ぼくとおかあさん(3〜5歳) | 8歳7歳息子との絵本生活

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絵本感想が中心です。読み聞かせ講座をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまは子供そっちのけ、自分が絵本を楽しんでいます。息子たちは、1年4ヶ月差の歳近めの兄弟です。小3の長男、小1の次男です。気になることは子連れキャンプ、子連れディズニーランド。

「ぼくとおかあさん」

作:宮本忠男

クマの親子の対話を描いた絵本です。


この絵本の子熊は、お母さんに試し行動のような、ちょっと困らせるような行動をします。対話の中では「いい子」「いけない子」とワードが出てきます。お母さんが子供に「いけない子ね」と言ったりします。


私はこの絵本を読んでいて、とても微妙な気持ちになりました。いまの時代、子供の行動を注意しても、子供の人格を否定するな、というのがセオリーです。だから、私自身も、息子に対して「悪い子」「いけない子」という表現はしないようにしています。「いい子」という言い方も必ずしもプラスではなくて、言い続けることで、「いい子でいないといけない」という焦燥感を子供が感じると聞き、なるべく言わないようにしています。


この絵本の中では、産まれるときに「いい子ですか?」と聞いたら「いい子ですよ」と言って産まれてきたよ、と子供に語りかけるエピソードがあります。この絵本の意図としては、親子のユーモアのある会話として描いています。しかし、私は、いい子でなければ産まれてこなくて良かったと子供に感じさせてしまわないだろうか、とそんな不安を感じてしまいました。


この絵本は1996年の出版です。私の感じた違和感は、子育て論の時代の変化からくるものだと思います。私がおばあちゃんになる頃、きっとまた子育て論のセオリーは変わっているのでしょう。


いま自分がいいなと思ってよく参考にするのは「親野智可良」という方の発信情報です。子供のありのままを愛するという考え。分かっていても、イライラしたり、怒り過ぎたり、親のエゴはなかなか消せるものではありませんが、なるべく穏やかな心で子供たちが育っていけるように努力していきたいと思いながら、子育て論を参考にしています。


そしてまた言えることは、前の決意表明と逆説的になるかもしれませんが、子育てのセオリーなんて時代とともにどんどん変わっていくものだということ。一昔前は全く違う子育て論だったけど、それなりにみんな育っています。ちょっとくらい対応を失敗したかなと思うことがあったとしても、くよくよしなくて大丈夫なんじゃないかなということです。時代とともに子育てのセオリーは変わりますが、子供と関わる親やその他の関係者に、その子に対する愛情があれば、子供たちはそれを感じ、すくすくと育っていけるのではと思います。