2026年1月20日(火月)曇/雪
雪の夜の読書「雪夢往来」
二十四節季の大寒、11日に図書館から借りて来た木内昇さんの「雪夢往来」、第52回の大仏次郎賞氏の長編が新潮社から出ています。前回のブログにも少し触れましたが、この「雪夢往来」は江戸時代の後期、越後塩沢の縮み仲買人の鈴木牧之が雪国の越後の風物や暮らしを綴った作品「北越雪譜」、優れた挿絵とともに興味深い内容が江戸の人の心を鷲掴みにし、ベストセラーとなった随筆ながら、その出版までは紆余曲折、実に40年も掛かってしまったことを素材に。鈴木牧之が多忙な稼業に打ち込みながらも、何故出版の夢を捨てなかったのかということを軸に進んで行きます。
「雪夢往来」のもとになっている、鈴木牧之による「北越雪譜」は実に優れた作品で、その内容も実に多岐に亘っています。雪国に暮らす私どもでも大いに引き込まれてしまいます。私如きが下手な解説など却って作品に失礼ですので、ぜひ一読されることをお勧めします。
「北越雪譜」が世に出て、牧之の長い労苦が報われた時、牧之はその苦労が報われたことよりもその目的をよりどころとして生きて来られたことに感謝しています。物語の最後の方にあった牧之の言葉は「人は何をよりどころとして生きるのか、よりどころとするものを持って生きられることのありがたさ」といったことが伝わって来ます。
―おれは果報者だな。
一生をかけて励んだものが実を結んだことではなく、一生をかけて夢中になれるものがあったことが。このとき儀三治 は身に染みて有難かった。(本文中より)
400ページに及ぶ長編ですが読み進めて行く内にどんどん引き込まれてしまいました。
鈴木牧之『北越雪譜』、木内昇「雪夢往来」
「北越雪譜」の 越後縮のこと
牧之生誕の地塩沢は現在では南魚沼市に属しています。魚沼では機織りが盛んな地で。「北越雪譜」の中でこの越後縮の事に詳しく触れています。
魚沼の厳寒の中で、材料の紵(お)から細い糸を作る紵積(おうみ)、神聖な機織りの事、雪晒しなどの行程の事などが記されてあります。どの工程も寒さ厳しい豪雪の里であるがための厳しさの中での作業、そして厳しい寒さや湿度などの条件の故にできる上質の布、経済的な物を越えた上質の物を作る者としての矜持。牧之の筆からひしひしと伝わって来ます。
塩沢の「しおざわ雪譜祭り」
この牧之ゆかりの塩沢では毎年2月に「しおざわ雪譜祭り」が催されています。(今年は2月21日に開催されるようです)
この塩沢の江戸時代の街並みをテーマにした「牧之通り」は実に見事です。
塩沢の「牧之通り」
私はコロナの前には毎年訪れていましたがコロナ禍後から少し遠ざかってしまいました。私が行った時とは催しも変わっていますが、「塩沢歌舞伎保存会」による地芝居「雪中の議場(芝居)」もコロナ後に3年ぶりに雪の花道で復活だそうです。
その時の私のブログのリンクです。 牧之の里の「塩沢雪譜まつり」
(※ちなみに私どもの干溝歌舞伎保存会も4月11日に魚沼市の「響きの森文化会館」にて11年ぶりに公演を行います。役者の皆さん現在猛練習中です。)
塩沢の名酒
塩沢には名酒の蔵所があります。「青木酒造(株)」さんの「鶴齢」は鈴木牧之が命名したとされているようです。また北越雪譜に登場する異獣「雪男」がモチーフの「鶴麗雪男」も海外コンペティションでも受賞歴を重ねる人気だそうで、売り上げの一部は山岳救助隊への寄付に当てられているとのことです。
そして、もう一つ蔵元、巻機山麓の長崎地内に「高千代酒造(株)」があります。こちらは「高千代」、「巻機」、「天地人」などの銘柄があります。
この酒蔵の蔵開きの祭りにはもう10年以上も前になりましたが、何度かお邪魔したことがあります。下記のURLはその時のブログです。
ある酒蔵の蔵開き、三国街道塩沢の宿へ
大型の居座り寒波
今日から「大寒」、日本海にJPCZ(日本海寒帯気団集収束帯)が発生して、大型の寒波が居座るようです。昨年も今頃の時期には1m弱の積雪でしたがその後寒波が強まり、2月の末には270cmの積雪がありました。今年もこれからどうなって行くのか分かりませんが、ここ数日の雪の状況には要注意です。





















































































