テキーラ・モッキンバード:ラムゼイ・ルイス | かえるの音楽堂

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TEQUILA MOCKINGBIRD : RAMSEY LEWIS

(1977年)

 ラムゼイ・ルイスの米コロンビア・レーベル9作目のアルバムです。ラムゼイのコロンビア期のアルバムではモーリス・ホワイト&アース・ウィンド&ファイアーとのコラボ作品が特に傑作であると思います。EW&Fとのコラボとしては74年の“SUN GODDESS(太陽の女神)”そして1枚を挟んで、76年の“SALONGO(サロンゴ)”があります。翌年77年の“「LOVE NOTES (ラブ・ノウツ)”はスティーヴィー・ワンダーが参加して話題になりました。そして同年77年に本作品“TEQUILA MOCKINGBIRD”で再びEW&Fのメンバーが参加しています。全8曲中“TEQUILA MOCKINGBIRD”、“SKIPPIN’”、“THAT OLE BACH MAGIC”の3曲でEW&Fのラリー・ダンがプロデュースを行い、演奏ではEW&Fからフィリップ・ベイリー、アル・マッケイ、ヴァ―ダイン・ホワイト、フレッド・ホワイト、ジョニー・グラハムが参加しています。またEW&Fとは馴染みの深いレオン・ンドゥク・チャンクラー、ロニー・ロウズ、エディ・デル・バリオらも参加しています。他には当時のラムゼイとはお馴染みのバイロン・グレゴリー(g)、ロン・ハリス(b)、キース・ハワード(ds)、ダーフ・レクロウ・ラヒーム(per)が参加しています。

 

1. TEQUILA MOCKINGBIRD(テキーラ・モッキンバード)

2. WANDERING ROSE(さまよえる薔薇)

3. SKIPPIN’(スキッピン)

4. MY ANGEL’S SMILE(マイ・エンジェルズ・スマイル)

5. CAMINO EL BUENO(カミノ・エル・ブエノ)

6. CARING FOR YOU(ケアリング・フォー・ユー)

7. INTIMACY(インティマシー)

8. THAT OLE BACH MAGIC(ザット・オール・バッハ・マジック)

 

 1曲目「TEQUILA MOCKINGBIRD」はラリー・ダンの作です。EW&Fテイスト漂うポップでファンキーなゴージャスなサウンドです。ラムゼイは分厚いグルーヴのリズム隊をバックにアコピをガンガン弾いています。この曲は79年には歌詞を付けて、シンガーのディー・ディー・ブリッジウォーターがカバーしました。(アルバム“BAD FOR ME”)この時もアレンジはラリー・ダンが行っています。3曲目の「SKIPPIN’」はヴィクター・フェルドマン作曲のカバーです。コロコロと転がるようなラムゼイのピアノが特徴的な曲です。フェルドマン自身も彼が所属していたバンド、リズム・ヘリテッジのアルバム“SKY’S THE LIMIT”で取り上げています。この時にはフェルドマン自身がシンセを弾いていました。ちょっとラテン風味の5曲目「CAMINO EL BUENO」はダーフ・レクロウ・ラヒームのオリジナルです。6曲目「CARING FOR YOU」や7曲目「INTIMACY」ではラムゼイはアコピをたっぷり弾いています。8曲目「THAT OLE BACH MAGIC」はラリー・ダンとエディ・デル・バリオの共作でタイトルにあるようにバッハのクラシック曲をモチーフに使って作曲した曲です。ラムゼイはこの曲を1993年にGRPで制作したアルバムでも取り上げました。アルバム全体ラムゼイの転がるようなエレピのサウンドが心地よいです。1970年代を代表するフュージョンの作品の一つですね、アルバムとしては全米ジャズ・チャートで最高3位を記録しました。この後1980年にはアルバム“ROUTES”で再びラリー・ダンをプロデューサーに迎えEW&Fのメンバーも参加しました。ラムゼイは2018年に自身のSNSで音楽界からの引退を表明しましたが、翌2019年にはラムゼイ・ルイス&アーバン・ナイツ名義でアルバムを発表しました。