波乱のハッカハムシ飼育記 No.3(成長・羽化編) | 弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

弘前大学公認サークル「フィールドサイエンス研究会」(F研)のブログです。 弘前大学を拠点に,海・川・山林で生物の観察や採集をしています。
毎週月曜日18:00~農生棟203で定例会を行っています。

どうも、産卵・孵化編に引き続き、F研現会長・3年の葉月です。

 

 

ここからはハッカハムシ(Chrysolina exanthematica)幼虫の成長を振り返っていきます。

 

 

 

孵化から4日も経つと、体がずんぐりとしてきました。かわいいね^^

 

脱皮する(2齢~3齢)幼虫

 

1つのタッパーで飼育するにはとても狭いため、2つの容器に分けて飼育することにしました。

 

そして孵化2週間が経過した頃には終齢に……。

 

この頃から餌をほとんど食べなくなりました

拒食なのか、蛹化準備なのかも分からず、ハムシの飼育が初めてな私は不安で夜も眠れないことが多々ありました😔。

 

私は蛹化準備の可能性を考慮することにしました。ハッカハムシは土中で蛹化する(Kimoto, 1957)ことが知られているため、飼育容器には湿らせたキッチンペーパーを詰め(土では観察が困難になてしまう)、まだ食べてくれることも期待してミントの葉を添え、様子をみることにしました。

 

様子を見ている間に、前蛹らしき状態になった個体も多かったのですが、そこで力尽きてしまった個体がとても多かったように思います……。悲しい気持ちに苛まれるこの状況が1ヶ月続き、さすがに他の個体は何か動きがあるだろうと、キッチンペーパーの掘り起こし(?)に取り掛かりました

 

 

すると……

 

 

キッチンペーパーの中で黒い何かが蠢いており、はみ出た足には成虫そっくりな爪がついていることに気が付きました。

 

 

これは……!?

 

 

 

早速掘り起こしてみると、破れたキッチンペーパーから、明らかに成虫のものと思われる頭部と前胸がひょっこり!

 

 

羽化したねえ^^

 

 

嬉しさで思わず体が飛び上がりました。他の個体も確認しようとキッチンペーパーを広げていると……

黄色い蛹がいくつか見つかり、これには筆者もニッコリ。

 

ハッカハムシの蛹はまるで飴細工のようで美しいものでした。

 

大学構内でハッカハムシを見つけて私に連絡をしてくれた知人に「ハッカ羽化した!!!!!!蛹もある!!!!!」と真っ先に連絡

自宅に駆けつけてくれて、共に新成虫と蛹の羽化を見守ることができました(F研メンバーもミーティングがてらリモートで見守ってくれました)

 


ハッカハムシ蛹と羽化途中の個体     羽化直後の個体①

羽化直後の個体②

 

 

羽化不全、蛹化不全の個体もおり、最終的に新成虫は3個体となってしまいましたが、現在も元気にミントを食べてくれています(孵化日から数えて半年くらい生きてくれています^^)。そんな彼らももう交尾を始めて……(累代に期待!)

 

↑頑張って羽化してくれた成虫たちの姿です。お納めください😭

 

 

 

以上をもちまして、 波乱のハッカハムシ飼育記 の更新は終了です!

ここまでハッカハムシ飼育記をお読みいただきありがとうございました!!

 

野外で出会う生き物たちとの刺激にあふれた物語を綴ることも、とても楽しいものですが、飼育して始めて抱く感情や始めて知ること、経験は計り知れないものであると思っています。※個人の感想です

 

今後も我々フィールドサイエンス研究会メンバーは、色々な生き物との出会いと経験を通して、生き物たちとの新たな物語の1ページを刻んでいきます!

 

今後ともよろしくお願いいたします!!

 

 

文責:(育てていた植物の芽生えが枯れて号泣した)葉月