「世帯」ってひとつじゃないの?! | 生活を豊かに醸造したい(life-brew) FP/料理/craft beer/音楽/美術/身の回りや季節のこと など-

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FP事務所ライフブリューです。
2019年まで「Mr.ソトコト」で綴ったブログをFP開業を機に再開します。
FP関連の比重を高めたい!と意気込んでますが、まぁあまり気負わず続けていければ。
以前の記事も残しておきますので、よろしければご覧下さい。



皆さん、「世帯」と聞いて何を思い浮かべますか?

・同じ屋根の下に住む家族
・世帯主と、扶養している家族親族
・別居してるけど扶養している子や親

こんな感じでしょうか。

実は、社会保険で扱われる「世帯」の定義は、ひとつではないんです。
単独で使われるならさほど気にならないのですが、ひとつの制度に複数の定義が入ってくると面倒なことになります。
そんな例をひとつ。

①高額療養費
②高額介護サービス費
③高額療養・高額介護合算療養費

医療費や介護費が高額になった際、年齢や所得に応じて定められた負担上限額を越えた分が払い戻される制度です。
①②は、それぞれ医療と介護を単独で上限額以上を払い戻し、③は、①と②を合算した自己負担額が一定の上限額を越えた際に、さらに払い戻されるものです。
このあたり、けっこう手厚くなってます。

ところで、これらの制度では個人以外にも世帯全体の医療費や介護費を合計して払い戻しを申請することができます。
その時の「世帯」の定義が違うんです。

①高額医療費(健康保険)
    →同じ医療保険に入っている人
②高額介護サービス費(介護保険)
    →同じ住民基本台帳に載っている人
③高額医療・高額介護合算療養費
    →①と同じ

①は、つまり同じ家に住んでいる家族でも、祖母が後期高齢者医療制度、父親が国民健康保険、母親がA社の健康保険組合、子どもが母親の扶養に入っている場合、医療費を合算して高額医療費の申請ができるのは母親と子どもだけです。

②の介護サービス費のほうは、住民票に全員載っているなら4人分を合算できます。もっとも、介護サービス使えるのは65歳以上ですけど、考え方はそうなります。

それでも高額で負担が大きい場合は、③でさらに払い戻しを受けられるのですが、その際は①の世帯単位、すなわち加入する医療保険ごとなので、介護サービスの個人負担額も医療保険単位に集計し直す必要があります。
医療保険単位に3つに分割したら、それぞれ上限額を越えなかったりして…😑

ということで、例えば65歳以上の夫婦で片方が就業中で片方が無職なら、配偶者の扶養に入っておかないと医療費合算できないということです。

まぁ、医療費も介護サービス費も、支出が高額になる頃にはみんな同じ後期高齢者医療制度(75歳以上)になっているから問題ないでしょうけど、その前に複数の家族で高額な治療や介護が必要な場合は、合算の考え方を知っておくのが良いと思います。

ではまた。