犬の下痢がなかなか治らなくて
困っている飼主さんも多いね。
慢性的な下痢になると
普通は胃腸の問題を考えて
検査、治療をするのさ。
食物アレルギーを考えたり
慢性腸症を考えて
うんちの検査
血液検査
エコー検査
レントゲン検査をしたり
麻酔をかけられるようなら
内視鏡検査して胃腸の
組織を確認したりして
胃腸に異常がないか、
病気がないか調べる。
いろいろ調べても
異常がなくてわからない
こともあって
その中に落とし穴があって
胃腸の病気じゃないのに
慢性的な下痢になる病気がある。
それがアジソン病
それも非定型アジソン病
アジソン病は、副腎皮質機能低下症
と言って副腎皮質はホルモンを
作って出しているんだけど
副腎皮質の機能が低下することで
ホルモンが作られずに少なくなる病気で
普通のアジソン病はグルココルチコイドと
ミネラルコルチコイドの両方が少なくなって
通常の血液検査に異常が出ることが
あるけど
非定型アジソン病はグルココルチコイド
だけが少なくなる病気で
通常の血液検査に異常が出ない。
通常の血液検査に異常が出ないから
わからなくて
非定型アジソン病を疑って
ホルモンの特殊検査をしないと
わからない。
治療しても下痢が続く場合は
麻酔をかけて内視鏡検査を
するんだけど
麻酔をかける前にアジソン病の
検査をして非定型アジソン病に
なっていないか
確認するのも重要だったりする。
非定型アジソン病はそんなに
多い病気じゃなくいから
いきなり非定型アジソン病を
疑うことはないけど
下痢がよくならない子の中に
潜んでることがある。
アジソン病自体
アジソン病を疑う典型的な
症状が出ていないことも多くて
アジソン病を診断するのも
難しいのに
非定型アジソン病になると
もっとわかりにくい。
でも最近増えてる。
最近では、アジソンじゃないんだけど
コルチゾールが低かったりする
副腎疲労症候群と思われる子もいる。
下痢が続いていると胃腸の病気と
思うじゃん。
それがホルモンの病気なんて
思いつけばいいんだけど
思いつかないと落とし穴になるね。
今日もありがとう
人間より動物好きの獣医
シワ神シワ男
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