「フラジャイル 病理医岸京一郎の所見」最新刊(9巻)感想 | 遠藤花織「秘密」
2017-08-02 14:29:19

「フラジャイル 病理医岸京一郎の所見」最新刊(9巻)感想

テーマ:日記


電子書籍サイト Renta! から、あらすじ引用させていただきます↓

(期間限定で、よく、1巻無料キャンペーンをやっているので、読みたいかたは、ぜひ♪

今回は8/3まで無料です!

http://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/72265/ )

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病理医とは、直接患者と会うことなく病気の原因を調べ診断を下す医者だ。

同僚の医師は岸京一郎についてこう語る。「強烈な変人だが、極めて優秀だ」と。

そんな天才医師にも忘れられない過去があった。
岸に強烈な感情を抱く後輩・手嶌。そして岸の親友だった病理医・比日野。
彼らとの出来事が、岸京一郎を今に至らせる!

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あー……、もう、アカンねん。


子供と動物が死ぬ作品(死ななくても、事故や病気で苦しむ描写)は、最近避けてる(T^T)

年齢とともに涙腺ゆるくなるといいますが、年々だめになっていくわ、この手の作品……。



なので、9巻の、「子供なのに、末期がん患者。本人は、治す気でいる」ってもう、つらい……。

そして、ここへ来て初めて(?)語られる、岸先生の過去。

今でこそ、絶対に診断を誤らない、まさに完全無欠の、凄腕病理医・岸先生。

どんなライバルキャラがやってきても、圧倒的強さで寄せつけないような、
「これ、人気投票をやれば、主人公(岸先生)がちゃんと1位になる。
主人公が主人公として、圧倒的な存在感がある」と思ってたし、
そこがこの作品の良いところなんだけど、

やっぱりあった、そんな岸先生にも、まだまだ力及ばなかった時代が……。


最新刊は、若き岸先生が、技術や才能は当時からあったのに(相当な努力に裏打ちされて)、
まだ、先輩病理医を説き伏せるには若すぎたため、
大事な親友を失ってしまった話が描かれています。

なんでこのタイミングで、このエピソードをやるのかな? 
そして、すぐ後に、全く関係ないような「子供のがん患者」の話が始まるのかな?
と思ったけど、

すぐにつながる。


過去の大きな失敗(というか岸先生だけのせいじゃないんだけど……)、岸先生の最大のトラウマであり、その後の研究の原動力となったこの事件と、
これからの、今目の前にある、「子供の患者に、がん告知をするかどうか」という問題は、
決して無関係ではない。


あのころ、岸先生は、親友の婚約者に本当のことを言わなかった、言えなかった。
言うことが良いことだったかは誰にもわからないし、今も答えは出ていない。
だからこそ岸先生は今も苦しんでいる。


今回、この子供には、言うべきか?

言うことで、岸先生は過去を乗り越えることができるのか?


……全部、つながってたんだなぁ。

伏線だったんだなぁ。


鳥肌が立ちました。


そして、最近の少年漫画だったら、「不殺」のルールができていて、なかなか主要キャラは死なないけど(キャラを死なせないことにポリシーを持っていた「ONE PIECE」で、エースが死んだのは、それだけ大きな意味を持つものだけど……)、

「フラジャイル」は青年誌なんだよ~~~。


「親友」も、わずか5日でまさかの死を迎えてしまったんだよ……。


奇跡なんか起こらない。
起こらなくても、「生きたい、治りたい」と願う患者には、全力を尽くすのが、医療だ。

この少年も、きっと助からないんだけど、
それでも、少年の最後の時間を、岸先生がどのように過ごすのかは、次の刊を固唾を飲んで、見守りたいです。



それにしても、岸先生の、クールなように見えて全然かっこつけじゃない(肩の力抜けてる)、
スタイルは良く描かれてるけど、顔は特にイケメンではない、でも個性的で唯一無二の顔だちで、
意外と表情ゆたか、というキャラクターデザインは、すごいなぁと思うのです。

見れば見るほどかっこよく見えてくるから、
ふつうのイケメン描くよりずっと難しいだろうなぁって。

「デスノート」で例えるなら、Lかな? 


登場人物の心理が複雑にからみあって、心理描写がとても深いので、
難しくて1回や2回読んだだけでは理解できなくて苦しむんだけど;、

こういうのが、読みごたえのある、大人向けの漫画だo(^-^)o

と思うので好きです♪