すいやぁ、良かったわぁ。ものすごく良かった。最高。はっきり言って語彙力の欠如ですがそれしか言えない。ガチで神戸まで行った甲斐がありましたよ。静岡から神戸ですからねこちとら。良すぎてね、終演後の充足感たるや。さらには自分も一緒に舞台に立っていたのではないかと思うくらいの高揚感と体の火照り、そして疲れがどわっと溢れ出ました。終わってからポーっとしてしばらくあまり何も考えられないような感覚に。
東京公演と比較することにあまり意味はないですが、東京と比べて神戸は「ノーストレスと解放感」という表現が合うかなと思います。変な緊張感は無くてより自由度の高い演奏が楽しめたように思います。但し、それだからなのか歌詞が飛んだり、入れなかったりが散見されたということにも触れておきましょう。結構あったんよ(笑)でもね、まぁそういうこともあるじゃん的な感じで受け入れられたのは、演奏自体が非常にレベルが高くて楽しめたから。そうなってくるともうそんなことは小さいことで気にもならないんだなと思わせてくれましたよ。そうじゃないと「どんだけ飛ぶねん、集中せぇや」となるんですけど、全然そういう気持ちにならなかったんですね。これほんとに1ミリも思わなかった。あとは、会場の違いで言うと、浜離宮はかなり響きがあって残響感を感じるのに対して神戸はあまりそれを感じなくて、ストレートな声をそのままダイレクトに受けるような印象でした。神戸は会場はかなり狭かったなぁ。今回の演奏を聴けた人はラッキーだけど、満席になっていて然るべきなんだけどなぁとちょっとそこは残念。もっと多くの人に聴いてほしかったな。
プログラムですが、東京公演は後半にベッリーニが入ったりしましたが、神戸はオールロッシーニ。オールロッシーニです。大事なことなので2回言いました。さ、そんなプログラムは以下の通り。
- ≪プログラム≫
- G.ロッシーニ
- 歌劇《ブルスキーノ氏》より
「お金はきっと払います」/小堀・池内 - 歌劇《アルジェのイタリア女》より
「ひどい運命よ!」/山下
「美しい人に恋焦がれ」/小堀
「運命の悪戯には」/山下・池内
「すごい重さを頭に載せられ」/池内 - 歌劇《ランスへの旅》より
「私にどんな咎があるのですか?」/山下・小堀 - 休憩
- 歌劇《セビリアの理髪師》より
「私は街の何でも屋」/池内 - 歌劇《ラ・チェネレントラ》より
「何か分からぬ甘美なものが」/山下・小堀 - 歌劇《セビリアの理髪師》より
「あの金貨の効能は」/小堀・池内
「それじゃ私なのね」/山下・池内 - 歌劇《ラ・チェネレントラ》より
「彼女を再び見つけだすと誓う」/小堀
「哀しみのうちに生まれ」/山下・小堀・池内 - ≪アンコール≫
- 歌劇《セビリアの理髪師》より
「この素晴らしい結びつきを」(2幕フィナーレ)/池内・山下・小堀 - 小堀さんがナレーションで『チェネレントラ』の2重唱の前に「ベルカントの真ん中をひた走る」という表現をしていましたが、後半はまさにその言葉がすべてに当てはまります。『セビリアの理髪師』に『チェネレントラ』だもの。ディズニーランドで言えば「ビッグサンダーマウンテン」と「イッツアスモールワールド」みたいな感じ。いや、人によっては「カリブの海賊」とか「スペースマウンテン」とかになるのかもしれないか。いや、でも「スペースマウンテン」は今無くなってるからそこに入れるのはどうだろう。そうだな、もう開演当時からある「オムニバス」とかにしとくか(ディズニーでの例えとかどうでもいいんすよ、ただ言いたいのは、オムニバスはそこに入らねぇだろ)。という具合で、まさにロッシーニの王道の2作品を後半に据えてのオールロッシーニのコンサートでした。
- 実際の演奏についてですが、一応もう一度ここで言っておきましょうかね。とっても良かった!!
- 既に東京公演でも聴いた前半は簡単にみていきましょう。
- まずは、歌劇《ブルスキーノ氏》より、2重唱「お金はきっと払います」ですが、2人の声を聴いた瞬間に「あれ、なんか声に変な圧がかかってない」というもので、特に池内さんの声の鳴り方は東京公演に比べて明るさを増して、全く無理のない発声が素晴らしかったです。細かい音符の処理もとても良かったですね。また、小堀さんも池内さんもイタリア語がより流暢に音楽に乗っていて流れるように歌っていました。更に、全体的に2回目の本番ということもあってかとても息が合っていて、楽しく聴くことが出来ました。
- 次は、歌劇《アルジェのイタリア女》より、「ひどい運命よ!」でしたが、相変わらず素敵!!もうありがとうって感じ。山下さんは「ここはこういう風に表現してほしい」って思う所をその通りに歌ってくれるからいいね。安心して聴ける。絶対良いんだもの。東京公演と全体的なテンポは変わってはいないと思いますが、終盤の畳みかけは前のめりにはならずに、しかし速度を落とすことなくアジリタを駆使していたように思います。言葉が粒だっていてイタリア語が美しい。また、イザベッラって結構強い女というか、ドS感みたいなもので突き進む人もいる中で、山下さんは声に温かみがあるのでキツ過ぎない印象を受けるのも良い。キツ過ぎるとそれが声にも出てちょっと嫌なんですよね。あと、東京公演を違う白いドレスを着られていて素敵でした。
- 3曲目は、同じく歌劇《アルジェのイタリア女》より、「美しい人に恋焦がれ」でした。東京公演で大絶賛だったこちら、今回更に良くなっていました。まずね、小堀さんの声が明らかに私が小堀さんを知ったころの今よりもっと若いころの小堀さんのあの感じになってたんですよね。これはなかなか活字にできないわよね(笑)なんだろそのー、声が若々しくて、甘くて、優しくて、聴いてて眉毛が全部上に上がってしまう感じとでも言いましょうか。頭の上で物凄い薄いガラスがやさーしく共鳴して音が波状をなしていて、ともすればそのガラスが割れてしまうんではないかというような繊細さがあって、四季が音楽になったとしたら春が優しくやってくるような、そんなね、素敵な声。わからないかこれじゃ(笑)もちろん、会場が違ったので会場に合わせた調整とか喉に合わせた調整とかかもしれないんですけど、僕的にはなんとなくなつかしさも感じたりして良かった。もちろん、最近の小堀さんと比較した時に昔より重くなったなとかそういう感じはないんですけど、なんだろね、なんかちょっと出し方が違ったのか、はたまたむちゃっくちゃ調子良かったのか。より艶々してたんですよね。そしてのびのびと歌ってたのもあって非常に良かった。間合いも小堀さんの間合いにピアノの矢野さんがガッチリ合わせていて極上でしたね。矢野さんのピアノを聴いてピアニストって大事だなぁとほんと思う。
- ここで気付いたのが、小堀さんが曲の間にナレーションを担当されてたのですが、ずっと東京公演から録音だと思ってたんですけど、その場でナレーションやってるやんと気づいたわけで。まじすごいわ。驚き。絶対録音だと思ってた!!!!
- 4曲目は、歌劇《アルジェのイタリア女》より、2重唱の「運命の悪戯には」でした。この曲でも山下さんはアジリタを随所にヴァリエーションで入れていてそれがどれも美しくて良かったし、池内さんは面白おかしくやりながらもタッデーオの性格描写がしっかりとしていたので楽しめました。そしてその全てに矢野さんのピアノの下支えがあり、特に後半の盛り上がってくるところは3人の息がぴったりと合っていて、イタリア語の響きの美しさや面白さが非常に効果的に表現されていたように感じました。芸達者でロッシーニが歌える2人が揃っててピアノもいいっていうこの状況当り前じゃねーからな(誰が極楽とんぼのめちゃイケでのやりとり覚えてんだよ)。
- 5曲目も同じく、歌劇《アルジェのイタリア女》より、「すごい重さを頭に載せられ」で、一連のアルジェ祭は終了となったわけですが、歌の前に小堀さんと山下さんにティアラと頭に、そしてタスキを掛けられて、そのタスキには「ムスタファ命」と書いてあったのですが、曲の後半になったらひっくり返して「祝カイマカン」(だったかな、こっちちょっとうろ覚え)になったのですが、一連の流れがやはり面白くて笑ってました。この曲は東京公演でも思いましたが、ピアノの矢野さんがこれでもかと煽っていくのがむちゃくちゃ最高で、これぞライブ、これぞセッション、これぞ舞台の醍醐味、みたいな感じがして燃えました。東京公演よりもっと速くなってたんじゃないかと思いましたね。矢野さんも池内さんがノッてきた感覚を感じてニヤニヤしながらマシンガンの様に弾いていく様は見ていて物凄く熱くなるものを感じましたね。プロたちが音楽で遊んでる感じがめちゃくちゃ良かった。
- さ、前半最後は、歌劇《ランスへの旅》より、2重唱「私にどんな咎があるのですか?」でしたが、これも素晴らしくてまた聴けて良かったなと思わざるを得ない完成度の高さ。世界に輸出したい国産ロッシーニです。これだけ歌われたらシャルル10世も喜ぶだろなと思います。2人の掛け合いが溶け合っていくようになっていくのが実に素晴らしくて燃えまくりました。この2重唱は色々な場面があるので表現するのも大変だとは思うのですが、その大変さを微塵も感じさせない凄みがありますし、高音もアジリタも早めのテンポ感も何もかも、ロッシーニを聴いていて楽しいと思えるすべての要素がカッチリとはまって、いや、それ以上に表現されていて最高中の最高でしたね。マジで良かったわ。ロッシーニの音楽にハートマークです。もうこれはメロメロッシーニですな。この曲は前回のブログに結構書いたのでこれはこのへんで。
- さ、後半。これが東京公演とは違うところ。内容的には去年の浜離宮ベルカントシリーズの凝縮版みたいな感じで、
- ↓その時のブログ
既述してありますが『セビリアの理髪師』と『チェネレントラ』のいいとこどり。楽しくないわけがない。 - 後半1曲目は、歌劇《セビリアの理髪師》より、フィガロのアリア「私は街の何でも屋」を池内さんが歌いました。客席の下手後方から登場し、そのまま後方の通路を歩き上手側に移動してそこから前に出て上手側の階段から舞台へ。僕は腰が痛くてほとんど振り向けなくて残念でしたが、後方からむちゃくちゃ良い声が鳴り響く。あ、これは良いぞと。明るい響きと爽やかさ。そして爽快感。池内さんにめちゃくちゃ合ってる。独特の歌い回しだけどピアノも良い感じに共鳴し合ってる。終盤はこれでもかとPrestississississimoでまくし立てていて、これは伴奏なのかはたまた歌手への挑戦というかバトルなのかというくらいの熱量を感じましたね。うおおお、よくあれでいけるな、すげーなと。池内さんも矢野さんもブレないのが凄いなと思いましたね。そして本番にあのスピードをもってこれるのもすごい。全然保守じゃない。マジで最高。ミスるかもしれないけどやったれみたいなくらいの気迫とリスクを負ってでもやっぱその刹那の音楽にかける感じが良いですね。しかもそれを楽しんでるのが分かるので拍手よね。
- 2曲目は、歌劇《ラ・チェネレントラ》より2重唱「何か分からぬ甘美なものが」を、小堀さんと山下さんで聴くことが出来ました。いや~これも良かったね。小堀さんが下手の方からしっかりラミーロとして登場してそこからは舞台装置も衣装もないけどオペラの1幕が始まりました。そういう空気感に会場を一気に変えることが出来るのが小堀勇介という男。"Tutto è deserto. Amici?Nessun risponde."のこの"Tutto è deserto."だけでもう良いよね。素敵。矢野さんのピアノもそこに至るまでがオケの感じをめちゃくちゃ出してて、まさに一人オーケストラ。良い感じでトスを上げてくれたのも良かった。和音も優しかったなぁ。でね、ずーっと最後まで良かったですわ。小堀勇介が一番美味しく味わえる時間って感じ。シェフを呼んできてくれたまえって感じですわ。声も王子だしね。でも近寄りがたい王子でないのがまた良いんだよな。高嶺の花のアイドルみたいな感じではなくて、私たち、今会えるアイドル~こぼ色クローバーぜええええっと、ってなもんよ(なんやねんそれ)。小堀さんが役と一体化してると思っています。アンジェリーナの山下さんもずっと良い。アジリタも気持ちいいくらいにハマってるし、息遣いが真実味を感じさせてくれる。目線1つ取ってももうそこにはアンジェリーナしかいない感じ。そして『ランスへの旅』とは違うけど、同じく声が溶け合っていく様が実に耽美的でキラキラと輝いていて、恋に落ちた瞬間を音楽で表現するとこれがイデアとなるのではないかと思うような美と胸の高鳴りを感じました。でさ、歌がずっとさ2人共優しいのよ。舞台上には温かな愛の空間がずっと広がっていましたね。あとそうだ。山下さんがオレンジのドレスに衣装チェンジで、目にも鮮やか。素敵でした。
- 3曲目は、歌劇《セビリアの理髪師》より、2重唱「あの金貨の効能は」を小堀さんと池内さんで聴けたのですが、歌前のレチタティーヴォからやってくれて個人的には嬉しい限り。ロッシーニのレチタティーヴォは全体的に好きだし、それも含めて歌にいくと自然に聴ける。いわゆる「お金の2重唱」ですが、ここでも池内さんの美声が鳴り響いていて、やっぱりフィガロは合ってるなと再確認。小堀さんはアルマヴィーヴァ伯爵はいつもは結構コミカルに演じるイメージがあるのですが、今回も可愛らしく愛嬌溢れる感じで演じられていました。で、フィガロの早口に店を紹介する所"Numero quindici a mano manca…"で確か”cinque parrucche ”が抜けちゃったんだったと思うんですけど、そこからある意味では無傷に元に戻した池内さんの頭の良さとカウントの正確さに度肝を抜かれました。ミスってもそれをミスと感じさせないって凄いと思う。僕なら多分「ん~~あ~」とかなっちゃうもん。まぁそれは素人だからかもしれないけど、今回のリカバーは見事なものだったと思う。
- 4曲目も同じく、歌劇《セビリアの理髪師》より、2重唱「それじゃ私なのね」を、山下さんと池内さんで聴けましたが、こちらもレチタティーヴォからやってくれたので拍手。この2重唱はやるならレチタティーヴォがマストだと思うんですよね。「エッレ・オ…ロ…エッセ・イ…スィ…」はやらないとね。この時の山下さんのテンション上がっていくロジーナの様子がとても愛らしくて好感が持てました。あまり強めな女を出すのではなくて、ワクワクと恋する乙女感を出していたので、曲にもその雰囲気は合っていたと思います。ここは2人共アジリタが粒だっていて素晴らしく、感情も伴っていて爽快でした。フィガロの色とロジーナの色が明確にあるんだけど、それが合わさって一番いい状態の音楽になるみたいなそんな感じが欲しいのですが、そのあたりもしっかりと打ち出していたように思います。また、イタリア語も美しくて聴いていて思わずニコニコしてしまいました。あぁそうだ、後半の山下さんのアジリタには舌を巻くといいますか、こんなに流れるように、しかし言葉が美しく聴こえるように転がるものかと思い嬉しくなってきてしまいました。
- 5曲目は、歌劇《ラ・チェネレントラ》より、ラミーロのアリア「彼女を再び見つけだすと誓う」を小堀さんで聴いたのですが、これが本日の白眉。えっとね。ちょっと行変えますね。
- さいこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお...ぜえぜえ...。最高だったぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
- 何だよマジで良いじゃねぇか。「うおおおおい」って言って肩パンとかしたい。超絶良かった。小堀さんが歌い出してから「やったるから聴いといてくれよ」って目で訴えていたような気すらしているのですが、やってくれました。私ね、Bravoも言いましたけどもね、Grandeも叫びましたよ。もうこれはやばかった。本人も歌い終わってやったぜってな感じで満面の笑みよ。いやそうだろうなと思う。歌の技術的な部分の破綻も無かったと思いますし、高音はバチコーンとハマるし、アジリタは完璧だし、内に秘める思いを出す表現はキラキラと輝いているかのようで素敵だったし、ヴァリエーションも入れまくって、これがロッシーニの最前線じゃという気概も見せてくれて、褒めたたえたいとにかく。俺はこの人を知ってからこれまで何度となく足を運んできたが、こんなすごい歌を聴かせてくれて感謝しかない。それと、ピアノもまた良かったんよ。前奏、そして"Pegno adorato e caro"に入る前の静けさの中に愛する純粋な気持ちが浮かび上がるようなピアノの音色が素晴らしかったし、"Noi voleremo, domanderemo,…"と本来合唱の入る部分はロッシーニクレッシェンドを丁寧に演奏していて、まるで合唱がいるかのような雰囲気を音で表現されていたのがもう素晴らしいのなんの。小堀さんとも呼応して後半ぐわあああああっとうなぎ上りにテンション上げてくれました。それはそれは極上でしたわ。終演後手を握って「すっっっっっっごい良かったです!!!!!」と伝えてきましたよ。「目で分かった」と言われました(笑)多分出てたと思う。顔に。良すぎたもん。思い出しただけでもシナプスが結合されていくわ。いでよドーパミン!!
最後も同じく、歌劇《ラ・チェネレントラ》より、「哀しみのうちに生まれ」でした。最後のロンドですね。もちろん歌は山下さん。それと合唱的な感じで小堀さんと池内さん。多分小堀さんが男声合唱のテノールの方で、池内さんはダンディー二を歌ってたのではないかと思います。マニフィコならすぐわかったのですが、多分ダンディー二かな。これも白眉と言う感じでしたね。今年のNHKニューイヤーオペラコンサートでも山下さんが歌ってましたが、その時とはヴァリエーションが少し違ったりしてそういう楽しみもありましたが、なによりアンジェリーナの気持ちを歌で表現しようとしているのが胸アツで伝えってきて涙が出そうになりましたね。このアリアは後半のアジリタの妙技みたいな部分が燃えるんで、そこ待ちみたいに昔はなっていましたが、いや、そうじゃないと。前半部分の彼女の心の優しさが見える部分がやっぱりとっても大事でここを丁寧に表現してほしいんですね。"Perché tremar, perché?"の最後の"perché?"は「そんなに震えないでいいんだよ。私はずっと娘であって妹じゃない」っていう心根の優しさ、そして善が視覚的には暖色で色づくように表現してほしいってのが僕の中にあって、まさにそのように表現されていました。そして、"Figlia, sorella, amica.Tutto trovate in me."となるわけで、感動しかないじゃないですか。音楽的にも花が開くように感動するように出来てるし。もうこの辺だいっすきなんですよ。世の中ほんとはこんな風にはいかないけど、この物語の中だけでも、平和で憎み合うことをやめて、嫌なことをしてきた相手を赦すことで、愛によって世界を変えていければいいのになって毎回思うんです。ものすごくいい音楽をロッシーニは作ったと思います。で、山下さんですが、言うてもアジリタの技術は度肝を抜くくらい凄いです。今さながら。ひとつも潰れてない。正確に階段を上がったり下がったりしている。ピッチも良いから聴きやすい。世界に輸出したいアンジェリーナ。技術も表現もここまで磨かれたアンジェリーナはなかなかいないです。なかなかというか、いないですよ。山下さんにはずっとロッシーニで活躍してほしいですね。- アンコールは、歌劇《セビリアの理髪師》より、「この素晴らしい結びつきを」(2幕フィナーレ)を3人で歌ってくれました。東京公演とは違って完全にこれで最後の最後までオールロッシーニで終幕となったわけです。『チェネレントラ』が2幕フィナーレで本編が終わり、アンコールで『セビリアの理髪師』も2幕フィナーレで幕を閉じたのねと。最後もまさかここをやるとは思わずで、ハッピーな気持ちになって良かったな。Danzaとかなんかそっちをやるのかなとか予想してたら、ガッツリとオペラで締めくくりでした。
- そんなわけで、神戸朝日ホール、行った甲斐がありまくり。もうすんばらしかった。東京公演をは違った雰囲気の中で肩ひじ張らずに演者がのびのびと持てるすべての力を出しきってくれた感じ。こういう公演をこれからもぜひぜひよろしくお願いいたします。全国各地どこでもいきますぜ!北海道でも行きます。韓国でも行きます。アメリカでも...アメリカならちょっと考えます(誰もわからない古畑みたいなボケやめろ)。
- こういう公演が出来るのは必ず運営、スタッフさんなどなどがいて成り立つものです。みなさまのご尽力に心から感謝申し上げます。私は聴いて拍手して声掛けるくらいしかできませんが、これからもこういう公演を楽しみにしていますので継続のほどどうぞよろしくお願いいたします。



































