よこやま信一公式ブログ -2ページ目

塩竃市の冷凍冷蔵施設整備

2019年6月に塩釜市の浅野市議から冷凍施設整備の相談があった。塩釜を訪問し塩釜魚市場水産加工業協同組合から整備の要望を伺った。塩釜港では、主要魚種であるマグロ、カツオに加えて、近年ではサバやマイワシの漁獲量が増えている。青物魚種への消費者の関心は高まっており、これらの加工品の取扱量は増加傾向にあるが現状の冷凍施設では容量が不足し水揚げを断る事態を生じていた。

他方、魚市場加工組合では東日本大震災からの復興にあわせ、全国の消費者に安全で安心な水産物を供給するための高度な衛生管理を実現することが課題となっていた。そのため、水揚げから出荷・保蔵までの一連の高度衛生管理に対応した冷凍冷蔵施設の追加整備を特定漁港漁場整備として実施できるよう宮城県に要望していた。

しかし、特定第三種漁港の整備事業を利用するには、現行の整備事業計画を変更する必要があり、手続きは県が進めなければならない。結果的に特定漁港漁場整備事業計画変更書は2021年1月に提出され、農林水産省では2019年度補正予算により事業化することになった。

さらに、2020年2月には塩竃市では新たに整備される冷凍冷蔵施設のEU-HACCP認定を目指すことになった。2021年4月には認定書が交付されたので、建設中の冷凍冷蔵施設の視察を兼ねて2021年9月に塩竃市を訪問し、水産加工業者と意見交換の場を持ち水産物輸出に向けた課題等を伺った。今後もEU-HACCP対応の冷凍冷蔵施設が十分に機能するよう応援していく。

北の縄文文化の世界遺産登録

2021年7月、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界文化遺産への登録が決定した。世界遺産となった縄文遺跡群は、北海道6か所と青森県、秋田県、岩手県の11か所の計17の遺跡で構成されている。これには、私の住む函館市の垣ノ島遺跡も含まれている。

世界遺産登録までの道のりは長かった。

2007年に北海道・北東北知事サミットにおいて「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産に共同提案されてから15年目の実現だった。

2003年に北海道議会議員に選出されてからは、地元の世論喚起のために、公明党の青森県本部と函館総支部合同主催でシンポジウムを開催したり、函館に北海道主催の縄文文化展を誘致したりと様々なことに取り組んできた。活動を始めた当初は、身近にある縄文遺跡を世界遺産にと訴えても手応えのある反応を感じることは少なかった。それだけに世論の喚起は、地元議員の担う重要な使命と思い取り組んできた。

参議院議員となってからも、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」世界遺産登録推進議員連盟副会長としての活動はもちろんのこと、地元選出の国会議員として、山口代表らの公明党幹部を函館市の縄文文化交流センターや青森市の三内丸山遺跡に案内し、関係者との熱い意見交換の場を持つなどしてきた。公党の代表が世界遺産登録を目指して遺跡を訪問し関係者と意見交換したのは公明党だけだった。

しかし、文化庁の文化審議会世界文化遺産部会の推薦候補に選定されない期間が長く続いた。有力な文化遺産候補のなかった2018年には、推薦候補に選定され喜んだのも束の間、自然遺産が優先されることになってしまった。

そして2019年の文化庁の推薦候補の決定と閣議了解を経て推薦書をユネスコに提出。2020年のイコモスの現地調査と2021年の勧告があり、ようやく悲願が実現したのだった。

 

縄文文化は、約6000年にわたる定住生活を送り、争いの痕跡が見当たらない珍しい文化だ。垣ノ島遺跡のお墓からは小さな子どもの足形が見つかっており、精緻で複雑な精神文化を垣間見ることができる。

世界文化遺産登録により縄文文化は人類の宝となり、今後は、その精神文化を含めて世界中の人々に知ってもらえるよう北海道・東北3県や関係市町と一体となって取り組んで参りたい。

外国人技術者の入国措置緩和

2021年4月7日に、楢葉町の松本町長から外国人技術者の入国措置緩和の要請をいただいた。

楢葉北産業団地に進出したエヌビーエス株式会社はイタリア製の設備を導入したが、これは、設備メーカーの技術者でなければ組み立てることができないものであった。しかし、我が国では新型コロナ感染症対策のためにイタリアからの入国を認めていなかった。そのため楢葉町の工場では本格稼働ができないでいた。

 

新型コロナウイルス感染症の国内流入の防止や感染拡大防止のために、上陸申請日前14日以内に上陸拒否対象地域に滞在歴のある外国人については、「特段の事情」がない限り上陸を拒否することとなっている。松本町長からの要請は、この上陸拒否措置を、東日本大震災の被災地で雇用する技術者に限り緩和して欲しいというものであった。

復興庁ではこの案件を経産省と連名で「特段の事情」に該当するものとし、内閣官房や出入国在留管理庁などの関係省庁と協議した。その結果、公益性が認められ適切な貿易措置がとられるものについては上陸が許可されることとなった。政府は6月4日にビザ発給を在イタリア大使館に指示し、イタリア人技術者は6月15に入国。2週間の待機の後、6月30日から楢葉町での業務が開始されることになっている。