アトピー性皮膚炎と整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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2才の時からのアトピー性皮膚炎と整体治療

血流回復や肥満細胞を抑制する整体治療で改善した症例の解説です
患者Yさん=20才-男性・学生の症例

 

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①    Yさんの病歴・・・
患者Yさんは、2才の時にアトピー性皮膚炎になったそうです。一旦は改善したそうですが、小学3年生の時に再発し、ステロイド剤の処方を中心とした病院に2か月ほど入院して回復されたそうです。その後も一~二度アトピー性皮膚炎の再発と寛解を繰り返した後、高校2年生の時にかなりひどい状態にアトピーが悪化したそうです。その高校2年生の時の治療は、前回と異なり脱ステロイド治療として漢方薬中心の治療で有名な某病院に入院-加療していたそうです。最初の1ヶ月は順調に改善していったそうですが途中から反転-悪化し始め、漢方薬治療を中止して、改めてステロイド剤中心の治療に切り替えて、やっと回復したそうです。そしてその2年後の今回の発症は大学に入学してから再発したそうですが、高2の時から処方されていたステロイド剤から脱ステロイドをしている途中(ステロイド剤の減量中)に悪化してきたそうです。今回は、当初は皮膚科に通院していましたが、ある程度回復したのでその後は自分の自然治癒力で、自力で治そうと頑張っていたそうです。しかし、その改善傾向が最近になって鈍ってきて自力改善に限界を感じてきたので、「少しでも早く改善するように」と、今回の来院となりました。

 






②    Yさんの診察
・今回の再発による皮膚症状は今までで最悪の酷さで、皮膚のバリア機能が完全に破綻した状態だったそうです。その為、皮膚が細菌感染による炎症状態になっていて、皮膚上皮がサカムケ(ササクレ)状にめくれ上がっていて、いたる所で出血していたそうです。従って今回の治療は、数か月前から某皮膚科医院より「抗生物質」の処方を受け、細菌を死滅させる治療法をとったそうです(当院来院時には抗生剤の処方は終了していました)。
・皮膚炎の部位は頭顔面、頚部全般、左右の肩から鎖骨周辺、背中から両肩甲骨周辺、腰背部、両肘内側、両臀部、左右の鼠径部などです。特に気になる部位は「頭頂部~後頭部~後頚部-背中にかけての部位」と「右臀部付近」そして「両肘窩」付近だそうです。
・当院の初診時の皮膚状態は、先述した抗生剤の効果が出ていて上記の細菌感染状態の様な最悪のサカムケ状態ではありませんでしたが、それでも一般的なアトピー特有のカサカサとした炎症部分と掻爬痕があり、その周辺の皮膚部位は広く赤紫に変色していました。同部位を押圧すると赤紫色は肌色に戻りますが、押圧を解除すると元の赤紫色に戻りました。
・Yさんは「皮膚が炎症の繰り返しやステロイド剤の副作用などで薄くなった感じがします。これも厚く丈夫にしてほしいです」と仰っていました。
・今でも猛烈な掻痒感があるそうですが、一旦掻いてしまうと、それ以上に強い痒みが襲い掛かり、さらに痒みの範囲も広がる為、出来得る限り掻爬する事を耐えているそうです。それが非常に苦痛で、勉強はもちろん日常生活にも大きな支障が出ているそうです。特に、人と会う時に掻くと大変なので、この数か月は引きこもり状態で、大学も留年になったそうです。
・夜更かしや発汗で掻痒感は増悪するそうです。また、脂肪食でも悪化するそうです。
・食欲は低調らしく、それと前医の指導による食事制限などもあって、体重は50kgまで減量していました(本来は身長166cm、体重56kgだそうです)。
・左右とも顔面動脈と浅側頭動脈の拍動は微弱にしか触れられませんでした。
・胸部、腹部の聴診上、特段の所見はありませんでした。
・腰から背中にかけては柔軟性がありますが、左右の鎖骨付近から頚部全般(後面と前面-横面)の筋肉群に著明な緊張と圧痛がありました。特に後頚部については、「中3の時から凝っていました」と仰っていました。
・腹部触診上、平坦軟で腫瘤感や抵抗感はありませんでした。肝脾腫-叩打痛もありませんでした。下腹部を中心とした緊張と圧痛がありました。
・排便は毎日あるそうですが、ほとんど軟便でたまに硬い便が出る事があるそうです。尿に特段の所見は無いそうです。
・血圧は覚えていないそうですが、橈骨動脈触診上正常範囲だと推定します。
・血液検査ではIg-E値がかなり高値で、コルチゾールが低値だそうです。また、アレルゲン検査ではハウスダスト、ダニ、ソバ、スギなどに反応があるそうです。

 



③    治療目標と整体治療
  ⑴    各皮膚炎部位の疲弊した上皮細胞のターンオーバーを回復・促進させて表皮の厚みを回復させる
  ⑵    表皮のバリア機能を復活させて外部からの刺激を減少させ、掻痒感を軽減する
  ⑶    頸部交感神経幹の緊張を解放して肥満細胞の遊離を減少させる
  ⑷    バイエル板機能の機能を安定させる
・表皮細胞ターンオーバー回復テクニック
・頸部交感神経解放テクニック
・小腸-平滑筋テクニック
・食生活指導(蛋白質と脂肪分の適量摂取)

 

 



④    経過と結果・・・
・初診時、左半身の治療時間しかありませんでした。治療後、左右の皮膚を比較すると、明らかに左側の顔面や上胸部、背中、肘の赤紫色は軽減し、通常の皮膚色に近いものになっていました。


・2診目来院時、Yさんは「少し良くなった感じがします」と仰っていました。今回は前回施術出来なかった右半身を中心に施術しました。前回の左側ほどの改善効果はありませんでしたが、それでもかなり赤紫色は消退していました。
・3診目来院時、「この数日間、いつもより痒みが半減していた気がします」と仰っていました。前回消退していた皮膚色は、悪化することなくほぼ通常の皮膚色に保たれていました。


・4診目、5診目と全体的に改善傾向で進み、6診目来院時には後頚部が少し発赤と痒みが残っていましたが、その他の部位はほとんど改善していましたので、後はYさん自身の希望でもある「自力改善」を目指してもらう事にして、今回の整体治療を終了する事にしました。

 



⑤     今回の症例の概説、、、
・一般的なアトピー性皮膚炎=Ⅰ型アレルギーは以下の三つがそろう事で発症すると言われています。
   ❶…アレルゲンの存在
   ❷…そのアレルゲンに対応する抗体(Ig-E)の過剰分泌
   ➌…肥満細胞の組織への遊離

 

 


そこに、
   ❹…皮膚のバリア機能の破綻 (☚下記 注1参照)
が加わって皮膚での炎症反応が持続-悪化する事で、さらにアトピー性皮膚炎は悪循環に陥っていきます。

 

 

 

 

・ですから、上記❶~➌のどれかを阻止する事がアトピー治療の基本となる訳ですが、今回のYさんの症例に関しては、❹の「皮膚バリア機能の破綻」が著しくて悪循環に陥っているのでは、と考えられ、従って❹に対する治療が最優先事項になる、と思いました。

 

・2才の時からたび重なる皮膚炎の繰り返しですから皮膚の構造-機能は著しく減退していると予想されますし、さらにその時々の治療法も「ステロイド治療⇔脱ステロイド治療」が繰り返されていた様に、相反する内容ですから、皮膚組織だけでなく内臓的にもその恒常性(ホメオスターシス)が迷走し、様々な狂いが生じているかもしれません。

 

皮下組織~真皮を還流する豊富な血管床が、皮膚バリア機能の礎となる

 


・初診と2診目の整体治療で皮膚表面の赤紫色が消退していましたが、これは「血液循環改善の兆しでは!?」と思われました。これで最初の目標である、上記「❹…皮膚のバリア機能の破綻」の改善が見込めるのでは、と思われました。実際にその予想鵜通りで、3診目、4診目と皮膚所見は改善傾向で進展し、6診目にはほぼ全てのアトピー所見が消退したので、この治療方針は概ね正しかったのでは、と思います。

 

 

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・上記の残りの原因である
 ❶…アレルゲンの存在
 ❷…そのアレルゲンに対応する抗体(Ig-E)の過剰分泌
 ➌…肥満細胞の組織への遊離

についての解説は

「アトピー性皮膚炎と整体 =薬を使わず免疫調節と体質改善=」
「まぶたのアレルギー性皮膚炎(発赤・腫れ)と整体治療」

をご参照ください。



注1)-❹ 皮膚バリア機能とその破綻
皮膚は
 1…表皮
 2…真皮
 3…皮下組織

の三層構造になっています。

 

 

 

3の皮下組織は皮下脂肪による「クッション機能とエネルギー貯蔵」が主な役割です。
2の真皮はコラーゲンやエラスチンなどの働きによる「皮膚の張りと柔軟性」に寄与します。

 

第一線の防御を担当するのが1の表皮で、表皮と真皮から分泌される酸性皮脂膜(☚汗、皮脂、天然保湿因子、表皮脂質の四つの成分からなる混合液およびこの膜に分泌され、感染防御に寄与するIL-1α、IL-1β、IL-6、IL-8、TNF-αなどのサイトカインやIg-A抗体、そしてカテリシジン、β-デフェンシン、デルマシジンなどの抗菌ペプチド等)による「液状の防御ライン」と、瓦の様に幾層にも積み重ねられた上皮細胞による「物理的防御ライン」の、二重の防御機構から成っています。

 

 

 

従って、この表皮の二重の防御機構が破綻すると空気中のチリ・雑菌や皮膚常在菌などの体内への侵入を防御できなくなり、蜂窩織炎などの重篤な病態に至ることがあります。


ちなみに皮膚は、上記エネルギー貯蔵や第一次防御機構以外にも
 ・寒冷、熱、日光からの保護
 ・圧迫・殴打・擦過など物理的刺激からの保護
 ・微生物からの保護と免疫
 ・化学的刺激からの保護
 ・体内の熱放散と水分喪失からの保護
 ・ある種の物質(例=VDなど)の吸収
 ・真皮血管層による循環調節と発汗(体温調節)
 ・触覚、痛覚、位置覚、温度覚などの感覚器
 ・外形の形成

などの構造-機能があります。

 

 

 

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