次のグラフは、2020年1月の主な産業の正規・非正規職員・従業員の前年同月比増減数を表しています。


 


 このグラフを見て、今回の新型コロナウイルス禍で誰がダメージを受け、どの産業にフォローの風が吹いたのか、そして数年後雇用がどのような形で進み収斂されていくのかが何となく見えてきました。
 製造業の非正規労働市場は「5勤2休」から「4勤3休」や「3勤4休」となり、解雇ではなく兵糧攻めで縮小しました。2020年8月以降は仕事は出てきましたが、20~40代が中心で50歳以上は厳しい状況となっています。建設業はAIやロボットに軸足を移し、対応可能な若者を優先雇用しています。
 今後非正規労働者は、建設業、製造業、運輸業、宿泊業等、今後AIやロボットで置換可能な分野や、複合サービス事業、介護・福祉、飲食サービス業等に収斂されていくのでしょう。ただ、資本主義は欲望社会です。資本という欲望に翻弄され社会は流れていきます。



 人材派遣会社は労働者を守る立場だったのが、現在は第二人事部に近い存在になりつつありますね。AI、ロボットがより一層普及すれば、週休3日制や週休4日制が当たり前になり、海外工場も日本国内に回帰、物流も自動運転、梱包や仕分けの自動化も進むことでしょう。少し仕事量が減っても、付加価値を生む産業は人手不足、労働集約的な産業は整理解雇になり、言い換えると、今後労働集約的な作業は年齢の若い技能実習生、特定技能労働者に置き換わっていくことが先ほどのグラフからも見えてきましたね。これが格差の拡大につながります。フランスの経済学者、トマ・ピケティは著書『21世紀の資本』の中で、日本のようにGDPがあまり増えない、所得もあまり増えないのに、資本収益率(資本が効率的に使われているかを見る指標)が上がっている国は格差が拡大していると述べています。技能実習生で新興国に富を移転する目的であれば問題はないですが、日系人のように定住・永住が目的である人たちは教育を施し、より良い隣人として育てていく必要があるのです。中東やヨーロッパは失敗事例にあふれていますよ。

 年末年始休暇中、無性に古い本が読みたくなり、以前古本屋で十数冊購入した100年ほど前の著作(それも100円本)を読みました。ステイホームを超安価で楽しく過ごし、少し頭もリフレッシュしたような気がします。

 読んだ本の一部を紹介します。1916年に出版されたマーク・トウェイン著『不思議な少年』と1915年に出版された夏目漱石著『道草』はほぼ同じ時代の作品ですが、『不思議な少年』ではキリスト教的人生観が披露されており、一生懸命働き、倹約より儲けたお金を隣人のために使うことが神の教えにかなっているとの考えが読み取れ、神が何を望んでいるのかが全ての価値基準になっています。多くの大金持ちが儲ける人生を終えた後、財産を寄付し、「神の御心」に沿った生き方を目指そうとしますよね。

 一方、夏目漱石の『道草』では、お金をどう見ているのでしょうか。主人公の「健三」は次のように見ています。

  健三は昔この男につれられて、池(いけ)の端(はた)の本屋で法帖(ほうじょう)を買ってもらった事をわれ知らず思い出した。たとい一銭でも二銭でも負けさせなければ物を買った例(ためし)のないこの人は、その時も僅(わず)かな五厘の釣銭(つり)を取るべく店先へ腰を卸して頑として動かなかった。董其昌(とうきしょう)の折手本(おりでほん)を抱えて傍(そば)に佇立(たたず)んでいる彼に取ってはその態度が如何(いか)にも見苦しくまた不愉快であった。                                        (引用:夏目漱石著『道草』、新潮文庫)

 倹約は見苦しいものだという考えが見て取れます。アメリカ人のマーク・トウェイン氏と日本人の夏目漱石氏とでは考え方が異なることが分かりますね。

 さて、私は有志の方々とともにSDGs(持続可能な開発目標)に沿った取り組みの一環として、主に日本で暮らす外国人の方々を対象に、貧困によって住居を失った人に対し住居と食を無料で提供する支援活動を行っていますが、様々な難問、奇問を抱えた人が私たちの活動拠点に来所されます。子どもを連れた目の見えない母親、工場が5勤2休から3勤4休になり家賃も払えない人、60歳を過ぎて夫婦二人とも失業し、行くところも頼るあてもない人など、様々な人が来所されますが、中には備品や食品を持ち逃げする人もいます。なぜでしょうか。育つプロセスで愛情を受けていないことも原因の一つと考えられます。食べたいものを聞いても「分からない」という子もいます。もちろん挨拶や感謝の言葉も出てきません。生活保護世帯の子どもが大人になって生活保護受給者になることが多いのは、共感の乏しさ、まさにそこにあるのでしょう。私たちがミルクや生理用品まで用意して対応しても、自らが受けてこなかった愛を食や住居の支援だけで愛として受け取ることはないのです。特に日本人が難しいと感じるのは、キリスト教やイスラム教のように絶対神を持っていないことで、頼る術を持っていないことです。衣食住だけでは温めることの出来ない心の芯を温める術として頼るべく宗教、こころの礎を持っていない国民は、追い詰められると弱さを露呈、脆いような気がしています。ブラジル系日系人に自殺など考えられなかったのは昔の話で、今は追い詰められると簡単にノイローゼになり、自殺を考える人が出現、まさに日本人化しつつあります。

 現在、群馬県大泉町で私が参加する「リスタートコミュニティー支援センター」では、食料や住居の支援に加え、彼ら自身のスキルアップを図り、自らの力で暮らせるよう支援し、貧困の連鎖を断ち切るための新たなプロジェクトを考えています。プロジェクトが進みましたら改めてここでもお知らせしたいと思います。ご期待ください。

 2021年を迎え、昨年を振り返ると、新型コロナ一色の1年でした。このコロナ禍で特にダメージを受けたのが、社会的弱者と称される外国人、女性、子ども、そして障がい者の人たちです。その中でも非正規労働市場、飲食サービス業に従事する割合が高い女性の自殺者が急増しています(図1)。厚生労働省によると、特に2020年10月の40代女性の自殺者数は前年同月比で約129%増、30代は約93%増と大幅に増加しているとのことです。なぜ30代~40代の女性が死を選ぶのでしょうか。新型コロナ禍で今後も引きこもり傾向が続くことは間違いなく、失業、残業カット、友人等との外出の自粛、リモートワークやリモート授業などで1日中家に居る家族…それはストレスも溜まりますよね。しかし、男性も女性も同じように引きこもっているのに、女性だけがなぜ追い詰められるのでしょうか。内閣府男女共同参画局によると、2020年4月から9月のDV相談件数は、前年同期比で約2割増とのことですが、DV被害者等の保護施設を行政が建設したという話を私は聞いたことがありません。「自己責任」で片付けられ、行き場を亡くした人々が追い詰められた結果が現在の日本社会なのかもしれません。
 

 一方、この未曽有の経済危機にもかかわらず、日本では企業の倒産件数は増えていません(図2)。完全失業率も2020年11月時点で2.9%に収まっています(図3)。これには緊急避難的な持続化給付金他資金繰り対策が効いています。経営者仲間では、「『コロナ対策』と言って2,000万~3,000万円の融資をお願いしたら5,000万円出た」などという話が当たり前に飛び交っています。加えて、雇用者向けに雇用調整助成金、新型コロナ支援金、給付金他県単位にも助成措置があり、実体のない雇用を下支えしています。コロナはいつまで続くのか。助成金が息切れした時、コロナ禍で甚大な被害を受けた運送業、小売業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、医療・福祉業は、この春以降債務返済が困難となり、倒産や廃業が頻発することでしょう。企業も個人も格差はより一層広がる兆候が出ており、歪な社会に移りつつある(悪い意味での)社会の変革期を感じさせます。
 

 他方で、この危機を追い風にして業績が好調な企業もあります。今後企業が生き残り、発展していくためには、現状を認めながら、新たなビジネスモデルから新たな産業の創生に向け、歩みを進めていくことが重要になりますね。

 

 

 


 

 2019年10月BSフジのテレビ番組で、萩生田文部科学相が2020年度に始まる大学入学共通テストで導入される英語の民間試験に関して、「身の丈に合わせてがんばって」と発言、野党やマスコミが猛反発し、後日「国民や受験生に不安や不快な思いを与えかねない説明不足な発言だった」として謝罪しましたね。みんなに同じように「がんばれ」と言っても、能力、適性、メンタルなど全て人によって違うのに、「身の丈」がなぜいけないのでしょうね。

 2019年3月、内閣府は「生活状況に関する調査(平成30年度)」において、中高年層の引きこもりについての調査結果を発表しました。40歳から64歳までの男女を全国から無作為に選んで訪問、回答を回収できた3,248人のうち47人(約1.45%)が引きこもりに該当し、全人口で推計すると61万3千人にものぼるとのことです。厚生労働省が「引きこもり」として定義する、「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態」の人は、広義に考えると120万~150万人はいるだろうと言う社会学者もいます。特に現在40~45歳位の人たちは、学校卒業がITバブル崩壊で歴史的就職難の時期だったこともあり、非正規が40%余り(航空業界も2021年度新卒採用の中止を発表していますが、それと同じような状況)、多くの人たちが企業内訓練、職業訓練を受けず年を重ね、今に至っています。私が30代の頃は、友人と会っていても老後や年金の話題は酒の肴にもなりませんでしたが、今は20代でも老後や年金を平気で心配しています。2018年の出生者数は約91.8万人、2019年は約86.5万人(厚生労働省「人口動態統計」より)、今年(2020年)はどうも80万人を切るのではないかと言われていますね。みなさん不安なのですね。ほとんどの人はその人生で成功したいと願っています。良い学校に入り、大企業に就職、そして高い社会地位や名誉、もしくは財を成したいと考えています。しかし、人の特性は全て違い、様々です。手先の器用な人・不器用な人、体力のある人・ない人、記憶力の良い人・悪い人、みなさん天分が違うのに競争しようと考え、比較し戦う。本当に大切なことは、自分の天分を正しく理解し、それを生かすことのような気がしています。70年生きて、私は自分の天分をまだよくは理解できていませんが、それを探し、心の落ち着き場所を見つけ、幸せ感を持って人生を全うする。人生の目的はそこにあるのかもしれませんね。キーワードは「安心」そして「自己肯定感」かもしれません。

 私は、学校の成績は大したことありませんでした。運動能力もダメ、手先の器用さや芸術的センスもダメ、趣味もない。だから妻から、「あんたは仕事を辞めたら何をするの」と言われ、70歳を過ぎたこの年になって本当に困っています。しかし、過去に前例のない日系人を組織的に受入れ、35年間行政やメディアなど様々な人たちから叩かれ、それでもへこたれず、今日に至るまでやり続けた「根気」があります。そして、いつも自分と関わった人たちの幸せを願い続けた点でも、他の業者より若干ホスピタリティは上回っているような気がしています。それが私の天分かもしれません。福祉の世界でも、有料老人ホームやグループホームなど36事業所を手掛け、現在は特別養護老人ホームの理事長も務めています。性格も争いを好まない福祉に適性を感じています。みなさんも自分の特性、天分に目覚めると、人と比較するのがバカバカしくなりますよ。

 世界の推計人口を2020年、2050年、2100年で比較してみると(図表1)※1、上位10か国のうちアフリカ勢が2020年は1か国、2050年には3か国、2100年には半数の5か国になると予測されています。その上2050年の中位年齢※2は、ナイジェリア22.4歳、エチオピア27.3歳、コンゴ22.1歳、なんと日本の54.7歳の半分以下、戦後の高度成長を支えた私たちベビーブーマーの学童期とほぼ同じ年齢構成図で、2050年はアフリカの時代だと言われているのも頷けますね。

 


 中位年齢についてアジアを見てみると、タイは2020年40.1歳、2050年49.7歳、2100年には52.3歳に、ベトナムは2020年は32.5歳と若いですが、2050年41.2歳、2100年には47.1歳になり、決して若い国とは言えない時代に近づいていきます。送り出し国の要素は所得と中位年齢で、中国からの技能実習生が激減したのはそこに原因がありそうです。驚いたのは、移民大国アメリカ合衆国の中位年齢が、2020年38.3歳から30年間で4歳ほどしか上がらないことです。中国やインドは10歳ほども上がり、日本は2050年には54.7歳の超高齢国になるというのに、アメリカは適度な規模の人口増加で、かつ、若さや活力を維持していく、まさに羨ましい限りですね。
 

 今回のアメリカ大統領選挙で敗れたドナルド・トランプ氏は共和党所属ですが、共和党は伝統的に白人の支持者が多く、ジョー・バイデン氏は民主党所属で、黒人や中南米系などマイノリティからの支持を多く得ていることはよく知られています。今後、共和党はよほど政策を変えない限り、政権を取ることは難しくなりそうですね。
 

 そして今回のアメリカ大統領選挙は、多文化共生にも一石を投じてくれました。中国の同化政策は、55の少数民族に対し多様性を一切認めず、力ずくで一つの「中華民族」を創り上げようとしています。対するアメリカは、白人の国から多民族・多国籍共存の国に変貌できるのかが今後注目されます。2020年、2050年のアメリカの人種・民族別人口構成(推計)は図表2※3の通りですが、政治の舵取りで船の向きは一気に変わります。


 

 日本は、アメリカの「多様性・多文化」主義より、中国の「郷に入っては郷に従え」主義に馴染み易い国ですが、今後世界で断トツの老人国家になることが自明となっても尚、中国や韓国のように「自国のルールが全ての正義」で通るものでしょうか。日本語教育も、日本社会で言葉に困らない人を育成するだけではなく、通じ合う価値観や人生観の理解に踏み込んだ互いの学びが必要であるのに、日本人、日本社会への適応だけが目的の現状に疑問を感じています。
 

 30年後、アジア人材は日本のお助け人材にはなりません。人材の受入れが中東やアフリカなどの後発開発途上国に移動していくことでしょう。単純労働市場がAIによって劇的に変貌し、仕事の価値、人間の価値が教育レベルによって大きく左右され、労働市場のみならず世界は複雑なモザイク模様を呈することになりそうです。政治の舵取りも大切ですが、企業の舵取りもより一層先読みスキル(仮説→検証→仮説→…)が求められますね。

 2020年9月3日、ユニセフ(国連児童基金)・イノチェンティ研究所が発表した先進・新興国38か国に住む子どもの幸福度についての報告書※によると、日本は「身体的健康」について1位でした。これは医療、福祉、公衆衛生等、命のセーフティーネットの全てが高いレベルであることを意味します。その一方で、生活満足度の低さ、自殺率の高さなどから「精神的な幸福度」は37位と最低レベル、日本のアンバランスさ、不幸を感じさせます。

 安倍政権から菅政権に移りましたが、菅総理の人脈を見ると、そうそうたる規制改革論者、アメリカン・ドリーム信奉論者が垣間見えます。アベノミクスの「三本の矢」は、1本目の「金融政策」と2本目の「財政政策」は成功したとの定評ですが、3本目の「成長戦略」は残念ながら(空振り三振とまでは言いませんが)ヒットではないファウルチップレベルだったように思います。菅総理は真っ先に新型コロナ禍でデジタル改革を掲げ、電話料金の値下げ、それも4割程度の引き下げを提起しています。競争についてこられない中小企業の再編、最低賃金の大幅引き上げも矢継ぎ早に出してくることでしょう。人材サービス業界にとってビジネスチャンスも数多く出現することでしょうが、国民生活全般にとって幸せなことばかりではありません。アメリカの経済学者 マイケル・ポーター氏は、著書『競争の戦略』で自由な価格競争について、「非常に不安定であって、収益性の点からして業界全体を傷つけることは間違いない。値下げをすると競争相手もすぐ負けじと値下げで対抗し、需要の価格弾力性がほどほどに高くなかったら、業界のすべての企業の収益は低下する」と述べています。価格弾力性に乏しい労働集約型ビジネスには、価格だけではない新たな競争戦略が今後は求められていくのでしょう。
 

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)の戦略を見るとよく分かります。1981年社長に就任したジャック・ウェルチ氏は、中核事業である小型家電事業を躊躇なく即座に売却します。理由は膨大な日本製品の輸入でした。品質、価格、その全てに勝る日本勢にウェルチ氏は、「日本のメーカーに殺されると思った」、「負け続けるのは嫌だ」、「勝てるゲームにしたい」と考え、過去に成功した事業、使命を終えたと思う事業をブランドのあるうちに売却、新たなブランド構築に向け舵を切ったのです。
 

 私たちが日本のこの政権下で、この仕事で生きていくのならば、時代に合わせたブランド構築を目指さないと勝ち残ることは難しく、それならばどうするのか、何を目指すのか、今一度考える必要がありそうですね。

※データ出所:ユニセフ(国連児童基金)・イノチェンティ研究所「レポートカード16」
 日本の結果について(概要)(2020年9月3日)
https://www.unicef.or.jp/news/2020/0196.html

 BS放送のニュース番組を何気なく見ていると、アメリカでは昨年、子どもの行方不明事案は42万件以上報告されているとのニュースが伝えられていました。私は心臓が止まるかと思うほど驚いたのに、アナウンサーや解説者はその話題を軽くスルーしていきました。どう考えても日本では10人も子どもが行方不明になれば大ニュースですよ。「自己責任の国」とも呼ばれるアメリカは、我が子を守るのも親の自己責任という文化が根付いているのでしょうね。

 

 昨年まで規制緩和を声高らかに叫んでいた日本の政治家のみなさんも、新型コロナ禍で何もかも国の問題、予算のばらまきになってきましたね。そのお金は、30年債、50年債の国債で私たちの子孫の代で払うことになります。新型コロナウイルスはともかく、規制緩和はアメリカのように規制の垣根を取り払うこと、自由に競争しろということですから、倒産は出る(創業もたくさん出てくる)、失業者も出る(新たな産業に吸い寄せられる)、新型コロナウイルスに感染するのも仕方がない、管理は自己責任(アメリカでは国民皆保険制度そのものが無い)、これがグローバルスタンダードなのです。

 

 生産年齢人口が毎年約1%ずつ(島根県一つの人口と同等)減っていく日本で(データ参考:総務省「年齢3区分別人口の推移(2019年)」より)、現状維持はあり得ません。現状維持を国是にすれば、農業のごとくあれほど税金を注ぎ込んでも衰退し、かつ食料自給率40%を切る産業に成り果てていきます。

 

 そこで、減少する生産年齢人口を補うために外国人人材の活用が重要となりますが、新型コロナウイルス禍で以前のように容易に出入国ができない現状では、日本に定住・永住する外国人のみなさんの活躍がカギとなります。
まず、「定住者」・「永住者」・「外国人の配偶者等」の在留資格を持つ日系人について見みましょう。

 


出所:出入国在留管理庁「永住者の現状等について(令和2年7月29日)」
http://www.moj.go.jp/content/001325639.pdf

 

そして永住のガイドラインです。
 
出所:出入国在留管理庁「永住者の現状等について(令和2年7月29日)」
http://www.moj.go.jp/content/001325639.pdf

 

「永住者」は現在何名ほど日本国内に在留しているか見てみましょう。
 
出所:出入国在留管理庁「永住者の現状等について(令和2年7月29日)」
http://www.moj.go.jp/content/001325639.pdf

 

 平成24年(2012年)から令和元年(2019年)にかけて、ブラジルは約2%減、あとは全てアジア勢、中国は約42%増、フィリピンは約24%増、韓国は約17.7%増となっています。平成2年(1990年)の改正入管法で日系三世とその配偶者と子ども(未婚未成年)に対して就労に制限のない「定住者」の在留資格が付与され、南米から多くの日系人が来日するようになりましたが、上記推移を見ても、血統主義的対応に守られた人道ビザ時代が終わりに近づきつつあるのが分かります。グローバルスタンダードの「活動のビザ」から「定住・永住」の流れに移りつつある今、我々も頭を切り替え、次の時代に備えたいですね。

 2008年10月、大阪府の橋下徹知事(当時)は、私学への助成金削減方針を巡って撤回を求める高校生たちとの面談の中で、「なぜ公立を選ばなかったのか。」「高校からは義務じゃない。自己責任だ。」と反論、大阪府民の多くが共感した一方で、悔しさで涙を流す高校生もたくさんいましたね。それならば、コロナウイルス禍の現況はどうでしょうか。日本の昨年1年間の死亡者数は137万6千人(厚生労働省「2019年人口動態統計の年間推計」より)、8月27日現在の新型コロナウイルス感染者は6万4,668例、死亡者は1,226人(厚生労働省「国内の発生状況など」より)、割合から見ると新型コロナウイルスによる死亡者は圧倒的少数ですが、命がかかっていることと、亡くなる方々は70歳以上の高齢者がほとんどで、それも投票率の高い方々です。その人たちに「自己責任」と言う政治家はいませんね。これほど選挙・投票行動に過剰に反応するのが政治家のみなさんです。私が代表理事を務める一般社団法人日本海外協会が行った知立団地でのアンケート調査結果で、在留外国人失業者の割合がこの数か月で急激に高まり、就業中の人々も勤務日数が減少する傾向がみられたことを政治家、行政担当者、企業・団体等にお話ししましたが、ほとんど無関心で他人事なのも、外国人に選挙権が無いことが大きな要素の一つなのかもしれませんね。

 

 外国人受入れ議論は少子高齢化の決め手となりますが、在留資格(「特定技能」等)の創設でお茶を濁して終わりそうです。これは「国づくり」です。産業政策に人口政策を張り付け、日本国の30年先を見据え、明治時代の屯田兵政策のように、国としてあるべき姿を目指す大方針を示すのが政治の仕事です。国民や企業はその旗印のもと具体的な方針を立て、尽力していくのです。

 

 東日本大震災で被災した東北地方沿岸部のある町を先日訪問しましたが、凄まじい税金の投入で堤防建設だけではなく町全体を20メートル嵩上げ、その上に新たな都市計画のもと公共施設や住宅等を建設、実に素晴らしい町が完成していました。しかし、何か不自然です。無機質で人間の生活感がありません。人口が震災前のおよそ7割になり、残った人も働かない人たちが大多数、税金の投入が終わり、建設・土木業者が引き上げた今、社会資本頼みの町は民間のダイナミックな活力、働く喜び、連帯と競争の感じられない町となったのです。町民のみなさんも具体的な生活目標がないまま、人だけが減っています。そこで、私たちの出番です。活力に満ち溢れた現代の「屯田兵」とともに新たな命を、地域の絆を創り上げていくのです。私たちの行動で大きな流れが見えれば、行政も政治も考えることでしょう。みなさんも一緒にこの国の未来を考えてみませんか。

 

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 新型コロナウイルス禍で鉄道、商社、製造業を始めとしたリアル産業がヘタヘタになった中、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)などのITを使った各種サービス提供企業は別次元の成長を続けています。私たち人材サービス事業者は労働集約型サービスで、飲食、宿泊、娯楽、小売、福祉などと同じく雇用吸収力は大きいですが、付加価値がそれほど高くなく、ソーシャルディスタンスがとりづらく、コロナリスクの高い産業です。GDP(国内総生産)は「付加価値の合計」であり、労働人口が凄まじく多く、低賃金を冷やし玉に成長を遂げる中国や、ITを国家戦略に位置付けるアメリカのように、格差があってもそれを無視して高付加価値を目指す国家目標を掲げるのであればそれも良いですが、日本にはどちらも馴染みません。新型コロナの収束後、我々の産業そして日本はどこへ行くのかが気になるところですね。

 

 某大手総合電機メーカーは、今回の新型コロナ感染拡大で在宅勤務などのリモートワークの導入が一気に進み、グループ全社の平均在宅勤務率は約70%になったとのことです。在宅が難しい製造現場でも、付加価値の低い作業は下請に回し、今後グループ中核企業本体はマーケティングと開発、そしてファイナンスに特化し、労働集約的な製造分野は下請化、企業城下町の裾野は今よりもっとなだらかに広がっていくのでしょう。

 世界各国の国民の意識調査「世界価値観調査」によると、「国民皆が安心して暮らせるよう国はもっと責任を持つべき」または「自分のことは自分で面倒を見るよう個人がもっと責任を持つべき」を選択する項目で、「国が責任を持つべきだ」と答えた人が、日本は75.9%(2019年調査より)と外国に比べて圧倒的に高いという結果が出ました。つまり、個人が責任を持つより国に責任を持てと考えているのです。しかし、「もし仮に戦争が起きたら国のために戦うか」という質問に「はい」答えた日本人は15.2%(2010年)と調査国中最も少ない数値で、第二次世界大戦の同盟国であったドイツは40.9%(2013年)でした。中国は74.2%(2013年)、韓国は63.0%(2010年)、日本は話にもならない状況です。日本人は、国は我々に責任を持つべきだが、自分は国のために戦うのはまっぴらごめんだと言う方が大多数ということです。日本国政府は国民感情を考えると、憲法が実態と乖離していても改憲になかなか踏み切れないのでしょうね。

 

日本国憲法 第2章 戦争の放棄
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、

国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 
2 前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

 現在の日本国憲法は、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)最高司令官マッカーサー元帥の命令により民生局がわずか9日間ほどで作成した草案を骨子として、アメリカ主導、GHQの監督のもと、日本政府側が徹夜してわずか1日半で「憲法改正草案要綱」を作成、その後わずかな修正が行われたものの、ほぼアメリカの意思で成立したものです。2020年現在、世界で最も長い期間改正されていない、化石のような現行憲法です。アメリカの存在感は圧倒的な経済力ですが、その後ろでにらみをきかせているのは軍事力で、経済と軍事は密接不可分、表裏一体なのです。世界の名目GDP総額に占める日本のシェアは、1995年は17.6%、それが2018年には5.9%(出所:IMF「World Economic Outlook Database, April 2018」より)と約3分の1になっており、惨たんたるありさまです。さらに、日本が世界トップレベルの高齢化社会であることや、食料自給率(カロリーベース)37%(出所:農林水産省「2018年度食料自給率・食料自給力指標について」より抜粋)、エネルギー自給率11.8%(出所:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」2018年度確報値より抜粋)という現状を考えると、自国第一主義で孤立したままアメリカのように生きて、現状の経済・文化レベルが維持出来るはずがありません。


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 新型コロナウイルス収束後を考えると、ボーダーレスが再来、人の往来はもっともっと自由になり、ビザも繁雑な手続きがなくなり、垣根はほぼ無きに等しい時代が将来到来することでしょう。組織の形もトップダウン型・ボトムアップ型からアメーバ型・共創型へと変わっていくでしょう。ITの進化はトップダウン、ボトムアップを必要としません。現在日本の外国人比率はおよそ2.5%ですが、10年後は2倍の5%、600万人の時代になるでしょう。その時問題になるのが宗教、教育、文化摩擦等です。これらを理解しないと共創型管理は出来ようはずもありません。今後様々な業界で人手不足が深刻なものになっていくことが予想されますが、これらの問題をクリアしていけば、新たな時代の勝者になることが可能となります。