前回の記事

 

-大西つねき「静観せよ。コントロールされないために」(ミネアポリス問題とアメリカ暴動)-

 

 

・何で「一方向」に誘導したがるの?

 

 

私は何かの「息抜き」の際に、某有名スマホFPSゲームをプレイしているのですが、まさかこんなところにも『アイデンティティ・ポリティクス』の影響が忍び寄っているとは恐れ入った。

 

なんかもう、ここまでくると「洗脳」に近いものを感じる。

 

ちなみに、同ゲーム会社が据え置き専用で販売している最新作(MW)では、物語上でCIA工作員を主人公に、ロシアがめちゃくちゃ悪魔化されていて、コテコテのハリウッド風味のプロパガンダストーリーとなっている。

 

それはさておき、モノリンガルである私たちが、ある集団の「二次三次の情報」を鵜呑みにして、もともと疎いアメリカの「国情」を憂うヒマがあるのなら、“まず『日本国内』に向けよ”と述べたい。


英語ブロガーMichikoさんも嘆かれていたことだが、日本国内のマスコミ報道なり、日々流れるネットニュース“目にしている状態”でいるなら、必然的に「揺れ動いてしまう人々」が出て来てくるのも必然かもしれない(何せ冒頭のゲーム画面にも現れるのだから)。

 

特に、SNS上なりブログで『情報を発信する立場』なら、「誰でも気をつけなくてはならないこと」ですが、安易なネタとして、これらの問題に触れることは望ましくないと私は思います。

 

もし扱うのなら、それなりの責任をもって、アメリカ以外の報道媒体にも気を配って(もしくはそれに詳しい人の記事を参考に)“ある一定のソースのみ”で記事を作成することは、とても危険なことだと思います。

 

米国の「社会問題」は、それこそ『複雑極まりないもの』であり、あの広大な国で繰り広げられている人種間の「政治的対立」というものは、単純な“正邪の問題”に落とし込められるほど簡単なものではないと思います。

 

‐自分の「信ずる物語」に陶酔するリベラル‐

 

ガラパゴスな日本リベラルはもとより、私たちは事実というものを「わかりやすい物語」に落とし込めようとする傾向がつよいと感じます。以前に中国古代史の記事を書かせて頂く過程で、その複雑性に圧倒されたし、事実は決して「わかりやすいもの」ではなく、「意識しないと消えてしまうフンワリしたもの」です。

 

‐中国こそ現代の『周王』である その1(拡大する漢字文明圏と『天下意識』)‐

 

しかしながら、今『アメリカで起きていること』“人種差別を受けている可哀そうな黒人VS傲慢で悪辣な白人”という「唯一のストーリー」でしか理解しようとしないのなら、もうその方は二度と海外ニュースを語るべきではないでしょう。

 

そもそも、英語も出来ない状態で、そうした物事に触れるというのは「丸腰で戦場に赴くようなもの」で、参考人のアドバイスや記事をもとに、ある種の「主流言説」とは違う立場で物事を俯瞰する重要性が増すなか、その逆をやれば、先の大西つねき氏警告したような『ショック・ドクトリン』の術中にまんまと嵌ってしまうと思います。

 

2020年6月3日
Paul Craig Roberts

 

アメリカ人は大いに洗脳されているため、私の読者の一部さえ、警察暴力は、黒人より多くの白人に影響を与えているのを信じられない。被害者の大多数は白人だ。(黒人は人口中の比率はずっと少ない)黒人が不相応に多い。そして、この不釣り合いは、アメリカ司法省統計によれば、殺人犯に関しては黒人が不釣り合いに多い事実で説明できる。人口のわずか13%の黒人が、52%の殺人を犯している。従って警察は、黒人との対決を、警察にとって、より危険と見なし、これが警察の振る舞いに影響を与えるのだ。https://www.bjs.gov/content/pub/pdf/htus8008.pdf

 

Statistaが提供している最新統計がここにある。https://www.statista.com/statistics/585152/people-shot-to-death-by-us-police-by-race/

 

私が説明したように、アメリカ人はこれらの理由から、この事実に気付かないのだ。

 

(1)白人よる差別説にあわないので売女マスコミは(現地以外)白人に対する警察暴力を報道しない。

 

(2)黒人と違って白人は抗議しない。白人は彼らに対する暴力を、人種差別として、あるいは、特に、白人であることから生じるものだと考えるよう教えられていない。さらに、白人に対して行われた警察暴力の全国ニュース報道はなく、白人であれ黒人であれ、誰も白人に対する警察暴力のひどさに気付いていない。そのため白人は、警察に対し、疑わしきは罰せずという解釈をする傾向がある。警察を余り激しく非難すると、警察をためらわせて、法執行をそれほど効率的でなくす恐れから、白人の苦情は抑制されている。

 

(3)現代の支配的なアイデンティティ政治は、アメリカ社会の白人優位主義的言説を破壊するのに興味がないのだ。実際、アメリカの人種差別的言説を強化するのが、ニューヨーク・タイムズの「1619プロジェクト」の狙いだ。

 

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2020/06/03/all-races-suffer-from-police-violence/

 

マスコミに載らない海外記事 『警察暴力で苦しんでいるのは全ての人種』より


http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-99b79e.html

 

右も左も「戦争を支持」する人たちばかりの国で、どうして『正義の味方』が現れるのか、これが理解できない方々が、この国ではかなり多いと実感します。

 

‐産経・新潮「国家安全法ガー!」←おいおい、当事者抜きで扇動すんなよ(呆)‐

 

アメリカを「民主主義の楽園」と妄信する、思考停止のリベラル含め、これを隠れ蓑にする保守層しかり、そのほとんどが“宗主国の二級市民”ばかりだ。

 

 

・本当の意味での「白人至上主義」とは 何か

 

 

以前ポール・クレイグ・ロバーツ氏がおっしゃられた内容として、以下のような記述がある。

 

‐誰が世界の支配者であるか‐

 

目の前で繰り広げられている、偽善的な『アイデンティティ・ポリティクス』を通じて、あげつらわれる「白人至上主義」は、単なる「デコイ(囮)」に過ぎない。

 

“現在の人種差別主義者右翼政治の特徴は一体何だろう? バージニア州シャーロッツビルにおける反ファシスト抗議行動に突進した、狂った白人至上主義者だろうか、それとも「対北朝鮮攻撃で、何千人もの命が失われる結果になろう…。しかし、そうした命は‘あちらの’人々だ」というリンゼー・グラム発言もそうだろうか? イスラエルを支持し、反イスラエル偏見とされるもので国連を非難する議会両院による最近の満場一致の決議はどうだろう? 続いているパレスチナ人の苦難など知ったことではないように見えるのだから、人種差別主義者で右翼の資格があるのではないだろうか? 軍事予算を540億ドル増やすというトランプ政権の法外な提案さえ越えて、べらぼうな740億ドルを、ペンタゴン予算につけるというアメリカ下院の賛成投票はどうだろう?

 

“多くの人々が、つけあがった過激な白人至上主義右翼と呼んでいることを巡る現在の議論で、興味深く思うのは、シャーロッツビルで目にした、粗野であからさまな白人至上主義者に対する反対派を動員するのが何とたやすいかということだ。余りに容易で、実際は、より本物右翼の陰の実力者と対決するためになされなければならない困難で危険な事業からの気晴らしなのだ。

 

我々がより陰険だと見なしている白人至上主義は、怒れるナチス式敬礼をするオルタナ右翼という単純な型にはまったイメージやらドナルド・トランプに反映されているわけではない。そうではなく、常態化されていて、それゆえ目に見えない白人至上主義イデオロギーは、そうした思想から派生する文化機関や教育機関や政策に吹き込まれている。この過程は、突撃隊員や武装した狂った過激派右翼を生み出すだけのみならず、ゴールドマン・サックスのロバートルービンや、ヒラリー・クリントン、バラク・オバマ、トニー・ブレアやナンシー・ペロシなどの、一瞬たりとも、欧米文明の優位を疑ったことがなく、どの国が主権を持つべきで、誰が‘劣った’国々に対する指導者になるべきかを決める欧米白人の権利と責任を完全に信じ込んでいる‘上品な’個人の、ひそかな狂信者をも生み出す。たとえ、それが、何十億人もの人々がファノンが‘非存在の地帯’と呼んだものに永遠に追いやられることを意味しようとも、グローバル資本主義の驚異の代替案は何もないと信じている連中を。

 

“こうした白人至上主義を、私は懸念している。暴力的右翼運動の危険性は認めるが、民主党と共和党両党により立法化され、政府のあらゆるレベルで政策にされつつある右翼政策の方が、よほど心配だ。

 

 . .

 

“ヨーロッパ-アメリカ白人至上主義と、そのイデオロギー的再生に対する物的基盤となっている白人権力の構造、つまり構造と機関こそ、根本的反対運動の焦点となるべきだ。ところが、覇権主義白人至上主義勢力の物的基盤として機能している、資本主義体制とその機関、世界貿易機関、IMF、世界銀行や、グローバルな欧米化された高等教育などは、人々の注目が、デービッド・デュークやドナルド・トランプなどに向けられているがゆえに、厳しく吟味されることから逃れている。

 

“白人の物質的特権を喪失する結果になる、正義を求める道を進むために、白人の位置づけ、白人文明や、世界秩序における白人度という神話にまつわるあらゆる人種的感傷を自ら捨て去るという本当の自己犠牲を必要とする、より困難なイデオロギー上の仕事にとりかかるのではなく、こうした人種差別の皮相的な戯画との戦いを好む白人至上主義リベラルと左翼にとって、トランプやオルタナ右翼は、便利な気晴らしになっている。

 

“この広角レンズで、白人至上主義を見れば、イスラエル国家や、対北朝鮮戦争や、黒人や褐色人種の大量投獄や、奇怪な軍事予算や、高級化区域再開発や、ベネズエラ転覆や、あらゆるジェンダーの黒人や褐色人種に対する国家的戦争や、子供を生む権利に対する戦争を支持することなどは、都合良く自分勝手に、トランプや共和党のレベルに落とすわけにはゆかない、強固な右翼イデオロギーの現れなのは明らかだ。

 

“白人至上主義というものが、単に誰かの頭の中だけではなく、世界中の人々に対し、継続して、壊滅的影響をもたらしている世界的構造でもあることを理解すれば、世界が生きるためには、525歳の白人至上主義汎ヨーロッパ、植民地主義/資本主義家父長制度は死滅すべきだという人々が一体なぜいるのか理解できよう。”

 

同 『The Camp of the Saints』より

 

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/the-camp-of-the.html

 

端的に、「真の白人至上主義」がいかなるものか。

 

ロバーツ氏は、それを「人種」ではなく、今に至るまでの世界の制度や文明の在り方にまで言及し、現代の資本主義やグローバリズムを構築した「一部の国々」(欧米白人国家)が、その主導権を握り、これからもそうあり続けようとする「姿勢そのもの」が、それに叛逆的な国家(中国・北朝鮮・ロシア等)に容赦ない制裁や軍事的圧迫を加える姿勢を喝破し、その射程は遠大なものです。

 

その中での、一連の“トランプバッシング”なるものが、まやかしであり、人種や宗教差別ではなく、ひとえに「ロシアとの関係改善」(「非欧米文明国」との講和)にまつわる問題なのです。

 

現在にまで続く問題として、ロシアとの関係改善をしてほしくない勢力と、それを公約にしてしまったトランプとの間の軋轢というのが、「トランプサゲ問題の本質」であり『アイデンティティ・ポリティクス』の正体だということ。

 

ありていに言えば、それはロバーツ氏が定義する“本物右翼が善人に扮する仮面”と言えよう。

 

白人であろうと、有色人種であろうと、彼らの「狭義」を善とする連中が、殊更今回の事件を期『理不尽な差別に苦しむ黒人』というワンイシューを振り回して、都合よく「正義の味方」を気取るわけである。

 

‐「アメリカの極右≠日本の極右」という図式 総括‐

 

この際言えば、“白人同士でも「差別」はある”というのに・・・。

 

話がそれましたが、いずれも大メディアを通じて、単なる“狭い人種間闘争”物事を収斂させ、実際ほとんどの日本語話者も「そう信じていて」、本質から最も遠い場所にいます。

 

 

・【追記】 『イスラエル軍用殺法』の犠牲になったフロイド氏と警官

 

 

2020年6月2日
Paul Craig Roberts

 

まさに私が報じた通りhttps://www.paulcraigroberts.org/2020/06/01/the-george-floyd-protests/ミネソタ警察はイスラエルに訓練を受けていた。「膝で首を抑える」のはイスラエル兵がパレスチナ人の首の骨を折るのに使うイスラエルの拘束手法だ。ミネアポリス警官がフロイドを殺すつもりだったとは思わない。彼はおそらく自分は拘束手法を使っているだけだと思っていたのだ。警官による実に多くの死亡や傷害事件で拘束は不要だ。人々は抵抗していないのだ。多分警官は訓練されたことを実践したかっただけなのだ。

 

警官による死亡や負傷のもう一つの主因は、裁判所と地方自治体が認める深夜の家宅侵入だ。こうした侵入には全く理由がない。これは殺人武器以外何ものでもない。

 

ジョージ・フロイドの本当の殺人犯は、ミネソタ警官に「膝で首を抑える」拘束手法を教えたイスラエル人だ。抜き打ちの家宅侵入を許す無責任な裁判所裁定も、多くの人を殺した。この警官は、ばかばかしい不適切な訓練で、殺人者に変えられたのだ。この警官はジョージ・フロイドにしたような彼の不法な訓練に対し、代償を支払うことになろう。

 

こうした慣行に責任がある連中を野放しにして、「人種差別」を叫んで走り回るのは、ただの白痴だ。「膝で首を抑える」のは、警官に教えこまれた拘束手法なのだ。人種差別ではない。抵抗しない人々は拘束されるべきではなく、この手法はアメリカ警察に教えられるべきではなかったのだ。ジョージ・フロイドは、人種差別のためにではなく、不当な警官訓練のために亡くなったのだ。

人種差別ではない。抵抗しない人々は拘束されるべきではなく、この手法はアメリカ警察に教えられるべきではなかったのだ。ジョージ・フロイドは、人種差別のためにではなく、不当な警官訓練のために亡くなったのだ。

https://morningstaronline.co.uk/article/minnesota-cops-trained-israeli-forces-restraint-techniques

https://israelpalestinenews.org/minn-cops-trained-by-israeli-police-who-often-use-knee-on-neck-restraint/

 

同 『ミネソタ警官に殺人方法を教えたイスラエル』より

 

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-f953aa.html

 

何か「別の思惑」のもとで、暴動や一方的言説を掻き立ててる人たちは頭を冷やした方がいい。

 

決して、事実は彼らが理解するところの“悲壮な物語”などではない。

 

今回の出来事は「不慮の事故」として、これ以前も含め警官被疑者双方が、欠陥に満ちた「拘束法」「行政体制」の『被害者』なのだから、そうした視点を加味して物事を捉えなくてはいけませんし、一連の大事過ぎる悲劇の誇大宣伝(アイデンティティ政治)に、少しでも「異議」を差しはさもうなら、『コミュニティ(共同体)のガイドラインに反する』だの『ネオナチ反ユダヤ主義者』という名目で、吊るし上げでキャリアを潰されたり、メインストリーム言論から遠ざけられる憂い目に遭うのです。

 

‐宗主国と植民地・『分断される』人々‐

 

 

<参考資料>

 

・Cluttered talk blab blab blab 『感覚がおかしいということを自覚すべき』記事

 

https://ameblo.jp/cluttered-talk/entry-12601604562.html

 

マスコミに載らない海外記事 『警察暴力で苦しんでいるのは全ての人種』


http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-99b79e.html

 

・同 『The Camp of the Saints』

 

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/the-camp-of-the.html

 

・同 『ミネソタ警官に殺人方法を教えたイスラエル』より

 

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-f953aa.html

 

 

<ツイッター>

 

【歴史学を学ぶ大切さを伝えるブログ(ふーくん)】

 

https://twitter.com/XMfD0NhYN3uf6As

 

 

ブログランキングに参加しております。

皆さまのご支援が頂けるとありがたいです

(下のバナーをクリック)

 

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村