書き手 吉崎エイジーニョのブログ -93ページ目

日曜日はつまらない?

neumarket

目抜き通りが、ガラーン


日本では、週のうちで街が一番にぎわう日曜日。
でも、ヨーロッパでは全部店が閉まっちゃう、というのは有名な話。
 
さっそく偵察に行った。

すると、ケルンの中心街「NEU MARKET(ノイ・マーケット=NEW MARKET)」も写真の通り。


こっちでは、土曜日のお昼過ぎぐらいまでに買い物を済ませて、

日曜日はかなりきっちり休むことが多いんだとか。

キリスト教の考え方なんだって。
 
ただ、筆者が挑戦する「クライスリーガC」は日曜日の試合が多い。

はやくチームを決めて、ガンガン試合に出たいもんだ。

さもなければ、つまんない週末を送るハメになりそうだ。

はじめての週末

korean

コリアンニュイな土曜日


こっちに来てから初めての週末。 ドロンと曇って、ちょっと嫌な気分になった。

周りの日本人留学生たちは、

「夏は終わりましたね。こっから、ずっと憂鬱な天気が続くんですよ。残念です」

なんて教えてくれた。嗚呼。


「PREMIERSHIP MAGAZINE」と「Number」の記事を抱えているから、気持ちが休まらない。

かといって、休みだと思うと筆も進まない。アンニュイ。

おまけに、楽しみにしていたブンデスリーガの地元チーム、1FCケルンの試合はアウエーだし。  


でも、夕食時にちょっと救われることがあった。

ケルン体育大の学生寮の前で、アジア人集団がテーブルを囲んで食事をしている。

韓国人だった。焼肉を食っている。焼酎も飲んでいる。  


韓国語でびしっと声をかけてみた。

すんごく驚かれて、喜ばれた。宴は盛り上がる。

いじられ役のドンヒョクくん(ソウル出身・写真)がベロンベロンに酔って、言い放った。 

「あ~~ 日本列島は毎年2センチずつ沈没してるって、本当ですかぁ?」  


なに~?でも、今日だけは許す。焼肉と米を食わしてくれたんだから。

こんなところで、韓国語が役立つなんて思いもしなかった。

3日め

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3つめのチーム、FCズルヨエ・ケルンの練習に参加


相変わらず、朝早くに目が覚める。

これは、すんごくいい習慣になりそうだ。

起きてすぐに、日本で未処理だった出張の精算など事務作業を片付ける。

思いっきりはかどった。んで、朝食を大学の学食でとる。

バゲットにハムをはさんだやつにコーヒー。

これでだいたい、2ユーロくらい(270円)くらい。
 
食後には「PREMIERSHIP MAGAZINE」に依頼されている、朴智星の原稿に取り組む。

http://www.aspect.co.jp/np/details.do;jsessionid=4391895441DF2E856FDAD2E857F4F06A?goods_id=668

が、こっちはちっとも筆が進まない。
彼がマンUに移籍して以来、短期間に3本か4本原稿を書いたから、悩んでしまった。

内容は出来る限り重複させたくない。

でも、同じ吉崎エイジーニョが書いている以上、まったく違うことは言えない。

うーん。担当のフジナミさん、すんません。
 
仕方がないから、その辺を散歩した。

ライン・エナギースタジアムの裏に、バカでかい芝生の公園を発見。

サッカーコートは10面以上取れそうだ。驚いた(単純形容失礼)。
 
午後はまたしても携帯電話を見に行ったが、どの機種を買うか決心できず。

こっちには「SAGEM(ザゲム)」っていうメーカーがあって、

カメラつきで99ユーロ(約1万4000円)のやつがある。

価格も機能も希望通りなのだが、ちょっと「SAGEM」っていう名前がねぇ・・・

2ちゃんねるの見すぎかな? 「sage進行」のイメージが強くて・・・

そんでもって、LG、SAMUSUNGあたりの韓国ブランドは使いたくない。

ライバルですから。
バカなえり好みで自分を苦しめている。
 
一休みをはさんで、17時からは電車と車を乗り継いで、SCズルヨエ・ケルンの練習に参加。

到着直後からの練習参加ラッシュは、今日で締めくくりだ。
 
練習場に入った瞬間から、雰囲気が前の2チームとはずいぶん違った。
監督がノリノリで練習を煽っている。
 
んで、練習後にその監督( 写真)からすごく嬉しい言葉をかけられた。
 「チームに入れよ。選手登録用の写真を持ってこい。

希望するなら、次の上のチームを探してやる。

でも、1年はここでプレーするんだ」
 
滞在3日めにして、オファーをもらったぞ!

内心、どこのチームからも相手にされなかったらどうしよう?

とビクビクしてたから、ホッとした。 

んで、事の顛末はどうなったかってのは・・・

詳しくは、「Number」を読んでください。


今日で、「突撃エイジーニョ(Numberの連載・今回の挑戦記掲載中)」の

9月分に入る取材(=プレー)は終わり。

担当の中村さんに原稿のあらすじをメールで入れた。


すべてを終えて、はじめてケルンの地ビールを口にした。

アルコールの味はあんまり分からない、

味覚おこちゃま男の筆者でも、ちょっと美味いと思った。


いい1週間の締めくくりだった。

滞在2日め

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2つめのチーム、ユンカスドルフの練習に参加


午前5時か6時くらいに目覚めた。

当然、日本時間が体に残っている。

こっちでは早起きなんだけど、日本ならテレビでタモリか小堺が出ている時間帯だ。

起きてすぐに、日本から引き継いだ「SOCCERZ」の原稿を執筆。
横浜の中澤選手について書き上げた。
 
http://www.aspect.co.jp/np/details.do;jsessionid=4391895441DF2E856FDAD2E857F4F06A?goods_id=667
ちゃんと労働しないと、ここでサッカーを続けられないのだ。
 
午後は、街に繰り出して、生活基盤づくりの準備に入る。
まず、調査したのは携帯電話。

プリペイドの機種を何個かチェックした。

通話だけの機種なら、30ユーロ(約4050円)から。

カメラがついてくると200ユーロ(約2万7000円)なんてのもある。
来年のワールドカップの時、

短期滞在者もプリペイド携帯の契約が可能かは、追って調査しときます。
 
一休みして、夜7時からは、2つめの練習参加クラブ、ユンカスドルフの2軍に顔を出した。

「ボルシア~」とは路面電車で3駅の場所にある、歴史あるクラブ。

2軍はクライスCだが、1軍は4部に所属していて、サポーターもいるそうだ。
 
前日とは打って変わって、ちょっと重苦しい雰囲気だった。

ここでも同じく、しっかりと握手をして挨拶を交わし、

名前を名乗っていくんだけど、ちょっと距離感を感じる。

外国系の選手も混ざっているようで、中東系、トルコ系の顔立ちが目立つ。
 
練習前、チームメイトにポジションを聞かれ「セントラルMF」と答えた。

前日の練習で思ったより自分のプレーが出来たから、思い切って言ってみたというワケ。

やっぱり、真ん中をやってみたいという希望はある。
 
しかし、練習に入ると軽いショックを受けた。

紅白戦で「浮き玉のパスは禁止」というルール制限を理解できず、チームメイトがキレた。

これに恐縮すると、パスミスを連発。タックルでも何度も倒された。
 
何より、真ん中のスペースでパスを受けてボールを止めた後に、

相手のゴールの方向に振りむくことが出来ない。

やっぱり、太ってるから?

いやいや、理由は2つあると分析している。

①相手選手のいない場所を見つけ出せない。

いわゆる「スペースがない」ってこと。

アジアの小柄な選手は、相手から逃げてボールを受けないといけないのです。

ぶつかられると、ボールを取られちゃいますから。


②ボールを受けて、前に振り向くスピードがない。

んで、スペースがないと、どうしても相手のいる場所でボールを受けないといけない。

スピードがあると、相手がぶつかって来ても、かわせるんだけど


・・・やっぱり、太ってるからだ。
 
この日の教訓。
真ん中でのプレーは、ひとまず封印しよう。
左サイドで勝負することにした。

前日のチームとあわせて見る限り、左の選手がいない。
そういえば、2004年の秋に「サッカーマガジン」で車範根

(チャ・ボングン=80年代の韓国のストライカー。ドイツのリーグで活躍)

の記事を担当したときに、こんな話が出てきた。


 「ドイツは専門性を重要視するから、欠点を敢えて直そうとはしない。

左足が蹴れない選手には

『右の専門家になれるはず』と指導してきたんです」

たった2回の練習参加だけど、これは実感できた。

みんなほとんど左足は使わない。


オレは、走れない、跳べない、蹴れないの3拍子そろった駄馬だけど、

唯一自信があるのが、右利きなんだけど左足が蹴れるということ。

2歳下の弟は左利きだし、自分自身も水泳の呼吸と、針の糸通しという

妙なポイントで左利きだったりするのだ。うん、これで勝負しよう。
 
そんなことを思いつつ、練習終了後、居合わせたチームの理事に聞いた。

ここに入団できるでしょうか?
「あと、2~3回見ないと分からない。そこで話し合おう」

うーん、シビア。今日のプレーの感じじゃあ、無理かな?
長い一日だった。

初日の練習終了!

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メンバーとパチリ。中央がトーマスで正面左がユリアス


長い一日が終わった。

トーマスは真ん中のMFでしっかりボールをつなぐスタイルだった。

パスを預けてもよさそうだ。


んで、ユリアスはDo・He・Ta!!

練習中に、しんどかったのか、座り込んだりしていた。

レアル・マドリードのシャツを着ていて、

最初は「いいのか?ライバル国のチームじゃないのか?」

なんて思ったりしたが、なんともないそうだ。


まぁ、下手なんだけど、すごく開き直っていて、「俺はサッカーがしたいんだ」

ってな雰囲気だった。

ちょっとホッとした。

こういう都合のいいことは、見習っていこう。









初練習!!

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人工芝のピッチです


9月7日、午後7時。ついに初練習に参加した。

海外移籍を思い立ってから4ヶ月。

緊張するかな?と思ったけど、12~3人しか人がおらず、

ちょっと拍子抜けしたくらいだった。


何より、すごくリラックスして練習に入れた。

初対面の人にはみんな名前を聞いてくるし、

しっかり笑顔で握手するのがこちらの習慣のようだ。


トレーニングの入りは、4対2のボール回し。

4人が適当な四角形をつくり、その中に鬼の2人がDF役として入る。

外の4人は、ボールタッチ1回、2回などの制限を課されながら

鬼の2人にボール取られないようにする、というやつ。

記念すべき最初のボールタッチは右足インサイドでのダイレクトパスだった。

これに成功すると、さらに緊張が解けた。


その後は、ダッシュ系のトレーニング。

ピッチの両サイドラインの間を、徐々にスピードを上げて走ったり、腕を回すストレッチを入れがら

走ったりする。合計で、10往復くらいした。


そのあとに、やっと、ストレッチ。

最初にしろよ!って思うけど、こちらの習慣はこうらしい。

「郷に入らば、郷に従え」なんだけど、これからはちょっと練習に早めに来て、

自分でストレッチをしていかないと。

ヨーロッパの人とは食ってるものが違うんだから。


そしてそして、最後にハーフコートでのゲーム。6対6の対戦だ。

一回ボールを受けると、2回のボールタッチのうちにパスを出さないといけない

というルール制限が。


ポジションは、なんとなくだらーんと決めているようだった。
アジアの新人の筆者は、前半は右、後半は左のサイドに入った。

「最初は外」んで、「慣れたらまん中で」なんてイメージを勝手に持っている。

んで、中に切れ込んで、シュートも決めた。

意外と出来るもんだと思ったりした。


ただし、真中のスペースでボールを受けて、前を向こうとすると、全部潰された。

スペースがない。

体格差がある相手とぶつかるのが怖い。

筆者が太ってるなどの理由が考えられる。

これも、初日の練習で得た収穫。

「海外組」としての課題になりそうだ。


















ワールドカップスタジアムなのだ!

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練習場の真横が、ケルンのワールドカップスタジアム!


ライン・エナギースタジアムです。

ブンデスリーガ1部・1FCケルンのホームスタジアム。

みるみるテンションが上がります。


頭の中では、バカボンのパパの出身大学・バカ田大学の校歌が

グルグルと回っていた。

♪都の西北 早稲田の隣・・・バカ田・バカ田・バカ田・・・っていうやつ。


このチームに入ったら、「ワールドカップスタジアムで練習してる」と

吹いてやろう。隣なんだけど。






練習参加クラブ その1

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SCボルシア・リンデンタール・ホーエンリンド


ケルンのワールドカップ会場「ライン・エネギースタジアム」のすぐ横にクラブハウスがある。

クラブハウス?そう、10部のチームなのに、立派な建物があるのだ! 

ロッカールーム・シャワーだって、完備している。


このチーム、じつは、1928年設立の由緒あるクラブ。

リンデンタールもホーエンリンドも地域名で(現在のクラブハウスから少し離れたところ)

成人チームが1軍から4軍、その他にユースのチームが活動しているのだ。


筆者が挑戦するのは、ここのチームの3軍。

レベルはどんなもんかな?


ドイツサッカー初挑戦まで、本当にあと数百メートルまで来た。

「海外組」挑戦ルールその2

もう一つ、大事なルールがありました。


「移籍」についてです。

シーズン時期は8月末から翌年の5月末まで。

途中、12月中旬から2月くらいまで休みになる。

寒すぎるから、ウインターブレイクというワケ。


この休みの時期のうち、12月中旬から1月中旬までが、なんと、「移籍期間」だと言うのだ!

これ、ばりばりのトップ・ブンデスリーガと同時期なのだ。


中年オッサンもゴロゴロしてる我がクライス・リーガでも、移籍は活発に行われるという。

「調子いいから、上のチームに行ってくる」ってな感じで、

キオスクのおやじ兼選手が、チームを出て行ったりする。


しかも、下のリーグでもいいスポンサーのついている金持ちクラブというのがあるらしく、

そこには、人気が集まるそう。ジャージやバッグが支給されるのだとか!


筆者は、1シーズンしかこの場所にいられない。

まずは、入団するクラブをはやく決めよう。

そして、1度だけの移籍チャンスを行使するかどうか、じっくり考えるのも

「海外組」の喜びってもんだ。


ダルそうな表情の筆者。ケルン中央駅にて。

本文とは関係ありません

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「海外組」挑戦ルール

ドイツに着いて、ようやくこの挑戦の全体図も見えてきた。

出発前から練習参加のアポを入れていたクラブは、「クライスリーガC」所属。

高原直泰(ハンブルガーSV)のいるブンデスリーガ1部から数えると・・・

実に10部相当だってことが分かった。


あんまりレベルが高くて試合に出られないのもイヤだし、

一番下のリーグまで、自分を下げたくはない。

だから、この10部がちょうど良さそうだ。


ドイツのリーグの構成は、こんなふうになっている。

1部 「ブンデスリーガ1部」

2部 「ブンデスリーガ2部」


完全なプロリーグはここまで。

以下は、こんなにたくさんのリーグが存在している。


3部 「レギョナル・リーガ」・・・英語でいう「regional=地域の」。

プロ・アマ混在のリーグで、 ドイツ国土を南北に分けたリーグが存在する。

4部 「オーバー・リーガ」・・・ドイツの各州を、2つに分けてリーグを戦う。

5部 「フェアバンツ・リーガ」 (説明が長いので省略。以下同)

6部 「ランデス・リーガ」

7部 「ベツィルクス・リーガ」

8部 「クライス・リーガ」


クライス・リーガは、さらにレベルに合わせて上から、

AからDまでのカテゴリーに分かれている。つまり・・・

A=8部、

B=9部

C=10部相当ってこと。


かなり下のリーグなんだけど、一番低いわけじゃない。

ケルン地域にはDのリーグまであるのだ。下から2番目のリーグってことだ!


細かいことは、まぁ、いい。

さあ、行こう。

夢にまで見た「海外組」は目の前だ。


初日の練習集会場の近く・ケルン体育大の駅前。

「森の中にある大学」ってな風情であまりに美しい。

良すぎる

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