今日からは、これまで説明してきた解析手法を統計解析ソフトJMPにより実施する方法を
記載していきます。
これから説明するJMPですが、「JMP」と書いて「ジャンプ」と発音します。
SAS社が1989年に開発した統計解析ソフトで、確か発売当時はMacの専用ソフトだった
気がします。
往年の名統計ソフトStatViewによく似たインターフェイスを持っています。
以後は特に断わらない限りJMPのVer.11をメインに説明いたします。
先ずは、これまでEZRで作成したデータをJMPで分析できるようにする手順について
説明いたします。
流れとしてはEZRでサンプルデータを作成する→CSVファイルに変換し保存する→
JMPで読み込むです。
それでは下記のPGとCAIの2種類の点眼剤を別々の患者それぞれ10人に4週間投与し、
投与前と4週後の眼圧とその変化量を記録したデータを使って説明いたします。
手順1
下記のプログラムをEZRのRスクリプトウインドウにコピーして、コピーしたプログラム部分を
マウスで選択して、実行ボタンをクリックします。
n1 <- 10
n2 <- 10
set.seed(722)
ID_1 <- round(rnorm(n1, mean=210000, sd=37000))
ID_2 <- round(rnorm(n2, mean=310000, sd=37000))
ID <- c(ID_1 , ID_2)
Group <- c(rep("PG",n1), rep("CAI",n2))
IOP_1 <- round(rnorm(n1, mean=25, sd=2))
IOP_2 <- round(rnorm(n2, mean=25, sd=2))
IOP_0W <- c(IOP_1 , IOP_2)
IOP_3 <- round(rnorm(n1, mean=18, sd=3))
IOP_4 <- round(rnorm(n2, mean=21, sd=4))
IOP_4W <- c(IOP_3 , IOP_4)
Data01 <- data.frame(ID,Group,IOP_0W,IOP_4W)
Data01$IOP_dif <- Data01$IOP_4W - Data01$IOP_0W
手順2
出来たData01をEZRにデータセット(分析対象ファイル)として認識させるために、
赤矢印の<アクティブデータセットなし>を左クリックして、データセット選択画面
を表示させます。
そしてData01を選択してOKボタンを押してください。

手順3
星印の部分のように<アクティブデータセットなし>がData01に変化します。
そこで赤矢印の「データセットを表示」ボタンを押してData01を確認してください。
データの中身が確認できると思います。

手順4
「アクティブデータセット」メニューから「アクティブデータセットを
エクスポートする(Text形式) 」を選択します。

下記画面があらわれたら、そのままOKボタンを押してください。
ファイルの保存先を聞いてきますので、任意のフォルダーに任意の名前.csv(例:Data01.csv)で
保管してください。

これでCSVファイルの準備は完了です。
手順5
JMPを起動します。
JMPスターターというメニューが表示されましたでしょうか?
もし、JMPスターターが起動されないようであれば、表示メニューから
「JMPスターター」を選択していただければ起動します。

下記のようにJMPスターター表示されましたら、「データテーブルを開く」ボタンを
クリックしてください。

ファイルの読み込み画面になると思います。
EZRで作ったフォルダーに移動します。
右下のボタンの表示を

から

に変更して、CSVファイルを見えるようにして、保存したファイルを読み込んでください。
下記のようにデータが表示されれば読み込み完了です。

いかがでしょうか?
うまく読み込めましたか?
うまく読み込めたら、JMPのデータとして保存しましょう。
「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択し、任意のフォルダーに任意の名前で
保存してください。
それでは次回は保管したデータを用いて、分布グラフと基本統計量を確認します。