私は、6月24日の定時株主総会をもって社長を退任し、ファウンダー(創業者)となりました。

 在留外国人が年々増加し、外国人のための社会インフラ(財団法人、社会福祉法人、学校法人等)の必要性が高まる一方、整備は遅れているのが現状です。そのため、今後は個人活動としてこれらの整備にも一肌脱ぎたいと考えております。アバンセグループの経営からは一歩下がって、広い見地で活動することとなりますので宜しくお願い致します。

 さて、2020年4月1日から、「同一労働同一賃金」の徹底化が盛り込まれた働き方改革関連改正法が施行されます。企業から見ると、同一労働同一賃金になって人材派遣を使う意味はどこにあるのでしょうか。「コストは管理したいが、コンプライアンスには関わりたくない」この矛盾したニーズに斜に構えて雇用と使用を分離したものが派遣というビジネスモデルでした。
忙しい時だけ人が欲しい。高いスキルが要求されない仕事は外部労働者でコストカット、まさに便利なツールでしたが、今後はだめだといいます。しかし、経済はよりグローバル化、ニーズは厳然と残るどころかより強まるものと思われます。

 中小企業は人が集まらないから派遣を受入れていますが、従業員と経営者双方の高齢化と少子化が合わさり、求人はより逼迫、工場閉鎖で廃屋の途を選ぶのか、工場を存続させるためにほとんどの工程を外部労働者に委任するのか、決断を迫られています。

 

 昨年日本で生まれた子どもはたったの92万1000人、私たちと縁の深い島根県では、新卒高校生の県内就職者は戦後初めて1000名を切ったと言います。それも均一に減少するのではなく、選択的に出現しています(漁協は新卒者を採用できたが、船に乗る人は全く来なかったというように)。愛知県等もつい3ヶ月ほど前までは人手不足で、倒産する企業まで現れるのではと心配していたのが嘘のように人手余りが出現しており、余力のない人材業者は不安満載の夏を迎えようとしています。

 大企業は輸出主導型企業が多く、輸出が減退し始め、下請の請負・派遣会社は20~30%減員もしくは残業カットが要求されています。しかし、人員削減まで考えている企業はまだ少なく、模様眺めの様相です。夏にはダメージが具体的に出てくるでしょう。私の経験では大量に導入する力のある業者は残り、動員力の弱い業者は最初に削減になるというというパターンが今回も出始めています。

 さて、少子化が進み、景気後退と合わさった日本は、出入国管理法改正後、どんな地図・絵模様が出てくるのでしょうか。まずは在留資格別に分析しましょう。

 

 

 6月6日、政府の規制改革推進会議(議長:大田弘子 政策研究大学院大学教授)は、安倍首相に「ジョブ型正社員」の法整備について答申しましたが、日本の従来の正社員は就「職」より就「社」、今後は自らの専門スキルを活かし、職務や勤務地を絞り込んで労働条件を明文化、まさに就職を目指す社会となるだろうとしています。欧米などでは一般的で、職務が明確なため、定時に帰宅しやすく、年次有給休暇も取りやすい。女性の就業率を上げるには欠かせない雇用ツールとして、ヨーロッパでは一般的な雇用システムとなっています。日本人をジョブ型社員として育て、中層以下を外国人で支える人材採用を円滑に進めるための入管法改正だったのかと勘繰りたくなるほど絶妙なタイミングでの答申でした。

 しかし、下層労働を自らではしたくない日本人、上流はそれなりの努力が求められるため、ほどほどのがんばりで生きて行きたい日本人が大多数の現在、そこまでガンバリズムを誘導できるのでしょうか。民主主義の育っていない日本では、賃金とは生活のためのお金なのか、働いた成果の配分なのか。職制とは何か。もっと踏み込んで考えると、「働く」とは何か。AIが進めば、労働時間は現在の半分になり、現在の半数の仕事はAIが行うことになるといいます。「人生は壮大な暇つぶしだ」と言った哲学者がいましたが、まさに生きがいとは、生きることそのものが何のためなのかが問われる時代、100年に1度の社会変革に一歩踏み入れたのです。外国人受入れはその序章なのでしょうね。

 下のグラフをご覧ください。日本の最大の難関課題は、人口問題だということがよく分かります。20年後、第2次ベビーブーマーが前期高齢者になり、労働人口は一気に減少します。0歳から50歳までの人口より、60歳以上のお年寄りの方が多い、まさに年金受給国家になります。誰がその年金を払うのでしょう。未来の話だと思わないでください。20歳の人が40歳、40歳の人が60歳になるだけ、ほんの少し先の話なのです。

出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ(http://www.ipss.go.jp/)

 5月の連休中に時間もあったので、昭和28年に公開された小津 安二郎監督の映画『東京物語』を観ました。広島県の尾道で定年後慎ましく静かに暮らす老夫婦の話で、夫は72歳、妻は68歳、子どもは5人いたが、長男は東京で開業医、長女は東京で美容院経営、次男は戦死(私が子どもの頃は、父親が戦争で亡くなった人はざらにいました)、その東京にいる息子たちを訪ね老夫婦は上京したが、2~3日で居場所が無くなり、1週間も経たずして帰郷、都市生活者と田舎の旧来型生活者との世代間の葛藤、文化摩擦を描いています。

 尾道に帰郷後、母親は脳梗塞で倒れ、3日ほどの昏睡が続いて意識が回復することなく亡くなります。長女は着物などの形見分けを要求、三男は大阪で国鉄勤めのため夜行列車で帰っていく。葬儀の後がらんとした自宅で、同居している末娘は、「親子ってこんなものじゃないはずよ。」と言い、戦死した次男の嫁は、「大人になると、みんな自分だけの生活というものができてしまうから仕方ないのよ」とつぶやきました。映画の最後に、笠 智衆演じる老父は、次男の嫁との会話の中で、「不思議なもんじゃなあ。お義理で付き合ってくれる実の子たちよりも、心の通い合った他人の方がよっぽど親切じゃ。」と言って終わります。小津監督はこれが言いたかったのだと、この最後の一言が心に突き刺さりました。

 小津監督は、将来の高齢化社会の予兆と世代間の断絶を予測させましたが、我々の足元はどうでしょうか。まず、映画鑑賞人口やスポーツ観戦人口が増えているといいます。空き家も増え、「孤族」は若者も高齢者も増え、人と人との絆が弱くなっています。一方、東京・南青山では、児童相談所を含む複合施設「港区子ども家庭総合支援センター」の建設に一部の周辺住民が猛反発、理由は「子どもの声がうるさい。なぜここに建てるんだ」など理由にもならない反対で、区も困っていると報道されていました。子育て世代が多ければ、建設を反対することはほぼないはずです。人は自分を基準に判断します。高齢化社会は非常に偏った民主主義なのでしょう。先ほどの将来推計人口を見ても、ただでさえ少ない年少人口、生産年齢人口の30歳台までは田舎を選択しない可能性が高い。2040年には、全国の自治体の半数近くが「消滅」の危機にさらされるといわれています。自営業者が急速に減っている現実。自営業者の割合は、1981年は27.5%だったのが、2018年には10.3%(総務省労働力調査より)。農業、飲食業、駅前商店街、中小の工場など、自営・家族労働市場がどんどん減り、シャッター通りのオンパレードになっていますね。残ったものはファミリーレストラン、牛丼屋などのチェーン店、服屋も上場企業運営の店で、地元の店はほとんどありません。大多数がサラリーマンなのです。それほどみなさんが会社員を選ぶようになり、自営業は嫌だという人が増えているのです。

 しかし、統計的にサラリーマンの人たちが仕事が好きで楽しいという数字が上がったという話は聞きません。それではなぜ自営の道を選ばないのでしょうか。新約聖書の『マタイによる福音書』に、「求めよ。さらば与えられん。尋ねよ。さらば見出さん。門を叩け。さらば開かれん。」(強く強く求めなさい。そうすれば必要なものは与えられます。探しなさい。そうすれば探しているものは見つかります。門を叩きなさい。そうすれば入りたい門は開かれます。)とあります。自らの人生を自らで創り出す人が、急速に減っているのです。企業社会においても、現状維持は後退と同じです。自ら創り出す志の高い人材を当社は求めています。

 まだ詳細を公開することはできませんが、現在当社はある仕組みを検討中で、新たなビジネスモデルを創り出そうとしています。人に燃やしてもらうのではなく、自ら燃える人材を求めています。みんなで強い強い思いを持って、新たな未来を創造したいものです。

 先日、ブラジルの高名な漫画家、マウリシオ・デ・ソウザ氏をお招きし、島根県出雲市の中学校と市長を訪問、楽しいひと時を過ごしました。マウリシオ氏は、日本で言えば手塚治虫氏、アメリカで言えばウォルト・ディズニー氏のような国民的漫画家で、通訳をお願いした女性も大緊張、帰りには泣き出すほどでした。恥ずかしながら私はお名前も存じ上げず、日系ブラジル人のみなさんに教えていただき、歓待した次第です。

 中学校を訪問した際、マウリシオ氏は約40分間、日系ブラジル人生徒23名の前で静かに語りかけ、「私には学歴もない、漫画しかない。しかし、若い頃は私の作品をどの雑誌社や新聞社に持ち掛けても採用してもらえなかった。『そんなことはやめて真面目に働きなさい』とまで言われた。でも、自分を信じてひたすら耐えてがんばった。今は会社も大きくなり、社会的評価も上がり、84歳になって充実した老後を迎えることが出来ている。みなさんも異国の日本で大変だろうが、自分を信じがんばってほしい。」というお話をしてくださいました。

 私たちが日本語で話すのと彼がポルトガル語で話すのは、心の浸透度が全く違うようで、卓話の後は質問が相次ぎ、市長訪問の時間が迫って心配になるほどでした。彼らが日本語で話す我々に対し質問をすることはほとんどありませんが、慣れ親しんだポルトガル語であれば、あれだけ自由に胸襟を開き、思いを打ち明けることが出来るのでしょうね。外国人の管理や工場の生産請負でごはんを食べている私自身のあり方を考えさせられました。

 さて、先日、当社の方針発表会にて、社員に向けてヨーロッパとアジアの人材流動可能性について話をしました。その一部、ASEANの人材流動可能性について少し考えてみたいと思います。

 アジアにおいて人材受入可能性が圧倒的に高い国、日本。次いでシンガポール、台湾、そして韓国と続きます。大学進学率(※)は日本の63.58%に対し、中国は51.01%、タイは49.29%、インドネシアは36.28%、ベトナムは28.26%と続きます。韓国に至っては93.78%、しかし、全求人の1%ほどしかない財閥系企業の求人に就職希望が集中し、そこから溢れた人々が国内の中小企業ではなく日本に就職を求め、大量に押し寄せてきています。インドネシアやベトナム等も学卒者は急増していますが、学卒者を吸収する労働市場はまだ少なく、今回新設された「特定技能」ビザは大学卒業者の受入れビザとして有効なツールとなっています。ただ残念なことに、安倍総理は2018年2月の経済財政諮問会議においても、「安倍内閣として、いわゆる移民政策をとる考えはありません。この点は堅持します。他方で、5年間のアベノミクスによって、有効求人倍率が43年ぶりの高水準となる中で、中小・小規模事業者の皆さんを始め、深刻な人手不足が生じています。在留期間の上限を設定し、家族の帯同は基本的に認めないといった前提条件の下、真に必要な分野に着目しつつ、制度改正の具体的な検討を進めていきたいと考えています。」と述べ、この思いを実現したのが「特定技能」ビザなのです。働く目的以外の人は受け入れないということです。今までの技能実習ビザは今後も継続することとなり、技能実習は高等学校卒業者、特定技能は学卒者の労働市場とはなりますが、あくまで3~5年後の舵取りであって、今後2~3年は技能実習の潮流に大きな変化はなさそうです。

※UNESCO統計より。ここでいう大学は、UNESCOの定義する ISCED2011のLEVEL5-8で、大学相当の全ての高等教育機関が含まれる(日本での四年制大学・大学院、短期大学などに相当)

 

 3月7日、島根県社会福祉協議会から職員対象の「人権研修」で講師をしてほしいとの依頼を受け、県老人福祉施設協議会、県共同募金会の職員の方々もご参加、2時間近く講演させていただきました。様々な講演依頼をいただきますが、社会福祉協議会から私に要請が来ることはまれで、現状の多文化対応に戸惑いがあることがよく分かりますね。講演の最後に必ずと言ってよいほどされる質問は、「外国人が増加して犯罪は増えないか?近所に自分たちと違った人たちが増えるのは怖い。」というものです。この答えは図で見ていただくのが最も分かり易いので、図で答えさせていただきました。まずは図1をご覧ください。外国人入国者数と来日外国人犯罪の検挙件数は反比例しているのです。中でも、島根県で急増している日系の外国人はほとんど「定住者」の在留資格ですが、「定住者」の犯罪検挙人員は、2005年2,275人から2017年1,512人へと激減しています(図2)。報道の偏りにも問題はありますが、県民のみなさんの異文化嫌悪が表出しているのかもしれません。

 アメリカの文化人類学者、エドワード・T・ホールが唱えた「ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化」という識別法があります。「ハイコンテクスト文化」は共有性が高い文化のことで、伝える努力やスキルがなくても、相手の意図を察し合うことで、話し合わなくても何となく通じてしまう「阿吽の呼吸」のようなコミュニケーションスタイルです。日本文化はこの傾向が強く、異文化が入りコミュニケーションが滞ると一転してお互い話が続かず、「阿吽の呼吸」も働かず、相手の考えていることや言っていることがよく理解できなくなっていきます。元々「ハイコンテクスト文化」の人はコミュニケーション能力が高くないので、話し合いで解決しようとせず、内にこもり、一層不安感や不満が累積していきます。

 一方、ブラジルや欧米など「ローコンテクスト文化」の人たちは、どんな場合も言語を使ってコミュニケーションを図ろうとします。従って、コミュニケーション能力(論理的思考力、表現力、説明能力、ディベート力、説得力、交渉力等)が重要な生きる力、存在の証明になっているのです。しかし、日本では、「そんなことまで言わなくても...」が人格上の美徳とみなされていますね。そのため、ブラジル人にとっては、「話し合いで解決しようとしない日本人は冷たい。何を考えているのかよく分からない。」という印象になっていくのですね。「以心伝心社会と言わなければ分からない社会」、世界の大勢は圧倒的に言わなければ分からない社会です。避けられないグローバル社会に向け、日本が前向きに変わらざるを得ませんね。

 自民党は、「移民=入国時に永住権を持っていること」と定義して、「就労目的で来日する人は移民とみなさない」としています。国連や国際移住機関は、個人の経済状況に関係なく1年以上外国で暮らす人を移民とみなすとして、教育、医療福祉など生活者としての権利を付与するよう求めていますが、日本は教育すら義務化することはありません。日本のように義務教育年齢相当の外国人のうちどこに居るのか把握不能な人が全体の20%を超えても、個人の問題であって行政の問題ではないと処理している現状は憂えざるを得ません。

 当社は、今年10月に島根県で企業主導型保育園の開園を目指しており、建設を急ピッチで進めています。なぜ保育園を開設せざるを得ないのか。私は、「日本でいじめに遭ったことがない」という日系人を知りません。ほとんど(私の感覚では95%ほど)の日系人が「ハイコンテクスト文化」において違和感のある人を排除する日本人からいじめに遭っていて、30%余りの日系人が不登校・非就労で、成人になったのち社会人として共生できず苦しんでいるのです。そのため、違和感のない日本人的な思考、行動、そして耐える心の拠り所を持った日系人を育てたいのです。多くの日系人が日本人に潰されるのを見てきました。だからこそ、日本での生活に違和感を覚えないように、保育園で育てていきたいのです。家に帰ればブラジル人として思う存分過ごせば良い。日本は異質性が売りになる国ではありません。国籍、肌の色や日本語力より、人間性やビジネスプランを優先する国になるには、まだ2世代はかかるのが日本です。この保育園で日本型共生とは何かを探していきたいと考えています。


 千葉県野田市で小学4年の女の子が自宅浴室で死亡し、その両親が傷害の容疑で逮捕された事件は、連日報道や国会で取り上げられただけではなく、国連子どもの権利委員会からも児童虐待対策の強化が勧告されるまでの事態に至ったことは、みなさんもよくご存知ですね。この事件より1年数か月前の2017年8月、三重県四日市市のアパートで「就学不明」のブラジル国籍の女の子(6歳)が、ブラジル人の母親の内縁の夫でペルー国籍の男(37歳)から殴る蹴るの暴行を受けて死亡、その遺体がクーラーボックスに詰め込まれていた事件を覚えていらっしゃいますか。事件そのものを知らない日本人がほとんどで、亡くなっても何の関心も持たれず、スーッと通り過ぎていく空気のような存在が定住外国人なのでしょうね。

 同じ虐待死の事件で、なぜこれほどまでにマスコミの扱いが違うのか。行政側の不備を忖度してマスコミが意識的に日本の多文化共生の遅れを「見えない化」しているように思えます。事件が起きる毎に名前の後ろに「日系ブラジル人」と書くことで、外国人犯罪が増加しているように見せる手法と同じです。外国人犯罪は、多くが入管法上の罪で、日本人が犯す罪より統計的に少ないのです。高齢者の自動車事故と同じで、高齢化率40%の町で高齢者の事故が全件数の40%なんてあり得ないのに「急増」と書くのと同じ根っ子ですね。

 外国人子弟の教育の義務化は絶対要件ですが、亡くなった四日市市の女の子は不登校、母親も10歳の頃「いじめられた」と言って不就学、負の連鎖が当たり前の社会で起きた事件ですね。法務省によると、2017年12月末時点で日本国内に在留する0~18歳は28万1420人、5年前と比較し、約4万6000人増加しています。うち就学年齢であって就学していない「就学不明児」は約2割、昨年末成立した改正入管法には、家族帯同可能な「特定技能2号」が創設されており(政府はこれを「移民」としていない)、移民と称さず教育を受ける子どもたちが今後も増加することで、教育のセーフティネットから漏れる子どもたちの未来が案じられます。

 さて、私はこの原稿を岐阜県中津川市の別荘で書いています。と言っても250万円で買った中古ですが、昼間に修繕作業と草取り、夜は読書と書きものと、なかなか忙しい週末を過ごしています。この別荘地は、30年程前のまさにバブルの真っ盛りに開発されたところで、1988年から1993年に建設されたものがほとんどです。所有者の代が替わり、子どもの代はこんな田舎に関心もなく、来る人もほとんどいなくなり、30棟余りのうち今晩灯りが点っているのは、私ともう1軒のみです。今、名も知れぬ虫が一匹、私の目の前を散歩しています。私は考えました。虫は孤独を感じることはなさそうです。未来も過去も考えることはなさそうです。地球上の生物で、孤独、過去、未来を意識し、恐怖を感じたり、喜んだり、不安になったりするのは人間だけなのでしょうね。いつも心がさまよっています。この日、私は晩御飯の準備をしていて、大根を切ったり、ご飯を炊いたり、味噌だれを用意したり、一連の作業に没頭していると、今しか考えない、無心と言ってよい気持ちになっていました。音楽を聴く、仕事のことを考える、風呂に入る、瞑想する、一心に集中することで、余分な考えや感情が消え、未来も過去も考えず、孤独感もなく、満ち足りた気持ちで今という時が過ぎていくことに気が付きました。私は今、自ら選んで孤立・孤独を味わっています。そして、小さな虫と対峙していると、何とも言えないグロテスクなこの虫に同じ空間を共有している愛おしさを感じています。

 熟年離婚や生涯未婚率がどんどん増加していますね。この30年でともに3~4倍に増加しているといいます。「孤独を感じているか」という質問では、下のグラフのような調査結果も出ています。「あるがままの姿で自然に生きるのが最も幸せなんだよ。過去も未来も思い煩うことはないんだよ。」目の前の小さな虫が、あえて身を挺して教えてくれているような気がします。

 

 昨年末、3紙から取材を受けました。その中で東京新聞の井上靖史記者の記事は、新在留資格「特定技能」の与える影響について、私が話した趣旨が書かれているので紹介します※

 

 新制度は図の通りで、技能実習生2号は一時帰国後ほぼ無条件で特定技能1号に移行できそうです。行政側も3分の2は日本に残るであろうと予想していますが、問題は送り出し国側です。特定活動ビザも大幅に改善され、留学もこの数年毎年10%前後増加、今年は30万人を超えると予想されているところにこのビザです。賃金、労働条件、期間、そして将来の可能性を考えると、技能実習生を選択する人などいるはずがありません。現実に、ミャンマー、インドネシア、ベトナムなどは、特定技能しか送りたくないとの要望が出てきており、いまだ実体の無いビザの説明に苦慮しているのが実情です。

 技能実習と特定技能の受入れ趣旨は明確に違います。技能実習制度は「国際協力」で、新興国の人づくりに寄与することが目的であり、技能実習法第3条第2項にも、「技能実習は、労働力の需給調整の手段として行われてはならない」と記されています。技能実習の在留資格者数は、2011年に143,308人だったのが、2018年6月末には285,776人(法務省データより)へと急増、特に人手不足の中小企業が大量に受入れることで制度と実態の乖離が大きく、今回の法改正となったのです。

 新制度の受入れ業種は、介護業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、電気・電子情報関連産業の計14業種で、2号移行業種は、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業の5業種、この業種は家族帯同可、在留期間の更新可とほぼ移民に近い権利が付与されることになります。まさに特定技能は労働者としての在留資格なのです。

 送り出し国は、ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、タイ、インドネシア、ミャンマー、ネパール、モンゴルの9か国で、一昨年の11月、介護の在留資格が成立した時も日本語学校がブームになりましたが、今回はその何倍も大きく、送り出し国側は環境が激変するものと思われます。まさに今年は人材開国元年、私たちは1990年をイメージした新たな飛躍の年となりそうです。

※記事内当社紹介文に訂正箇所があります。
誤:現在、約三千人の日系人を雇う部品製造業「アバンセホールディングス」
正:現在、約三千人の日系人等を雇用する人材派遣・業務請負業「アバンセコーポレーション」

 謹んで初春のお慶びを申し上げます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

 先日、社会福祉法人に経営参加しないかとお声がけいただき、同法人の理事会でプレゼンをしました。今回はその時使用した資料の概略をお話しします。

 人材ビジネスの経営者として40年余り、当初と現在では社会は様変わりしています。最初の頃行っていた事業は構内外注で、元請会社とは運命共同体のような一体感があり、景気が悪くなっても一緒に我慢、耐え忍んでいればまた良くなるからと、まさに日本丸に乗っていれば必ず良くなるとの安心感がありました。
 20年ほど前から成熟化を迎えた日本経済は、売上げや利益も横ばい、賃上げも叶わず、労働組合と経営側の合意のもと、労働者派遣法等政治も応援して、日本丸は階層社会をつくり、賃金を二層化することとなりました。
 一方、私たち請負会社も派遣に振れ始め、労働者と元請企業の中間に居たはずが、経営側に限りなく引き寄せられ、「第二人事部」の役割を担うこととなりました。労働者を守れない会社は脆いものです。2008年のリーマンショック時、およそ3,000人いた従業員が650人に、実に80%近くをリストラ、私の人生は不幸な人をつくり出しただけだったのかと思い悩みました。

 私が社会福祉に取り組むのも、実業で働き、社会的弱者を顧みることのなかった私自身の贖罪の思いからでした。
 マザー・テレサの言葉、「愛の反対は憎しみではなく、無関心です。」を地で行く人生を送ってきた私ですが、介護福祉事業を始めて、社会福祉を株式会社で行う限界も感じており、今回のご縁に「是非とも」と手を挙げた次第です。特に、外国人、障害者、女性や高齢者等、周辺化された人たちの福祉及び社会参加に注力したいと考えております。
 アメリカで最も偉大な大統領と称されるエイブラハム・リンカーン(第16代大統領)は、貧しい農家の息子として丸木小屋で生まれ、学校に行ったのもほんの1年位、親が日雇い生活で一定の住所もなく、友人もほとんどいない幼少年期を過ごしました。後に全くの独学で弁護士資格を取得、24歳で州議会議員、39歳で下院議員、そして53歳で第16代大統領へと昇りつめました。私は彼の言葉を今でも覚えていて、座右の銘としています。

 「世には卑しい職業は無く、卑しい人がいるだけだ。」

 ある朝、ホワイトハウスに秘書が出勤すると、廊下の片隅に座り込んで靴を磨いている男がおり、下働きの一人かと思って顔を見ると、なんとリンカーン大統領だったのです。秘書は、「閣下、大統領の御身分でそのようなことをなさらずとも」と言った時に返ってきた言葉がこの一言だったといいます。「人民の人民による人民のための政治」と唱えたこの素晴らしい大統領は、アメリカ至上主義のもと、最後には暗殺されます。
 あのオバマ前大統領でさえも、2012年の一般教書演説で、「海外に雇用を持ち出してしまう企業ばかりに恩恵を施すことは止めなければならない。アメリカ国内で雇用を創出する企業こそ報われるべきだ。未来を手に入れるための競争で他国を勝利させてはいけない。」と述べました。これを聞いたとき、私は腰が抜けるほど驚きました。「あのオバマさんが・・・」と。
 アメリカに追従して、自らの幸せについて深く考えることのなかった日本は、今後どうすれば良いのか。私は、「感謝」と「共感」だと思います。そして、私たちは私たちの会社がそれを体現していくものと信じています。出自国の政情不安・治安の悪化、教育のレベル、子育て支援の充実で、鹿児島県さつま町を選ぶ日系人の方がいました。教育、お金、インバウンド、医療、そして老後を日本でと考える人までいます。私たちは、ブラジルとフィリピンで人材ビジネスをしていますが、サンパウロで活躍している人たちの多くは、日本で私たちと一緒に働いた人たちです。ものづくりにおいても、デザイン、設計、製造、販売が国を越えて、人も国境を越えて互いに納得性の高い人の移動が始まっています。信頼を基軸に日系人社会に根付いた当社の1年以上の勤続者は約90%、こんな請負会社は考えられないと多くの人は言います。今後、AIを活用した、より満足度の高い雇用を目指し、技術教育も充実させ、出自国に帰国しても活躍できる有為な人材を育てていくことで、この業界での圧倒的な勝ち残りを目指してまいります。

 外国人労働者受入れを拡大する「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案(入管法改正案)」は、11月27日夜、衆議院本会議において与党の賛成多数で可決され、参議院に送付されました。安倍内閣はこの法案を今国会の最重要法案と位置付けており、12月上旬の成立を目指しているようです。骨子を説明しますと、まず、人手不足産業を14業種認定します。次に、新しい在留資格の「特定技能(1号)(2号)」の産業毎の受入れ人数を決定します。現状の通り外国人労働者が毎年10%増加するとして、128万人+12万8千人=140万8千人、それにプラス初年度4万7千人の新在留資格で145万5千人となります。新たな在留資格のみを取り出しても、5年後34万人増となり、「特定技能2号」に移行後は家族の呼寄せも可能となり、一気にねずみ算式に増加するものと思われます。

 

 

 私たちは日系人と関わり30数年経ちますが、彼らを見てきた経験上、子どもが10歳を超えると多くの人が定住・永住していきます。親にとって出自国は母国ですが、子どもたちにとっては親の出自国は外国になるのです。来日後20年を経過すると新たな縁が日本に増え、ブラジル等に帰国しても外国人感覚になり、老後は子どもや孫に囲まれて生活したいと考えるようになり、日本に永住することとなります。新たな在留資格は、定住・永住を目指したビザですが、受入れる側に覚悟を問いかけていません。受入れ年齢は20歳過ぎがほとんどでしょうが、「特定技能1号」は「相当程度の知識または経験を要する技能」が求められており、山下貴司法務大臣は「相当程度」を「監督者の指示を理解し、正確に業務を遂行することができる、自らの判断で業務を遂行できる」レベルと説明しています。インドネシア、ベトナム等東アジア諸国から来日する青年が大多数でしょうが、二十歳過ぎまで生み育て、コストもかけた出自国に対する思いやりや謙虚さが感じられないのは私だけでしょうか。

 技能実習生の逃亡が増えていると言いますが、韓国においても、今年に入り外国人の最低賃金を上げたことでお金に群がるブローカーが暗躍し、不法滞在が急増しているというではありませんか。中国からの技能実習生が激減しているのも、中国国内の賃金が上昇し、日本の賃金に魅力がなくなったからで、彼らの目線は日本以外のもっとお金が儲かる国に向いています。中米からアメリカを目指す若者たちも同じで、経済的幸せを求め、日系人であってもアメリカやヨーロッパに移動していくのです。格差がキーワードですね。今後問われているのは、日本国民の矜持(自信と誇り)、度量です。外国人が増えていくアパートは、自然に日本人が減っていく。それはなぜか。不動産仲介会社は、「外国人も借りられるアパートはこことここ」と言うのです。日本人はこれを人種差別だと考えません。日本人は、外国籍の子どもの教育が義務化されていないというこんな大切なことを誰も議論しようとしません。特定技能は20代の来日者が中心になりますが、現場では40代中心の日系人の職域と見事に重なります。特定技能にはじき出される日系人の未来についても、誰も議論しようとはしません。技能実習生は全員雇用保険に加入しているのに、雇用期間満了日が帰国日なので、失業保険を受給した人は誰もいない。キャリアアップ助成金の申請を窓口で受け付けてもらえない等、差別していることを区別と置き換え、日本人以外の人たちを周辺化していく。ようやく一歩踏み出した新制度、今までより進化した部分もたくさんあります。外国人の力を日本国の力としてどう生かしていくのかが、今後の日本人に問われていきます。

 この原稿を書いている10月20日は、どの新聞を読んでも某油圧機器メーカーとその子会社による免震・制震装置の検査データ改ざん問題を大きく取り上げています。ご丁寧に、改ざんを内部告発した社員が9月に自主退職していたことまで役員は公表していました。不適合免震装置は全国に設置されており、マンション、原子力発電所、オリンピック関連施設など大規模施設が多く、改修工事期間は長期に渡り、改修費も莫大な金額になるものと思われます。オイルダンパー再製造費用と解体改修工事費用は1本あたり300~600万円×10,900本でメーカーの現預金427億円はほぼ消滅、新たな資金調達が必要になり、補償費、売上減が重なり株主資本の毀損が進めば、経営そのもののあり方(外部資本の受入れ、吸収合併等)が議論されることになりそうです。品質安全基準の根拠は曖昧で、メーカー側の技術者も「震度7程度の地震にも十分に耐えられ、安全性に問題はないが、現状では利用者に安全を確約できない」と訳の分からない説明をしていました。

 昨年大きな話題になった、自動車メーカー2社の完成車最終検査を無資格検査員が行っていた事案も、現場では、「世界中で日本だけがやっていること。実際には完成に至るまでの過程で厳密なチェックが行われており(工程内品質保証)、海外向けの車では最終検査は求められていない」と言い張ります。大手企業等のデータ改ざん事件についても、「日本独自の基準はもともと過剰品質であり、多少数値が低かったとしても安全性に大きな影響はない」とメーカーは言いますが、ルールはルール。もし不合理なルールで守るに値しないと言うなら、規制緩和を求め、現状に合ったルールを新たに作成すべきで、「少しくらい良いんじゃない。誤差の範囲だよ。」で済む話ではないですね。

 先日、自動車メーカーなど超大手企業の技能実習生が、「資格外活動」を行っていると、これも内部告発のようですが、「外国人技能実習機構」が監査に入ったニュースが出ていましたね。申請されている実習計画は組立てなのに検査の仕事をしていたり、作業現場の場所が変わったなど、ひとつ屋根の下で当たり前に行われる多能工の仕事を許さない現行のルールに問題があるのに、「国際研修協力機構」以外に監視が必要だと屋上屋を架す天下り団体(外国人技能実習機構)を設立、中小企業団体や協同組合内を縦横無尽に闊歩するようになりました。理事長の年俸はおよそ1,800万円、理事はおよそ1,600万円、課長クラスで平均940万円(外国人技能実習機構HPより)、誰もが行きたくなる天下り団体が入管法改正によってまた一つ出てきました。 以上のような不正は昨今、枚挙にいとまがありませんが、当社は法令を遵守し、誠実に申請を行い、いかなる不正をも排除し、社会に貢献します。

 ところで、私たちは幸せになりたいと思って生活し、仕事をしています。外国人のみなさんも同じで、日系人の多くは、日本の生活とブラジルの生活を比べると、満足度は圧倒的にブラジルの方が上だと言います。100歳まで長生きして幸福感いっぱいの人を調査すると、幸せのキーワードが見えてきたという本を読んだことがあります。ここから先は受け売りです。

 心の幸せには「4つの因子」があり、それは「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」です。この因子を引き出すには、自分の夢、目標、強みまたは強くしたいものを具体的にイメージし、書き出します。定期的に書くことで夢や目標に少しでも、ごくごくわずかでも近づくことで幸福感が得られます。

 第一は「まずやってみようと思うこと」、全てはここから始まります。第二は「ありがとう」、この言葉は人に親切にした時などにもらえ、自分がしてもらった時に発する言葉ですが、周囲の人とのつながりを深め、温かい環境を自分の周りに創り出すことが出来ます。第三は「なんとかなる」、今ここにいる自分を丸ごと受入れることで今の自分を承認、自己肯定感が起きることになります。「自分はダメだな」という認識を片隅に追いやることで、前向きで楽観的な心が湧いてきます。第四は「ありのままに」、他人と比較することで人目が気になり、自分らしく行動出来なくなります。自分が幸福になりたいのに、他人と比較しても何の意味もありませんが、農本主義の日本人は、集団やコミュニティのために自分が貢献し、感謝され、自分がそのつながりの中で生きていると実感出来ることが幸福だと感じる傾向があるようです。会社でもあいさつ運動や清掃活動を取り入れたり、社員研修で相手の良い所を褒め上げたり、ハイタッチやブレインストーミングで仲間意識を盛り上げたりすることは、そういった意味で有効なのでしょうね。

 さて、私たちの人材ビジネスも「4つの因子」で具体的な外国人労働者満足度向上に向け、様々な取り組みを始めています。賃金の安いところから高い所へのみの移動ビジネスは終わりを告げ、マッチングビジネスへ。今はそれをも越えて、どんなスキルをつけ、日本の労働市場に組み込むのか。人材ビジネスは、AIと教育の融合で新たなビジネスモデルに向け歩を進めています。これについては改めてご説明致します。

 9月7日、名古屋でブラジルのコミュニティのみなさんが中心となったイベント「ビジネス・プレス・アワード・ジャパン2018」が開催され、日本で活躍している19名が表彰されました。30代~40代前半の若手経営者が中心となる中、70歳近い私は少し居心地の悪さはありましたが、彼らが赤ん坊の頃から仕事をしていたこともあって、「ご先祖様」的なもてなしをしてくれ、しばらくの時間一緒に楽しませていただきました。

 

写真提供:PORTAL MIE

 

 1985年にブラジルの軍事政権が倒れ、文民政府が樹立した時、誰もがブラジルはきっと良くなると思い、期待が大きかったが、その分落胆も大きく、大量の日系人が日本を目指すこととなりました。2000年辺りまでは日系人社会は互助を基軸にした共同体的性格を持っており、ITバブル崩壊時に我々は相当量の日系人ホームレスが出るだろうと予想しましたが、家族、親戚、友人でルームシェアをするなど包摂的な社会が残っていたおかげでホームレスになる人はほとんどいませんでした。今はどうでしょうか。日本人のように一人ひとりが自分の自由な意思で生き方を決め、自己責任、自己決定、自己実現という個人主義が蔓延、助け合い社会どころか家族まで分断が始まり、日系人社会もお互いがお互いに無関心な「孤族」に、そして「個族」になりつつあります。

 30万人近い日系人が限られたパイを取り合い、誰もが自分の権利の最大化を目指す、経済学で言うところの「共有地の悲劇」が始まりました。来日する日系人は増えていますが、日系人マーケットは縮んでいます。子どもが小学校、中学校に行くようになると一気に食事は日本食志向になり、人口は増加してもブラジルマーケットは縮小しています。

 今こそみんなが連帯して日本人マーケットに切り込み、日本社会に食・考え方・文化の多様性、違った価値観、彼らにしか出来ないブラジリアンビジネスをアピールしていく時なのです。しかし、彼らにとって競争相手は同じ日系人で、残念ながら日本人ではありません。1億2,000万人マーケットではなく、30万人マーケットなのです。

 少子高齢化による日本社会のダメージは並大抵ではありません。企業の休廃業・解散件数は倒産件数の3倍以上、過疎地域の人口は20年前と昨年を比較すると、島根県約11%減、秋田県約17%減、高知県約12%減と目を当てられないほどの惨状です。20年程前からの出生数をグラフにしてみると(図1)、出生者は20年後20歳になるので、未来をほぼ占うことが出来ます。消えていく地域、消えていく産業もほぼ分かります。日本のゆがみは日系人のみなさんにとって最大のビジネスチャンスなのに、あまり関心がありません。日系人のみなさんも同じです。30数年前から始まった出稼ぎ、第一世代はすでに老境に入っています。しかし、新たな次世代がどんどん育っています。

 私は、日系人のみなさんにこんな思いを伝えました。「1986年から1990年始めにかけて面接した人たちは、凄まじいインフレや政府の無策に本当に苦しんでいました。やむを得ず来日しても親の顔を潰してはいけないと親の実家に顔を出すことはおろか連絡もしませんでした。その誇り高き日系人が、お父さんやお母さんが苦しんだうえ決断したその思いを今一度噛みしめ、小さな社会のみんなが連帯し、今一度『ジャポネス・ガランチード(=信頼できる日本人)』日系移民の労苦が勝ち取った信用力を日本でも生かし、成功してください。」