aurora12
意識の戻ったマヤが検査入院し、付き添いの真澄と共に速水の屋敷へ帰った。車のドアを開けると、真一が泣き叫ぶ声が響いている。ずらりと並ぶ使用人が頭を下げて迎え、世話係に抱かれた真一がより一層大声で泣く。「真一坊ちゃん、さっきまでは泣いていなかったのに、お車の音が聞こえたのか、、、聞こえるはずはないんですが急にお泣きになって」マヤを寝室に運び、今度は真一を抱く真澄「ほら、あんまり泣くとひきつけを起こすぞ、いい子でお留守番ができたんだろ?ママにいいところを見せてみろ」っとマヤが手を伸ばしてもぎりぎり届かないところに真一をおろした。マヤが、何でもっと近くに連れてきてくれないのかと真澄を見ると、クスッと笑みを漏らし真澄はウインクする。真一は、大声で泣くのをやめて、今度はシクシク泣き始める。座らされた体を前に倒して、マヤを見て、下を向きいやいやっと首を振る。真澄は自分の胸にマヤの背をもたれさせ、後ろから抱くように支える。目に涙をため、上目遣いに見てくる真一にマヤは手を伸ばす。すると真一は、片腕をどすんと前に出し、また反対側の腕を前に出す。「まだ寝返りができるかできないかなんだがな、、ハイハイしようとするんだ。それも、喜んでっというわけじゃない。思い通りにいかなくても泣いてばかりというわけじゃなく前に進むもうとする。真一は君に似ている。可愛いだろ?」マヤの目に涙が浮かぶ。真澄が手を伸ばし、真一をマヤに引き寄せマヤの腕を支えて息子を母親の胸に抱かせる。 真一は泣き疲れたのか、グスグス言いながらマヤの胸に頭を擦り付ける。「これも、、俺の夢なのか」真澄がつぶやくが、その瞬間ぐずっていた真一が体を反らせ、マヤを支える真澄は庇うように体制を崩し、頭を下げた。そこへ真一の踵が勢いよく当たる。「ウッ、、、」真澄は、反射的に仰け反りながら顔を抑え「夢、、、では、、なさそうだ」と笑うマヤもクスッと微笑んだ。