大島探訪記3 | 目指せ!森林インストラクター。

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日本の山を元気にしたい!
そんな思いから、森の案内人「森林インストラクター」の資格を取りました。

自然は私達に、たくさんのメッセージを投げかけています。
その声は、あまりにも小さく儚いものです。

そんな「森の囁き」を、お伝えします。

お正月も今日で終わり。皆様、良い新年をお過ごしでしょうか。



新春企画、大島探訪記続編です。引き続きお付き合い下さい。



 



二日目は原生植生の観察。



社寺林を中心に、自然の残る低山ハイキングです。



 



大島は温暖な気候帯で、本来ならばタブ・カシの優先する植生域です。



社寺林は神域として、また修繕用材の確保を目的として保護されていることが多く、その土地本来の自然を残すところが多いのです。



 



森に入ると、こんもりとした常緑樹林が出迎えてくれます。



カシ類とタブの優先する、暖温帯特有の森が残されていました。



シロダモに混じり、こちらではあまり見かけないヤブニッケイも見られます。



シロダモはなんとなく枝先に集まって葉が付きますが、ヤブニッケイはきれいな互生なので、慣れれば一目で見分けが付きます。



 



ツル植物も元気です。ちょうどテイカカズラの実が開き、種子を飛ばすところでした。



 



フウトウカズラも実をつけていました。



 



まだ青みが残りますが、コショウの仲間らしい数珠生りの実が印象的です。



 



林床には、アリドオシが赤い実をつけています。



 



そこらじゅうに生えていたので、藪こぎでもしようものなら、足に引っかかって大変そうです。



センリョウ・マンリョウに添えて植えられ、千両・万両、有り通しというわけです。



 



面白いものが見られるということで、一路火砕流の跡地へ。



先ほどとは打って変わって、荒涼とした景色がそこにはありました。



 



何も無いということは、植物にとって競争相手のいない一等地です。



森林の中にあっては、ぽっかりできた空き地をギャップといいます。



奥のほうに光るのは、テイカカズラ。周りの隣地から、光を求めて這い出してきたのでしょう。



ちょうど実がはじけ、種がこぼれていました。



まるで、テイカカズラの畑です。



 



考えてみれば、光を求めて進出したところで種子はこの溶岩の上で芽吹くことができるのでしょうか?



うまく風で林縁に運ばれるといいのですが。自然とは面白いものです。



 



海沿いに移動して、海岸の植生を観察します。



クロマツ・ヒメユズリハ、ヤブニッケイ、シロダモ、塩に強い植物が出ています。



 



海岸沿いには、オオシマハイネズが青紫の実をつけています。



マンネングサが可愛らしく岸壁に佇んでいました。



 



海岸を離れ、再び社寺林へ。そこで見たのは、御神木と原始の森の姿。



 



引っ付いていたマメヅタも、どことなく神々しく見えます。



 



ツタとは名ばかり。シダの仲間の証である胞子を飛ばしていました。



 



楽しい大島探訪も別れの時が訪れます。



フェリーは船着場を離れ、竹下桟橋を目指します。



 



大島探訪記はこれまで。



長文にお付き合い下さいまして、ありがとうございました。



今年もよろしくお願いします。