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< 映画「千と千尋の神隠し」に隠された意味!その2 >
*映画の内容を解説しています。ネタバレありです。ご注意くださいね!
今日も、映画『千と千尋の神隠し』の解説、
続きをお話ししますねー
前回のお話しはこちらです。
↓
『千と千尋の神隠し』は、なぜ?
興行収入300億円の
大人気映画になったのでしょうか?
それには、もちろん
深い深い意味があったんです!
その秘密をお話しします!
この映画のテーマは、『自分らしさを取り戻す旅』です。
だから、
自分らしさを見失った人が、どんどん登場します。
千尋、ハク、カオナシ、千尋の両親、坊、etc・・。
冒険を経て、自分らしさを取り戻していく、
その変化と成長が、観ていて面白いですね!
さて!
映画の中で、最も、
自分らしさを見失っている人といえば・・、
カオナシです。
画像:スタジオジブリHP
異様な顔なので、映画の中では、
一番目立っていたりします。
そう!
カオナシは、この映画の中では、
影の主人公なのです!
人が、最も、自分らしさを見失うと、
どうなってしまうのでしょう?
カオナシになってしまうのです!
カオナシは、心を病んでいます。
病みきっています。
病んでる状態を数値化してみましょう。
最も重い状態が5、
軽い状態が1、だとすると・・、
カオナシは、病んでるレベル5!
最大限に病み切って、自分を見失っている状態です。
カオナシは、自分が今、何を考えているのか?
何を感じているのか?も、わかりません。
だから、
「あ・・あ・・」、「え・・え・・」
しか、話せないんです。
宮崎監督が生み出した、
現代版お化けが、カオナシです。
実は、現代社会には、
カオナシ状態に陥っている人は、たくさんいます。
とある事件の中学生が、
自分を『透明な存在』と表現していました。
自分を見失って、病み切ってしまうと、
お化けになってしまうのです。
なぜ?こんな病気になってしまう人が、増えたのでしょう?
それは、『個人主義』の弊害です。
自分らしさを探しに行くと、見つからない。
自己実現を求めていると、欠乏感がずっと続く。
だから、病んでしまうのです。
個人主義という概念は、虚構なのです。
例えば、
完璧な人というものは、存在しません。
それなのに、学校教育では、
『完璧な人になれ!』と、教育されます。
国語・算数・理科・社会、全ての科目で、
もっと頑張りましょう。もっと努力しましょう。
減点方式で、人を評価するから、こうなるのです。
みんなが、100点を取る事なんて、無理ですよね。
本当は存在しないもの、できないものに、
『なれ!』と言われたら、
無理が生じて、当たり前です。
現代人の病み、この原因は、
虚構の目標を求められているから。
それで、多くの人が、自分を見失ってしまうのです。
さて、カオナシのお話しに戻りますね。
カオナシは、自分がどうしたいのか、わからない。
湯屋に来ても、中に入るか、外に出るのか、
それも、決められない。
それで、雨の中、濡れながら佇んでいたんです。
ところが、千尋が、
カオナシの存在に気づいて、声をかけててくれた。
自分の存在に、気づいてくれた。
自分を認めてもらえた。
カオナシは、嬉しかったんですね。
湯屋に入り、千尋を追いかけます。
カオナシは、蛙に出会いますが、
千尋はどこ?と、聞くことができません。
「あ・・あ・・」、「え・・え・・」
蛙に怒られて、どうしようもなくなって、
蛙が探していた砂金を、出して見せます。
自分を見失っている、カオナシでも、
相手が欲しいものは、人を観察していれば、わかるのです。
そして、
究極に自分がない状態の時、
誰もが、自分以外の誰か、になろうとします。
カオナシは、自分以外の誰か、になりたくて、
蛙を食べて、同一化を図ったのです。
蛙になろうしても、蛙にはなれず、
たくさんの人に見つかってしまいます。
砂金を見せて、
みんなのご機嫌を取っているうちに、
千尋が現れます。
カオナシは、千尋にも、
欲しいものを与えようとします。
でも、千尋は欲しがりません。
パニックになって、カオナシは、
更に、別の誰かになろうとします。
それで、また二人を食べてしまうんです。
カオナシは、千尋に
「おうちはどこなの?」と、質問されますが、
質問をされると、急に弱ります。
これは、自分の事を見つめるのが、怖いのです。
内観できない。耐えられないんです。
自分が自分を見失っている事に、直面してしまうから。
怖くて、自分の事に、目を向けたくないんです。
究極に自分がない状態。
それで、自分のことよりも、人に注目して、
人に物を与えようとします。
わかりやすい欲望なら、
簡単に、与えることができる。
でも、カオナシには、
千尋が欲しいものは、わからなかったのです。
千尋が、川の神様のお団子をカオナシに与えたので、
カオナシは浄化が進みます。
飲み込んだものを、全て、吐き出すことができて、
自分の状態に戻ります。
でも、川の神様のお団子でも、
カオナシの病気までは治せなかった。
自分を見失ってしまった、その状態は、
自分の力で、自分を見つけるしかないのです。
千尋と一緒に電車に乗り込むカオナシは、
体が透明になりかかって、透けています。
(千尋に会ったとき、すでに、、)
画像:スタジオジブリHP
これは、自分で自分を認められなくて、
透明な存在になりかかっている、
という事なのです。
危険な状態です。
自分を見失ってしまうと、
まるで、自分が透明な存在になったかのように、
そんな風に感じること、ありますね。
そういう状態をどうやって、脱するか?
それは、自分の役割を見つけることなのです。
カオナシは、銭婆(ぜにーば)の家に辿り着き、
お手伝いをして、感謝されて、
ようやく、自分の役割を見つけることができました。
それで、透明の状態を
脱することができたのです。
まだまだ、自分らしさを
見失っている状態ではありますが、
それでも、銭婆のところにいれば、
カオナシは、自分らしさを見つけることができそう。
そんな風に予感させます。
それは、なぜなのでしょう?
その秘密は、長くなりそうなので、また次回に、
また続きを、お話ししますね!
画像:スタジオジブリHP
今日も、最後まで読んでくださり