★ 不妊カップルの半数に男性因子が存在しています
★ 造精機能障害の多くは原因不明です
男性不妊の原因のほとんどは、造精機能障害(精子がうまく造られない状態)であり、その半分弱は特発性と呼ばれる原因不明ですが、この原因不明の多くは酸化ストレスと関連していると推定されます。
男性因子に対して適切な対策を行うことで精液所見だけでなく、体外受精成績まで改善することが知られています。
★ 男性不妊の多くに酸化ストレスが関係しています
体内で発生する活性酸素は、身体を酸化、さまざまな不調や病気の原因となります。
通常は活性酸素のダメージを受けても抗酸化力が働いてバランスを保っていますが、酸化力が抗酸化力を上回ると酸化ストレスとなってしまいます。
★ 酸化ストレスによる精子障害のメカニズム
酸化ストレスは、精子頭部のDNAを損傷したり、体部や尾部の細胞膜の脂質や細胞質のタンパク質を酸化します。
DNA損傷は受精率低下や流産率上昇を招きます。また、細胞質の脂質の酸化は細胞膜の柔軟性を低下させ、精子細胞のタンパク質の酸化もあいまって、運動性の低下を招きます。
Hum. Reprod. Update 2008; 14: 243.
酸化ストレスについて以下の記事もご確認ください。