猫のメラノーマについての質問が
来たので答える。
メラノーマは悪性黒色腫のことね。
猫の悪性黒色腫自体はそんなに多い
腫瘍じゃない。
黒色腫と言うぐらいなので、黒い色素が
あるところにできやすい。
ただ、悪性黒色腫って黒いものだけじゃ
なくて色素がない腫瘍もあるのさ。
黒いヤツはわかりやすいんだけど
黒くないヤツはわかりにくい。
できる場所は、目や口の中、皮膚
足先にできることが多い。
悪性黒色腫の原因はわかっていない。
人は紫外線が関係してると言われるけど
猫は今のところ関係ないって言われれる
悪性黒色腫はリンパ節や肺、肝臓に
転移することが多い。
治療は外科的に取るしかなくて
抗癌剤や放射線療法、DNAワクチンを
用いた免疫療法などの補助治療を
おこなうこともあるけど治ることはない。
外科的にはどこにできたかによって
変わるけど
目にできたら眼球を摘出したり
口の中にできたら舌の裏や
下あごにできたら顎ごと取るけど
上あごにできたら上あごは取れないから
摘出が難しいこともある。
足先にできたら断脚したり
皮膚にできたらなるべく広範囲に取る
悪性黒色腫はあまりよくなくて
外科的に摘出しても難しいことも多い。
ぼくは、目の悪性黒色腫はよくある。
目の虹彩と言うところに黒い塊ができて
だんだん大きくなってくるけど
悪性黒色腫自体は痛くはないけど
それが悪さをすることで
緑内障やぶどう膜炎になったりする
緑内障やぶどう膜炎になると目が
痛くなるって
元気、食欲がなくなっちゃう。
悪性黒色腫と痛みを取るためにも
目を摘出する
ただ、リンパ節に転移してたりして
その後しばらくして亡くなっちゃう
ことが多い。
口の中とかは見つけるのが遅くなって
口が痛くてご飯食べないとか
血のよだれが出るとかで
わかったりするけど
だいぶ進行してから見つけることが
多くて転移しちゃってることが多い
悪性黒色腫はなかなか厄介な病気
抗癌剤も放射線療法もあまり効果なくて
緩和ケアになることが多い。
急速にガンガン進行するタイプの
腫瘍じゃないけど
徐々に徐々に広がっていく。
アメリカではDNAワクチンを使った
免疫療法があるけど
日本ではできない
ちっちゃいうちに見つけて
早く取ることが現時点では
効果的な対策になる。
よく触って、よくみて、なんか
変なものできたらすぐに
動物病院で診てもらって。
今日もありがとう
人間より動物好きの獣医
シワ神シワ男
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