今回の核実験に対し、NY市場は高値更新を続けている。正に遠くの戦争は買いとのセオリー通りである。アメリカにとって今回の核実験は、極東の緊張を高め、それによる軍事の需要増加が期待できるといったところであろう。日本でも、ミサイル防衛システムの早期導入を検討する事になった。ただし、核拡散は、アメリカの核抑止力の相対的な弱体化をもたらし、それ自体はアメリカにとって容認しがたいことである。
アメリカは、国益最優先の国である。イラク、イランが、中東の産油国であり、石油権益を狙い、また石油を安価で手に入れたいアメリカにとっては、中東への軍事介入は、至極当然なことである。北朝鮮には、そのような富も無く、また政権を倒してアメリカ側につけたところで、お荷物を背負い込むようなもので何のメリットも無い。朝鮮戦争当時、アメリカが軍事介入したのは、共産主義の拡大(ドミノ理論)の脅威を食い止めるためで、現在はそれも無い。国際警察を標榜するアメリカにとっては、それなりの姿勢を見せる必要があり、それが国連での早期制裁決議となった。アメリカが行うのはそこまでである。現に、アメリカは、この極東地域で、戦力の移動をまったく行っていない。中東であったら、間違いなく空母が動いている。
北朝鮮の後ろ盾となっている中国は、北朝鮮に対し何の影響力も示すことが出来なかった今回の件で、その面子を潰された。しかし、北朝鮮に対し影響力を残したい中国は、人道的支援という名目で北朝鮮への援助を継続するであろう。韓国も同じ民族という観点で、援助を継続するであろう。アメリカとしても、軍事介入を仄めかしながらも、中国に問題の解決をゆだねたいと考えている。韓国、日本の同盟国であるとアメリカは言いつつも、武力介入は避けたいのがアメリカの本音である。
最近の北朝鮮は、国際テロ組織の一員からは、抜け出しつつある。金正日が、小泉に対し拉致を認めたのも、過去の清算を図りたいといった思惑からであろう。最近は、北朝鮮による爆弾テロといったものは無く、テロ的行為といえば、偽ドル印刷と覚せい剤の製造と密売程度である。テロを行わない国家であれば、アメリカの脅威ではなく、その国家をつぶす必要も無い。アメリカが、この問題で、軍事行動をとるメリット、必要性は見当たらない。