ほたるいかの書きつけ -17ページ目

演説

 今日は(ってもう日付が変わっちゃったけど)8月6日、広島原爆の日。式典での演説を見ていた。
 広島市長や子どもたちの、未来へ向けての変革の志を高くうたいあげる演説に対し、麻生首相の放つ言葉のなんと薄いことよ。聞いてるこちらが恥ずかしくなる。

 麻生首相は、演説の中でこう述べた

 日本は、被爆の苦しみを知る唯一の被爆国です。広島、長崎の悲劇を二度と繰り返さないためにも、国際平和の実現に向け、あらん限りの努力を傾けていかなければなりません。

 我が国は、これまで15年間にわたって、国連総会に核廃絶決議を提出してきました。こうした中で、昨今、米露両国は、核兵器の一層の削減を目指して交渉を進めています。G8サミットでは、先月のラクイラにおいて、初めて、「核兵器のない世界」に言及し、世界的な核軍縮・不拡散に関する気運の高まりを維持・強化するための力強いメッセージを表明しました。

 そして本日、私は、改めて日本が、今後も非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立っていくことをお誓い申し上げます。

たしかに文言だけなら「核兵器の廃絶」だの「国際社会の先頭に立って」だの「広島、長崎の悲劇を二度と繰り返さない」だの述べているが、その同じ口で、同じ日に、いや上の発言の直後に、こんな発言もしている。『共同』 より。

首相「米国の核抑止力必要」 対北朝鮮で強調

 麻生太郎首相は6日午前、広島の平和記念式典後に記者会見し、米国による「核の傘」提供について「核を持って攻撃しようという国が隣にあり、核で抑止しようとする米国と日本は同盟を結んでいる。一方的に誰かが(核保有を)やめたら、みんながやめるという話ではない」と述べ、北朝鮮の核脅威に対抗するため米国の核抑止力の必要性を強調した。

 首相は「核のない世界の実現は唯一の被爆国である日本の悲願だ。自民党はこれまでもすべての核兵器に対して核軍縮を強く求めてきた」と指摘。同時に「核が世界で一斉になくなることは考えられない」と述べ、核軍縮では現実的に対応すべきだとの見解を示した。

 北朝鮮の核、拉致問題について「対話の扉を閉ざすつもりはない。引き続き国際社会の声に対して北朝鮮が真摯に耳を傾けるよう求めたい」と述べ、北朝鮮に6カ国協議への早期復帰を促した。

2009/08/06 12:02【共同通信】
これでどうやって国際社会の先頭に立って核兵器廃絶を目指すというのかね?核が抑止力として機能するということは、核を使って攻撃することがあり得るぞ、と言っているに等しいのだが、核が落とされた街は、まさに「広島、長崎の悲劇」が繰り返されることになるのだが、わかってるのかね?結局、核廃絶する気ないんでしょ?口先だけだよね。ま、「究極的廃絶」という名で永遠の未来に先延ばしするってのはずっと前からやってたけどさ。

 あまりにも言葉が軽すぎる。情けないったりゃありゃしない。父ちゃん情けなくって涙が出らあ!

 当然ながら、こんな人物を選挙で勝ちたいからと総裁に担いだ自民党という党自体の問題でもあるのだけどね。麻生個人の問題に還元してはいけない。

きのこ犬

 先日、こんなモノをゲットしてしまいました。そう、某ペプシのオマケです。

ほたるいかの書きつけ

ビミョーな笑顔のスヌーピーが、ナニカの上で寝ていますね。
 これをひっくり返すと…

ほたるいかの書きつけ
あああ、椎茸なのでした。(^^;;
暗黒猫さんのコレ にならってなんか書いときますかね。(^^;;
 これ、全国各地の名産品をスヌーピーに背負わせるというかなりシュールな企画なのです。

 ちなみに私、実はきのこが苦手で…(ゴメンナサイ>どらねこさん…って謝ることではないな^^;;)。あの裏のヒダヒダが怖いんですよ!!それに、食べると体から生えてきそうだし!!!
 じゃあなんでこんなもん手に入れたかというと、見るのは好きだったりするのです。特に毒きのこ。子どもの頃、きのこの図鑑を食いいるように見ていたことも。特に毒きのこのページ。あ、一応、大人になってきのこ類も美味しく食べられるようになりました。なめこの味噌汁とかは昔から好きでしたし。でも、あのビジュアルが、どうも…。

 しかしなんでまたペプシはこんなシュールな企画を思いつきましたかね。脱帽です。

(ここから少し暗黒面。世界の!)
 ところでスヌーピーは好きなのですが、以前、某国の奥地(といってもかなり都会でしたが)に行ったときに見つけたのがコレ。ボールペン。

ほたるいかの書きつけ
SNOO...えー???意味もあまりよろしくないしなあ…。
 これを見た時、悩みましたよ。ええ、箱買いするか一本だけ買うか、を。すんでのところでとどまって、一本だけ買いました。その中身がこちら。

ほたるいかの書きつけ
うーん、なんかさすがにこの絵はマズイような…。(^^;;

 まあ日本だってほんの数十年前は似たようなものだったわけですが、そろそろ、ね。考えていただきたいものです。

 ちなみについ最近こんな報道がありましたが(6月現金給与総額は‐7.1%、過去最大の下落率『朝日』 )、いつまでも労働者にツケを負わせてたら、誰も買う人いなくなって、あっという間に抜かされちゃうよ?基本的に、経団連に評価されるような政党ほど我々にとってはアカンとこだ、というのが共通認識になるといいのですが。

『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1』(藤子・F・不二雄)

 いや~、来てしまった! 来てしまいましたよ!! なにがって、『大全集』第一回配本分が!!
 今回届いたのは、『ドラえもん』『オバケのQ太郎』『パーマン』の各一巻。この忙しいときに…。本当は昨日届いたのですが、今日までに上げないといけない仕事があって、泣く泣く我慢したんです。ドラ半分で。全部読みたかったけど! おかげで今日は眠いのなんの…。
 いまドラを読み終えたところなんですが、いいわ~、これ。未収録が載っているのもいいんですが(コロコロなみの分厚さで、私が未読だったのは2、3話しかなかったけど^^;;)、それ以上に、連載予告や扉絵なんかも載っている。『小学三年生』1970年1月号の登場人物紹介では、しずちゃんが「しず子」になってたり、翌2月号ではドラえもんが「イヌとネコのできそこないロボット」となってたりして、まだ設定が固まってないのが窺えて実に面白い。

 ちょっと意外だったのが、名作「白ゆりのような女の子」が、1970年6月号という、連載開始後半年で登場していたこと。ちなみに私は子どもの頃にこれで「疎開」という言葉を知った気がする。1970年の小学生の親だったら、リアルで疎開世代ですよね。作者よりちょっと若いくらいか(1933年生まれ)。
 子どもの頃に読んだときは(その後大人になってからも何度も読んだけど)、単純に「思い出って美化されるよね」とかそんなふうに受け止めていたのだけど、今回あらためて読み直してみると、子どもが親元を離れ、毎日毎日農作業に駆り出され、教師からは鉄拳制裁、そりゃ死にたくもなるだろうし、そんなとこに女の子が出てくれば、まさに「白ゆりのような女の子」に見えるよなあ、なんて思ったりした。深いねえ。
 もう一点、この作品で思ったのは(そして今までそういう視点がなかったのだが)、当時の教師というものが、国家の意思を子どもに注入するという存在であったこと。「鬼畜米英」なんてのも、この作品で知ったんじゃなかったかな。自分の頭で批判的に考えることのできる教師を養成するってのがいかに重要かということを考えてしまう。

 ま、初期のドラは、どっちかというとそういう作者の思いが投影されたような作品よりは、後期の優等生ドラとは違ったハチャメチャドタバタ作品が主流で。今回、笑っていいものかと思いつつ、笑わずにはいられなかったセリフをちょっと紹介しよう。これは『小学三年生』1970年2月号で、連載第二回目。「愛妻ジャイ子!?」という作品で、その冒頭、のび太が机に向かって勉強している後ろでドラとセワシが会話をしている。以下はおそらくセワシの発言。4コマ使われている。
ぼくらのすんでいる22世紀になると、

ものすごくかがくがはったつして、

いろいろべんりなものが発明されたけど、

ばかにつけるくすりだけが、まだできていない。
…うーむ。(^^;;

ついでにもう一つ。「けんかマシン」(『小学四年生』1970年3月号)の前半から。のび太が色んな人からいじめられ、犬にまで噛みつかれバカにされる。それを正当化していく場面。犬に噛まれて「やったなっ。」と怒るものの、うなられて逃げるところから。
のび太:ぼく、ぼう力はきらいだ。

の:こわいからけんかしないんじゃないぞ。
の:ぼくは平和主義者なんだ。

の:広い大きな心を持ってるんだ。
の:ぼくはえらいなあ。

ドラ:おかえり。学校はどうだった?
の: よかったよ、ぼくは今、最高にいい気分だよ。

ド: へえっ、なにかいいことがあったの。

の: あったとも。じつはこういう…………。

ド: なんだって!!

ド: それで、きみやられっぱなし?
の: そうなんだ。
の: ついにしまいまでがまんできたよ。

ド: それでいい気分?
の: そう。

ド: ほんとに?
の: うん………。

の: ………………………………………。

の: くやしいよォ
ド: そうだろうな。それがあたりまえだ。
…この展開に、スピリチュアルだの感謝だの、自分を変えて世界が変わった気になろうという思想を思い浮かべてしまうのは私だけだろうか。いやそれだけじゃない。「自己責任」の押し付けだってそうだ。正規の雇用がないのも派遣を解雇されるのも、全部自分のせいにされるような風潮を肯定する思想そのものだ。怒っていいのだ。怒っていいのだ、我々は。

 とまあ、読む側の人生経験が深まるほどに、『ドラえもん』から読み取れることは深くなっていくのである。これもひとえに藤子・F・不二雄が描く世界のリアリティが優れているということだろう。深く深く空想された世界のごく一端を、作品として我々は見ているのだ。

 といわけで嬉しくてついつい色々書いてしまったが、明日も仕事なのだ。どうしよう。(^^;;

 …たすけてぇ、ドラえもん!!
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『産経』の血液型性格判断アンケート

 ご存知の方も多いと思いますが、『産経』が、ウェブ上でこんなアンケートをやっています。
   血液型性格判断「差別や偏見につながる?」「血液型と性格に関連ある?」
私は答えておきました。強い相関がないという事実を踏まえてね、というようなことを書いておきました。

 最悪なのは、「あると思う人○%、ないと思う人○%。信じるも信じないもあなた次第、あなたはどっち?」てな結論でまとめられてしまうこと。まあ所詮『産経』なので…とついウッカリ思っちゃいますが、それなりに大手の新聞である以上、要求すべきことは要求すべきだと思います。

アンケートは7/28午前11時までだそうです。

『おかしな科学』(渋谷研究所X+菊池誠)

 やっと読んだ。
 うん、たしかに待合室にあるといい一冊 ですね。広く読まれて欲しい本。

 で、ちょっと余裕がないのでまとまったレビューは抜きにして、読んでて思ったことをちょっとだけ。

 一つは、何をとりあげるべきか、ということ。この本、取り上げているトピックがあなり幅広く、とてもいいと思うのだけれども。所謂「優先順位問題」になってしまうので、あくまでも私の問題意識ということなんですが、社会の現状を考えると、食育の問題はもっと深められるべきだと思う。この本でも、ダイエット絡みで少しばかり触れられているけれども、もう少し正面からの食育における問題点への批判が欲しいところ。いや勿論「自分でヤレ」というのはそうなんですが、客観的に見て、食育への批判が手薄なような気がするんですよ。どらねこさんによる一連の素晴らしいエントリ(最近だとこれ とその後編とか)があるけれど、結局は私も含めてもっと多くの人が食育絡みのアヤシイ話にアンテナ張って、どういう問題があるのか分析を進め、共通認識を構築していかないといけないんだろうと思う。
 「水伝」や「血液型性格判断」が多くの人によって分析され、問題の焦点が絞り込まれているのに対し、明らかに多くの問題を含んでいるように見えるのだけれども、どこが本質かよくわからない、という課題はまだまだ沢山あると思うのです(つまり問題がわかった気にならない)。ま、要するに、私が苦手な分野だから、よくわからないからもっと勉強せなあかんねえ、という話ではあるのですが。
 ついでに言うと、早期教育の問題点や、歴史修正主義とニセ科学の共通点なんてのも、もっと議論されないといけないんだろう(前者はもちろん専門家による分析はあるし新書も何冊か出ているけど)。繰り返しますが、これらは勿論私個人の問題意識であって、単に「誰かやって」と言っているわけではないので念のため。

 もう一点…はマジメな話ではありませんが。
 六さん萌え。わかるような気がする。(^^;;
時々出てくる(照)がいいんだよね。(*^^*)

 あ、あと、きくちさんのプロフィールに「血液型はZ座」ってのがあって、kikulogでも指摘されていたけど、これはやはりおかしいのです。というのは、そのすぐ前に「星座はレティクル座」とあるので。「血液型はレティクル座」だったら良かったのにねえ。(^^)
 …妄想の血が全力で流れているような。(^^;;

 というわけで、忙しいのでこの程度ですが、皆さん、読みましょう。(^^)
 単にニセ科学について知るというだけではなくて、他人と議論する時の想定問答集という意味もありますので(世の中六さんみたいな素直な人ばかりじゃないけど、どういう思考回路が働くと思わず信じちゃうのか、示唆に富んでいると思います)。
おかしな科学―みんながはまる、いい話コワい話/菊池 誠
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