あつしです
大型SUVの中でも独自の存在感を放つ「VOLVO XC90 T8」。
全長5m弱・全幅2m弱という堂々としたサイズに、PHEVパワートレインを組み合わせたモデルです。
今回、実際にXC90 T8に試乗し、走行性能・電費・シートの快適性・ラゲッジの実用性まで徹底的にチェックしました。
結論から言えば、XC90 T8は
「走り」ではなく「静かで快適な移動空間」を求める人のためのSUVです。
その理由を、実体験に基づいて詳しく解説します。
■ 1. エクステリアとサイズ感:圧倒的な存在感と実用性
XC90 T8の第一印象は、とにかく“デカい”。
全長(mm)×全幅(mm)×全高(mm)は
4,955×1,960×1,775

静止していても重厚感があります。
タイヤも 275/35R22 で 存在感が高い

■ 2. ラゲッジスペース:3列SUVとしては優秀だが“完全フラット”ではない
・最大幅:約1200mm → ゴルフバッグ横積み可能
・奥行き(3列目格納):約1200mm
・奥行き(2列目格納):約2m近く

ただし、
・シート間に隙間があり小物が落ちやすい
・完全なフラット床ではない

大きな荷物には強いが、細かい荷物は工夫が必要です。
■ 3. インテリアとシート:質感は高いが、座り心地にはクセ
● 後席:ナッパレザーは上質だが“滑る”

触感は良いが、コーナーでは体が落ち着かない。
足元空間は広い

● 運転席:着座位置が高く、膝裏に圧がかかる

ただしサイサポートを伸ばすと改善。
レクサスRXに近い感覚。
● 4ゾーンエアコンは優秀
家族で乗る場合は大きなメリット。

パノラマルームも大きく快適です

■ 4. 走行性能:街乗りは快適だが、ワインディングでは弱点が露呈
● 街乗りは快適
- ブレーキホールドの解除が自然
- 低速のアクセルレスポンスは良好
- EV走行の静粛性が高い
● しかし…軽い踏み込み時のトルクが遅い
- 立ち上がりが遅い
- エンジン音の割にトルクが来ない
- 加速が「三段階」で立ち上がる
「今ほしい」タイミングでトルクが来ないのが最大の弱点。
● コーナリングは苦手
- 重心が高い
- ロールが大きい
- シートが滑りやすく体が安定しない
- エアサスは快適性寄りで減衰制御は控えめ
この辺の走り性能を考慮するならVOLVOであれば
V60 T6を選択すべきだと思います。
■ 5. PHEVとしての電費:実質“ガソリンより高い”可能性
- カタログ電費:260Wh/km
- 実走行予測:300Wh/km
- 走行距離:3.3km/kWh
- 電気代30円/kWh → 1kmあたり約9円
これは
ガソリン車の燃費と電気代を比べたときに決して安いとは言えない
ヘタしたら高いかもしれない
PHEV=経済的、というイメージはXC90 T8には当てはまらない。
PHEVのXC90におけるメリットは経済性にはなく静粛性にある
■ 6. XC90 T8を選ぶべきユーザー像
●向いている人
- 家族で乗ることが多い
- 3列シートが必要
- 都市部で短距離中心
- 自宅充電ができる
- 静粛性と快適性を重視
- 税制メリットを活かしたい
● 向いていない人
- 走りの気持ちよさを重視
- ワインディングを楽しみたい
- 電費・燃費の合理性を求める
- 低重心の走りが好き
- 長距離移動が多い
■7. 他車比較:A6/A7 TDI・i5 Touring・Crown RSとの違い
(俺の購入検討候補車たち)
● A6/A7 TDI
→ 走り・安定性・長距離性能で圧勝
● i5 Touring
→ EVとしての完成度が高く、走り/静粛性は圧倒的、電費も良い
● Crown Estate RS
→ 実用性と走りのバランスが良い
● XC90 T8
→ 唯一無二の「巨大SUV × 静粛性 × 3列 × PHEV」
■8. 結論:XC90 T8は“走りの車”ではなく“家族のための静かな移動空間”
自分の評価軸(走り・電費・ワインディング性能)では、
XC90 T8は選ぶ理由がほぼありません。
しかし、
- 3列シート
- 静粛性
- 快適性
- 税制メリット
これらを重視するユーザーには、非常に合理的な選択肢です。