ご無沙汰しています。
SR311 U20エンジン! と SP311 R16エンジン のオーバーホール兼チューニングが完了したのでちょいとご説明!

【U20エンジンの内容】
●2.5L化!・・・下記の記事に書いてあるPISTON/CON-RODと弊社クランク使って2.5L化しました。
実は、このエンジン以前輪工舎で造った奴で89Φピストンと93㎜クランクを組んで2.3L仕様で実走していたエンジンです。・・・因みに輪工舎時代で組んだのは私では無いです。その後走行距離が10万キロ走ったのでオーバーホー兼、更に過激にする!との事で弊社へチューニング依頼があってはじめたエンジンです。と言う事で、以前に紹介しましたPISTON/CON-RODが作ってあったので今回エンジン組に至ってます。
PISTON・・・パンクルに頼んでCPで造ったピストン!それなりに拘って作ったピストンです。下記過去の記事参照してみて下さい。

因みにこのリセス形状で、バルブ全閉じから8~9㎜位リセス底まで隙間あります。・・・ピストン中心までリセス襟足が来るリセス深さです!・・・結構良いヒントになりますよ!リセス掘りたい方は参考としてください。
キャリロ特注コンロット!・・・いいキャップ形状してますね~~!詳細は下記の加工の記事参照してみて下さい。

部品作ってからエンジン組まで随分時間かかってしまいましてすみませんでした!!!
クランク・・・当然93㎜ストローククランク使っています。がこのクランクは第1期の93㎜ストローククランクを使っています。第1期クランクの特徴は、オイルシール構造をU20のSTDと同じグランドパッキンによるシール形状で作ってあります。
こんな感じ。のシールです。・・・ただフライホイールはL型が使える様にしています。
それとクランク先端もU20 STDと同じ形状で作ってあります。
これが1期目の93㎜ストローククランクの特徴です。
久しぶりにグランドパッキンシールのU20組みましたが・・・まーーークランク回すと重い重い!腰下のフリクションは高回転まで引きずりますのでこのグランドパッキン仕様のクランクは出力の面では第2期の一般的なクランクシール構造品にはおよばないっすね~!・・・でもまグランドパッキンはその内なじんできて軽くなってきますから!!
因みにこの第1期クランクは、南は九州、四国、本州、北海道と多分10台位は造ったとおもいます。
因みにこのエンジンには、クランクギヤとの間に挟んである0.25㎜の2枚合わせのシムが入っていませんでした。んでもってこのシム生廃・・・と言う事で
レーザーカットで作りました。材質も同じSUS系バネ材使って切りました。
もし無くしちゃた方いたら連絡ください。
2400円/税別でお分け出来ます。
それとクランクギヤの前側に付けるオイルがシールに架かる事を防止するワッシャーもありませんでした。・・・こいつも生廃です・・・と言う事で、プレスフォーム成型用のザス型作ってリプレース品作りました。
必要な方連絡下さい。7800円/税別でお分けいたします。
んでもって、リクエストでヘッドボルトを、スタッドBOLT化しました。
スタットBOLT化のメリットが良く判らなくて、私は使わないのですが、リクエストと言う事で使いました。・・・スタッドBOLT先に刺すとHEADが後から載らないとか・・・非常にメンドクサイ!
スタットBOLTの何が良いのだろう??何方か教えて下さい。本当にメリットが判らないんです。なんか有効ネジ部が長いので応力が分散するとか・・・んな訳ね~だろ!ネジ山なんて上側4~5山で90%の荷重うけるんです!奥までネジ入れようが変わらない筈なんです!
とか、面圧が上がるとか・・・んな訳ないだろ!!
とかとか、色々言われているのですがどうも全て釈然としない・・・
まじでメリットがわからん・・・
そもそも、ヘッドボルトってテンションボルトの典型です。ヘッドボルトってエンジンが冷えている時に締め付けますよね!んで運転中はアルミ製で熱膨張大きいなシリンダーヘッドが熱くなって熱膨張の小さい鉄製のヘッドボルトを伸ばします。特にU20なんてロッカータワー一体で締めますんでアルミヘッド高さが高い分ヘッドボルトはかなり伸ばされてます。多分0.5㎜は伸びてる筈です!U20のヘッドボルトって冷間で9.0㎏ℊ・Fで締結しますよね!んでもって温間時は、この冷間の締結トルクで伸びた分に、角度締めで言う所90度程度を締め込んだ分HEAD BOLTは伸ばされる訳です。当然伸ばされた分過大な軸力がヘッドボルトに架かってくる訳です。・・・これ強烈ですよ!んでもってですね!更に言うとですね!ドライブから帰って来てガレージに車しまって・・・夜になると今度は、アルミヘッドは冷えて急激にちじこまります・・・この様に伸びと、ちじみの応力の振幅をヘッドボルトは一生懸命バネになって耐ている訳です。すげ~けなげな奴じゃないですか!!このバネとしての特徴を持たせなきゃならいヘッドボルトは、ネジ山部に応力が集中しない様な胴がくびれた形状にして、締結時の伸びをくびれた部分をバネとして伸ばして応力をコントロールしています。こんなにヘッドボルトの設計って難しいんです!
なのに、上のスタットBOLTの形状みてください!胴の部分が一番太くてネジ山の方が細い・・・本末転倒やん!!!どこ伸ばすねん!!!と突っ込みたくなる形状してますよね!これじゃ締結時の最大応力部はネジ山の始まった谷部になちゃいます。なのでスタッドボルトが「バツン」と飛ぶときはネジ山が始まった部分からナットごと飛んじゃうんです。・・・んでもっていきなりボルト軸力0!当然ヘッドガスケットの面圧も0!水油燃焼圧全部だだ漏れ・・・!ってな最後が見えちゃいます・・・それに対して、ちゃんと出来たヘッドBOLTは胴の部分がちょいとずつ伸びて軸力が減ってきて、ガスケットが抜け塩梅になって~・・・あれ?ガスケット抜けてる??てな感じで気が付いて増し締めするなりガスケット交換するなりして、被害最小で済むようになってるんです。
と言う事で、私は理に適ってないスタットボルトは、好き好んで使いません!
まあポルシェなんかのスタットBOLTはしっかり、応力コントロールしてあるスタッドボルト形状しているのでまあ良いんじゃない!と思ってったりしますが・・・。
でも、まあ~~今回もそこまでシビアにならなくても大丈夫でしょ^^!と言う事で採用!
んで、このクライアント様は当時のオプションポンプを持ち込まれました。珍しい部品だったので分解して紹介して良い!と言う事だったので詳細に見てみましょう。
下のオイルポンプは左からSP311 R16用 中央SR311 U20純正品 右側U20オプション!
てな感じになっています。当然全てに互換性有ります。
因みにオプション オイルポンプは6㎏まで油圧上がるとの事。
バラしました!
左側からR16 真ん中U20 STD 右側オプションです。
U20純正とオプションの違いを調べると・・・
1:純正はアルミボディ オプション品のボディは鋳物。
2:ちょい判りずらいですが・・・なんと純正のオイルポンプの方がギヤの刃厚が厚いです。因みにオプションオイルポンプのギヤはR16の薄型ギヤと全く同形状です。
3:リリーフバルブの径がR16は圧倒的に小径!U20純正とOPは形状の違いはあれど同じ径。
4:リリーフバルブのスプリングが、オプションは圧倒的に硬い・・・ばね定数が高い!
こんな感じです。
オプションのギヤ厚が薄いのがなんとも信じられん・・・R16のギヤがそのままはいちゃいましたよ!どう見ても吐出量的にはU20純正が最強です。オプションオイルポンプはR16のオイルポンプをリリーフのスプリング硬くして油圧上げて、尚且つ油圧安定させる為にリリーフバルブを大径化しただけっぽく見えちゃいます。そう考えるとU20純正オイルポンプのリリーフスプリングにシム噛ませてリリーフ圧上げるのが最強オイルポンプになると思います。
聞いた話で・・・誠かは判りませんが・・・SR311の初期はR16と同じオイルポンプが付いていたという人もいて・・・本当かはわかりませんが・・・もし本当だとしたら、低回転時のオイルの量を稼ぎたくてギヤ厚を途中から変えたのかもしれません!俗に言うランチェン!(ランニングチェンジの略)かもですね・・・特にU20エンジンは日産初のSOHCで意外とHEADにオイルが必要なのが設計当初は判らなかったのでR16ポンプ使ちゃえ!的に使っていたのかもです・・・ロッカーアームのかじりの不具合なんかが結構でちゃってオイルポンプを途中で強化したなんて・・・意外とありがちかも・・・
油圧って上げすぎちゃうと良い事無いので、U20のオイルポンプをいじったりしたことは無かったのですが、6㎏程度は大丈夫だと言う事で、U20のオイルポンプにシムいれて油圧6㎏化したいと言う事で検討しました。リリーフバルブ径がU20純正もオプションも同じ径なんで、バネのセット荷重だけ合わせれば基本的に同じになる筈!と言う事で
こんな治具作って荷重測定して~~~~
外筒の長さがスプリングのセット長になります。
んでもって
こんなシム作って荷重計測して~~~!!!
丁度良い厚みのシム算出して、組み上がたU20とR16でテストしますので、結果でたらまたご報告します。
ということで、本日ここまで!