前々回の記事で、今回の評価、年俸提示に関してはどうだったのかを書き忘れてしまったので、記載したいと思います。
まず大前提として、うちの会社では(というか おそらくほとんどの会社では)昇給には2種類あり、
1. Merit increase (功労昇給)
前年度頑張った分を反映して、基本給を底上げされること
2. Promotion increase (昇格昇給)
昇格に伴って、基本給が底上げされること
というのがあります。
なお、1.のMerit increase は、日本企業における昇給に近いものがあると思いますが、
一般的に日本企業の場合は(もちろん例外も少なからずあり、また今では改善されているのかも知れませんが)、昇給率というのは年齢・勤続年数・学歴などによってだいたい決まっており、
その年のその人の業績・成績が直接昇給につながることは少ないという印象でしたが、
(※少なくとも私が昔勤務していた日本の組織では、昇給率は完全に固定されていました)
アメリカ企業の場合は、その人の業績次第で昇給額が変動し、
成績によっては昇給ゼロ、ということも普通にある というところが日本企業との違いかと思います。
2.のPromotion increaseは、日本とアメリカの差異はないと思います。
役職が変わる・肩書が変わる・責任範囲が変わる、といったことで基本給が変わるということですね。
さて、私のMerit increase を自己分析してみると
「おおー、毎年昇給額が少しずつながら上がっていて、しかも今年は跳ね上がっているじゃあないかー」
と一瞬思うじゃないですか。
しかしこれには裏?があって
第一に、このグラフは昇給の金額単位で出されていますが、実際の評価は「昇給率何%」という形のパーセンテージによる数字で出ます。
つまり、例えば、昇給率が毎年全く同じ例えば10%だったとしても、毎年基本給が10%上がっているわけですから、前の年に上がった基本給のさらに10%が今年の昇給額になったなら、見かけ上毎年昇給額のグラフは右肩上がりに見えるわけですね。
(昇給額ではなくて)昇給率が同じ = 評価は同じ 、といえるかと思います。
したがって私の上記のグラフは、2019 ~ 2021 までは「評価は同じ」というように見るべきだと思います。
進歩のなさを反省するべきですね。
「しかし、2022年は飛躍的に上がっているじゃあないか」ということですが、
実はこれもカラクリ?がありまして
実は本年度は特別に、全米各地で低失業率や高インフレが続いていることを受けて、CEOが Merit increaseの予算を通常のほぼ倍額とることを約束してくれたのです。
そうすることで、昇給率の高い社員のモチベーションを加速させて、他のライバル企業への転職・流出を防ごうという意図になると思います。
(ちなみにそのことはグローバルニュースになっており、それなりに大きく取り上げられたので、誰でも知り得る情報です)
したがって本年度のみ、ゼロでない限りは本来の評価の倍の昇給額になる、ということですね。
私の場合は、その「倍額」を反映しないで計算すると以下のようになります。
(グレーのラインが本来のレートです)
ダメですね。。今年も評価は変わらなかった、と読むべきだと思います。
ついでに、Promotion increaseの額を緑のラインであわせてみると、残念なことが浮き彫りになります
私は2020年(関連記事)と、2022年(関連記事)にプロモーションさせてもらうことができましたが、
2022年のシニアエンジニアへのプロモーションの方がはるかに大変だったのですが、
Promotion increaseの金額は、2020年の方が高かったのです。。
・・感覚的には、シニアレベルになれば、給料もドンと上がる、というようなイメージを持っていたので、なんだか残念な感じが・・
しかも高い確率で、これがこの会社での最後のプロモーションだと思われ、Promotion increaseとは今後は無縁だと思われるわけですが。。
いずれにしても、「個人の成績評価」という観点で言えばほとんど横ばいといえる状況で、
まだまだだなあ。。と思い知らされたのでした。