっては、専門医へ紹介する必要のあるケースもあります。

 

 
 

 

 

◆ もう一つの原因の可能性、、、食道と気管の癒着 ?!

・普通なら、この段階で終わりなのですが、今回のMさんについてはまだこの先がありました。それは12診目の出来事ですが、のどの違和感に関して他に原因が残っていたようです。

それは「食道と気管の癒着」を疑わせる原因でした。気管の後面壁と食道の前面壁はその接合面を共有しているので、もともと両者は癒着状態にある、と言えます。しかしそのもともとの接合面の範囲を超えて過剰な癒着が生じていると、今回のMさんのように、食後にのどの違和感が生じることがあるのかもしれません。

 

 

  

気管は胎生期に食道から派生して肺を形成するので、生後も途中まで食道と接して縦隔内を下行しています。

 

 

 

◆ 気管と食道の癒着を解放する整体手技…縦隔解放テクニック

・Mさんは本症の罹患当初、食道の炎症がひどい状態だったそうですから、その際に気管壁にまで炎症が波及し、その後遺症として気管と食道の癒着が残存していたのかもしれません

結果的に同部を開放する「縦郭開放テクニック」が著効をしめしたので、この推察がある程度妥当であったのでは、と思われます。

 

 

 

・今回のMさんの症例では、上記の様に紆余曲折がありましたが、医療というものはその判断=決断が最終的な決め手になるのだな、とつくづく実感すると同時に、大きな責任をしょっているのだな、と改めて痛感させて頂いた症例でした。今回のMさんの症例は、今後もこの責任を忘れる事無く、今以上にもっともっと勉強し、適切な医療を受ける機会を損なうことなく、最大限の施術が患者さんたちに出来る様に精進していかねば、、、と考えさせられる症例になりました。




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