こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
松阪桃李藤吉郎亡きあともドラマは進むよ来月まで。
ここにきて自分の中ではちょっと盛り上がっている。しゃべくり漫才やら漫才大会やらしゃべらん漫才やらでいよいよ吉本興業の輪郭が浮かび上がってきた感じだ。
しかし、銀幕スターのリリコを漫才師に仕立て上げるなんてどうよ。喋りができないシローを無理やり芸人にするってのもなんだかなあ。なんて、話に無理があり過ぎと少々鼻白んでいたことも事実。
まあ、ここまではミス・リリコ&シローを誕生させるための脚本の苦労であったわけだが、押し通した無理が裏切られることなくここにきて見事に開花した。
では、その最大の功労者は誰か。
広瀬アリスである。
藤吉郎急逝後、彼の希望を叶えるべくステージに立つと決めてからの二週間、彼女の存在感がぐんと増したのは事実。ほぼ主役級の働きを見せたと言っても過言ではなかろう。つうか今回のエピソードの中心人物がミス・リリコ&シローなので当然と言へば当然だが。
振り返れば昨年10月に登場して以来、東京で娘義太夫を演じて見せたり、帰阪して長屋でぶらぶらしたり隼也の子守をしたり、果ては映画女優になったり辞めたり、芸人を目指したり。常にちらちらと主人公一家の周辺に関係していた。
藤吉郎への一途な思慕の念ゆへ、と言ったらそれまでだが、正直ここまで要となる立ち位置へとシフトするとは想像できなかった。
物語は来月一杯続くので、その間には別の人物たちが入れ替わり前面に出て来るだろう。だから今後のエピソードには、もはやこの二週間と同程度の活躍の場は無いかも知れぬ。
しかし、この度の働きぶりは確実に女優としての氷菓ならぬ評価を高めたと思う。
初登場の頃はちょっと蓮っ葉な感じでリラックスして演じられるキャラだったが、今回ばかりはマジでめりはりある本格的な芝居が求められた。
悲しみに沈みつつもヒロインに憎まれ口を利いてみせたり、シローの風琴の瑕疵を見破り面罵したり、ステージ上で満面の笑顔を振りまいたり、シローに反論されてうろたえたり、再起をかけたステージ前の緊張感、舞台上での生き生きとした表情と喋りと歌唱(!)の身体的アクション、公演後の歓喜としおらしく礼を述べる姿、どれをとっても舌を巻く演技だった。
心の機微を上手く表現できることにいたく感心した。役作りも苦労したことだろう。
その甲斐あって漫才もとてもおもろかった。
恥ずかしい話だが、二人の掛け合いに笑いながらも涙がにじんできた。感激した。涙目で見届けた。
「ベートーベン?あほか!」、「あんたが今、高座で迷子んなってんのや」、「今まさに、笑うてる顔で怒ってますのぉ。わかりますぅ~?(超魅力的な笑顔)」、「はよ弾け(蹴り)」など秀逸な名調子のつるべ打ちだ。
しかも羨ましいことに、泣いても笑っても怒ってもアップにも耐え得るあの美形ぶり。破顔一笑しても損なわれない美貌。有力なアドバンテージだ。
目力は凄いし、見事にとんがった鼻筋は見惚れるほどだし、笑う口元はジュリア・ロバーツやアン・ハサウェイばりのデカさだし(笑)
そう、大きな目、しゅっとした鼻筋、そしてもたつく感じの口元と頬。ちょっとしもぶくれっぽさのあるところが過ぎた美形にならず却って親近感を与える風情を醸す。
余計な話だが、彼女って大柄骨太で筋肉質で肩幅も広くがっしりしているうえ、美人系の大人顔なのでjk役が似つかわしくない。
『氷菓』(‘17)も高校生なのにどうしても社会人のお姉さん風だった。
jkが許容されるのはせいぜい『銀の匙 Silver Spoon』(‘14)までだろう。
『新宿スワン2』(‘17)みたいにキャバクラ嬢なら見栄えの好いルックスだ。実にステージ映えする容姿である。
逆に実妹の広瀬すずは美少女然とした可愛さでjk役は全然違和感無し。大人役はまだ違和感ありだろう。しばらくは二人の棲み分けが出来る気がする。
さて、アリス嬢は未だにこれといった映像作品の代表作が見当たらない。
それは主演作品が少ないこともあるだろうが、今一つ何か物足りないところがあるのだ。そう、女優としての存在感。強い印象。みたいなもの?
この朝ドラで発揮した役者としての力量、女優としての魅力を次のプロジェクトに活かしてもらいたいと熱望してやまないのはgonzalezだけじゃないはず。
今月公開されたばかりの『巫女っちゃけん』のキャラは過去演じたことのない役柄で期待大。
リリコをもっと粗暴かつ柄を悪くしたうえちょっと心に傷を負ったお姉さんみたいな感じ。作品の質的レベルは未見なので何とも言へないが、とりあへずは役柄の幅が広がったのはおめでたいことだ。
引き続き『わろてんか』のアリス嬢を注視していこうではないか。
*ちょっと似てるか?*
*すずちゃんと見紛うアリス嬢♡*
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