『ザ・格闘王』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「ザ・格闘王」
The Fighting King
1994

●それにしても、何故ケイン・コスギの主演作はこんなにも少ないのだろうか?
彼の主演作は本作とその続編以外には、それこそ『マッスルヒート』ぐらいしかない。厳密に言えば本シリーズはVシネなので、彼の主演した映画は一本だけしか作られていない事になる。邦画にアクション映画が少ないのは仕方ないとしても、このままアクション映画の1つも作らないまま彼を腐らせてしまうのは、いくらなんでも惜しすぎると思うのだが…。
この作品は、そんなケインが『忍者戦隊カクレンジャー』でお茶の間にも知られるようになった時期に制作されたもので、前述の通り清水宏次朗が共演した続編が存在する。監督が父のショー・コスギというところを見るに、恐らくはケインをプッシュするために制作されたのではないかと思われる。
ストーリーはいたって簡単。主人公のケインは、父で空手道場の師範である宮内洋(!)とアメリカで静かに暮らしていたが、ある日世界格闘トーナメントの招待状が届いた。宮内はそれに出場するために日本へ向かったのだが、程なくして宮内の訃報がケインの元に舞い込んできた。
ケインは日本へ向かい、宮内の兄弟弟子である倉田保昭から事情を聞くが、実は宮内は事故に見せかけて殺されていたことが発覚する。調べていく内に、これは格闘トーナメントに絡むアジアンマフィアの陰謀と解り、ケインは一路開催地である沖縄へと向かった。が、ケインの前には次々と強豪が襲いかかる…!
というわけで、この作品はケイン版『燃えよドラゴン』である。
沖縄に到着してからトーナメントが始まるまでの展開がちょっとダレるが、アクションのつるべ打ちで最後まで一気に見ることはできた。ケインVS宮内やケインVS倉田という珍しいバトルを皮切りに、スタントマンのサイモン・リー(最近では『ラッシュ・アワー3』にも参加)とのキッキングバトルなど見どころも充実。格闘アクションのクオリティはVシネとしても抜きんでており、同期に製作された『拳鬼』よりも一枚上手といった感じだ(ちょっと殺陣のバリエーションが少ないかな?)。
倉田さんと宮内が兄弟弟子という『Gメン75』な顔合わせにニヤリときたり、さりげなく試合のレフェリーをやっているのが石橋雅史だったりと細かいネタを仕込んである本作。しかし、いくらなんでもあのオチは反則であると言わざるを得ない(涙
どうしてあんな今までの展開をブチ壊すようなオチにしたのかは解らないが、マフィアのボスが逮捕される描写が無かったことも含めて、恐らくは『ザ・格闘王2』へ繋がるようになっているのだと思うが…あんな後味の悪い繋げ方をしてもらってもなぁ。