会話が、ずいぶん楽になった。
特に、親しい人との会話が。
以前の私は、話を聞くと、ついアドバイスをしたくなった。
相手が困らないように、失敗しないように、転ばぬ先の杖を渡したくなった。
「それは違うんじゃない?」と、否定から入ることもあった。
相手を心配する気持ちは、確かにあった。
でも、その言葉の中には、私自身の不安や恐怖も、ずいぶん混ざっていたと思う。
相手が転ぶのを見るのが怖い。
私が何とかしてあげたい。
役に立ちたい。活躍したい。
そして、感謝してもらいたい。
相手の話を聞いているつもりで、自分の気持ちをどうにかしようとしていたことも、多かったのだと思う。
それが、この頃ずいぶん静かになった。
うれしい話は、一緒に喜ぶ。
楽しいことは、一緒に楽しむ。
つらい話も、すぐに解決しようとせず、まずは聞く。
ネガティブな気持ちも、ポジティブな気持ちも。
今、その人が感じていることを、そのまま受け取る。
何かを変えるために話すことが減って、今あるものへの感謝や、一緒に過ごす楽しさを言葉にすることが増えた。
そうしたら、私自身がとても楽になった。
会話の中で、自分が何かをしなくてもいい。
気の利いたことを言わなくても、答えを出さなくても、一緒にいられる。
「何とかしてあげたい」が静かになったぶん、相手の話をゆっくり聞けるようになった気がする。
これは、私にとって、とても大きな変化だ。



