次のグラフは、2020年1月の主な産業の正規・非正規職員・従業員の前年同月比増減数を表しています。


 


 このグラフを見て、今回の新型コロナウイルス禍で誰がダメージを受け、どの産業にフォローの風が吹いたのか、そして数年後雇用がどのような形で進み収斂されていくのかが何となく見えてきました。
 製造業の非正規労働市場は「5勤2休」から「4勤3休」や「3勤4休」となり、解雇ではなく兵糧攻めで縮小しました。2020年8月以降は仕事は出てきましたが、20~40代が中心で50歳以上は厳しい状況となっています。建設業はAIやロボットに軸足を移し、対応可能な若者を優先雇用しています。
 今後非正規労働者は、建設業、製造業、運輸業、宿泊業等、今後AIやロボットで置換可能な分野や、複合サービス事業、介護・福祉、飲食サービス業等に収斂されていくのでしょう。ただ、資本主義は欲望社会です。資本という欲望に翻弄され社会は流れていきます。



 人材派遣会社は労働者を守る立場だったのが、現在は第二人事部に近い存在になりつつありますね。AI、ロボットがより一層普及すれば、週休3日制や週休4日制が当たり前になり、海外工場も日本国内に回帰、物流も自動運転、梱包や仕分けの自動化も進むことでしょう。少し仕事量が減っても、付加価値を生む産業は人手不足、労働集約的な産業は整理解雇になり、言い換えると、今後労働集約的な作業は年齢の若い技能実習生、特定技能労働者に置き換わっていくことが先ほどのグラフからも見えてきましたね。これが格差の拡大につながります。フランスの経済学者、トマ・ピケティは著書『21世紀の資本』の中で、日本のようにGDPがあまり増えない、所得もあまり増えないのに、資本収益率(資本が効率的に使われているかを見る指標)が上がっている国は格差が拡大していると述べています。技能実習生で新興国に富を移転する目的であれば問題はないですが、日系人のように定住・永住が目的である人たちは教育を施し、より良い隣人として育てていく必要があるのです。中東やヨーロッパは失敗事例にあふれていますよ。