お久しぶりです。佐藤 (仁) です。「虫顔これくしょん」の人です。
……え?もう卒業したでしょ、って?
いやいや、我々学部4年生は正式には3月末日で卒業、すなわちまだ弘大の4年生なのです。
それに「虫顔だけは書ききる」って言っちゃったしね。
……え?もう卒業したでしょ、って?
いやいや、我々学部4年生は正式には3月末日で卒業、すなわちまだ弘大の4年生なのです。
それに「虫顔だけは書ききる」って言っちゃったしね。
さて、今回からは3回連続「魅惑の蛾顔シリーズ」です!!!
ふふふやっと書ける……!
ふふふやっと書ける……!
さて初回はカイコガ科!
といっても、3種類しかいません。
といっても、3種類しかいません。
んで、まずはトップバッター・クワコちゃん (Bombyx mandarina)!
茶色い毛に黒くてつぶらな目がかわいい。ぬいぐるみみたい。
触角が少々独特で、ヤママユのオスに見られる「羽毛状の触角」を、中央の線に沿って90°角に折り曲げたような形状をしています。 (「棍棒」とか「櫛歯」など、ちゃんと触角の形状を例える単語があるのですが、忘れてしまいました……ごめんなさい。)
この種には口吻 (チョウが持ってるストローみたいなアレ) がありません。成虫は絶食します。 (後述のカイコも同様。)
ちなみに、幼虫の顔はこんな感じ。 (写真がないのでイラストです。)
幼虫もメインカラーは茶色です。 オレンジと黒の眼状紋が目立ちます。(※この図で幼虫の頭部は、下に飛び出している半円状の部分です。オレンジや青のある部分は胸部にあたります。)
次はカイコ (Bombyx mori)!純白天使☆オシラサマ!
カラーリングが白くなった以外は、ほぼクワコと同じ顔つきをしています。
カラーリングが白くなった以外は、ほぼクワコと同じ顔つきをしています。
クワコとは属名 (Bombyx) が同じで、遺伝子的に割と近い仲間です。
ただし染色体の数が異なり、クワコが2n=54であるのに対しカイコは2n=56となっています。
日本のクワコよりは大陸産 (中国など) クワコの遺伝子の方が近いそうです。(クワコの種小名「mandarina」は、どうも中国に関わる単語のようです。mandarin orangeでミカンだし。)
こちらも幼虫の顔写真を見てみましょう。
幼虫もクワコのそれと同じような模様をしています。眼状紋は健在。 (※この図で幼虫の頭部は左下の影にかかった部分、白・オレンジ・黒色のある部分は幼虫の胸部です。)
実は気性 (性格?) や体質? も異なり、カイコの幼虫は移動性が低く、蓋のないケースに入れておいても逃げません。
それに対しクワコは逃げてしまうようです。
……って言ってやりたいところだけど、
残念ながらカイコも逃げます。
学生実験のときに逃げたカイコが
学生実験のときに逃げたカイコが
未だに見つかりません。
ところで、クワコ・カイコの食草には「クワ(桑)」がありますが、このクワ科に含まれる「ヤマグワ」の学名がMorus bombycisで、カイコの属名・種小名を逆にしたみたいになります。
最後にオオクワゴモドキ (Oberthueria falcigera) !
この子だけ属名が違います。遺伝子的にちょっと離れているんです。
この子だけ属名が違います。遺伝子的にちょっと離れているんです。
よく見ると、ちょっと触角の形が違う気がします。
クワコとカイコは、先端が紡錘形であるのに対し、オオクワゴモドキは途中から触角が細くなっている、ような。
この種の食草は、クワではなくカエデのなかまです。
……さて、同じカイコガ科ですが、果たしてこの種の繭からは糸が採れるのでしょうか?
と、ここでカイコガ科の虫顔はおわりです。
みんな小顔だからね……特にモドキちゃんの手ぶれというか、ピントがひどいですね……。
さぁ次回は
魅惑のヤママユガ科の虫顔!!!
カイコを上回るモフモフが待っています!
魅惑のヤママユガ科の虫顔!!!
カイコを上回るモフモフが待っています!
それとサクラダ君、虫捕りは多分まだできます。
4年生になったら確実に出来なくなるので、3年生のうちに一杯楽しんでください。
文責:(学生実験でカイコ逃亡ほう助の疑いを真っ先に向けられた) 佐藤 (仁)