キク科ダリア属の多年生草本植物の総称、ダリア。

スウェーデンの植物学者リンネの弟子アンデシュ・ダールにちなみ、

ダリアと名付けられたとか。

メキシコからグアテマラの高地が原産、

欧州へは1789年、スペインのマドリード植物園に移植され、

日本へは江戸時代末期にオランダから長崎へ持ち込まれ、

和名は花の形がボタンに似ているため天竺牡丹と呼ばれていた。

その後品種改良が進められ、最近では花色がバラエティーに富み、

華やかなバラやチューリップと並び称されている。

花弁の内側は筒状型で繊細に密集したものが多く、

左右相称の花、舌状花のダリアは

開放的に大きく花開くものと整然と管状型に纏まるものとがあり、

何れもメキシコ原産らしくパッションがあり魅力的である

開花時期が夏と秋と二回あると認識したのはつい最近のこと。

ネットで開花時期を調べてみると、

「6~7月頃の初夏が最盛期であるが、塊根を植える時期と

品種によっては秋に開花することもある」。

バラも同じ理由で二回咲くのかなと思いつつ

今年もダリア園へ向かう。

 

時々晴れ間が覗く曇天模様の10月初旬、

マイカーで国道171号線を東進して川西交差点を左折して北上し、

ゴルフ銀座を通り抜け自宅から凡そ1時間掛けて現地に着く。

ダリア園は山麓に広がる田畑の一角に設けられいる。

落ち着いた気分で辺りを見渡すと、山際を小川が流れ、

平地はミニキャンプのテントが張れる芝生が見える長閑な場所だ。

 

ダリア人気が高く30台程度の駐車場は既に来場者で満車、

やむなく関係者専用の駐車場に誘導されて車を止め、

リュックを携えて下車し、受付で500円を支払い入園。

平成9年、川西と名のつく4つの自治体で全国川西会議が設立され、

その後、山形県に日本一のダリア園(650品種、一万本)があることから

兵庫県とでダリアを通した交流が始まり気運が高まる。

兵庫県川西市は山形県川西町から二回寄贈を受けたダリアを中心に

球根を殖し、現在では新しく100種類以上増えたとか。

山形と良く似た市内最北端にある黒川を本格的な育成の地として選び、

平成17年度から「黒川ダリア園」をオープンする。

 

今年は記録的な猛暑や残暑が続き、ダリアもその影響を受けて

咲いている花の本数が半減し寂しさは否めないものの、

華麗に咲く大輪の花は生き生きとして「素晴らしい」の一言。

 

 

町中の花壇でも良く見掛ける赤のダリア。

花心の周りで放射線状に広がる筒状の花弁、

繊細かつ密に咲くのが特徴で見応えがある。

 

 

キク科に相応しい黄色いダリア。

 

 

黄色もピンクも可愛らしく優しさも伝わる。

 

 

花弁の先端が白く縁取られた赤いダリア。

本日一番胸をときめかしてくれた大輪の花、

品種改良を重ねた人々の表情も思い浮かべながら観賞。

 

 

金木犀とほぼ同時期に咲いたコスモスの花、

風に揺れる姿が何とも愛おしい。

武庫川の河川敷に広がる「髭の渡しコスモス園」、

10月末から11月初旬にかけて見頃を迎えるのが楽しみだ。

 

サラリーマン時代は「良く学び、良く遊べ」をモットーに、

仕事に打ち込むと共にゴルフ、居酒屋回りなど遊びにも明け暮れた。

余りにエネルギッシュなスタンスに今更ながら、

どんな気持ちで取り組んだのだろうと思い起こそうとしたが、

その蘊蓄(うんちく)は既に書き尽くされている。

朝夕冷気が感じられ、漸く一年で最も過ごしやすい季節を迎える。

今は複雑なことなど考える必要はない、

シンプルに秋風に吹かれるだけで心が落ち着く。

ダリア園を離れて元の駐車場に戻り

マイカーのエンジン作動のスイッチを押した。

 

(写真撮影日は10月12日木曜日)