浜田えみな
意識しているのは必要だから。とらわれているのは間違えているから。安心で安全に守られるために携えたものに、可能性や可動域を奪われ、閉じ込められている。必要なときにスタイルとして、必要なときにガイドとして、必要なときに結界として、必要なときに窓として、フレキシブルに形を変えるヴェールのように枠をまとい、枠を遣う。
雲ひとつない晴れた空はそんなに長く見ていられない。でも。そこに一片の雲が現れたらそのうつろいから目が離せない。一羽の鳥が飛びこんできたら目をこらして行方を追う。何も置かれていない部屋はそれ以上何も語らない。でも。そこに一つ箱があれば、息をひそめて何かが起こるのを 待つ。そこに一つ傷があればその物語に思いを馳せる。ミステリアスは見えないものではなく、見えるものの中に、見つけたいと期待するもの。
状況や感情に翻弄され、ぐちゃぐちゃな自分がいたとしても、言い訳を重ねたり、そこから答えを探しだしたりせず、全てをそぎ落としていくと、シンプルという禊のような、ありのままの自分。