映画とネコと、私の好きなもの。 -82ページ目

「シーシュポス」完走と、「ロースクール」スタート。

「シーシュポス」

 

 

最初はかなり面白かったんだけど、、、

 

 

前にも書いたけど、

 

「感情のある」チョ・スンウを見ているだけで幸せだったーーー

 

のですが、、、

 

 

どんどん、タイムパラドックの混乱に巻き込まれ、、、ゲッソリ

 

毎回、見ながら

??????爆  笑びっくりガーン

ばかりが脳内を去来。

 

最終回に至っては、

未来の自分たちが、今の自分たちを助けるという、

かなり無理のある展開、

同一人物が同じ場面にいるし、、、

 

そういう設定が多すぎて、

何の説明もないまま、

突如未来に飛んだりするし、

過去にも戻るし、、、

ここにいる彼、彼女は、

未来から来た人?

それとも今ここにいる人?

ていうのもわかりにくくて、

フクザツすぎて、

だんだん頭がふにゃふにゃに。ゲッソリショボーンびっくり

タイムスリップの理屈がもう、

まるでわからずじまい、

な、私でした。。。

 

完全に置いてけぼりくらった感じ。

 

そんなわけで、、、

 

終わっても、なんか、判然としない。

 
 
チョ・スンウは良かったんですけどね。。。
 
パク・シネがいつも口を半開きにしているのも、
何だか、ず〜っと気になったなああ。。。。。
 
 
 
これ、シーズン2のウワサもあるのね。うーんアセアセおーっ!
 
 
 
 
 
でもって、
 
今週から、
「ロースクール」、スタートしましたね!
 
 
 
予告編を見た時、
 
あらこれって、カン・マエ?
 
って、ベートーベン・ウイルス思い出しちゃったよ〜
 
 
 
↓こちら、カン・マエ。天才指揮者。
カッコよかった〜ラブラブラブ
 
 
 
 
 
こちら、「ロースクール」の彼。 
カリスマ検事、正確には、元検事。
 

 

 

さすが、キム・ミョンミン!

 

カリスマが炸裂してます!

 

彼の他にも、

キム・ボム、イ・ジョンウン、

ヒョヌ、リュ・ヘヨン等等、

顔合わせが新鮮で良い〜

私が大好きな

パク・ヒョックォン氏も出てくるらしいし。

 

この二人は、「六龍が飛ぶ」以来の再共演?

 

 

 

初回、すご〜く面白かった。

 

今後も、面白さを維持してほしいね〜

 

 

 

で、

もう一作、

「製パン王キム・タック」も、

見始めちゃいました〜

 

 

 

何年ぶりでしょう?

 

アジドラでいま、オンエア中。

 

BSフジでも放送してますが、

日本語吹き替えなのでね。。。

 

 

これ、本当によくできているドラマで、

 

 
またハマッちゃいそうだわ〜爆  笑爆  笑爆  笑
 
 

 

 

 

森博嗣や、アーチャーなど、本の話。

 

 

昨年の暮れぐらいから

森博嗣にハマってます。

 

ウチの会社の後輩が彼のファンで、

そのため、名前は知っていたが、

かなり長いこと、無視してましたん。

 

でも、「すべてがFになる」を読んだら、

もう止まらなくなりました〜

 

これ、私がだ〜い好きな、密室殺人ミステリー。

とにかく、メチャメチャ面白い。

こういうの、ホント、堪えられない。

 

で、ブックオフの100円コーナーで

「φは壊れた」を見つけて、

次に読んだのですが、

その読み方は、正しくないと、

後輩に言われ、、、、、爆  笑爆  笑爆  笑

 

森氏が書いた通りに、

順番通りに読むことに意味があるそうな。

 

だもんで、

それから、

「冷たい密室と博士たち」

を読み、

今は、

「笑わない数学者」を読み途中なり。

 

全部、密室ミステリーなんだけど、

この森氏、実際に某国立大の工学部元助教授なので、

小説も、理系の雰囲気いっぱい。

 

順番通りに読むと、

まだまだ21冊ぐらい、読まないといけないの。

後輩は、全冊読破したそうです。。。

 

でもって、この合間に、

「ノマド」も少しずつ、読んでますが、

これが、また優れたルポルタージュです。

 

そんな中、

ジェフリー・アーチャーが新作を出していたの知らなかった。

「クリフトン年代記」

「運命のコイン」以来の作品。

 

しかも、これ、

「クリフトン年代記」の主人公

ハリー・クリフトンが書いているベストセラーシリーズ

ウィリアム・ウォーウィックが登場するミステリー。

 

ということで、

アーチャーファンには二重に嬉しいかもしれない。

ただ、

「クリフトン〜」でかなりガッカリした私なので、

過度の期待はしないようにしてます。。。

 

 

 

 

オマケ。

 

昨日、久しぶりに会ってきた長女の家のネコたちですよ〜ラブラブラブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慌ただしくて、最近の映画、ドラマを手短に報告。

毎日、テレワークが忙しく、

 

ゆっくりと記事をアップできる時間がなくて。。。

 

週一で出社し、あとは、

土日も含めてのテレワーク。

働きすぎだと思うが、

仕事が終わらないので、仕方ない。

 

そんな中、

 

色々と見ているものをなかなか詳しくご紹介できないのですが、

 

 

ちょっと備忘録も兼ねて、カンタンに紹介しますね。

 

 

まずは、

 

日本映画専門チャンネルで見た

松本清張原作「黒革の手帖」1982年制作。

 

これは、何度もドラマ化されてるんだけど、

オンエアしていたのは、

山本陽子版。

 

彼女を囲んで、

田村正和、渡辺美佐子、三國連太郎、小沢栄太郎、

萬田久子、白川由美、ハナ肇、井上孝雄、吉行和子、

って、

もう、今では実現不可能な超豪華キャスト!

 

 

これ、なかなか、面白くて、

当時の俳優たちの器量の大きさ、

というか、

オーラの凄さを改めて認識。

みんな、大人の風格があったなあ〜

 

今、三國連太郎や小沢栄太郎のような凄みを出せる人、

どれだけいるかしら?

 

 

 

ムービープラスでは

マ・ドンソク主演「守護教師」。

 

 

 

マドちゃんが、熱血教師になって事件を捜査するっていうんだけど、、

 

これがね、、

あんまりスケール感がなくて、

なんか、火サスっぽい(⬅︎古い爆  笑)、

テレビで見るのにちょうどいい暇つぶし、

と言っては、なんだけど、

てか、暇つぶしするような暇人じゃないのに、

うっかり見ちゃった、、、

という。。。。。笑い泣き

 
共演陣も、ドラマでお馴染みすぎる人たちばかりで、

驚きのない作品だったなあ〜。。。

 

 

そこいくと、

ネットフリックスで見た

「ハナ 奇跡の46日間」は、素晴らしかったですよ〜

 

 

卓球の世界選手権で

北と南が一つになって戦った、実話を元にした作品で、

ペ・ドゥナ、ハ・ジウォン、

ハン・イェリ、イ・ジョンソク、他、

ここでも、ドラマでお馴染みの顔が登場するが、

ぐっと豪華、かつ

この後の活躍ぶりも目覚ましい人たちばかりで、

かなり、お宝映像的価値も高い作品だった。

 

号泣しますよ〜あせるあせるあせるご覚悟!!

 

 

 

でもって、

 

夜寝る前のお約束DVDなんだけど、、、

 

今頃になって、

 

ユチョン「スリーデイズ」って、、、

 

 

これ、仕事で絡んでいた時は、

最初の2話ぐらいしか見てなかったが、

 

何年も経って、

 

しかも、ユチョンも枯れ果てた今頃になって

 

見る意味あるのか、

 

とも、思ったけど、

 

とりあえず、借りてきちゃったんで、、、

 

しかし、、、

 

これ、

 

ショージキ、辛かったなあ。

 

最終回ですら早送りした、

 

って、今まで経験ない。

 

ユチョンはともかく、

他がオヤジすぎて、

しかも、イケオジが一人もいないし、

かつ、どアップがやたら多いと来ちゃあ、

この人、こんなにアップにしてどうする?

というシーンの連続で、、、

寝る前には、キョーレツすぎました〜。ゲッソリゲッソリゲッソリ

 

 

 

で、その後は、

 

これも今ごろ?てな感じですが、

「大丈夫、愛だ」に取り掛かってます。

 

 

 

 

 

ただ、

仕事でパク・シフが始まるので、、、

アセアセおーっ!

会社にあった

「家門の栄光」

「検事プリンセス」(懐かし〜)

昨日、借りてきました。

ちょいちょい覗いてみるかな。。

 

 

続きものでは、

Netflix

「ヴィンチェンツォ」

「シーシュポス」

視聴中。

 

「シーシュポス」

混乱すぎて、どうしよう〜びっくりえーん

 

 

ところでーー

シン・ハギュンとヨ・ジングの「怪物」

ネトフリで今月11日から配信、

とKスタイルの記事で出たのに、

続報何もなく、

ネトフリで検索しても出てこない。

ホントに見れるのかな、

とちょっと心配。

 

誤報でしょうか?ショボーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミナリ」、余韻あふれる名作。

 

 

先週に引き続き、

昨日も映画館へ。

 

「ミナリ」、観ました。。。。

 

「ノマドランド」も、本当に圧巻の作品だったけど、

 

この「ミナリ」も、素晴らしい。

実に、さまざまなことを考えさせてくれるし、

どんな状況になっても、

希望を失いたくない、

そういう強いメッセージを受け取ることができた。

 

 

以下、ネタバレもしてますので、

未見の方、ご容赦。

 

 

 

 

舞台は、80年代、レーガン政権の時代。

 

韓国からの移民一家が

カリフォルニアからアーカンソーの田舎町に引っ越してくるところから始まる。

 

広い原っぱにぽつんと置かれた長いトレーラーハウス。

ここが自分たちの住まいだと妻モニカに言う夫ジェイコブ。

一家は、長女のアンと、末っ子のデビッドの、4人家族。

子供たちには車輪が付いた家が珍しくて、興味シンシン。

 

ジェイコブは、その大地を耕して韓国野菜を育てて、

それで稼いでいくことを計画しているのだが、

モニカには、それは現実ばなれした絵空事にしか思えない。

デビッドは心臓が悪いのに、

病院まで車で一時間もかかるのも、妻には不安でたまらない。

 

とりあえず、夫と妻は、ひよこの性別作業の仕事で食いつなぐ。

 

昼間、子供を見てもらうために、

韓国からモニカの母に来てもらうことにするが、

このハルモニが来てから、家の空気が変わり始める。

デビッドは初めて会う祖母に、嫌悪感を露わにして、

好きになれない。

でも、このハルモニも型破りで、

典型的な韓国ハルモニなら料理も得意だけど、

彼女は料理もできない、

孫にお愛想言うわけでもなく、

花札やったり、テレビ見たりのマイペース。

 

こうした環境の中で、

さあ、ジェイコブの農業はうまくいくのか、

妻の気持ちは変化していくのか、

ハルモニは、デビッドや家族たちとどう暮らしていくのか、

そして、デビッドの心臓病は?

不安材料をいくつも抱えながら、

物語が展開していく。

困難、また困難。

次々と過酷な運命に襲われる。

 

「ノマドランド」のように、

この映画も、淡々と進んでいく。

モニカとジェイコブの派手な喧嘩はあるものの、

ドラマティックな効果を狙うわけでもない。

静かで落ち着いた演出が

かえって観る者をぐいぐいと引き込んでいく。

静かだけど、作り手側の熱いたぎりはしっかりと伝わってくる。

 

何よりも、この作品の肝は、
ハルモニとデビッドの絆だと思う。

 

最初は、初めて会うハルモニに、どう接していいかギクシャク。

ハルモニから感じる韓国の匂いも好きになれない。

でも、だんだんと、彼の中で、変わっていくものがある。

ハルモニの天然の人間性と呼応するかのように、

彼も自分の内面を、母には見せないような内面をあらわにしていく。

それは、ハルモニの、母親とは違う優しさを感じ取ったからだ。

 

やがてハルモニを襲った思いがけない運命。

それだけではなく、

彼女は、家族をも危険に晒すことになりーーー

でも、デビッドは、
そんな中でも、ハルモニを心配する。

そして、ハルモニのために、走る。

心臓が悪いために走ることを禁止されていたデビッドが

ハルモニのために走る場面。

涙が溢れて止まらない。

 

 

このデビッドの姿は、

監督のリー・アイザック・チョンの少年時代を投影したもの。

 

実際に監督の両親はアーカンソー州で農場をやっていた。

 

両親の口喧嘩が絶えなかったことも、

十字架を背負う男の話も、

祖母が火事を起こしてしまう話も、

彼が実際に経験していることだという。

 

どんなに頑張ってみても、

うまくいかない時もある。

何かが上手く行っても、

他の何かが足を引っ張ることもある。

人生なんて思うように進むことはできない。

それは、一種の諦めかもしれないけど、

でも、希望は失わない。

家族がいれば、家族がいるからこそ、

困難に立ち向かっていこうと思う。

愛があるからこそ、みんな、生きていこうと思う。

 

 

この映画から受けた、前向きのメッセージ。

 

 

ある意味、彼らも、

韓国からはるばる移ってきたノマドたちではあるが、

あのノマドと決定的に違うのは、

農場を作る、つまり、

大地に根を張って生きていこうという姿勢。

それが、とても強い。

ここを根っこにして、息子の代になれば、

きっと成功の希望があるに違いない、と信じる。

 

まさに、それは、タイトルになっているミナリ=セリの姿。

水辺で自生するセリは、逞しく、どんどん根を張って育っていく。

 

ハルモニが種を蒔いたセリを摘みに行くジェイコブとデビッド。

 

そのシーンで終わるエンディング。

 

あーここで終わるのか、と思うと同時に、

深い余韻が胸の中にす〜っと広がっていく。

 

見事な終わりかただと思う。

 

 

 

 

 

ユン・ヨジョン。

もう、彼女の演技に脱帽。

 

実際に彼女は6年ぐらいアメリカで生活しているので、

この映画のインタビューなどは、英語で受け答えしていて、

それも、とってもカッコいい。

 

「ユン食堂」でバリやスペインで食堂を開いている時も、

進んで英語で会話してたしね。

「ハウスメイド」などでは、

妖艶なおばさんに変身しちゃったり、

「それだけが、僕の世界」など、多くの作品でのオンマ役も見事。

とにかく多彩な面を持ち、多才な女優。

ウォシャウスキー姉妹の「センス8」にも出演していることは、

このパンフで初めて知った。

 

アカデミー賞助演女優賞、是非、あげたい〜

 

 

 

で、子役のアラン・キムも、すごい。

彼は、これが映画デビューらしいけど、

ハルモニへの微妙な気持ち、

その表現には舌をまく。

 

 

 

お姉ちゃん役のネイル・ケイト・チョーも、
演技初めてとは思えない。
両親、祖母、弟の間で揺れ動く心を表現して愛おしくなった。
 

 

 

 

そして、ジェイコブを演じたスティーヴン・ユァン。

妻モニカのハン・イェリ。

 

 

ユアンは、

私がお初は「バーニング」テレビ版で、

その後、ポン・ジュノのもう一つの傑作「オクジャ」

とても印象に残っている。

メガヒット「ウォーキング・デッド」、私はスルー組なので、

これに関しては語れませんが。

 

今までの活躍ぶりから、

韓国人というよりアメリカ系役者としての認識が強かったけど、

この映画では、

成功を夢みて、アメリカの大地で生きようとする

普通の韓国人をリアルに演じている。

 

彼もオスカー主演男優賞ノミネートの快挙!

 

一方のハン・イェリ。

ちょうど先日、「ハナ 奇跡の46日間」で

初期の彼女に接していて、

さらに何と言っても

ハン・イェリといえば、「六龍が飛ぶ」のチョク・サグァン役!

 

公開後のメディア露出などは、

 

ユン・ヨジョンが圧倒的に多くて、

彼女は陰に回った感もあるが、

この映画の中でのモニカ役は本当に素晴らしいので、

もっと認知度が高まってくれることを祈る。

 

 

ジェイコブとモニカ。

夢見がちな夫と、地に足のついた妻。

 

何があっても、農場のことしか頭になかったジェイコブが、

火事の中、初めて妻を思いやる姿は、

ああ、やっぱり、愛の力だよねー

と、心震える思いで見られたし、

過酷な運命に立ち向かうことができるのも、

やっぱり、愛があればこそ、

そういう、家族愛、夫婦愛の姿を

さりげなく示してくれて、

この2人、忘れられない。

 

 

 

また一つ、名作が私の棚の中に置かれました。

 

 

先週の「ノマドランド」も圧巻だったけど、

こちらも味わい深く、

甲乙つけがたい名作。

 

 

アカデミー賞の行方が気になってきました〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノマドランド」、魂を刺激する映画体験。

 

 

 

今年初、にして、何ヶ月ぶりか。

の映画。

 

「ミナリ」と「ノマドランド」と、

どっちから見ようか迷ったけど、

 

「ミナリ」は時間が合わず、

 

「ノマドランド」に。

 

 

これが、、、、、

 

予想以上に素晴らしく、

 

言葉では言い尽くせない、作品だった。。。

 

 

 

 

 

 

以下、ネタバレ、というか、、

 

思いを綴っております。

 

 

 

ノマドとは、車上生活者、流浪の民。

 

様々な理由(多くはリーマンショック)で職や家を失い、

キャンピングカーなどにわずかな必需品を詰め込んで

(パソコン、あるいはスマホは必須)

全米を移動する。

そして、要所要所で、短期アルバイトをしながら、

生活を繋いでいる。

 

アマゾン社は、クリスマスシーズンの箱詰め作業などに彼らを雇う。

その間、彼らの車も会社が契約した駐車場に自由に止められるらしい。

そのほか、

レストランや、国立公園などでも雇ってもらえる。

 
そうしたノマドたちの実態を取材した原作ルポルタージュに、
フランシス・マクドーマンドが惚れ込み、
映画化を企画。
監督にアジア系女性のクロエ・ジャオを抜擢した。
役者は、
フランシスと、デビッド・ストラザーン以外、
ほとんどが、本物のノマドたち。
 
 
 
とにかく、観て圧倒されるばかり。
 
もう、
この108分に充満されたエネルギーの凄さ、と言ったら。。。
 
静かだけど、
実に濃密で内に熱さを秘めていて、
一瞬も目が離せない。
ここまでの映画力を湛えた作品、
なかなか、出会えるものではない!
 
 
映画は、本当に静かに始まる。
 
夫を亡くし、夫の会社も倒産。
住む町も、郵便番号まで廃止されて町としての機能を失い、
車上生活を選んだファーン(マクドーマンド)は旅に出る。
特別に劇的なことは起こらず、
ノマドとなって生き始めた彼女の視点で展開していく。
多くのノマドたちと触れ合い、会話し、
時には、コミュニティーの集まりで時間を共有し、助け合う。
 
ノマド1人1人がそれぞれの人生を語る。
その言葉の一つ一つが、胸に迫ってくる。
本物の人生の重みに、涙が溢れてくる。
言葉はさりげなくても、
そこで語られる過去、彼らの物語は、どれも想像を超えた壮絶さだ。
 
季節は、クリスマスの頃から、雪多き冬を越え、
やがて春から夏へーー
そして、再び、寒く厳しい冬へと巡っていく。
 
アメリカ大陸の様々な場所での季節が映し出され、
それとともに、
私たちはファーンの人生を見つめ続ける傍観者ではなくて、
さらに深く、
彼女の人生に同化していく気分を体験する。
我々も、そこに一緒にいるような、
ノマドになったような、、、。
 
ノマド仲間のデイブ(ストラザーン)という男性と親しくなるが、
ファーンは必要以上に彼と親しくなるまいとしている感じもある。
唯一、ドラマらしい展開があるのは、彼とのパート。
デイブは、その後、息子夫婦との同居を選び、車上生活に別れを告げる。
その彼を訪ねた時、
一緒にここで暮らさないかと誘われるも、、、
結局、そこを去っていくファーン。
 
彼女がその後で、
海に面した断崖で、風と波のしぶきを浴びながら、
何か吹っ切れたような笑顔でいる場面、
とても印象的だった。
 
家と、家族と、その暖かいホームの居心地でなく、
大自然と一体となり、
大自然と同化しながら、
生きていくこと。
 
それは、本当に厳しい生きる道に違いない。
 
でも、そんな生活を一度知ってしまったら、
人間として、完全に違う世界に入ってしまうのかもしれない。
 
物も財産も地位もない、
でも、彼らは、
全てを超越した、
本当の自由を手にしているのだ。
これは、何物にも代えがたい、
すごいことではないだろうか。
 
もちろん、それを維持していくためには、
鉄のメンタルも必要。
究極の孤独と向き合い、
それに負けないという強靭な意志がなくては。
 
ファーンは精神力が強靭な女性だと思うが、
そんな彼女でも、
夫や家族との思い出の写真を眺めながら、涙する場面もあるし、
(彼女は今までの愛の想い出を生きる支えにして自分を鼓舞しているんだと思う)
灯りもない中で、
美味しくもなさそうな食事を食べている場面など、
観ていて堪らなくなる場面も。
 
それでもーー
ノマドたちの精神の気高さ、というのだろうか。
ファーンも含め、
人間として、知性にあふれ、教養も深い人たち。
彼らの潔い生きざまが、
どんどん、我々の心の中に浸透してきて、
感動、というより
もっと強烈な感情で私たちを揺さぶる。
 
 
映画の中のノマドたち、
ほとんどが、60代以上の高齢者たち。
基礎疾患のある人たちも多い。
医療制度がバカ高いアメリカでは、
病気になることは、命を失うのと等しいぐらいに怖い。
それでも、
入院して手術を受けるデイブの姿も出てきて、
こういう人たちのための免除制度みたいのがあるのかなとも思った。
 
 
映画は、
ファーンが、以前に住んでいたエンパイアという町に戻り、
かつて暮らした家を訪れ、倉庫に預けていた家財の全てを処分し、
また、
ノマドとして旅生活に出ていくところでエンドマークとなる。
 
 
 
でも、
映画は、これで終わるのではない。
 
これは、
私たちに向けられた映画だ。
 
では、私の人生は?
私は意味のある人生を送っているだろうか?
 
それは、強制的に作り手から問いかけられるのなく、
自然発生的に、
観ている私たちの内側から、突き上げてくる。
 
ノマドたちの人生を一緒に体験して、
では、私たちの今の人生は、何だろう。と。
物欲、金銭欲、名誉欲、権力欲、その他、
世のしがらみとともに生きている、
私もその1人。
車を手放したことで、今になってそのショックの波が押し寄せて、
ともすると、寂しい気分になったりする。
この映画を見ていると、そんな私の気分なんて、甘い、甘い、と思う。
 
また、コロナ禍という特殊な状況に合って、
誰もが、今まで経験したことのない状況、
「個」「孤」と向き合っているからこそ、
このノマドたちの生き方に、
自分を重ねてしまう人もいるかもしれない。
 
 
映画を見終わっても、それで終わらずに

我々に向けたメッセージが、生き続け、

思いがどんどん溢れてくる映画。

 
久しぶりに、
魂にまで響いてきて、
そして、心が洗われるような、
稀に見る、貴重な映画体験だったーーーー
 
 
この映画は、映画賞をも超越した高みにいるので、
もう、
オスカーをとったから、どう、
ということもないけど、
フランシス・マクドーマンド以外の人が演じていたら、
ここまでリアリティが出たか、
ということもあり、
絶対に、彼女に、三度めのオスカーをあげたいと思う。
(私は彼女の「ファーゴ」が生涯ベストの中に入れるほど好きで、とにかく、現代最高の女優です!)
 
 
 
ちなみに、これが原作です。アマゾンに注文します!
 
 
 

ところでーー

映画を観た後に、ネットでこの映画に関して調べていて、

ノマドになぜ、白人が多いのか、という興味深い記事を発見しました。

それは、白人ならば、路上駐車していても、

警官に取り締まりを受けたり、暴徒に襲われる率が低いから、らしい。

逆に言えば、黒人が車上生活者として生きたくても、

不審者扱いされてしまい、警官や暴漢に狙われるリスクも高い。

なので、家のない黒人たちは、シェルターや教会などに身を寄せるという。

(それで、ウィル・スミス主演「幸せのちから」を思い出しましたけど)

 
こんな、底辺のところでも、人種の壁、というか、そういう問題があるのか、、
ということも、新しい発見だった。

 

 

ちなみに、
この映画、パンフレットが販売されていない。
パンフを作ってないというのが信じられないびっくり笑い泣き
 
配給は、フォックスを傘下に置くディズニー。
こんなに素晴らしい作品のパンフがないなんて、
一体、何故でしょう?
ヒットしないから?
採算が見込めないから?
 
びっくりプンプンプンプンプンプンプンプンプンプン