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目指せ!森林インストラクター。

日本の山を元気にしたい!
そんな思いから、森の案内人「森林インストラクター」の資格を取りました。

自然は私達に、たくさんのメッセージを投げかけています。
その声は、あまりにも小さく儚いものです。

そんな「森の囁き」を、お伝えします。

寒い日が続きます。服装も、厳冬期モードですね。


外気と暖房の温度差には、正直まいります。





寒さに合わせて厚着をすると、室内や車内では暑い()


むしろ、厚着を基準に暖房を抑えれば、体にも良さそうだし、少しは省エネにもなろうにと思うこの頃です。





先週の日曜、今年初の森林作業へ参加しました。


「大自然塾鳩ノ巣フィールド」





市民の手による100年の森づくりを目指し、今年で10年目を迎えました。


地元の方と、森づくりフォーラム・JUONネットワーク・森林インストラクター東京会(FIT)により運営されています。





私はFITからのスタッフとして参加しました。


班長補佐として、一般参加者の方へ作業の安全確保と指導を行っています。





今回は年始でもあり、山ノ神の神事を行い一年の作業の安全を祈念しました。


切り株にトブサ(鳥総)・ミキスズ(神酒錫)を祀り、水・米・塩(ミコシ)を供えます。




作業者は、腰道具を切り株に立てかけます。(ヨキダテ)


伐ろうとする木に道具を立てかけ、数日後倒れていなければ、木の精霊から伐っても良いと許しが出た証。





山ノ神に一年の作業のお許しを得て、安全を祈願します。





神酒錫は竹を切って作ります。皮一枚残して切り離さないのがミソだそうです。


神様に失礼のないよう、束ねた結び目をこちらに向けます。





トブサは本来、切り株に切り倒した木の梢を刺すことで木の再生を願ったものです。更新。これこそ、森づくりの目指し、願うものです。





恒例の名物神主が、一同を代表して祝詞を読み上げました。


供えられたお神酒は、参加した全員でいただきます。





フィールドにある薬師堂の例祭が同じ日に行われました。


地元の方が山に登り、薬師如来を祀る御堂にお参りをします。





すれ違う地元の方から、普段の活動に対する感謝の言葉をいただきました。


フィールドを貸していただいている私たちですが、地域の理解の上に成り立つ活動なのだと改めてその意義を感じました。





地元の方との交流の後、食事を済ませて初仕事にかかります。





私のグループは広葉樹の除伐。


実生のカラスザンショウが植栽木を被圧しているので、切り倒して光を入れます。





棘の多い厄介な木ですが、広葉樹の割りに柔らかく、比較的切り安いと感じました。


伐った木は沢筋に下ろし、崩落止めの柵に利用します。








明けて先日。


森林ボランティア経験者講座が行われていました。





大寒、雪の中での作業。ともかく、寒い!!


作業は手身近に。デモ1本を倒し、受講者の方に1本伐っていただきました。





伐倒方向の決定に始まり、手順・方法・合図・安全の確認と、実習の中で体験されました。


樹皮を剥き、安定させて午前中の実習を終えました。





午後は座学とロープワーク。


コミュニティーセンターを借りて室内での講義です。





悪天候により、急遽雨プロならぬ雪プロになりましたが、無事講座を終えることができました。





補佐的な役割でしたが、とても勉強になりました。

先日、今年の初イベントである高尾山GREEN CLEAN作戦へ参加しました。
観察ハイクをしつつ山頂を目指し、下山しながら登山道のゴミを拾います。

毎月第一土曜日、毎回コースを変えて行っています。
今回は、日影沢から城山を抜け高尾山頂に登りました。

一般参加者・FITスタッフ合わせて39名の参加
今や、FITの名物イベントとして定着しております。

バスに分乗し、日影バス停で降ります。
開会式の後、観察ハイクのスタートです。

日陰沢はすっかり冬景色。
木々もすっかり葉を落とし、梢ばかりが空へ手を伸ばします。

参加者最年少の小学生は、ノブキやイノコヅチの種子であるくっつき虫が気に入ったようです。

この季節の数少ない彩りである、ミヤマフユイチゴにもチャレンジ。
野の恵みは、少しすっぱかったようです。

ジャノヒゲの青い実は、自然のスーパーボール。
青い果皮を剥くと、透き通った実が出てきます。

これが良く弾むんです。道で遊ぶと、すぐに見失ってしまいます。

参加者の方の中には、今年森林イントラクターに合格された方や、一部科目をパスされた方もいました。
今はまだ参加者ですが、いつかイベントで協力することになるかもしれませんね。

綺麗な実がはぜていました。

ノササゲです。
青紫の鞘と実が特徴です。

以外に人気なのは、リョウメンシダ。表も裏も同じに見えます。
よく見ると、光合成中心の栄養葉と、生殖を司る胞子葉が見られます。
葉の裏にある、胞子嚢の有無で見分けます。

日が昇り、気温が徐々に上がります。
この季節のお楽しみ、自然の芸術を見るために先を急ぎます。

高度を上げ、一丁平へ。
まだ何とか残っていました。



シモバシラという植物が枯れ、毛細管現象によって残った茎が地中の水を吸い上げて、凍結により噴き出したものです。

まさに、厳しい寒さが生み出す冬の造形美。
季節ごとの美しさが、野山に待っています。

一丁平は見晴らしもよく、天気にも恵まれ富士山を望むことができました。



眺望の中での昼食は格別です

紅葉台・高尾山頂と行くにつれ、人混みが増していきます。
賑わいが増し、残念ながらゴミ拾いにも熱が入ります。

空き缶や吸殻、隠すように捨てられたそれらには、どんな思いがこもっているのでしょうか。
それとも、何も考えていないのか・・・

正直なところ、理解に苦しみます。

薬王院は新年らしく華やかに飾られていました。


年中訪れていますが、今回ばかりはお参りをば。
不信心な私めを省みつつ、一年の無事を祈願しました。

以外にそれほどの混雑でもなく、正月の明けを感じます。

戦利品の山を前に記念撮影、閉会式のあとは恒例の振り返りです。
いつも行く馴染みの蕎麦屋で、初めて蕎麦をいただきました。

おやじさん、いつも飲み屋代わりにしてすみません



ランキング参加中。応援よろしくお願いします


前回に引き続き、大島探訪記をお届けします。



 



山頂は風が強く、傾きそうになる上体を直すように歩きます。



ぽっかり開いた火口からは所々湯気が湧き出て、地面ですら暖かい場所が見られました。



 



裏砂漠へと続く下山路には、イタドリ・ススキに混じり、オオムラサキシキブの姿が見られました。



 



こちらのものに比べ、実は大振りで先のほうにまとまって付きます。



味は・・・まぁまぁです。



 



風媒のイタドリ・ススキに混じり、動物散布のムラサキシキブ。



ようやく進んできた遷移も、またいずれ訪れる噴火により焼け野原に戻ってしまうのでしょう。



 



裾野には、割れ目噴火の形跡が残っていました。



噴火は火口だけでなく、地殻の隙間を縫って噴出します。



その時の荒々しい光景が、様々な造形を見せてくれます。



 



まさに、地球創世記の景色とでもいいましょうか。



 



ゴツゴツとした岩稜のような噴火帯を抜け、スコリアの台地へ。



細かい粒状の火山灰礫が積もり、まさに砂漠のような景観を作っています。



軽いスコリアは風に流され、常に地表が流動しています。



ですので、植物も定着しづらく裸地の状態が続いています。



 



裏砂漠を抜けホテルへ続くルートは、植生遷移の見本林とも呼べるものでした。



イタドリからススキの群落をぬけ、パイオニアのヤシャブシが入り込みます。



やがて高木となる本来の温暖帯植生である、シロダモやカシ類の生える林へと移って行きます。



 



面白いのは、こちらのものに比べて全体的に葉が大きく、厚みがあって瑞々しいこと。



本来の気候域でのびのびと成長する様子が見られたような気がしました。



 



もっとも、島嶼部に特有の頭に「オオバ」や「シマ」を冠した名を持つ植物も多く、温暖な気候とガラパゴス的要素が加わって独自の進化を遂げたものも多いようです。



冗談半分に、なんでも頭にオオバ~と勝手に名づけて、失笑をかってみました()



 



下山後は、ガイドさんとっておきの景勝地でサン・セット。



というか、地元の人もたぶん立ち入らない山の中ですが・・・



 



可憐なダイモンジソウが、迫りくるうす闇に溶け残っていました。



 



帰路は温泉によって、宿に入ります。



主こだわりの島の食材を使った料理が、これでもかと出てくる宿でした。



 



舌鼓というか、十二分に大島グルメを堪能させていただきました。



 



その晩はちょうど皆既月食。



天体ショーに広大な宇宙のロマンを感じつつ、夜が更けていきました。



 



二日目は、大島の原生植生を訪ねます。



今回はここまで、次回に続きます。


お正月も今日で終わり。皆様、良い新年をお過ごしでしょうか。



新春企画、大島探訪記続編です。引き続きお付き合い下さい。



 



二日目は原生植生の観察。



社寺林を中心に、自然の残る低山ハイキングです。



 



大島は温暖な気候帯で、本来ならばタブ・カシの優先する植生域です。



社寺林は神域として、また修繕用材の確保を目的として保護されていることが多く、その土地本来の自然を残すところが多いのです。



 



森に入ると、こんもりとした常緑樹林が出迎えてくれます。



カシ類とタブの優先する、暖温帯特有の森が残されていました。



シロダモに混じり、こちらではあまり見かけないヤブニッケイも見られます。



シロダモはなんとなく枝先に集まって葉が付きますが、ヤブニッケイはきれいな互生なので、慣れれば一目で見分けが付きます。



 



ツル植物も元気です。ちょうどテイカカズラの実が開き、種子を飛ばすところでした。



 



フウトウカズラも実をつけていました。



 



まだ青みが残りますが、コショウの仲間らしい数珠生りの実が印象的です。



 



林床には、アリドオシが赤い実をつけています。



 



そこらじゅうに生えていたので、藪こぎでもしようものなら、足に引っかかって大変そうです。



センリョウ・マンリョウに添えて植えられ、千両・万両、有り通しというわけです。



 



面白いものが見られるということで、一路火砕流の跡地へ。



先ほどとは打って変わって、荒涼とした景色がそこにはありました。



 



何も無いということは、植物にとって競争相手のいない一等地です。



森林の中にあっては、ぽっかりできた空き地をギャップといいます。



奥のほうに光るのは、テイカカズラ。周りの隣地から、光を求めて這い出してきたのでしょう。



ちょうど実がはじけ、種がこぼれていました。



まるで、テイカカズラの畑です。



 



考えてみれば、光を求めて進出したところで種子はこの溶岩の上で芽吹くことができるのでしょうか?



うまく風で林縁に運ばれるといいのですが。自然とは面白いものです。



 



海沿いに移動して、海岸の植生を観察します。



クロマツ・ヒメユズリハ、ヤブニッケイ、シロダモ、塩に強い植物が出ています。



 



海岸沿いには、オオシマハイネズが青紫の実をつけています。



マンネングサが可愛らしく岸壁に佇んでいました。



 



海岸を離れ、再び社寺林へ。そこで見たのは、御神木と原始の森の姿。



 



引っ付いていたマメヅタも、どことなく神々しく見えます。



 



ツタとは名ばかり。シダの仲間の証である胞子を飛ばしていました。



 



楽しい大島探訪も別れの時が訪れます。



フェリーは船着場を離れ、竹下桟橋を目指します。



 



大島探訪記はこれまで。



長文にお付き合い下さいまして、ありがとうございました。



今年もよろしくお願いします。


あけましておめでとうございます。



2011年の年明け、どんなお正月をお迎えでしょうか?



 



今朝は近所で初日の出を拝んでから、神社へ初詣。



後は自宅でのんびりしておりました。



 



お正月特番に習うわけでもないのですが、新春企画()大島探訪記をお届けします。



昨年、仲間のインストラクターがいる大島を訪ねた折のレポートです。



 



竹芝桟橋を後にし、高速フェリーに揺られること2時間たらず。



恥ずかしながら、生涯で初の伊豆大島上陸です。



 



到着の余韻も覚めやらぬうち、すぐにお迎えのリムジン(バン)に乗り込みます。



海岸から一気に山の中腹まで駆け上がり、温泉ホテル駐車場でバスに乗り換えます。



終点、三原山の山頂口に到着。お鉢めぐりのスタートです。



 



遊歩道に入り、目に付くのはオオバヤシャブシの群落。




所々にイヌツゲ・ヒサカキが混じります。



ちょうどヒサカキが花をつけていました。雌雄異株ですので、これは雄株のようです。



 



 いたるところに生えるのは、ハチジョウイタドリ。溶岩地帯に入り込むパイオニアです。



大島は、ご存知のとおり三原山を中心とした火山島です。



火山活動は今も続き、周期的な噴火を繰り返しています。



全島に観測機器が据え付けられ、微振動や地殻変動をリアルタイムで計測。



噴火の予兆を常に監視しています。



 



全島が溶岩により作られ、土壌もあまり発達していません。



海岸線ももろく、侵食にさらされています。



ですので、定期的な噴火により溶岩が流れ出ることで、島の形状を維持しているのです。



 



まさに、噴火と共に暮らす島です。



 



そんな三原山ですが、度重なる噴火により、植生は初期の遷移の段階でとまっています。



ハチジョウイタドリの芽吹きから始まり、ススキが入り込みます。



僅かに貯まった腐食を頼りに、木本が生えてきたのが今の三原山の姿です。



 



植生回復に影響を与えるのは、溶岩の質。



大きく、アー溶岩とパホイホイ溶岩に分かれます。



簡単に説明すると、アー溶岩は粘性が低く、飛沫状に流れながら固まるので、表面に細かい穴状の凹凸があります。



パホイホイ溶岩は、粘性が高く、表面が滑らかに固まるので、流れ方によっては向きを変える際生じる溶岩たまりなどに、帯状の模様を作ったりします。



 



アー溶岩は、小さな窪みに種子が定着するので比較的植物が入りやすい環境です。



パホイホイ溶岩のほうにも、褶曲の溝に引っかかれば何とか芽生えも期待できそうです。



 



もう一つ、スコリアというのがあります。



スコリアとは、噴出物のうちでも軽いもので、軽石のような堆積物として地表を形成します。



スコリアの積もった場所は、多孔質でありながらも空隙が大きいため、種子が隙間に落ちてしまい日照を受けづらくなります。



したがって、スコリアの体積した場所は植生の回復が遅くなり、裸地が広がっています。



 



そんな遷移の様子を観察しつつ、火口を目指して登っていきます。



 



そんな私たちに、自然は思いもよらぬものを用意していました。



湿った林縁に良く生えている、ヒカゲカズラが遊歩道の脇にありました。



 



 



こんな離島で水気の無い、しかも風の強い乾燥したところに、ナゼ原始のシダが生えているのか。



よく見ると、見慣れたものより矮小化し、肉厚なように感じられました。



もしかすると、大島の温暖な気候に適応したものなのかもしれません。



 



島への適応といえば、サルトリイバラにも変化が見られました。



よく見ると、こちらで見られる棘がありません。



棘は、食べられないよう身を守るためのもの。



自らを食べる動物がいないので、棘をまとうのをやめたのでしょうか。



 



高度を上げるにつれ、伊豆七島が遠くに見えてきました。



火口に取り付き、中を見下ろせば蒸気が上がっています。



火山の息吹を感じさせられました。



 



海を挟んで、富士山が一望できます。



少しは、新年らしい画があげれられたでしょうか。

ここからは一気に高度を下げ、スコリアの台地を目指します。



 



長くなりましたので、今回はここまで。次回は後半戦です。