北の縄文文化の世界遺産登録 | よこやま信一公式ブログ

北の縄文文化の世界遺産登録

2021年7月、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界文化遺産への登録が決定した。世界遺産となった縄文遺跡群は、北海道6か所と青森県、秋田県、岩手県の11か所の計17の遺跡で構成されている。これには、私の住む函館市の垣ノ島遺跡も含まれている。

世界遺産登録までの道のりは長かった。

2007年に北海道・北東北知事サミットにおいて「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産に共同提案されてから15年目の実現だった。

2003年に北海道議会議員に選出されてからは、地元の世論喚起のために、公明党の青森県本部と函館総支部合同主催でシンポジウムを開催したり、函館に北海道主催の縄文文化展を誘致したりと様々なことに取り組んできた。活動を始めた当初は、身近にある縄文遺跡を世界遺産にと訴えても手応えのある反応を感じることは少なかった。それだけに世論の喚起は、地元議員の担う重要な使命と思い取り組んできた。

参議院議員となってからも、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」世界遺産登録推進議員連盟副会長としての活動はもちろんのこと、地元選出の国会議員として、山口代表らの公明党幹部を函館市の縄文文化交流センターや青森市の三内丸山遺跡に案内し、関係者との熱い意見交換の場を持つなどしてきた。公党の代表が世界遺産登録を目指して遺跡を訪問し関係者と意見交換したのは公明党だけだった。

しかし、文化庁の文化審議会世界文化遺産部会の推薦候補に選定されない期間が長く続いた。有力な文化遺産候補のなかった2018年には、推薦候補に選定され喜んだのも束の間、自然遺産が優先されることになってしまった。

そして2019年の文化庁の推薦候補の決定と閣議了解を経て推薦書をユネスコに提出。2020年のイコモスの現地調査と2021年の勧告があり、ようやく悲願が実現したのだった。

 

縄文文化は、約6000年にわたる定住生活を送り、争いの痕跡が見当たらない珍しい文化だ。垣ノ島遺跡のお墓からは小さな子どもの足形が見つかっており、精緻で複雑な精神文化を垣間見ることができる。

世界文化遺産登録により縄文文化は人類の宝となり、今後は、その精神文化を含めて世界中の人々に知ってもらえるよう北海道・東北3県や関係市町と一体となって取り組んで参りたい。