(2020/10/14 記・2020/10/30 公開)

 

少しまた曇天、悪天が続き、撮影の機会がありませんでしたが、2020/10/11(日)

の夜は晴れて来ました。

月曜朝は特に職務がビジーなので、本当は日曜の夜はのんびりしたいところですが、

なぜか日曜夜に晴れて、ジェット気流予想(白い部分が猛烈に荒れている)も

良好な巡り合わせが多いです。

 

https://www.windy.com/

 

 

 

外気温順応も2時間充分、初期設定も「Quick Align」で抜けました。

 

 

  

今年の火星シーズンで初めて、ピントの脈動がほぼありません。

FireCaptureの動画モニタ上の火星に模様が見えたのは初めてです。

(左手で追尾の修正制御をしながらのTX55での撮影では、PC液晶との角度の

ためかあまり写ってませんが、実際は輪郭は不明瞭ながら黒々見えていました。)

いつもはかろうじて一瞬、脈動するピントのうねりの中から南極冠を見出して

ピント出しを追い込むことばかりでしたので、息を飲みました。

 

  

追尾精度もかなり安定していましたが、一旦外れると架台のカックンガタもあるので

ファインダーを使っての再導入にはかなり手間がかかりました。設置冒頭もそうでしたが

なかなか写野に火星を導入できなかったのでした。

火星の出も早くなり、22時前にベランダのひさしで口径食が始まるまでに撮像は6本

でした。

 

後処理をしていると、その中の1本がコマ数が多いものの、途中で倍率が変わって

いるものがありました。録画を止めて接眼鏡、LV8-24mmZoom の倍率を上げた

筈が一旦停止ボタンを押していて、また録画ボタンを押したのでしょうか。

(というか、一旦停止ボタンなんてあったのか意識していません。)

 

PIPPを入手していなかったら、ボツにした動画データでした。

しかしSERPlayerで確認すると、最も模様が安定して見えていると分かり、倍率が

変わるコマで停止し、コマ数(31192コマ)を確認して、PIPPで冒頭からそのコマ数、

そのコマ数+1(31193)から末尾までの2本に分割しました。

なので後処理する動画データは全部で7本になりました。

 

その7本に対して、AS!3で90%採用、60%採用のスタック(多数枚合成)処理をかけ、

ノーマルのTIFFと輪郭強調付TFFを出力して、それらにRegistax6 のwavelet処理で

3種類以上の処理(ノーマルTIFFにあらかじめ設定保存した2種類の深さ、輪郭強調

TIFFに同様に保存の1種類の浅めの深さ)をかけ、その結果に対してDeNoiseAIで

2種類以上(DeNoise処理とLow-Light処理、それぞれに浅め/深めなどを案配)を

かけた84以上の仕上がりを、Photoshop Elementsで階調を整えつつ、公開用の

JPEG化をしながら選抜作業を進めました。

 

拡大率の低い画像も高い画像も、それぞれ2本からの仕上がりに良好なものが

集中して、どちらにもその分割した動画データが含まれていました。

よくぞボツにしなかったものです。

 

拡大率の大きい画像のほうは輪郭線のダブリや偽像が目立つのを回避するため、

再びそこから30%選抜と45%選抜でスタック処理をやり直しして、24の処理結果を

その選抜作業に後追いで加えました。

 

撮影後、足掛け3日の職務終了から就寝までの時間が潰れました。

特にDeNoiseAIが1画像あたり数分かかる(処理終了まで結果が分からず、

案配が違えばまた数分やり直し)ので、その待機中、平日の睡眠不足での睡魔との

戦いは大変でした。

 

しかしそれだけの価値は今回はあったかと考えます。

結果の優劣はPhotoshop Elementsでの階調調整が全て終わるまで予想がつき

ませんでした。DeNoiseAIの出力結果の状態での優劣順位が最後にひっくり返った

ものばかりでした。こんなことは初めてです。

 

24257コマ取得からの90%採用処理、輪郭強調TIFFに浅めのWavelet処理、

DeNoiseAIでは、DeNoise処理に留めたものです。

 

  

ボツにせず、冒頭から31192コマまでで分割した前半の動画から、

90%採用処理、輪郭強調TIFFに浅めのWavelet処理、DeNoiseAIでは、

Low-Light処理をかけたものです。

 

  

同じ前半データから、90%採用処理、ノーマルTIFFに浅めのWavelet処理、

DeNoiseAIでは、Low-Light処理をかけたものです。

のっぺりと濃く塗られていたようなオーロラ湾あたりが微細な構成に分離して

来ています。

 

  

最後の画像に地名を添えます。

 

 

よく考えると今と地名がついた時では、海と陸が逆だったみたいですね。

太陽湖やオーロラ湾、サバ人の海などを見ていると。

輝度の高いところが陸で、暗いところが水をたたえているように解釈したようです。

まあ火星地図が出来て、それぞれに地名が定められるようになった時点で、

既に水はなく、高低差もある程度分かっていたのではないかと思えば不思議です。

 

模様の曲線が美しいものが2画像、最後のが最も詳細まで写り込んでいる1画像

となりました。子午線湾の爪の形などを比較すると、模様が美しい曲線になっている

先の2画像のほうがより詳細が出ているように見えて、オーロラ湾の濃淡構造が

より明瞭なのは最後の1画像のようです。

 

最初は偽像かと考えて、不採用側に入っていたものでしたが、拡大率を上げた

画像では、そのあたりの構造が全ての仕上がりに浮き出てきて、また同夜

の他の方々の大口径画像を拝見すると、ごつごつと標高のある塊のように

立体的に写っていたので、偽像ではなく、そのような構造が分離できているほうが

良い結果なのだ、と考え直しました。

 

なのでトータルバランスが最良なのは3番目の処理結果とします。

 

追尾精度は万全ではなかったですが、これだけ気流状態が安定して良かった

ので、LV8-24mmZoomのズーム位置を24mm位置から16mm位置まで上げて、

入念にピント出しをして撮影続行しました。(この時、一旦停止から録画開始

したようです。)...ああ、画像のマウスポインタの右に「一時停止」ありますね。

なんでそんなものを押したのだろう....。

 

接眼鏡内部かASI385MCの素子面かどこかに埃があるのか、その拡大率に

なったら、写野の右半分に大きな影が落ちていて、そこを避けて写野の左半分に

火星を維持するのは大変でした。

 

 

その頑張り甲斐はありました。

同夜の他の大口径オーナー諸氏の仕上がりには及びませんが、高拡大率の割に

今までほどの破綻はない仕上がりになりました。

折角ですので、縮小かけて見映えよくするとかは今回はやめて原画像(周囲のみ

トリミング)で公開します。

 

やはり2分割した動画の後半部分、17553コマからの90%採用処理、ノーマルTIFFに

やや強めのWavelet処理、DeNoiseAIでは、Low-Light処理をかけたものです。

 

   

同じ動画の後半部分、17553コマからの60%採用処理、ノーマルTIFFにやや強めの

Wavelet処理、DeNoiseAIでは、Low-Light処理をかけたものです。

 

  

同じ動画の後半部分、17553コマからの45%採用処理、ノーマルTIFFに浅めの

Wavelet処理、DeNoiseAIでは、Low-Light処理をかけたものです。 

 

 

南極冠の輪郭に偽像というかダブリがあるのを軽減したく、上述のように追加で

処理をかけたものでしたが、その改善はあるものの、全体の解像感や階調の

豊富さもやや欠けてしまいました。

 

今後、この大きさでの撮影にはこだわっておらず、最初の3画像程度の大きさが

あれば充分かと考えています。(今年の火星の大きさで、LV8-24mmZoom の

24mmと16mmの間程度)気流が安定すれば、C8はここまでは撮れるということを

確認するための強拡大でした。

 

75%縮小をこちらではやってみました。最初の拡大画像の分です。

微細構造の分離は残したまま、見かけ上の締まり感は向上しました。

 

 

最低倍率での撮影では詳細も浮き出て来ないだろう、とは推察していましたが、

追尾精度と気流の安定がないうちは、過剰倍率のモヤモヤした結果しか得ず、

それが気流のせいなのか、C8の光学性能が不足または劣化しているのかの

判断が今まではつかなかったのでした。

 

ここまで奮闘しても大口径での画像には追い付かないのは事実です。

改めてネットで情報を得ても「口径は30cm以上が望ましい。30cmと20cmは明快な

画質差がある。25cm画質は30cmより20cmに近い。」とあります。

 

http://io2europa.blog.fc2.com/blog-entry-134.html

 

 

有益な情報公開を感謝します。これを拝読してむしろ迷いが落ち着きました。

努力不足や環境や性能の劣化ではなく、明らかに「住む世界が違う」という

納得です。昔のアマチュアと天文台の住み分けに近いと考えれば納得できる

ものでした。若かった過去にはいざ知らず、この歳になってお金持ちの豪邸を

TVで見て悔しさに身悶えするとかあるか?と自問して、「それは無い」と思う

のに似てなくもないです。

 

今後衰える一方であろう自身の体力で扱える、居住環境に対して無為にも邪魔

にもならない規模の機材で、少なくとも今まで以上の成果改善を愉しむ、メインの

ライフワークでもない趣味なのでそれで良いではないか、と思えました。

その次元において、C8は今後EQ5赤道儀での追尾補強をして、ずっと使い続け

られるものだ、とようやく当夜確認出来たのだ、ということでした。

 

 

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

 

 

 

 

(2020/10/10 記・2020/10/28 記)

 

台風12号の影響は大して無かったものの、火星最接近日の夜以来、ずっと晴れ間が

ありません。

 

 

後処理が見たことのないエラーで異常終了するので、今度はついに後処理ソフト

にまで、不具合が出たかと思いましたが、外付けSSDの空き容量が全く無くなって

いたのでした。ある程度を残して撮影を終了したつもりでしたが。

 

 

同じSSDを発注してそれが到着した後、その火星最接近日の動画データを整理

する前に、残すべき優良なものを選別するうちに、最後に撮った2本が4分間隔

でのものだったことに気付きました。

 

それぞれが2分から3分の撮像があり、間隔を含めると、トータルの時間経過は

8分程度になるために、火星の自転で模様が流れる結果になる懸念はあった

ものの、その2本をPIPPで連結してみました。

 

  

なんと83334コマもあります。AS!3のスタック処理でパーセント選別を試行錯誤する

ことで、うまく自転の影響を排除できるとよいなあ、と思いつつ後処理のやり直しを

進めました。

 

ベストはこれです。先日のように75%縮小をかける必要もありません。

AS!3での輪郭強調付TIFF出力にRegistax6のwavelet処理でノイズがかなり出るほど

の強めにかけた後、そのノイズをDeNoiseAIのDeNoiseAI処理(Low-Light処理なし)

で潰した、やや無理目の処理でしたが、不自然なスケッチ調になる手前でどうにか

留まり、識別できる詳細は可能な限り叩き出せた感じがします。

(勿論、口径クラス的観点で。大口径オーナー諸氏では上には上があるでしょう。)

 

 

80%選別での処理でした。火星の自転での模様の流れはさほど感じられません。

むしろ気流荒れによる拡散のほうが大きかったようです。

最下部、北極地方のブルーヘイズも明らかに確認できます。満足しました。

 

先日と同じく75%縮小も添えます。改善度は明白です。

  

 

PIPPでの連結は今の架台寿命が迫っている追尾精度に難がある状態では、超強力な

支援ツールである、と改めて痛感しました。

(KENさん、ご紹介ありがとうございます。)

 

自転での流れの影響も気にはなったので、40%選別で同じ処理をしてみました。

 

  

コマ数が減ったことで強調処理のアヤが見えるのと、自転での流れの減少が相殺

していて、僅差でベストを超える仕上がりにはならなかったですかね。

 

75%縮小です。

 

  

最初のベスト仕上がりと同じ処理で、最後にDeNoiseAIはLow-light処理を選択した

ものです。上掲の2画像で眼が慣れてしまうと、詳細感に物足りなさがあります。

 

  

75%縮小です。このサイズだと差異はあまり感じませんが、ベストを上回る逆転は

無さそうです。....が、悪くないですね...。

 

  

模様の美しさは充分堪能でき、満足したものの、火星像の右が輝度過剰になっていて、

如何にも8インチ機で無理してるなー(^^;)という感じは否めませんので、その輝度過剰

が出ないことを最優先に、模様の検出をあえて二の次に仕上げたものも掲載します。

 

Wavelet処理をマイルドにして、DeNoiseAI処理でその分を硬調に寄せ過ぎないよう

留めたものです。コマ選別は80%です。やはり自転での模様流れは感じません。

 

 

模様の濃淡は薄くなったものの、詳細度はさほど変わらず、火星全球の輝度も

自然に平滑な感じが美しいです。

輪郭の輝度反転が減り、最下部、北極周辺のブルーヘイズも明快です。

存外、これがベストかもしれません。

 

仕上がるまで結果が分からないので、Wavelet処理をどこまでマイルドにするのか

DeNoiseAIをどの程度マイルドにするとバランスするのか、最初から狙って仕上げる

のが過剰処理より難しいのでした。

 

75%縮小です。

 

 

ああなかなか良いですね...(^^;)。これだって、自己最高水準レベルではあります。

 

PIPPを使って、取得コマ数の不足を補いつつ、口径クラスベストの幾分絵画調の

惑星像をこれからも狙う道しか私には残されていません。

GOTO DOB12に遭遇する未来を発作的なEQ5発注で失った、という顛末は、

まさにそういうことなのでした。

 

 

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

(2020/10/08 記・2020/10/26 公開)

 

2020/10/08(木)の夜、22時過ぎに一つのYahooオークションが終わりました。

 

憧れのスカイウオッチャー社 GOTO DOB12 です。

ご常連のKENさんがそれを使って、人工天体からの近接画像に匹敵する質感の

豊富な鋭像を得られています。

 

出品初期価格は5万円。締め切り直前での急騰を覚悟していましたが、我慢が

足らないオークション初心者の無為な入札があったのでしょう。

締め切り2日前には10万円を超えていました。

 

画像は締め切り直前に入札額更新があって、5分か10分の締め切り時刻延長が

あった時の画面で、恐らくそれほどもう価格上昇なく、この後、入札終了となった

のでしょう。現行品の新品価格が264000円ですから、それでも破格です。

 

 

使用7年で特に傷みもなく、出品前にコントローラを新品に入れ替えたものだそうです。

そのコントローラでGOTO機能もテスト済だそうでした。

私のC8は譲渡頂いてから16年使っていますが、光学系には劣化はないので、

本品は全く実用上問題ないのでしょう。

 

既にカード決済は終わっていて、現物は12月にしか到着しないEQ5赤道儀を発注

していなければ、入札1分前に15万円ほどを入札して、恐らく手に届いた落札価格

でした。

 

これほどまでに何度もEQ5赤道儀の発作的な発注を後悔することになるとは...。

 

銀次250Dを10年使った経験上、東向きベランダで撮影対象の仰角が小さいうちは、

どのみち気流の影響を受けて良像を得ることはできないものの、可動支点が低い

位置にあるドブソニアン架台ではベランダの手すりが邪魔になり観望もできません。

 

ようやく手すりの上に対象が昇って来て、それから2時間ほどで対象はベランダの

ひさしに隠れてしまいます。

三脚の上に設置するドイツ赤道儀やNexStar架台では可動支点が高い位置に

あるので、もう少し撮影時間の猶予を確保できるのです。観望時間なら尚更です。

 

銀次250Dもそうでしたが、とにかく大口径ニュートン式鏡筒は重量があります。

玄関廊下側での設置や、適切な設置場所を求めての遠征などは全くできません。

 

そういう点で、東向きベランダでの使用を前提に考えるなら、GOTO DOB12は

不向きである、と言わざるを得ません。

そう思ってあきらめるしかありませんでした。

 

逆に言えば、EQ5赤道儀の到着とともに、私が目指す方向は「C8、または

8インチかそれ以下でのカセグレン式または短焦点ニュートン式鏡筒で、

大口径機での超絶な成果には到底及ばないものの、できるだけのクラス

最高水準を次善的に目指す」に否応なしに定まった訳でした。

 

所詮は趣味なのだから、分相応に愉しめばいいじゃないか、そんな気持ちも

ありますし、他の大口径オーナー諸氏と張り合う気持ちはないのです。

ただ、他人に代替が効かない作曲創作を差し置いて「そこそこ分相応の満足」

のために、大口径オーナー諸氏の画像を鑑賞する以外に、自身でトライする

意味はどこにあるのか、それは考える必要があるでしょう。

 

「少年老い易く学成り難し」....もう少年どころか老年もいいところなのです。

全てを中途半端で終わらせるのが是なのか、というところを無視はできません。

 

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

 

 

 

(2020/10/07 記・2020/10/24 公開)

 

小学6年生の時に迎えた1971年の「世紀の火星大接近」を、以前書いた60mm屈折

経緯台で堪能した後、「次の同規模の超大接近は、2003年、その次が2018年...」

と、遠い未来を想像もつかない、と当時は思ったのが、もう全て過去のことになり

ました。2003年には無理でも、2018年にはもしかしたら地上から火星を眺めている

のではないのかも、とは思ったものでした。

(1973年のオイルショック不況前の未来予想では、1985年火星人類到達、その後、

21世紀幕開けに宇宙移民なども語られたものでした。)

 

その2003年には望遠鏡の低価格化に後押しされて、大学時代あたりからずっと

ほぼ開店休業状態だった月・惑星撮影趣味を復活しました。

 

http://sigkam.web.fc2.com/hoops04/html/ginji.htm

 

 

その展開を予想もしなかったため、星見撮影には全く不向きの、大阪平野の

夜景を堪能する目的での東向きベランダ物件に終の棲家を定めたことで、

その後いろいろと不便が続きました。

 

2018年は自宅で迎えるどころか、理不尽で甲斐もなかった関東幽閉中で迎え、

これから好機に頑張ろうとした矢先、火星全球を覆う大黄雲で、C8クラスでは

全く模様を残すことができず、不完全燃焼のまま終わりました。

 

その2年2か月後のあくまで次善の機会、それが今年、2020年の準大接近です。

これから2年2か月ごとの接近は、最接近日でも徐々に小さくなり、次の2018年

クラスの超大接近は2035年です。

 

その時、もう76歳。架台と三脚で10kg以上。望遠鏡が10kg未満。そんな機材を

撮影の都度、設営する未来は、きっと幼少時の私が、2018年の自身を想像

できなかったのと同じく、今は想像もできません。

 

そういう意味で今年の火星は、人生最後に臨む好機と言えるのでした。

 

まあ今年の準大接近も終わった訳ではなくて、ピークを越えたところなので

これまでと同じだけ愉しめる、とも言えます。が、どんどん火星が小さく遠くなって

行くさまは、そういうことを含めて寂しさもあるでしょう。

 

そんな夜でしたが、気流は大荒れで感慨にふけるゆとりもありませんでした。

 

大口径オーナー氏がC8と同クラス口径で撮影した惑星像も、私が渾身込めて

仕上げた惑星像より遥かに詳細が写り、見映えがあるのは何故なのか、

問題点を見つけては、逐一解決して来ました。

しかし一応の満足を得た今でも、やはりどこか差異があると感じます。

どこか絵画調の仕上がりは2003年当時からの自身の特徴なので、そこは

無理繰り他に習おうとは考えなくなりましたが...。

 

そんな経緯もあってか、今回の撮影前に、C8の焦点内外像をチェックしました。

指で簡単に修正ネジを回せる「Bob's Knobs」こそが、頻繁に光軸がズレる根本

原因だと分かって元のボルトに戻した後、一度も光軸を確認していなかったのでした。

 

http://sigkam.web.fc2.com/hoops04/html/ginji_22.htm

 

 

2004年末からのことです。ほぼ16年です。

「光軸が狂っていない筈がない。簡単に光軸がズレるので有名なC8だし。」と

今までの苦労を否定するかのような逆向きの期待もありました。

 

が、全く問題ありませんでした。今ではファインダーの調整時と夜景観望にしか

使わない、古い方のLV8-24mmZoomにコリメート法接続で、FinepixF31fdを使い

状態を撮っておきました。古い接眼鏡内のゴミにフォーカスが当たって汚い画像

ながら、焦点を外して同心円リングは完璧に近いバウムクーヘン状態でした。

この状態からピントを絞り込んで行っても、同心円のズレなどは見当たりません。

16年、私のC8の光軸は微動もしなかったのでした。

 

  

なら、画質の差は、山頂や平地より気流の影響を受けると言われる山の中腹で、

集合住宅の生活排熱を避けられない撮影環境にだけ原因があるのでしょうか。

(まあ技術的な何かがまだ欠けているという懸念も皆無ではないですが。)

 

前置きが長くなりました。まあ記念日の前説みたいなもので...。

とにかく回避できることは改めて全て排除しての撮影開始です。

  

 

「Quick Align」で初期設定を抜けるものの、安定稼働までに文字化け表示は多発

しました。既にGPSオプションは外しており、表示不良や動作の問題の根本は

そちらではなく、架台本体にあることは今や明白です。

12月のEQ5赤道儀の到着まで、架台が持ってくれれば良いなあと願うばかりです。

 

前夜の取得コマ数/秒のガタ落ちの再発はありませんでした。

 

追尾は比較的安定していましたが、手放しでFireCapture画面の気流安定を

待機できるほどではなく、写野の端に火星を導入したら、写野を火星が流れて

出て行く間に、コマ数確保優先でただちに撮影開始しないといけませんでした。

 

動画は8本、現場で何本か消去しながら、もうSSDの残量が余裕ありません。

今までの良かった成果の動画を1機会あたり1本は残して来たためです。

この先、だましだましでは使っていけませんので、同じ1TBのSSDを後日発注

しました。(4000円ほど一年前より安くなっていました)

 

気流はかなり荒れていて、南極冠がモニタで確認できるのは一瞬で、それを

頼りにピントを追い込むのも難しかったです。

 

最良の成果はこれでした。

32230コマ取得からの50%選別での仕上がりです。

周囲のみ800×600pixels から 640×480pixelsにトリミングしていますが、像自体は

原画像の大きさのままです。ちょっと締まらないです。

 

  

若干、縮小してみました。このサイズならどうにか鑑賞にたえるでしょうか。

 

   

撮影途中には私が最も好む位相の月が昇って来ましたが、コリメート法撮影のために

ピント位置を変えたり、ETX-90など他システムを持ち出すなどのゆとりはありません

でした。好みの位相の月はまた火星が見えなくなったらでも月1回、戻って来ます。

 

  

しかしピントの状態を確認するためにも撮影の裏で走らせた後処理で出て来た像には

「もうやめよう」とも思いましたが...(^^;)。

 

これでも34884コマも取得しての80%選別での仕上がりです。仰角も決して小さく

無かったのでしたが...。

 

 

しかしその後も続けて良かったです。

撮影している時にはモニタの状態では分からないのですが、徐々に像質は良く

なって来ていたのでした。時系列に並べていますので、自転による模様の動きも

分かります。

 

33190コマ取得からの80%選別での仕上がりです。

 

 

40380コマ取得からの80%選別での仕上がりです。

 

 

次の2画像は、同じ動画データ39072コマからのDeNoiseAI処理とLow-Light処理の

差のようです。一気に処理して、後でPhotoshop画面上で成果をオーディションして

見映えの良いものを残したものを、記事に採用するので、それから撮像時のデータ

を見る流れなので、記事上で画像とデータを照合するのも骨が折れます。

 

 

  

このサイズでは大して差は分かりませんでした(^^;)。

 

最初の縮小画像に地名を添えます。

  

 

最接近日といえど、前後数日くらいは視直径はあまり変わらず、その記念日性は

本来薄いものの、冒頭の記したこれまでを考えると、もう少し締まった仕上がりに

なったら良かったのに、という残念も否めません。

 

解決できる諸問題は全て解決して臨んだ筈でした。

全ては気流次第ということです。悪天よりはましでしょうが、残念感は残りました。 

 

 

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

(2020/10/06 記・2020/10/22 公開)

 

今回の火星最接近日を翌日に控え、ジェット気流予想はあまり良くなかったものの、

この夜と最接近日の夜は天候は晴れとのことでした。

その後は天気が悪くなる予報だったので、気流攪乱での残念な仕上がりを覚悟

しつつ、連夜出撃しました。

 

 

やはりピントの置き所にも迷うほど、像は脈動して、FireCaptureのモニタでは模様が

ほぼ見えないまま撮影を強行しました。

 

しかも新たなトラブルがありました。1本目の撮像が終わって、次の1本を開始

した時、急に取得コマ数/秒の値が220~217から、100以下にガタ落ちとなりました。

(画像では90.50コマ/秒)

 

 

各設定を見直したり、特に怪しいROI設定=800×600pixelsが有効になっていない

のではないかという点は、何度も設定行為をリピートしたものの、事態は改善

しませんでした。PCを再起動もしてみましたが、結果は変わりませんでした。

 

架台の追尾安定度は良くも悪くもなく、2分程度で火星は写野の外に出て行きます。

2本目は取得コマ数が少ないために6000コマ程度しか得られませんでした。

 

そこで撮影を打ち切りました。短い動画データを数多く撮って、PIPPで連結して

処理する方向も考えましたが、明日の最接近も控えており、根本対策を自室で

するべきと判断しました。

 

最近は原画像の大きさのまま、周囲のみ800×600pixelsから640×480pixelsに

トリミングして(記事の中で火星像が大きく見えるのでした)公開していますが、

この夜の仕上がりは、難がありました。75%縮小をかけています。

 

26283コマ取得の1本目の動画から80%採用での仕上がりです。
 

  

2本目を1本目とPIPPで連結して1本の動画を作り、そのおよそ33000コマからの

80%採用での仕上がりです。やや粒状性は改善したものの、詳細が見えて来る

ことはありません。

  

  

同じRegistax6でのWavelet処理の後、この画像のみ、DeNoiseAIをDeNoise処理から

Low-light処理に替えて仕上げたものです。

 

  

コマ数が増えたために、質の悪いコマも増えたかと考えて、同じ動画データから

AS!3での50%採用での仕上がりです。粒状性はやや落ちました。

 

  

地名は翌日の最接近日の成果で添えます。ほぼ位相が変わりませんので。

  

早々に自室に撤収して、AS385MCにはレンズ類はつけず、PCと接続して、

FireCaptureの設定を1年前の自身のブログ記事を参照しながらチェックしました。

 

https://ameblo.jp/enigmind/entry-12486893108.html

 

 

結果は変わりませんでした。

何故、今まで出なかったトラブルがまるで時代劇の殺陣のように、順番を

待つように次々と登場するのか。次々切って捨てて(逐一対策して解決)

行くのも、いい加減疲れてしまいます。

 

結局、ROI設定を何度か800×600pixelsに設定し直して、取得コマ数/秒が

217~220に戻りました。何度かAS385MCのUSBを外したり、FireCaptureの

再起動を行っても、悪化の再発が無かったので、当夜は対応終了としました。

 

 

しかし根本原因が分からないので、いつ再発するか分かりません。

GPSオプションの年月日情報がおかしい、という件を前後して、NexStar架台

の不調が酷くなり、その物理寿命がEQ5赤道儀到着まで持つか、と案じていた

のが、次は撮像カメラに心配の種が出て来た、という訳でした。

 

 

 

ご覧いただきありがとうございます。