9月も今日で終わり~!今月も無事で過ごせたことに感謝です!
福岡の新型コロナの感染者数は下火になっていますが、東京がまた増えてきそうな気配?だし、Go Toの東京解禁の影響でそのうちまた地方も増えてくるんだろなぁ。
ただ先のことを考えても憂鬱になるだけなので、もう毎日を大事に過ごすしかないです。
西川きよしじゃないけど、小さなことからコツコツと~ってか?
今月最後の「今日はなんの日」のコーナーです。
参考にしたのは、近藤憲一氏著「1日1曲365日のクラシック」という本で、それをお題に書いています。(写真は自前のもの以外はwikipediaなどwebからお借りしました)
今日、9月30日は・・・モーツァルト最後の歌劇 「《魔笛》が初演された日」 です。
「魔笛」初演時の舞台スケッチ
今日は写真多いです!
今日は、モーツァルトが生涯最後に書いた歌劇《魔笛》が、1791年に初演された日です。
モーツァルトはそれまで「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」など代表的なオペラを書いていましたがすべてイタリア語でした。 ようやく1791年に初めてドイツ語によるジングシュピール(歌芝居)として「魔笛」を完成させました。
初演が9月30日、その2か月ちょっと後の12月5日に彼はこの世を去ります。
台本は、興行主&俳優&歌手のエマヌエル・シカネーダー(モーツァルトと同じくフリーメーソンの会員だったといわれる)が自分の一座のために書き、モーツァルトに作曲を依頼しました。
モーツァルトは1791年3~9月に作曲を進め、9月28日に完成させました。
当時妻のコンスタンツェがバーデンへ湯治に出かけてモーツァルトは一人暮らしをしていたので、シカネーダーは彼にあずまやを提供し、そこでモーツァルトは作曲を進めた(約束の期日までに書かせるためにシカネーダーがこの小屋に閉じ込めたとも)といわれます。
(このあずまやは「魔笛小屋」と呼ばれ、1873年にザルツブルクの国際モーツァルテウム財団に寄贈され、1950年から同財団の中庭に移設されています)
「魔笛小屋」
初演は1791年の今日、9月30日にウィーンのヴィーデン劇場で行われ、大成功を収めました。 初演時の指揮はモーツァルト自身(映画「アマデウス」でも出てきますよね~)、シカネーダーがパパゲーノ、モーツァルトの妻コンスタンツェの姉のヨーゼファが夜の女王を歌いました。
1791年9月30日初演時のプログラム(複製)
(ウィーンの音楽館で撮影(ピンぼけです))
モーツァルトはバーデンに滞在する妻に、『アントニオ・サリエリが愛人カヴァリエリとともに公演を聴きに来て大いに称賛した』 と10月14日付の手紙に書いているそうです。
初演翌月の10月だけで異例ともいえる20回も上演され、その後1年間で80回を超えたそうです。初演から10年後のこの劇場の閉場までに、この劇場での「魔笛」の上演回数は223回を数えたそうです。
パパゲーノを演じるシカネーダー
ヴィーデン劇場(Wiedner Theater)は、アウフ・デア・ヴィーデン劇場(Thater auf der Wieden)あるいは、フライハウス劇場 (Das Freihaustheater)と呼ばれました。当時ウィーンで2番目の郊外劇場で、1787年から1801年までウィーン郊外のヴィーデン地区の複合的な集合住宅建築(フライハウス=免税館)の一角にありました。
シカネーダーは1789年から閉場の1801年までこの劇場の支配人を務めましたが、「魔笛」の初演から10年後の1801年6月12日の公演をもって閉場となりました。劇場はその後賃貸住宅に改装されその後にそれも取り壊されました。
ヴィーデン劇場跡に近いパパゲーノホーフにあるパパゲーノのレリーフ像
(1937年制作 オペルンガッセ)
「魔笛の泉」(1905年制作)
ヴィーデン劇場に近い「モーツァルト広場」にあるタミーノとパミーナが寄り添う記念碑
「魔笛」のあらすじや、音楽、フリーメーソンとの関係などの解説的な話は省略します。
とにかくこの歌劇は貴族など上流階級のためではなく、庶民のために書かれた作品で、上演された場所も宮廷劇場ではなく、民衆劇場だった、ということが大人気となった理由のひとつに挙げられるようです。
実は私はちょうど3年前の9月にアン・デア・ウィーン劇場で「魔笛」を観ました
このことは今まで記事に書けていなかったので、いい機会なので載せとこうと思います
アン・デア・ウィーン劇場の正面
劇場横(側面)に行くとパパゲーノ門が。
これはこの劇場を建てたシカネーダーを記念して1801年に作られた門です。
門の上にはパパゲーノ演じるシカネーダーと彼と出演した3人の息子たちの彫像が。
「魔笛」の公演ポスター
劇場内の様子です(ピンぼけですみません)
舞台の上の方
たくさんの照明が。
天井
実際の公演は、もちろんドイツ語公演だったのですが、字幕がなかったのでアドリブとかは全然わかりませんでした パパゲーノが結構アドリブをしゃべっていた様子で、たぶん下ネタぽいのが多かった?ような雰囲気で、客席(特におっちゃんたち)がゲラゲラ笑ってました。
演出は現代風でした。 一番最後にザラストロと夜の女王が抱き合い、なぜかくっつくストーリーになってました
一番印象に残ったのが、なんといっても「夜の女王」役のニーナ・ミナシアン (Nina Minasyan)さんの歌声
Nina Minasyan
先ほど載せたポスターに載っている女性です。アルメニア出身の方で、とっても小柄なんですが、歌声はすごかった! 彼女が歌ったあの有名な「夜の女王のアリア」は、本当に素晴らしかったです 全身の毛が逆立つような感動でした。
歌い終わったあとは、かなり長い間のブラボーと拍手が続きました。この1曲で他の出演者の影がかすんでしまったように思えました。
ちょうどこの公演のプルミエの際のそのアリアの映像があったので載せます(生で聴いたときの方がさらに素晴らしかったです)
モーツァルト:歌劇「魔笛」より 「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」 (3分27秒)
/ ニーナ・ミナシアン(ソプラノ) (2017年9月17日プルミエ公演)
舞台装置も結構凝っていました。以下何枚かwebからお借りした舞台の写真です。
ブランコに乗っているのがパパゲーノ
手前に立っているのがタミーノ王子
うしろから赤い糸を手繰り寄せているwのがパパゲーナ
(手前がパパゲーノ)
そういえば休憩中はこんなスクリーンになってました
色んな宗教のシンボルマークだと思いますが、色んな言語が書いてある舞台背景といい、悪が最後改心する内容といい、そういうメッセージなのだと思います。
とにかく本場で観た「魔笛」はとっても面白かったです
それでは今日の曲です。パパゲーノが愛らしいグロッケンシュピールの伴奏で歌うアリア「恋人か女房があれば」です。
モーツァルト:歌劇「魔笛」より パパゲーノのアリア「恋人か女房があれば」 (4分3秒)
/ デトレフ・ロート(パパゲーノ) (2001年 パリ国立オペラ)
映画「アマデウス」ではモーツァルトがグロッケンシュピールを弾きながら指揮中に気を失ってしまう場面でしたよね。
映画「アマデウス」(1984)より (2分51秒)
夜の女王のアリア「復習の炎は地獄のようにわが心に燃え」の終盤からパパゲーノのアリア「恋人か女房があれば」になります。病気で顔色も悪いモーツァルトは指揮もやっとこさ、グロッケンシュピールを伴奏している間に倒れてしまいます・・・それを客席からじっと観ているサリエリ・・・
あ~また「魔笛」観たいです 魔笛じゃなくてもいいからオペラをまた観たいなぁ