HIRO'S DIARY vo3 -22ページ目

HIRO'S DIARY vo3

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令和5年8月12日(土)槍ヶ岳~大キレット~長谷川ピーク~飛騨泣き~北穂高小屋~北穂高岳~涸沢ヒュッテ~横尾~上高地(長野県)

 

午前5時に目が覚めて起きようと思ったら、全身筋肉痛で起き上がれない。

 

とりあえず横向きになって、両手を付いて上半身だけ起こす。

 

そして、何とか立ち上がって洗面所に行こうと思って部屋の前にある階段を降りるが

太モモが筋肉痛でパンパンで力が入らない。

 

それでも横向きに一段ずつ降りて、洗面所に行って顔を洗って歯を磨いて

朝ご飯を食べるために、カクカクしながら食堂に行く。

 

と言う事で、今日の朝ご飯。

 

 

見た目は普通に見えるが、どれも手が込んでいてスゴク美味しい。

 

朝ご飯がこんなに美味しいなら、昨日の晩ご飯も食べたてみたかった。

 

その食堂には、大好きな「岳」の色紙が貼ってあった。

 

 

そして部屋に帰って着替えたが、部屋は一人部屋で窓もあって明るい。

 

 

 

 

昨夜、受付の時に一人部屋と言われたが、疲れ果ててボーとしていて

そのまま倒れ込むように寝てしまったので、部屋の事は全然分かっていなかった。

 

と言う事で、着替えを済ませて表に出て「涸沢ヒュッテ」から見える

昨日見れなかった、快晴の穂高の山並みを改めて眺める。

 

 

小屋の下にはテントがいっぱい張っていた。

 

 

そんな「涸沢ヒュッテ」を改めて見ると、やっぱりイイ山小屋だ。

 

 

 

 

 

 

そして午前8時、上高地に向けて下山する。

 

 

でも全身筋肉痛で、しかも太モモが一番キツイ。

 

しかも、登山道には大きな岩もあって降りるのがツライ。

 

 

それでも、太モモに負担が掛からない様にストックを前に突きながらゆっくりと降りる。

 

 

そして途中で振り返ると、穂高の山並みがキレイに見えた。

 

 

途中で何度も休憩して何とか「本谷橋」に着いたが、標準タイムが1時間10分なのに

疲労が抜けないうえに、筋肉痛でまともに歩く事が出来ず3時間以上掛かってしまった。

 

 

宿を出たのが遅かったし、このペースでは午後5時30分の最終のバスに間に合わないので

とりあえず急ぐ事にして、結構揺れる「本谷橋」を渡った。

 

 

 

そして、1時間ほどで「横尾」に着いて少し休憩した。

 

 

 

 

 

ここから上高地までは、ハイキングコースの様な平坦な道を進むので

登山道より負担は掛からないが、体か重くて中々足が前に進まない。

 

 

それでも何とか歩き続けて、1時間30分ほどで「徳沢」に到着。

 

 

初日の様にソフトクリームを食べる時間は無いが、少しだけ休憩して再び歩き出す。

 

途中の河原では、猿たちが日向ぼっこしていた。

 

 

そして1時間30分ほどで「明神分岐」に到着。

 

 

ここまでは、筋肉痛と息切れと闘いながら何とか来る事が出来た。

 

ここでも少し休憩するが、すでに午後4時を過ぎていて

ここから1時間で上高地まで行かないと間に合わない。

 

標準タイムは1時間だが、疲れ果てて気力も体力も無くなって来た。

 

間に合わなければタクシーでも帰れるので、それでも仕方ないと思い何とか歩き出す。

 

ただ、ここまで来ると自分自身の意地として何とか間に合うように

筋肉痛と闘いながら、重いバックパックを背負い、体を引きずるように歩き

なんとか1時間ほどで「河童橋」に到着した。

 

この時午後5時15分で、あと15分でバスターミナルにたどり着かないと間に合わない。

 

と思っていると、その「河童橋」の所にたくさん人が並んでいて

「バスの列の最後尾はこちらです!」と案内の人が言っていた。

 

 

「えっ?ここからバスターミナルまで、まだ結構距離あるのに」

 

と思って並ぼうとしたら、長野側の「さわんど」行きのバスの列だった。

 

「さわんど」は関東方面から来る人で、並んでいたのはほとんど観光客だったが

この日はお盆休みだったので、ビックリするくらいたくさん人が並んでいた。

 

でも自分が乗るバスは、岐阜側の「あかんだな」行きのバスなので

その長い列を横目に、最後の力を振り絞って前に進む。

 

 

そして、午後5時20分にバスターミナルに着いて、なんとか最終のバスに間に合ったが

こちらのバスは30人程しか並んでなくてホッとした。

 

ただ「河童橋」からここまで5分程歩いたが、その間「さわんど」行きのバスの列は

ずっと続いていたので、スゴイ人数が並んでいた事になる。

 

しかも、タクシー乗り場も100m以上の列になっていた。

 

なんとか間に合って本当に良かった。

 

ちなみに、最終のバスは最後の人を乗せるまで増便されるようだ。

 

そして「あかんだな」行きのバスに乗って駐車場に着き

午後6時15分、無事にヴェル号に到着。

 

 

 


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

総ハイク時間45時間、標高差1,707m、総歩行距離52km の行程でした。

 

ちなみに、体重は5kg減りました。

 

そして、北アルプスでは珍しく4日とも快晴で、しかも無風という天候に恵まれて

なんとか無事に「3泊4日 北アルプス縦走登山」を終える事が出来きました。

 

実は、登山を始めた頃に「いつかは槍ヶ岳に登りたい」と思っていました。

 

でも、自分には技術的にも体力的にも無理だと思っていたのですが

去年登山を再開してから登山靴を買い替えて、ハイドレーションも買い替えて

バックパックも買い替えて、GoProを買って、ヘルメットを買って

ハイクグローブを買って、ココヘリにも加入して、着々と北アルプス縦走登山の

準備をしていました。

 

そして、槍ヶ岳の事を色々と調べていたら「大キレット」の事を知って

どうしても行ってみたいと思い、自宅でウエイトトレーニングと

体幹トレーニングとバランストレーニングとストレッチをして体調を整えていました。

 

でも、1日目と2日目は順調だったのですが3日目に試練が待っていました。

 

ただ、3日目は余裕をもって午前3時30分に槍ヶ岳山荘を出発して

標準タイムの1.5倍は想定していたのですが、結局2倍の17時間も掛かってしまいました。

 

もし槍ヶ岳から出発するなら、北穂高岳小屋で1泊してから涸沢まで行くか

南岳小屋で1泊してから涸沢まで行けば、2倍の時間が掛かっても大丈夫だったので

もっと自分の体力と持久力をよく考えて、もう1泊して余裕を持った計画を立てないと

いけないと思いました。

 

そして大キレットは、長谷川ピークから先の飛騨泣きから過酷な所がずっと続いて

滑落したら人生が終わる所ばかりでした。

 

その切れ落ちている所の動画や写真を撮って、もしバランスを崩したら

シャレにならないので、撮りたい気持ちをグッと我慢しました。

 

あと、下を見て「ココから落ちたらどうしよう」とネガティブな事を考えても

仕方ないので、目の前の崖を両手と両足を使って一歩ずつ登る事に集中しました。

 

そして、気力も体力も限界を超えていてスゴクきつかったので

高所に対する恐怖感を感じる余裕が無かったのが、結果的には良かったと思います。

 

ちなみに、駐車場に着いて着替えた後に少し仮眠してから帰ろうと思ったのですが

そのまま朝まで寝てしまいそうだったので、とりあえず駐車場を出たのですが

高速に乗ってから強烈な睡魔に襲われて、途中のSAで2回(合計6時間)仮眠したので

ハイクと同じく標準タイムの2倍の12時間掛かってしまい

結局、自宅に着いたのは翌朝の午前7時でした。

 

今回の教訓

1、槍ヶ岳の登山口である槍沢ロッジまで6時間かかる。

2、山小屋では登山靴の管理は自己責任。

3、山小屋では夕食後に歯を磨いて翌朝に備えてスグに寝る。

4、槍ヶ岳の穂先の登頂は平日はスグに登れるが週末は2時間待ち。

5、大キレットは色々な意味でシャレにならない。

6、下山後1週間たっても筋肉痛が取れない。

7、下山後2週間たっても足の指の痺れが取れない。

8、下山後3週間たってから両膝の痛みが出る。

 

 

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令和5年8月11日(祝)槍ヶ岳~大キレット~長谷川ピーク~A沢のコル~飛騨泣き~北穂高小屋~北穂高岳~涸沢ヒュッテ(長野県)

 

と言う事で、精神的にも肉体的にも限界を遥かに超えている自分に気合を入れて

「涸沢ヒュッテ」を目指して「北穂南陵」を降りる事にした。

 

 

登山道を下ってテント場を抜けて暫くすると、目の前に「ライチョウ」が現れた。

 

 

「ライチョウ」は特別天然記念物なので、刺激しない様に止まって様子を見ていると

何故か、こちらに向かって歩いてきた。

 

 

そして、自分の足元を一周して前を歩き出した。

 

とりあえず止まったまま様子を見ていると、こちらを振り返って止まった。

 

すると「涸沢はこっちだから付いてきて」って言ってるような感じで

また歩き出したので付いて行った。

 

 

その後も、何度もこちらを振り返りながら先導してくれた。

 

そして、ハイマツの中に消えて行った。

 

そんな「ライチョウ」とお別れした後は、少しだけ危険な登山道を慎重に抜ける。

 

 

すると、今日の宿泊地の「涸沢ヒュッテ」が遠くに見えた。

 

 

そこから更に下るが、体に全然力が入らない。

 

何度も立ち止まって休憩して息を整え、エナジーゼリースポーツ羊かん

ブドウ糖を食べて、シャリバテにならない様にエネルギーを補給するが体力は回復しない。

 

それでも、とにかく行くしかないので更に下ると長いハシゴが現れた。

 

 

高さがあるハシゴを怖がる人がいるが、確実に手を掴めるし足も置けるので

自分にとっては、チェーンロープと比べると安心できる場所だが油断は禁物だ。

 

 

 

しかも手も足も力が入らないので、いつもは手と足を交互に使って降りるが

両足を揃えて降ろして、その後に両手を揃えて掴んで

その動作を繰り返して一歩ずつ慎重に降りる。

 

そして、その先の岩場も慎重に降りると、今度は垂直な下りの壁が目の前に現れた。

 

 

ハシゴと違って手と足に力が入らなくても、いつもと同じように降りないといけないので

一歩ずつ慎重に、つま先を段差に引っ掛けて降りる。

 

下まで降りて見上げると10m位あって、日が暮れてヘッドライトで降りていたら

かなり危険だった。

 

 

って言うか、降りる事が出来なかったかもしれない。

 

そして、そこから「涸沢ヒュッテ」が少しだけ近づいて見えた。

 

 

ただ、この時すでに6時30分を過ぎていて予定よりかなり時間が掛かっている。

 

しかも、もうすぐ日が暮れてしまう。

 

でも、体力はすでに限界を遥かに超えていて、中々足が前に進まないが

それでも少しずつ下る。

 

ただ、危険な所はもう無さそうなので、ストックで体を支えながら降りたいが

ストックを仕舞っているバックパックを降ろすと、もう担げないような気がして

降ろす事が出来なかった。

 

そして、とうとう日が暮れて真っ暗になってしまった。

 

ただ暗くなってからは樹林帯で、ヘッドランプで照らせば

前も足元も見えるので道に迷う事は無い。

 

でも、大きな石が沢山あるので足を捻らない様に気を付けないと

捻挫したらそこで終わってしまう。

 

そんな中で何度も立ち止まって休憩しながら暫く慎重に下っていると

砂利道になった所で、足が滑って尻もちを付いてしまった。

 

そして、立ち上がろうとしたが身体に力が入らず、そのまま動けなくなってしまったので

座り込んだまま暫く色々な事を考えた。

 

ツェルトエマージェンシーシートダウンジャケットホッカイロもあるので

このまま無理して降りるより、ここで「ビバーク」した方がイイかもしれない。

 

そんな事を考えながら、とりあえず座り込んだままウエストハーネスと

チェストストラップを外して、ショルダーベルトから両腕を抜いてバックパックを降ろした。

 

その時、毎日出発前にアミノバイタルと一緒に飲むためにペットボトルに入れていた

最後の「リポビタンD」がバックパックにある事を思い出し

明日の事より今の方が大事なので、取り出してアミノバイタルと一緒に飲んだ。

 

そして、しばらく休憩して息を整えて落ち着いたところで

バックパックからストックを取り出し、そのまま座った状態でバックパックを担ぎ

最後の気力を振り絞って立ち上がった。

 

ストックで体を支えながら降りると少し楽なので、もう暫く頑張る事にした。

 

でも、もう無理だと思ったら「ビバーク」するしかない。

 

そんなヘロヘロな状態で降りていると、遠くにテントの明かりと「涸沢ヒュッテ」が見えた。

 

 

その時「涸沢ヒュッテ」の所から、こちらに向けてランプが点滅してるのが見えたが

勘違いかと思ってそのまま暫く降りて行くと、ずっと点滅している。

 

もしかしたら、到着が遅いのを心配して宿の人が合図を送っているかもしれないと思って

自分もヘッドランプを点滅して合図を送った。

 

すると、点滅が点灯になってまた点滅したので、同じように合図を送り返した。

 

下まで降りる気力も体力も、もう無くなっていたが

その合図をエネルギーに変えて、最後の力を振り絞って歩みを進めた。

 

そして、ヘロヘロになりながら樹林帯を抜けて「涸沢小屋」の横に出て

そこからテント場の間を抜けて、何とか無事に「涸沢ヒュッテ」に到着した。

 

その時午後8時30分を過ぎていて、槍ヶ岳を出発してから17時間が経過していた。

 

道に迷った訳でもなく、大きなトラブルがあった訳でもないのに

標準タイムの2倍も時間が掛かってしまったが、何とか宿に辿り着く事ができた。

 

でも、建物が入り組んでいて受付が分からなったので探していると

 

「北穂高から降りて来た人ですよね?大丈夫ですか?」

 

って、20代位の女性とその母親らしき親子に声を掛けられた。

 

「大丈夫です。なんとか降りて来れました。ありがとうございます」

 

「テラス席で座って休憩していたら、上から降りてくるヘッドランプが見えて

 みんな心配してたので、下から合図を送ったのですが分かりましたか?」

 

「はい、分かりました。ありがとうございました」

 

「無事で本当に良かったです、お疲れさまでした。受付はこちらです、案内します」

 

そんな会話があって受付に向かったが、こんな時間に登山フル装備の疲れ切ったオッサンが

フラフラになりながらウロウロしていたので気づいたのだと思う。

 

そんな自分の事を心配してくれた人がいて有り難かった。

 

そして、受付に行ってバックパックを降ろして

 

「到着が遅くなってすみません。心配をお掛けしてすみませんでした」

 

「全然大丈夫ですよ。それより無事で良かったです」

 

「おなか減ってないですか?夕食を用意しましょうか?」

 

「ありがとうございます。でも行動食を食べながら降りて来たので大丈夫です」

 

本当はお腹がすいていたが、こんな時間に夕食を用意してもらうのは

申し訳なかったので遠慮した。

 

宿の人も自分の事を心配してくれて有り難かったが

たくさんの人に心配を掛けて申し訳ないと思った。

 

そして部屋に案内してもらい、とりあえず部屋着に着替えてから洗面所に行って

顔を洗って歯を磨いてコンタクトを外して、部屋に戻って横になった時に

 

「午後9時になりましたので消灯の時間です。館内の電気を消します」

 

と放送があり、館内と部屋の電気も消えて真っ暗になった。

 

 

そして、ヘッドランプを点けて明日の用意をしようと思ったが体が動かず

そのまま、倒れ込むように眠りについた。

 

 

4日目に続く・・・。

 

 

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と言う事で、精神的にも肉体的にも限界を遥かに超えている自分に気合を入れて

「涸沢ヒュッテ」を目指して「北穂南陵」を降りる事にした。

 

 

登山道を下ってテント場を抜けて暫くすると、目の前に「ライチョウ」が現れた。

 

 

「ライチョウ」は特別天然記念物なので、刺激しない様に止まって様子を見ていると

何故か、こちらに向かって歩いてきた。

 

 

そして、自分の足元を一周して前を歩き出した。

 

とりあえず止まったまま様子を見ていると、こちらを振り返って止まった。

 

すると「涸沢はこっちだから付いてきて」って言ってるような感じで

また歩き出したので付いて行った。

 

 

その後も、何度もこちらを振り返りながら先導してくれた。

 

そして、ハイマツの中に消えて行った。

 

そんな「ライチョウ」とお別れした後は、少しだけ危険な登山道を慎重に抜ける。

 

 

すると、今日の宿泊地の「涸沢ヒュッテ」が遠くに見えた。

 

 

そこから更に下るが、体に全然力が入らない。

 

何度も立ち止まって休憩して息を整え、エナジーゼリースポーツ羊かん

ブドウ糖を食べて、シャリバテにならない様にエネルギーを補給するが体力は回復しない。

 

それでも、とにかく行くしかないので更に下ると長いハシゴが現れた。

 

 

高さがあるハシゴを怖がる人がいるが、確実に手を掴めるし足も置けるので

自分にとっては、チェーンロープと比べると安心できる場所だが油断は禁物だ。

 

 

 

しかも手も足も力が入らないので、いつもは手と足を交互に使って降りるが

両足を揃えて降ろして、その後に両手を揃えて掴んで

その動作を繰り返して一歩ずつ慎重に降りる。

 

そして、その先の岩場も慎重に降りると、今度は垂直な下りの壁が目の前に現れた。

 

 

ハシゴと違って手と足に力が入らなくても、いつもと同じように降りないといけないので

一歩ずつ慎重に、つま先を段差に引っ掛けて降りる。

 

下まで降りて見上げると10m位あって、日が暮れてヘッドライトで降りていたら

かなり危険だった。

 

 

って言うか、降りる事が出来なかったかもしれない。

 

そして、そこから「涸沢ヒュッテ」が少しだけ近づいて見えた。

 

 

ただ、この時すでに6時30分を過ぎていて予定よりかなり時間が掛かっている。

 

しかも、もうすぐ日が暮れてしまう。

 

でも、体力はすでに限界を遥かに超えていて、中々足が前に進まないが

それでも少しずつ下る。

 

ただ、危険な所はもう無さそうなので、ストックで体を支えながら降りたいが

ストックを仕舞っているバックパックを降ろすと、もう担げないような気がして

降ろす事が出来なかった。

 

そして、とうとう日が暮れて真っ暗になってしまった。

 

ただ暗くなってからは樹林帯で、ヘッドランプで照らせば

前も足元も見えるので道に迷う事は無い。

 

でも、大きな石が沢山あるので足を捻らない様に気を付けないと

捻挫したらそこで終わってしまう。

 

そんな中で何度も立ち止まって休憩しながら暫く慎重に下っていると

砂利道になった所で、足が滑って尻もちを付いてしまった。

 

そして、立ち上がろうとしたが身体に力が入らず、そのまま動けなくなってしまったので

座り込んだまま暫く色々な事を考えた。

 

ツェルトエマージェンシーシートダウンジャケットホッカイロもあるので

このまま無理して降りるより、ここで「ビバーク」した方がイイかもしれない。

 

そんな事を考えながら、とりあえず座り込んだままウエストハーネスと

チェストストラップを外して、ショルダーベルトから両腕を抜いてバックパックを降ろした。

 

その時、毎日出発前にアミノバイタルと一緒に飲むためにペットボトルに入れていた

最後の「リポビタンD」がバックパックにある事を思い出し

明日の事より今の方が大事なので、取り出してアミノバイタルと一緒に飲んだ。

 

そして、しばらく休憩して息を整えて落ち着いたところで

バックパックからストックを取り出し、そのまま座った状態でバックパックを担ぎ

最後の気力を振り絞って立ち上がった。

 

ストックで体を支えながら降りると少し楽なので、もう暫く頑張る事にした。

 

でも、もう無理だと思ったら「ビバーク」するしかない。

 

そんなヘロヘロな状態で降りていると、遠くにテントの明かりと「涸沢ヒュッテ」が見えた。

 

 

その時「涸沢ヒュッテ」の所から、こちらに向けてランプが点滅してるのが見えたが

勘違いかと思ってそのまま暫く降りて行くと、ずっと点滅している。

 

もしかしたら、到着が遅いのを心配して宿の人が合図を送っているかもしれないと思って

自分もヘッドランプを点滅して合図を送った。

 

すると、点滅が点灯になってまた点滅したので、同じように合図を送り返した。

 

下まで降りる気力も体力も、もう無くなっていたが

その合図をエネルギーに変えて、最後の力を振り絞って歩みを進めた。

 

そして、ヘロヘロになりながら樹林帯を抜けて「涸沢小屋」の横に出て

そこからテント場の間を抜けて、何とか無事に「涸沢ヒュッテ」に到着した。

 

その時午後8時30分を過ぎていて、槍ヶ岳を出発してから17時間が経過していた。

 

道に迷った訳でもなく、大きなトラブルがあった訳でもないのに

標準タイムの2倍も時間が掛かってしまったが、何とか宿に辿り着く事ができた。

 

でも、建物が入り組んでいて受付が分からなったので探していると

 

「北穂高から降りて来た人ですよね?大丈夫ですか?」

 

って、20代位の女性とその母親らしき親子に声を掛けられた。

 

「大丈夫です。なんとか降りて来れました。ありがとうございます」

 

「テラス席で座って休憩していたら、上から降りてくるヘッドランプが見えて

 みんな心配してたので、下から合図を送ったのですが分かりましたか?」

 

「はい、分かりました。ありがとうございました」

 

「無事で本当に良かったです、お疲れさまでした。受付はこちらです、案内します」

 

そんな会話があって受付に向かったが、こんな時間に登山フル装備の疲れ切ったオッサンが

フラフラになりながらウロウロしていたので気づいたのだと思う。

 

そんな自分の事を心配してくれた人がいて有り難かった。

 

そして、受付に行ってバックパックを降ろして

 

「到着が遅くなってすみません。心配をお掛けしてすみませんでした」

 

「全然大丈夫ですよ。それより無事で良かったです」

 

「おなか減ってないですか?夕食を用意しましょうか?」

 

「ありがとうございます。でも行動食を食べながら降りて来たので大丈夫です」

 

本当はお腹がすいていたが、こんな時間に夕食を用意してもらうのは

申し訳なかったので遠慮した。

 

宿の人も自分の事を心配してくれて有り難かったが

たくさんの人に心配を掛けて申し訳ないと思った。

 

そして部屋に案内してもらい、とりあえず部屋着に着替えてから洗面所に行って

顔を洗って歯を磨いてコンタクトを外して、部屋に戻って横になった時に

 

「午後9時になりましたので消灯の時間です。館内の電気を消します」

 

と放送があり、館内と部屋の電気も消えて真っ暗になった。

 

 

そして、ヘッドランプを点けて明日の用意をしようと思ったが体が動かず

そのまま、倒れ込むように眠りについた。

 

 

4日目に続く・・・。

 

 

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