私が作った《スッキリ家計簿》は、複式家計簿です。
でも、実は、複式簿記を知らないまま作った複式家計簿なのです。
もし、先に簿記を知っていたら、このような家計簿は生まれていなかったかもしれません。
複式簿記の「借方」「貸方」という仕組みから、離れられなかったと思うから。
「簿記の基本」とネット検索して出てくる記事では、必ずと言っていいほど、「借方」と「貸方」の説明から入ります。
確かに「借方」と「貸方」は、仕訳帳を記入するルールの基本ですが、簿記の本質(お金の流れを捉える考え方)とは少し違うと、私は感じています。
仕訳帳では「勘定科目」という名称で統一されていますが、私は家計簿を作る時、「費目」と「お金」の2つに分けて考えていました。
「費目」は集計するためのもの
「お金」は残高を管理するためのもの
このように分けて考えた結果、必要な列は3列になりました。
費目の入力列
出るお金の入力列
入るお金の入力列
この合計3列で記録する家計簿が生まれたのです。
私が思う仕訳帳のざんねんなところ
同じ列に「費目」と「お金」が混在してしまうこと。
仕訳帳だけでは「お金」の残高が確認できないこと。
家計簿に3列を設けていても、実際に必要なのは2列で、1列は空欄になります。
収入・支出・資金移動のどれかによって、1列が空欄になるのです。
だから2列に集約するのは合理的なのかもしれません。
でも、やっぱり、同じ列に「費目」と「お金」が混在してしまうとわかりにくいと感じます…。
通常は、設けた3列の1列が空欄になる《スッキリ家計簿》ですが、実は、3列ぜんぶを使う例外があります。
それは、ローンを返済する時の記入の仕方です。
本当なら、支出になるのはローンを組んだ時。
返済するのは資金の移動に過ぎません。
でも、ローンを組んだ年に、どーんと支出が増えてしまうのはイヤだなあ、と感じてしまって![]()
ローンを組んだ時には、支出にならないように資金移動として扱う。
そして、返済する時には、資金移動と同時に、支出として費目に計上できるように、3列ぜんぶを使うことにしたのです。
この、ローンを組んだ年にどーんと支出を計上するのではなく、毎月、少しずつ計上する、という考え方は、減価償却の考え方と、どことなく似ていておもしろいです。
簿記を知る前にこの家計簿を作れてよかったなあと、心から思います。
私が目指したのは、一目で家計の全体像が見渡せる家計簿。
入力するたびに、口座や現金の残高の変化がすぐに目に入り、お金の状態が常に見えるようにしたかったのです。
それはきっと、「借方」と「貸方」を知らなかったからこそできた発想。
《スッキリ家計簿》は、そんな思いが詰まった“複式家計簿”です。
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