ご訪問ありがとうございます。
鶴田名緒子です。
私は相模原市の要約筆記者としても、時間があるときに活動させて頂いております。
8月26日から28日の3日間、要約筆記者指導者養成研修に参加して参りました。
私は2015年に要約筆記者になるための養成で1年間勉強に通い、昨年の研修期間を経て、今年度から2年目の登録で活動させて頂いています。
現場に行くようになってからは守秘義務があるので、要約筆記についてはほとんど書いていませんでした。
睡眠のお仕事の依頼の合間をみて、要約筆記者として活動していますが、まだまだ要約筆記者としては半人前。
いくら事前に準備をして臨んでも、現場ではいつも緊張してしまいます。
ところで「要約筆記者」ってみなさん、ご存知ですか?
要約筆記者は難聴者の方や聴覚に障害のある方が社会参加できるように、情報保障をします。
たとえば、講演会などの話者の横の方にスクリーンがあって、リアルタイムに文字が表示されていくのを見たことはありませんか?
手話は中途失聴者の方は外国語ぐらいに修得が難しいそうです。
やっぱり「文字」でスッと理解できるのが理想ですよね。
人が集まる場だけではなく、病院や普段の用事、学校の授業でのノートテイクという形式もあります。
また、要約筆記者には手書きとパソコンとあります。
私はパソコンの要約筆記者で、相模原市で登録して市内で活動しています。
ただ、この要約筆記。
あまり世間に知られていないような印象があります。
だからこそ、時々は発信する意義もあるように思います。
以前、耳鼻科のお医者様に、自分の聴力をしっかり検査してもらいました。
要約筆記をしていると、話し手の方の声が聞きづらいことがあって。
正確な聴き取りができないと私も不安なので。
結果は異常なしでした。
その先生に「要約筆記者だから、検査に来ました。」と伝えると、なんと、要約筆記を知らないようでした。
ちょっとびっくり。
普通の生活をしていても、「要約筆記って何?」と質問されることは多いです。
社会福祉法に規定された第二種社会福祉事業の「手話通訳事業」に要約筆記は含まれています。
法律に規定されていても、知られていないという現実。
私がそもそも要約筆記者になったきっかけは、息子です。
息子は発達障害で言葉のコミュニケーションはほとんどできません。
だからこそ、コミュニケーションができないという苦しみは私自身毎日感じています。
ボランティアなどには以前から関心がありましたが、私は漠然と、「もし携わるとしたら、言葉のコミュニケーションに関することをやろう。」というのがありました。
また、私は10代の頃に職業の関係でブラインドタッチを特訓していたので、ほぼ話に追いつくスピードでタイピングできます。
この、無駄とも思える特技は、何かに生かせそうだと思っていました。
それが2015年の相模原市の要約筆記者養成講座との出会いです。
まさに、私の思いとぴったりときたんですね。
難聴者や聴覚障害のある方、中途失聴の方など、聴こえに困難さを抱える方はもちろん、息子のような視覚優位の特性のある方の多い発達障害のみなさんにも、そして健常者にとっても、みんなに情報保障は「やさしい」と思えたのです。
やさしい、は私なりの解釈です。
情報を文字にすれば、「読み易い」のやさしいでもあります。
また、情報を保障するということは障害のあるなしに関わらず、平等に知り得る権利でもあると思います。
それが障害で受けとれることができない場合はそこを保障すればいい。それって、誰にとっても「優しい」なと思う訳です。
平成28年4月1日から施行された「障害者差別解消法」はご存知でしょうか。
こちらのリーフレットが分かりやすいのでリンクを貼ります。
”障害のある人とない人の平等な機会を確保するために、障害の状態や性別、年齢などを考慮した変更や調整、サービスを提供することを「合理的配慮」と言い、それをしないと差別になります。”
(リーフレットより引用)
私の息子は5歳ぐらいのときだったと思うのですが、「”人間”として見られたい」と自分の尊厳について筆談して周囲を驚かせました。
私は、コミュニケーションを補完することが人としての尊厳を守ることだと心から思います。
要約筆記者の活動は責任が大きいし、自分にできるだろうかと葛藤ばかりです。
それでも根底にある初心を忘れないように、微力ながらも続けていけたらと思います。
今回の研修も大変厳しいものでしたが、もっと学びを深めて、より研鑽していきたいと思いました。
全国の方と出会えて、さまざまな現場の様子も聞けたことが、何よりのモチベーションとなりました。
宿題も出て大変ですが、第2クール、第3クールも引き続き頑張っていきたいと思います。
研修中は、体内時計を乱さないように、3食食べる、朝の光を浴びる、運動するというのは心掛けていました。
夜も8時間ほど眠っていたので、研修も元気に参加できました。
人間の体のしくみを科学的裏付けから知っていれば、私らしい気持ちいい生活習慣はどこにいてもコントロールできるもの。
いつか、私の睡眠の講演会にも要約筆記がつくといいな。
私の息子の障害や持病の改善から、始めた睡眠のお仕事。
健常の方はもちろんのこと、まるっと、いろんな方に睡眠や生活習慣の大切さについて考える機会を持ってもらえたら嬉しいですし、もっと行政の方には目を向けてもらえたらと思います。
市民講座でよくある健康講座にまず、要約筆記をつけてください。
だって、障害のあるなしに関わらず、「市民」であることには変わらないのですから。
研修会場近くの東京都立戸山公園。
研修前のお散歩。朝、7時20分。
東京の公園って整備が行き届いていて、とても美しいと思います。
結局、私はどこにいても、緑を求めてしまうようです。
この夏は森や公園ばかり行っていました。
なんとなく、空が高い。
秋に近づいているようです。
お花、大好きです。