続・功夫電影専科 -64ページ目

続・功夫電影専科

香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


拉開鐵幕/特警雄風
英題:The Way of the Lady Boxers/Madam the Great/Angel Kickboxers
製作:1993年

▼90年代は功夫映画が最盛を極めた(現時点で)最後の時代でした。武侠片ブームによってワイヤー功夫片が確立され、女闘美アクションの登場で動作片が量産されるなど、あちこちでアクション映画が作られたのです。時代の変化と共に功夫シーンの様式は変わり、アイドルや歌手でも自在に空を飛べるようになりましたが、往年のスターが引っ張り出されるケースも多々ありました。
単なる脇役や悪役だったりと、その扱いは決して良いものばかりではありません。しかし、時流から取り残された俳優たちにとって、これらの作品群は再起を賭けたチャレンジの場でもあったのです。これがブレイクの切欠になるのか、それとも最後の灯火になるのか…?彼らはこの大博打に続々と挑戦し、我らが黄家達(カーター・ウォン)もそれに続いたのです。

■香港で武装集団と警察による銃撃戦が発生し、犯人の1人・王坤が国外に逃亡した。王坤は中国の麻薬組織に属する人物であり、刑事コンビの楊[目分][目分](パメラ・ヤン)と麥羅は、ホシを追って中国大陸へと飛んだ。2人は中国公安局の一員・胡慧中(シベール・フー)と合同で捜査に当たったが、事態は予期せぬ場所で進展していく事となる。
酒場にいた麥羅は、ある男の妻となっていた元恋人と運命的な再会を果たす。今も変わらぬ思いを確かめ合う2人だったが、実は元恋人の夫は麻薬組織のボス・連偉健であった。麥羅は元恋人と幸せな時間を過ごしたが、それを連偉健に知られてしまう。激怒した連偉健は元恋人に暴行を加え、麥羅に向かって拳銃を構えた。が、銃弾は麥羅を庇った元恋人に命中し、彼も重傷を負うことに…。
楊[目分][目分]と胡慧中の2人は、仲間の無念を受け継いで打倒・麻薬組織に燃えた。王坤を死闘の末に倒し、組織に麻薬を提供していた馬賊?も公安局によって壊滅。あとは連偉健ら中枢のメンバーを逮捕するだけだ。今、敵の本拠地を舞台に警察連合VS麻薬組織の最終決戦が始まる!

▲本作は、当時の女闘美アクションとしては平均的なタイプの作品です。スタントやファイトシーンは悪くありませんが、ストーリーに関しては特に意外な展開もなく、非常にベターなものに仕上がっていました。捜査そっちのけで昔の恋人と過ごす麥羅、まったく色気を感じない女性陣など、人物の描き方がアッサリしすぎたことが裏目に出てしまったようです。
功夫アクションは勢いに任せた殺陣が中心で、楊[目分][目分]や胡慧中のアクションは今回も充実。ラストでは楊[目分][目分]VSジェフ・ファルコン、胡慧中VS連偉健の2大バトルが繰り広げられています。惜しむらくはカット割りが雑なことで、前後の繋がりがおかしなシーンがいくつかあった事でしょうか(車を乗り捨てた次のカットで、忽然と車が消えていたりします・爆)。
 そして気になる黄家達ですが、本作では胡慧中の上官として渋い役柄を好演していました。彼の見せ場は後半に集中していて、ピンチに陥った楊[目分][目分]を颯爽と助け、仲間を殺した馬賊を相手にハードな立ち回りを披露!ラストでは一瞬ですが、ジェフとの対戦も実現しています。また、仲間の殉職を生家へ知らせに向かうシーンなど、演技面でも目を引かれました。
さて、その後も黄家達は断続的に映画出演を続け、その意欲は2000年を超えても衰えを知りませんでした。その活動は国内外を問わず、遂に彼は日本へと足を踏み入れますが…。(次回へ続く!)


「マッド・リベンジャー/怒りの鉄拳」
原題:HARDCASE AND FIST
製作:1987年

●『ゴースト・ハンターズ』への出演により、黄家達(カーター・ウォン)はハリウッドで名前を知られる事になります。折りしも、当時のアメリカでは格闘映画というジャンルが成長期を向かえ、セガールやヴァンダムらの出現が目前に迫っていました。この当時、格闘映画はチャック・ノリスとニンジャ映画が主流でしたが、そこに黄家達も参入していきます。
本作は『ゴースト・ハンターズ』に出演して間もない彼を起用した作品で、アメリカの小プロダクションが製作した低予算アクション映画です。特にビッグな俳優が出演しているわけでもなく、黄家達とテッド・プライアーの2人が巨悪に立ち向かう様子を描いた、テンプレートな作品となっています。

 物語は、ある組織に濡れ衣を着せられてムショ入りしたテッド刑事が、ベトナム戦争の戦友であり組織の一員だったトニー(演者は後述)の助けを借りて脱獄。仲間を失いながらも、誘拐された恋人を助け出して終劇となります。黄家達はテッドと同室の囚人として登場し、別れた妻にひと目会いたいと願う「もう1人の主役」を演じていました。…と、こう書くと悪くないように見えますが、実際は非常にアラの目立つ作品になっています(爆
まず本作は全体的に演出が単調で、カーチェイスやアクションがあまり派手に見えません。ストーリー展開もバランスが変で、主役となるテッドのキャラクター描写が少ない反面、途中で死ぬはずのトニーの設定は妙に充実。それでいて、彼が死ぬシーンではテッドが全くのノーリアクションだったりと、本作は終始こんな感じで進んでいきます(ラストも敵のボスを放置したまま終了)。

 一方、格闘シーンでは黄家達の存在が光っていて、テッドがモタついてる脇でビシバシと俊敏な殺陣を演じています。当時の格闘映画としては充分良質なファイトを見せていますが、難点は絡み役の動きが鈍いこと。唯一、ストリップバーの乱闘では素早いザコが数人いたので(エンドクレジットを見ると韓国系?のスタントマンが参加している模様)、そこだけは見応えのあるアクションに仕上がっていました。
なお、前半においてテッドや黄家達以上の存在感を示したトニーですが、演じているのは監督のトニー・ザリンダスト。恐らく予算節約のために出たのだと思われますが、さすがに主役まで喰ってしまうのはマズイような…(汗

 しかし作品の出来はさておき、当時の功夫スターとしては例の無い「香港や台湾の資本が介入していない純粋なアメリカ映画への主演」を成し遂げているため、黄家達にとっては重要な作品だったと言えるはずです(その後、彼は2000年にシンシア・ラスロック主演のハリウッド映画『TIGER CLAWS 3』にも出演)。
そして90年代になると、黄家達は懐かしの香港へと戻ります。この頃、映画界では武侠片ブームにより多くのワイヤー古装片が、そして現代動作片が大量に作られていました。80年代に失速してしまった功夫スターにとって、これらの作品は再起を賭けたチャレンジの場となり、かつての名優たちが次々と名乗りを上げていったのです。(次回へ続く!)


龍形刀手金鐘罩
英題:The Magnificent/Dragon Master
製作:1979年


▼今月の黄家達(カーター・ウォン)特集もいよいよ今回で後半戦に突入。ここまで長々と70年代の作品ばかり紹介してきましたが、それも本項で完結となります。何故こんなに70年代の作品が多かったのかと言うと、この年代に黄家達の転機となる出来事が多かったためで、80年代以降の出演作が激減してしまったことも原因のひとつだったりします。
 80年代は香港・台湾映画界の近代化が加速し、旧来の功夫スターが次々と第一線から脱落していきました。アイドル的な人気を持つ孟飛(メン・フェイ)、郭南宏作品で活躍したことのある田鵬(ティン・パン)でさえ、80年代でフェードアウトしていったのです(※孟飛はのちに復活)。
このことは黄家達も例外ではなく、70年代最後の年となった1979年は彼にとっても節目の年となりました。今回彼が主演したこの映画は、まさに黄家達の最盛期を締めくくるに相応しい作品に仕上がっています。製作はあのフィルマークの親会社・通用影業有限公司ですが、スタッフやキャストは驚くほど豪華。一部出演者が同時期に作られた『浪子一招』と被っていますが、本作も負けず劣らずのメンバーで勝負に出ています。

■それは清朝が倒れて新政府が樹立されたころの時代…。清の残党である陳星(チン・セイ)は、朝廷の復興を企んで暗躍を続けていた。それを阻止せんと政府軍の[上下]薩伐(カサノバ・ウォン)が立ちはだかるが、一歩及ばず返り討ちに。同僚の黄家達は清朝王族の元を訪れるが、ほどなくして[上下]薩伐は帰還を果たした。
不穏な動きを見せる清朝残党に対し、黄家達たちも行動を開始していくのだが、残党の中でも異変が起きていた。自らがトップに立とうと目論む陳星により、残党をまとめていた王族の長が捕縛されてしまったのだ。同じ頃、単独行動を取っていた黄家達は、長の娘・龍君兒(ロン・チェンエール)と遭遇。陳星の差し金で暗殺されそうになった彼女を助け、真に倒すべき相手が陳星であると確信する。
 陳星は力強い拳法に加え、鐵布杉に似た金鐘罩という技を習得していた。巨悪を倒すため、黄家達と龍君兒は一致団結して特訓を開始する(BGMが『ドラゴン太極拳』のテーマ!)。修行を一通り終えた黄家達はいったん自陣に戻ったが、陳星の罠によって[上下]薩伐が倒され、龍君兒が捕らわれの身になってしまう。
程なくして王族の長が処刑され、龍君兒の命運もこれまでか…と思われたその時、黄家達が颯爽と現れた!かくして黄家達VS陳星の決戦が始まるが、最後に迎えた結末は意外なものだった…。

▲本作は上記に書かれた出演者以外にも、多くの著名人が端々に登場しています。前半で陳星を襲撃する刺客に扮しているのは巨龍(ドラゴン・リー)と崔旻奎(マーティン・チュイ)、陳星の特訓相手としてボコられる配下の1人に鄭真化(エルトン・チョン)、龍君兒を狙う刺客に劉鶴年、そして陳星の密偵としてあの何誌強(ゴッドフリー・ホー)まで参加しています。
この豊富なキャストを見ているだけでも本作は楽しいのですが、物語やアクションの完成度は平均以上。ストーリー面では、かつて銀魔王を演じた黄家達が似たような技に立ち向かう展開、意外に登場頻度が高くて美味しい役を演じた陳少龍などに目を惹かれます。
 功夫アクションもスピード感に溢れ、高いクオリティを保持していました。とりわけラストの接戦は見応え十分で、龍君兒を交えてのバトルは一見の価値アリです。陳星の体に隠された弱点を探り、意外な援軍によって決する勝負の行方、そして土壇場で迎える衝撃の決着!黄家達と陳星は何度も闘っていますが、もしかしたら本作がベストバウトなのかもしれません。でも、金的を打つときの音が「ビヨーン!」なのはどうにかして欲しかったなぁ(苦笑
さて、映画界は80年代を境に新たな段階へと突入しましたが、黄家達は他のスターと同様に伸び悩んでいました。しかし、予想外の場所から救いの手が伸びてきました。そう、『ゴースト・ハンターズ』でハリウッド映画に出演したことで、黄家達に再び転機が訪れるのです。(次回へ続く!)


「ドラゴン太極拳」
原題:太極氣功/太極元功
英題:Born Invincible
製作:1978年

▼70年代も後半に差し掛かった1977年において、2本の傑作功夫片が誕生しました。それが『少林虎鶴拳』と『鷹爪鐵布杉』です。前者は親子二世代に渡る大河アクション、後者は入念に練られたストーリーが特色で、今もなお高い評価を得ています(特に『少林虎鶴拳』は、その年の興行収入第3位の大ヒット作となりました)。
この『少林虎鶴拳』と『鷹爪鐵布杉』は、どちらも「鐵布杉」という技がキーポイントとなっていました。これは全身を気で鋼鉄化させ、あらゆる攻撃を無効化するというチート級の防御技であり、ラスボスの強大さを大いに引き立たせています。以前からそういった演出が無かったわけではありませんが、この2作品は合理的かつ迫力満点の功夫アクションを構築しており、他所とのレベルの違いを明確に打ち出しました。
これらの公開後、多くの功夫片で「鐵布杉」的な演出が模倣されていきます(『倉田保昭のカンフー大作戦』『成龍拳』などはその典型)。そんな中、台湾の郭南宏(ジョセフ・クオ)も同様のコンセプトの作品を製作しますが、過去の作品とは違う方向性を開拓しました。ただひたすらにラスボスに焦点を当て、傍若無人さを徹底的に強調した作品…それが『ドラゴン太極拳』となるのです。

■30年以上に渡る修行の末、恐るべき力を身に付けた銀魔王という男がいた。鐵布杉によって体は鋼鉄と化し、発動すれば相手は確実に死ぬという最終奥義・八卦の陣まで体得しているという。そんな銀魔王の配下である黒白小鬼(元奎&袁信義)が、龍冠武・龍世家たち町道場の門下生の前で蘇真平を殺そうとする場面から物語は始まる。
彼らは私闘を禁じられていたが、見かねた龍冠武が割って入ったため乱闘に発展。この騒ぎは師範の徐忠信(アラン・ツィ)が治めたが、龍冠武たちは師匠の龍飛(ロン・フェイ)から厳しい戒めを受けてしまう。翌日、銀魔王と金魔王の2人が道場へ攻め入ってきた。徐忠信は金魔王に倒され、龍飛も銀魔王の技で絶命。最後に出てきた蘇真平は善戦したが、魔王たちの合体攻撃に敗れ去った。
 この事態に門下生たちは仇討ちを誓い、黙々と修行に打ち込んでいく。その間、道場にやって来た黒白小鬼を返り討ちにするが、魔王たちはこれに大激怒。門下生たちは道場を引き払い、人里離れた洞窟に身を隠した。
その後、龍世家が金魔王の撃破に成功するも、圧倒的な実力の銀魔王には勝てず死亡。続いて「口から鉄球を飛ばす」というトンデモ技で挑んだ弟子も敗北し、強そうな門下生は龍冠武を残すだけとなった。ここに至って、龍冠武は銀魔王の師から「どこかに弱点があるはず」と曖昧な助言を受け、謎の尼さんから攻略の糸口を見出す。果たして、この戦いの結末は…?

▲要するに本作は2つの武館による抗争を描いたものなのですが、黄家達(カーター・ウォン)の演じるキャラクター・銀魔王の存在に目を引かれます。過去の鐵布杉映画の使い手たちに負けない実力を持ち、鐵布杉だけでなく八卦の陣のような独自の技も持っています。闘いでは手を挙げるとピューン!と音が鳴り、勝つと甲高い声で笑うという強烈なキャラ設定も、一度見たらなかなか忘れられません。
対する味方サイドは一見すると地味なんですが、それを補って余りあるのがその卑怯さです。黒白小鬼を罠で囲い込んで殺害したり、刀に細工を施したり、終盤では銀魔王を焼き討ちして殺そうと提案したりと、真っ向から闘っている銀魔王たちとスタンスが違いすぎます(笑
 このへんも本作の特異な点で、鐵布杉映画といえば「主人公が敵の弱点を探って勝つ」というゲーム感覚の要素が必ず存在しました。ところが、本作では敵味方で戦力差が開きすぎているため、なんとか差を埋めようと主人公たちは正攻法以外の手段に及ばざるを得なくなります(そのかわり弱点はあっさり発覚します)。冷静に見るとズルい気がしますが、これもまた本作の魅力のひとつであり、銀魔王の強さをより一層引き立たせているのです。
作品の大部分を占める功夫アクションを構築したのは、『鷹爪鐵布杉』も手掛けた袁和平(ユエン・ウーピン)。なのでアクションシーンは驚くほど水準が高く、アイデアに溢れたファイトが堪能できます。黄家達の動きも同時期の出演作とは明らかに違い、のちに郭南宏作品の新たな看板俳優となった龍冠武たちとの対決も感慨深いものを感じてしまいました。
傑作中の傑作に出演し、その実力を改めて知らしめた黄家達。しかし、時代の変革は刻一刻と迫りつつありました。同年に発表された『酔拳』の登場で、功夫片の世界が一気にコメディ一色へと変化します。そして80年代を目前に控え、黄家達は意外な製作会社からオールスター大作への出演を打診され…?(次回へ続く!)


陰陽血滴子
英題:The Fatal Flying Guillotines
製作:1977年

▼さて、ここまで黄家達(カーター・ウォン)の正統派な出演作をいくつかピックアップしてきましたが、彼は珍妙なB級映画にも幅広く顔を見せています。そこで今回は黄家達が出演した珍品の中で、最もヤバいと言えるかもしれないこの作品の紹介です(笑
本作はタイトルにもなっている暗殺武器・血滴子が大々的に登場します。別名を空とぶギロチンと言い、相手の頭に被さって首を刎ねてしまうという恐ろしい武器です。これまで様々な功夫映画で猛威を振るってきた血滴子には、大きく分けて2つの種類が存在しました。1つはショウブラザーズ作品『空とぶギロチン』に代表される鉄で成型されたタイプ、もう1つは『片腕カンフー対空とぶギロチン』で有名な携帯タイプです。
『死霊のえじき』『Kill Bill』で世界進出を果たし、ショウブラ版のリメイク作『血滴子』の公開も控えている血滴子。本作ではどちらのタイプが登場するか気になるところですが…?

■功夫使いの青年・黄家達は母の病気を治すため、妙薬の書を収蔵している少林寺を訪れていた。門外不出の書を借り受けるべく、彼は徒手格闘や棒術陣などの試練に次々とチャレンジ。最後の高僧・陳少鵬との対戦も、二度目の挑戦でようやくクリアする事ができた。ところが、帰宅途中に黄家達が謎の刺客に襲われ、さらには妙薬を飲んだ母が急死してしまったのだ。
当然、黄家達は激怒して少林寺に乗り込んできた。館長が調べてみると、清朝のスパイであった陳少鵬の仕業だということが発覚(黄家達を襲った刺客もこの男)。追い詰められた陳少鵬は自害し、彼の死を知った黒幕の第4皇子・陸柱石は悔しさに顔を歪めるのだった。
 この陸柱石、実は今回の一件とは別にある物を欲していた。2つの血滴子を操る陳星(チン・セイ)が持つ、重要書類を捜し求めていたのである。陳星は近付く者なら誰だろうと首をハネてしまうという恐ろしい男だ。張力・高強・徐忠信ら武芸者たちは陳星討伐隊を組み、黄家達もなぜかこれに参加した。しかし洞窟に仕掛けられた罠やダブル血滴子によって、仲間たちは黄家達を残して全滅を喫してしまう。
その翌日、黄家達に先んじて陳星と接触していた朝廷の使者たち(うち1人が孟海)が、和平を結ぶフリをして陳星に襲いかかっていた。連中はすぐに蹴散らされたが、特殊な器具によって血滴子は封じられてしまう。これ幸いと陳星に挑む黄家達だが、この戦いで最後に笑ったのは意外な人物だった…。

▲台詞やナレーションが多く、ちょっと理解しにくい部分が多々ありましたが、噂に違わぬド直球のイロモノ映画でした(笑
まずもって凄いのが本作に登場する血滴子です。漆黒の鋼鉄製ボディに大きな突起が生えており、先述したどのタイプとも違った外見をしています。そして、装備された首狩り用の刃は機械的な音を立てて高速回転し、投げれば慣性の法則を無視して獲物を追い続ける追跡機能まで装備!もうこれ血滴子じゃないよ!(爆
 しかもこのアイアン血滴子(勝手に命名)、出し惜しみをせずにポンポン繰り出されるので、首を飛ばされる犠牲者の数も相当数に上ります。ストーリーはまたも雍正帝を扱った話のようですが、アイアン血滴子のインパクトがあまりにも強烈過ぎるため、最後のどんでん返しもあまり印象に残りませんでした。
しかし、功夫シーンについてはベテラン武術指導家である陳少鵬の手により、水準以上の完成度を保っています。どのファイトもスピード感のある殺陣に仕上がっていて、ラストのアイアン血滴子を交えた黄家達VS陳星も実にスリリングです。でも、最後の結末は後味が悪かったなぁ…。
本作のようなB級映画からクラシカルな武侠片まで、黄家達は多くの作品で経験を積みました。そうして大成した彼は、恩師である郭南宏(ジョセフ・クオ)の新作へ満を持して出演します。黄家達と郭南宏、そして期待の武術指導グループ・袁家班。彼らが出会う時、台湾の功夫映画に新たな歴史が刻まれるのです(次回へ続く!)