
「ニューヨーク市警特別捜査官/スーパー・ニンジャ」
忍者無敵
SUPER NINJA
THE NINJA SQUAD: KILLERS INVISIBLE
1984(86?)
●クズニンジャ映画レビュー三本目の今回は、フィルマーク作品の登場だ。こっちとしてはフィルマーク系列を三連続で見るのはかなり辛いものがあるが、今回はキャストが羅鋭(アレクサンダー・ルー)ら台湾系の猛者ばかりということなので、ある程度安心して見られるようになっている。
羅鋭とユージン・トーマスはニューヨーク市警の刑事。しかしこんな2人が良い子で優等生なワケが無く(笑)当然のように問題児だ。そんな羅鋭が、ある日突然麻薬所持でブチこまれてしまう。まったく身に覚えのない羅鋭だが、署長は私怨も含めた暴力的な取調べを敢行する。拷問に苦しむ羅鋭だが、その脳裏にかつて龍世家(ジャック・ロン)によって受けたニンジャの修行風景がよぎった。
その後羅鋭は忍術を駆使して脱獄し、自らの身の潔白を証明すべく行動を開始する。遂にはニューヨークの裏社会で暗躍する謎のニンジャ軍団の存在を知ったが、ニンジャ軍団も羅鋭が嗅ぎ回っていることを察知し、ヒロインの父を殺害してしまう。かくして、羅鋭VSニンジャ軍団の壮絶な闘いが始まるのだった。
敵の目的が香港にあると知った羅鋭とユージンは一路香港へ(っていうか、ニューヨークロケはたぶんやってない)。ヒロインもおじさんの唐龍(タン・ロン…羅鋭の兄貴の方)を頼って香港の功夫道場にやって来るが、さっそく襲撃を受けて唐龍は退場。おまけにヒロインは誘拐され、ユージンまでもが裏切りを働いた。羅鋭はユージンを一蹴するが、かつての友ということもあってこれを見逃した。
ニンジャ軍団のボスである張一道が顔を見せる中、羅鋭はニンジャ装束へと袖を通し、ニンジャとして張一道らと闘う決意を固める。白きニンジャとしてニンジャ軍団とバトルを繰り広げる羅鋭。改心したユージンはヒロインと脱出して羅鋭と合流し、ここに羅鋭&ユージンVS張一道の決戦が繰り広げられる!
本作の武術指導は朱客と龍世家。そのせいか作中の功夫アクションは迫力があり、ワイヤーや早回しなどを駆使したファイトの数々はとても面白い。羅鋭の作品といえば、思い浮かぶのがお色気シーンと早回しアクションとニンジャであるが、本作はその3つの要素をたっぷり詰め込んでいる(笑)ので、まず一見の価値はあるだろう。
それにしてもクズニンジャを三連発で紹介するとは…つ、疲れた(爆

Zombie vs Ninja
別題:Zombie Rival The Super Ninja Master/Zodiac America The Super Master
製作:1987年
●今回も『忍者プロテクター』に引き続き、クズニンジャ映画のレビューです(爆
前回の『忍者プロテクター』は日本発売された作品なのである程度ストーリーは解ったのですが、この作品は国内未発売ということもあって情報が全く無し!これと同じ事は前にも『Ninja Empire』や『Ninja Champion』でも経験済みなのでどうにかなるかと思いましたが、この作品はどっかで見たような…(後述)。
冒頭、キョンシーと道士が格闘するカットののち、忍者とヒゲ男(明らかにこの両者は別撮り合成)の会話シーンを挟んで物語は始まる。その後、主人公の青年たちが謎の三人組によって襲撃を受け、続いて先程の道士が再び登場する。襲撃に遭った青年はこの道士に助けられ…って、この青年は鄭眞化(エルトン・チョン)じゃないか!
どうやらこの作品、鄭眞化主演の韓国産コメディ功夫片『少和省葬儀師』にニンジャが登場する場面を追加撮影した作品らしい。『少和省葬儀師』に関してはよく知らないが、たぶんオリジナルのストーリーは道士に助けられた鄭眞化が悪と闘う…というようなものだったかと推察される。
ちなみに冒頭のヒゲ男は王龍(マイク・ウォン)で、悪党たちをけしかけたのもこの男。本作で王龍はニンジャの組織と通じていることになっており、正義のニンジャとの闘いが同時進行で進んでいく(もちろん「水と油」状態なのは言わずもがな)。
仇討ち相手のことを知った鄭眞化は道士に功夫の特訓をしてくれるようにと懇願。棺桶を使ったウェイト・トレーニングや穴掘りといった地道な特訓を教わり、第二段階は道士が操るキョンシーとのバトルだ。徐々に強くなっていく鄭眞化だが、ヒロインを我が物にしようとする町の名士?とのトラブルに巻き込まれ、そこから仇である三人組のしっぽを掴むに至った。それと同時に、善と悪のニンジャたちの物語も終局に向けて加速していく…って、こっちはどうでもいいですよね?(爆
というわけでご覧の通り、本作はニンジャは完璧無視して素材だけを楽しんだほうが無難な作品です。
終盤からは鄭眞化が三人組や王龍を相手に連戦を繰り広げていくのだが、これがまたなかなか面白い!特にラストバトルの鄭眞化VS王龍はスピーディーで見応えがあり、王龍としてはベストバウトかもしれない。コメディ的な展開も悪くなかったし、アクションも上々の出来。これは是非『少和省葬儀師』を見てみたくなりましたね。
ちなみに本作のタイトルである「Zombie」とは、作中登場するキョンシーのことらしい。キョンシーは英語で「Vanpire」だろ!と言いたくもなるところだが、作中に登場するキョンシーはあんまりキョンシーらしくないので、これはこれで的を得ているのかも?

「忍者プロテクター」
NINJA THE PROTECTOR
1986
●ここでちょっとみなさんに質問です。かつてその膨大な収録タイトルの数から多くの功夫映画ファンを驚かせた『Martial Arts 50 Movie Pack』ですが、その収録作品全てを制覇した方はいるでしょうか?私は…残念ながらまだです(爆
今まで私が見た『Martial Arts 50 Movie Pack』収録作品は以下の通り(未レビュー含む)…↓
『猴[馬付]馬』『太極八蚊』『歩歩追殺』『雌雄雙殺』『Ninja Champion』『Angry Tiger』『黄飛鴻四大弟子』『猛獅』『闖王李自成』『恐怖の鉄拳 死の怒り』『激突!殺人拳』『殺人拳2』『復讐の掟』『砲[イ馬]俥』『猛男大賊[月因]脂虎』『Death Machines』『女必殺拳』『伊賀忍法帖』『Ninja Empire』『The Real Bruce Lee』『大惡寇』『搏紮』『七殺街』『Weapons of Death』『鬼面忍者』『洪文定與胡亞彪/採陽女[封帛]主』『三毛流浪記』『名單』『大武士與小縹客』『烏龍教一』…おっ、ちょうど30本!
そして今回紹介する『忍者プロテクター』で31本となります。
この『Martial Arts 50 Movie Pack』、今まで何度か触れてきましたが、正確には収録されてる作品の数は46本となっています。なので完全制覇までにはあと15本ということなんですけど…この数は遠いのか近いのか微妙ですねぇ(苦笑)。で、その中で敬遠していたりする作品は以下の通り…↓
『ブラック・コブラ』『同2』『同3』『忍者ジョン&マックス』『真夜中のヘッドハンター・殺人の報酬』…あと『The Impossible Kid』『喧嘩プロフェッショナル』『The Black Godfather』も見るかどうか怪しいです。これらは功夫映画じゃなかったりマーシャルアーツ映画じゃなかったりするので、たぶん見ないで終わる可能性が高いです。
で、本作は見なくても良かったかなぁ…と思うタイプの作品である(爆
ご存知クズ映画の大御所であるIFDが制作したこの作品は、普通の愛憎劇をニンジャ映画へと改変してしまっている。とはいえ、さすがのIFDでも普通の作品をニンジャ映画に仕立て上げるのは難しい…そこで彼らが取った方法は「この人はこういう役で、この人はこういう背景があって…」という、各人間関係の改ざんだった。
素材にされたオリジナルでは普通の男性だったキャラがアンダーカバーにされるなど、とにかく内容は混沌を極めている。香港映画ファンとしては、ちょっとだけ出ている高飛(コー・フェイ)のアクションやジョン・ラダルスキーだけが救いなのかも知れない。
ところで本作は本来84分の作品なのだが、『Martial Arts 50 Movie Pack』収録分は68分しかない。きっと『Martial Arts 50 Movie Pack』収録分はダイジェスト状態なのだと思われるが、オリジナルを見てみたいと思う気すら起こさせないのは、さすがIFDと思う次第でございます(爆

「ザ・格闘王」
The Fighting King
1994
●それにしても、何故ケイン・コスギの主演作はこんなにも少ないのだろうか?
彼の主演作は本作とその続編以外には、それこそ『マッスルヒート』ぐらいしかない。厳密に言えば本シリーズはVシネなので、彼の主演した映画は一本だけしか作られていない事になる。邦画にアクション映画が少ないのは仕方ないとしても、このままアクション映画の1つも作らないまま彼を腐らせてしまうのは、いくらなんでも惜しすぎると思うのだが…。
この作品は、そんなケインが『忍者戦隊カクレンジャー』でお茶の間にも知られるようになった時期に制作されたもので、前述の通り清水宏次朗が共演した続編が存在する。監督が父のショー・コスギというところを見るに、恐らくはケインをプッシュするために制作されたのではないかと思われる。
ストーリーはいたって簡単。主人公のケインは、父で空手道場の師範である宮内洋(!)とアメリカで静かに暮らしていたが、ある日世界格闘トーナメントの招待状が届いた。宮内はそれに出場するために日本へ向かったのだが、程なくして宮内の訃報がケインの元に舞い込んできた。
ケインは日本へ向かい、宮内の兄弟弟子である倉田保昭から事情を聞くが、実は宮内は事故に見せかけて殺されていたことが発覚する。調べていく内に、これは格闘トーナメントに絡むアジアンマフィアの陰謀と解り、ケインは一路開催地である沖縄へと向かった。が、ケインの前には次々と強豪が襲いかかる…!
というわけで、この作品はケイン版『燃えよドラゴン』である。
沖縄に到着してからトーナメントが始まるまでの展開がちょっとダレるが、アクションのつるべ打ちで最後まで一気に見ることはできた。ケインVS宮内やケインVS倉田という珍しいバトルを皮切りに、スタントマンのサイモン・リー(最近では『ラッシュ・アワー3』にも参加)とのキッキングバトルなど見どころも充実。格闘アクションのクオリティはVシネとしても抜きんでており、同期に製作された『拳鬼』よりも一枚上手といった感じだ(ちょっと殺陣のバリエーションが少ないかな?)。
倉田さんと宮内が兄弟弟子という『Gメン75』な顔合わせにニヤリときたり、さりげなく試合のレフェリーをやっているのが石橋雅史だったりと細かいネタを仕込んである本作。しかし、いくらなんでもあのオチは反則であると言わざるを得ない(涙
どうしてあんな今までの展開をブチ壊すようなオチにしたのかは解らないが、マフィアのボスが逮捕される描写が無かったことも含めて、恐らくは『ザ・格闘王2』へ繋がるようになっているのだと思うが…あんな後味の悪い繋げ方をしてもらってもなぁ。

「少林の鉄爪 鷹拳」
鷹拳
Shaolin Iron Claws
1982(78?)
●鷹拳の使い手である主人公の王道(ワン・タオ)は、ある日偶然から陳星(チン・セイ)ら秘密結社の機密文書を手にしてしまう。機密文書の奪還を狙い、陳星は張翼(チャン・イー)とその部下である張紀平や荊國忠たちを差し向けた。連中は王道の身の回りの人々を辻斬りし、その被害は徐々に王道たちの周囲へと及んでいく。ここに敵か味方か謎の男・李藝民(サイモン・リー)、スリの兄弟などが加わり、物語は混迷を極めていく…。
ストレートな原題とは裏腹に、本作の物語はちょいとヒネった作りになっている。私が見たのは英語吹替えの海外版DVDで話の細部までは窺い知ることはできず、最初の10分ぐらいまでは「つまんないなぁ…」と思っていたが、次第に独自性のあるストーリーに引き込まれていきました。
だが、王道・李藝民・陳星・張翼といった(そこそこ)豪華な面々が絡んでいるのに、本作の功夫アクションはボチボチの出来に収まってしまっている。特別ひどいものでもなければ取り立てて凄いものでもなく、見せ場となるようなシーンもクライマックスの李藝民VS槍の軍団ぐらいしか無い。はっきり言うと殺陣に思い切りや個性が感じられない気がするのだ(他に見どころを挙げるとするなら、王道VS李藝民という台湾系スター夢のバトルくらいか)。
物語がそれなりにいい感じだったので、これでアクションがもっと派手なものであれば傑作になれたと思うのだが…これこそ李作楠(リー・ツォー・ナン)あたりが料理したら大化けしたかもしれないなぁ。