
拉開鐵幕/特警雄風
英題:The Way of the Lady Boxers/Madam the Great/Angel Kickboxers
製作:1993年
▼90年代は功夫映画が最盛を極めた(現時点で)最後の時代でした。武侠片ブームによってワイヤー功夫片が確立され、女闘美アクションの登場で動作片が量産されるなど、あちこちでアクション映画が作られたのです。時代の変化と共に功夫シーンの様式は変わり、アイドルや歌手でも自在に空を飛べるようになりましたが、往年のスターが引っ張り出されるケースも多々ありました。
単なる脇役や悪役だったりと、その扱いは決して良いものばかりではありません。しかし、時流から取り残された俳優たちにとって、これらの作品群は再起を賭けたチャレンジの場でもあったのです。これがブレイクの切欠になるのか、それとも最後の灯火になるのか…?彼らはこの大博打に続々と挑戦し、我らが黄家達(カーター・ウォン)もそれに続いたのです。
■香港で武装集団と警察による銃撃戦が発生し、犯人の1人・王坤が国外に逃亡した。王坤は中国の麻薬組織に属する人物であり、刑事コンビの楊[目分][目分](パメラ・ヤン)と麥羅は、ホシを追って中国大陸へと飛んだ。2人は中国公安局の一員・胡慧中(シベール・フー)と合同で捜査に当たったが、事態は予期せぬ場所で進展していく事となる。
酒場にいた麥羅は、ある男の妻となっていた元恋人と運命的な再会を果たす。今も変わらぬ思いを確かめ合う2人だったが、実は元恋人の夫は麻薬組織のボス・連偉健であった。麥羅は元恋人と幸せな時間を過ごしたが、それを連偉健に知られてしまう。激怒した連偉健は元恋人に暴行を加え、麥羅に向かって拳銃を構えた。が、銃弾は麥羅を庇った元恋人に命中し、彼も重傷を負うことに…。
楊[目分][目分]と胡慧中の2人は、仲間の無念を受け継いで打倒・麻薬組織に燃えた。王坤を死闘の末に倒し、組織に麻薬を提供していた馬賊?も公安局によって壊滅。あとは連偉健ら中枢のメンバーを逮捕するだけだ。今、敵の本拠地を舞台に警察連合VS麻薬組織の最終決戦が始まる!
▲本作は、当時の女闘美アクションとしては平均的なタイプの作品です。スタントやファイトシーンは悪くありませんが、ストーリーに関しては特に意外な展開もなく、非常にベターなものに仕上がっていました。捜査そっちのけで昔の恋人と過ごす麥羅、まったく色気を感じない女性陣など、人物の描き方がアッサリしすぎたことが裏目に出てしまったようです。
功夫アクションは勢いに任せた殺陣が中心で、楊[目分][目分]や胡慧中のアクションは今回も充実。ラストでは楊[目分][目分]VSジェフ・ファルコン、胡慧中VS連偉健の2大バトルが繰り広げられています。惜しむらくはカット割りが雑なことで、前後の繋がりがおかしなシーンがいくつかあった事でしょうか(車を乗り捨てた次のカットで、忽然と車が消えていたりします・爆)。
そして気になる黄家達ですが、本作では胡慧中の上官として渋い役柄を好演していました。彼の見せ場は後半に集中していて、ピンチに陥った楊[目分][目分]を颯爽と助け、仲間を殺した馬賊を相手にハードな立ち回りを披露!ラストでは一瞬ですが、ジェフとの対戦も実現しています。また、仲間の殉職を生家へ知らせに向かうシーンなど、演技面でも目を引かれました。
さて、その後も黄家達は断続的に映画出演を続け、その意欲は2000年を超えても衰えを知りませんでした。その活動は国内外を問わず、遂に彼は日本へと足を踏み入れますが…。(次回へ続く!)